経済産業省
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企業価値研究会(第25回)‐議事要旨

日時:平成19年12月12日(水曜日)16時~18時
場所:経済産業省本館17階西3国際会議室

出席者

神田座長、赤井委員、蟻川委員、石綿委員、梅本委員、大杉委員、小野坂委員、佐山委員、高山委員、武井委員、寺下委員、徳本委員、西川委員、萩尾委員、服部委員、藤田勉委員、藤田友敬委員、藤縄委員、星委員、松古委員、松田委員、柳川委員、矢野委員、他

議題

  1. 上場会社による種類株の発行について

議事概要

事務局より「上場会社による種類株の発行に関する提言(案)」について説明を行った後、討議を行った。主な討議内容は以下の通り。

  • 多議決権株式の発行や無議決権株式の上場は、IPO、MBO後の再上場、戦略的提携や企業再生時にニーズが高く、証券取引所においては発行目的に制限を加えない形で早急に制度を整備してもらいたい。また、新規上場時においては、より緩やかな規制でよいのではないか。
  • 多議決権株式を買収防衛に活用しようという機運が高まることを懸念。この研究会ではライツプランの実効性をより高めるという努力が必要。
  • 多議決権株式については、弊害防止策を講じたとしても、敵対的買収を困難にするので原則として慎重であるべきと考えるが、市場の監視等もあり、それほど多用されないのではないか。
  • 多議決権株式が有効な機能を果たす可能性があることは事実だが、全上場企業に対して多議決権株式の発行を非常に緩い条件で認めることについてはリスクがあるのではないか。
  • 優先株の場合は議論の内容が違ってくるので、同列に議論すると違和感がある。また、弊害防止策については、新規上場の場合と既上場の場合で要件のレベルが違っていても違和感はない。
  • 種類株の規制としては、1番目に入口としての上場規則での規制、2番目に法律上の規制、3番目にマーケットメカニズムがあるが、入口の上場規則は厳しくしなくてよい。種類株発行の目的およびそれとの相当性の判断も上場規則のレベルではない。IPO時の種類株発行については既存株主に対する悪影響が極めて少ないので、かなり緩く認めてよい。米国の取引所ルールは、会社法上取締役会が幅広く種類株を発行できることを前提としているが、日本の場合は株主総会が要求されるところが米国と大きく異なる。
  • 経営者の種類株への関心は、手っ取り早い買収防衛策としての利用ではないか。また、種類株を認めるなら、弊害防止策の議論の前に、独立社外取締役の導入などコーポレート・ガバナンスの充実に手をつけることが先決。
  • 種類株に対する企業ニーズの第一は資金調達であり、さらに多議決権株式の場合は戦略的提携や事業再生。特にニーズがあるのは既上場会社による多議決権株式の発行。ハードルが高いので買収防衛策としての利用を考えている会社はない。
  • 無議決権株式や新規上場会社による多議決権株式の発行の場合、ここまで厳しい基準を設けるとニーズが減る。長期的なステークホルダーという観点からは、サンセットの期間も10年や15年など比較的長い方がよい。
  • 買収防衛とはまったく関係ない、資金調達目的で社債型の優先株を発行する場合や事業再生の場合などは、あまり弊害防止策を求めなくてよいのではないか。
  • 新規上場の促進や資金調達の多様化の点から、種類株の上場を広く認めることに賛成。多議決権株式が第三者に譲渡された場合の普通株への強制転換については、買取請求権を認める程度の柔軟な対応で十分ではないか。また、日常業務の執行における独立委員会の活用は実効性に乏しい。
  • 弊害防止策を講じた上で、種類株の活用可能性は残すべき。また、種類株に関する情報は入手しづらいので、ホームページでの説明など、一般投資家が情報を容易に入手できる方策を提言することも必要。
  • 立派な創業者がいて良い技術を保有している企業が育つ機会をなるべく与えるため、新規上場については緩やかな条件で認めるべき。既上場企業については既存株主への影響が無視できないので、もう少し慎重に考えるべき。
  • 新規上場の場合や既上場会社が無議決権株式を上場する場合は緩やかな条件で認めるべき。既上場会社が多議決権株式を発行する場合でも、株式買取請求権を発生させ、かつ、別の名前のついた市場に移らせれば、弊害防止策は一切いらない、とした方がよい。
  • 「支配権の濫用」「敵対的買収の困難化」の観点からは、IPOとそうでない場合、程度の差はあるかもしれないが、ロジックとして全然別というわけではない。また、例えば社債型優先株の場合、支配権濫用により損害を受けるおそれはあるが、敵対的買収との関係では問題ない。
  • 一株一議決権の方が100%パフォーマンスがよくなるというわけではないので、種類株を全面的に禁止することは適切ではない。また、発行目的を事前に制約するのは論理的に問題。
  • 種類株を発行することは株主の権利であるうえ、株主総会のチェックと一般投資家のチェックが入り簡単には使えないことから、弊害防止策はできるだけ小さい方が株主のためになる。

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最終更新日:2008年1月10日
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