経済産業省
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企業価値研究会(第23回)‐議事要旨

日時:平成19年10月26日(金曜日)10時30分~12時30分
場所:経済産業省本館17階西6第1特別会議室

出席者

神田座長、赤井委員、蟻川委員、石綿委員、梅本委員、大杉委員、久保田委員、柴田委員、高山委員、武井委員、徳本委員、西川委員、萩尾委員、畠山委員、藤田勉委員、藤縄委員、星委員、松古委員、松田委員、柳川委員、矢野委員、他

議題

  1. 「実際の買収局面(いわゆる有事)における買収者側及び被買収者側の行動のあり方」について

議事概要

「実際の買収局面(いわゆる有事)における買収者側及び被買収者側の行動のあり方」について、藤縄委員、武井委員、石綿委員から問題提起を行った後、その内容を受けて自由討議を行った。委員による問題提起及び討議の主な内容は以下のとおり。

買収防衛策の本旨・全体論

  • 買収防衛策の本旨は、とりあえず買収者をストップさせること。米国では一次的な判断は取締役会が行い、最終的な判断を株主が行っている。他方、我が国では判例の影響もあり、株主意思重視となっており、何らかの示唆が必要。
  • 買収者を一時的にストップさせるとの観点から考えれば、金銭補償も不要。補償を行った場合、濫用的買収者に対する抑止力がなくなる。
  • 株主意思を重視する裁判所の考え方は、企業が株式持ち合い再構築を含む安定株主工作を行わざるを得ない状況を作り出してしまっている。
  • 買収防衛策の発動に際し金銭補償を行ったことを裁判所は認めているが、グリーンメーラーを認めないといけない国は、おかしい。

株主意思の重視について

  • 司法判断は、株主による判断を重視しているが、これが持ち合い復活の動きを加速化させている。買収防衛策より株式持ち合いを進めるとの動きを抑止する方向で考えるべき。特別決議を通せる株主構成になっていれば、盤石な防衛体制がとれているといったおかしなことになりかねない。
  • 株主意思の反映のあり方として、株主総会特別決議が必要ではないことを明確にすべき。
  • 取締役の選解任は、普通決議。この点を鑑みても、防衛策への株主意思の反映としては、特別決議ではなく、普通決議で良いはず。
  • 導入時点で株主総会の承認を経ないといけないとすると、ますます、本来本当に防衛策を必要としている企業が、その株主の構成上、総会で承認が得られないとして、導入できずにいることになってしまう。
  • 宣言的決議の位置づけを明確にすべき。法的な根拠がないことは理解しているが、会社側は決議を通すために、会社法上の決議と変わらない大変なプロセスを経ている。このようなことに法的な効果がないというのは、企業の認識とずれている。

取締役の義務について

  • 防衛策の導入、発動の判断は、第一次的には取締役が判断すべき。ブルドック東京高裁の判決においてステークホルダー論が展開されたが、株主にステークホルダー全体のことを考えろ、というのは無理がある。
  • 買収提案があった際に、会社役員が果たすべき義務を明示する必要がある。明示しておかないと、何でも株主総会で判断すべきということになってしまう。会社役員の判断が信頼できないというのは、鶏と卵。

買収提案を判断する特別委員会について

  • 多くの会社が設置している特別委員会について、こうあるべきというのを示すべく、検討を深める必要がある。

買収者に対する金銭補償について

  • 金銭補償は望ましくない。
  • 米国では、買収者に対する希釈化の制限もなく、これに対して損失補填をすべきという議論はない。金銭補償をすることは、買収者側が交渉に応じたり、支持を得られない場合は撤回するといったインセンティブが働かず、米国型のライツプランの基本的枠組みと矛盾する。
  • ライツプランは、一時停止をさせて、株主が判断するための土俵を作るもの。金銭補償を行わないことは、これを達成するために必要なことであり、逆に金銭補償をすることは、却って発動を誘発する。

株主への方針提示について

  • 買収者が、買収後の事業計画を何も示さないのは、株主にとって問題。
  • 買収局面における当事者の情報開示のあり方を議論すべき。

その他

  • 防衛策にだけ頼ったやり方には疑問。買収者の行為規制でやっていった方がよいのではないか。
  • 全部買付義務の基準を引き下げることについては、友好的買収への阻害効果、TOBだけで株主意思を問う危険性、規制としての実効性、運用の複雑化等の点から、反対。
  • TOBには、構造的な欠陥(強圧性等)があることから、必ずしもTOBでの株主の判断が企業価値を高めるものにはならないことには注意が必要。
  • TOBには強圧性があり、また、経営陣が敵対的買収への対抗策を構築・提示するには、一定の時間がかかる。TOBが買収提案の是非を検討するにあたって適切なフォーラムではなく、不完全な場である。

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最終更新日:2007年7月27日
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