経済産業省
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ソーシャルビジネス研究会(第3回)‐議事要旨

日時:平成19年11月21日(水曜日)16時30分~19時
場所:経済産業省別館9階各省庁共用944号会議室

出席委員

谷本座長、井上委員、駒崎委員、佐野委員、鈴木(均)委員、竹内委員、土肥委員、永沢委員

議題

ソーシャルビジネスをめぐる課題と支援策について
(委員からのプレゼンテーション)

議事要旨

永沢委員、町村常務理事からのプレゼンテーション

1.中間支援のあり方について

  • 日本版SB(ソーシャルビジネス)=CB(コミュニティビジネス)という指摘があったが、それは日本だけの特徴ではなく、イギリスやアメリカの社会的企業も地域に密着している。SBは地域の特性を受け社会的課題に対応するものだ。
  • またSBやその中間支援は欧米でもそれほど強いわけではなく、地域、行政等の支援が必要。
  • SBへの支援方法については、どのように支援すれば効果が大きいかを意識する必要がある。支援にあたってはクラスターとしてお金を出す人、知恵を出す人、ネットワークをつなげる人、行政とSBをつなぐ人、金融機関とSBをつなぐ人など、ただでさえ少ない地域のリソースをいかにつなげるかが重要。そのためには中間支援組織で知恵を持った人材が活動できるようにする必要がある。
  • 事業のミッションに社会性があったとしても、事業実行の段階では具体的フィールドで行う必要があり地域性が出てくる。また事業性については、「ビジネス」をどのように捉えるかという問題にもなるが、社会や行政の賛同を得ながら複合的に収入を得ていくのが現実的なSBの生き残り方だと思う。
  • SBがビジネスとしてのスケールや質を確保するためには様々なビジネス資源が必要。その中で大企業とSBの連携については、松下電器とグリーンピースによるノンフロン冷蔵庫の開発、障害者がつくった雑貨へのフェリシモによるデザイン付与と通販など様々な取り組みがあり、こうした動きを後押しする必要がある。
  • 企業がSBを支援するにあたっては小さくとも収益性のある事業モデルを構築する必要があり、企業にとってどのようなメリットになるかを説明できないとSBへの支援は難しい。
  • SBのイメージがプレゼンによって異なっているのではないか。主婦や中小企業のOBが起業して大企業と提携したり、ファンドから投資を受けたり、ということは考えにくく、むしろ助成金が必要なのではないか。規模や成長段階に応じた支援が必要。
  • マーケットの広げ方について、草の根を増やしていくか、投資をしていくか、やり方は色々ある。投資のポイントは、その事業のスケールが大きくなるかどうか。社会的課題の解決モデルが明確な場合は投資しやすい。
  • SBの効果について、数値化は難しい部分もあるが目に見える形にする必要があり、可視化の方法について今後検討していく必要がある。
  • 社会的企業支援のポイントは資金にある。ファンドを検討するにあたってはファンドの規模をある程度想定しつつ議論する必要がある。
  • イギリス政府では社会的企業のために1千万ポンドのファンドを準備している。数十億円規模で考えたとしても現実的にはソーシャルリターンをどのように考えるかなど難しい部分もある。

2.法人格について

  • イギリスにおいては、チャリティと営利企業の中間となるような、社会的企業にフィットする法人格(CIC)を準備して、社会的企業の促進をしているが、日本においてそうした法人格の必要性についてどのように考えられるか。
  • 例えば産後のお母さんの支援団体について、事業収入もあるが、寄付も必要な構造になっている。ぴったりとフィットしたステータスがないため、適切な法人組織が必要。
  • ソーシャルビジネスを行うに当たってLLP、LLCも利用可能のように思うが、活用されていない。既存の法人形態の活用を考えることも必要。

3.自治体によるSB支援について

熊谷部長によるプレゼンテーション

  • CBを支援する中での経験則として、ビジネスの知識がないまま事業を始めてしまい、資金計画等の意識が弱いことから負のスパイラルに陥ってしまう人がいる。個人事業主がビジネスを始めるのと同じような課題を抱えているという印象を持っている。その意味で、SBについても中小企業支援の枠組みで支援していきたいと思っている。
  • ビジネスセクターでの経験有無など事業主のバックグラウンドは様々で、500人の様々な専門家がいるのでそれらをシームレスにつなげる形で支援体制を考えたい
  • 一方で、これまでのビジネス支援の専門家は、社会性をどうビジネスにつなげるのかについては経験がない
  • 大阪府で実施しているファンドの採択基準は、ビジネス性、新規性、継続性、地域性で、社会性は地域性の中に含まれる。

4.SBの資金調達等について

駒崎委員によるプレゼンテーション

  • 「ソーシャルファンド」の提案と事業型NPOであることのメリット・デメリットを示してくれた。NPOの組織の限界についてはイギリスのCICのようなものができれば、ある程度解決されるのではないか。
  • 通常のベンチャーファンドや中小企業支援の金融の仕組みはあるが、SBはフィットしていない。ソーシャルな部分をターゲットにおくと市場性が高いとはいえず、資金が十分回らない。
  • コミュニティビジネスの中間支援として資金調達の相談はほとんどない。地銀、信金でも資金ニーズがない様子であり、ファンドを作ったとしても借りるニーズはどの程度あるのか検討が必要である。ファンドによる資金支援だけではなく、トータルなハンズオン支援があって初めて活きてくるのではないか。
  • 市民バンク、市民ファンドの審査基準を分析したことがあるが、運用益が小規模なために、ハンズオン支援まで拡大できていない。経営支援は小規模資金では困難であるのが実態。
  • 企業側としてはソーシャルファンドへの寄付は株主への説明責任の観点から難しく、投資なら可能かもしれない。
  • 資金ニーズは、レイヤーによって異なる。事業モデルの構築及びその展開を目指すような企業には資金ニーズがある。またSBは自ら収益性の低い領域で活動している部分がありリターンについてはそもそも限界がある。
  • ファイナンスリターンは出やすい分野とそうでない分野があり、アメリカでは後者における投資はほぼ寄付と同義と捉えられている。事業ノウハウのパッケージ化には労力とお金がかかるため社会的投資が必要なのではないか。またアメリカの場合、創業する人と事業展開する人が別な場合があり、そうした役割分担によるビジネス支援を考える必要があるのではないか。
  • アンケートを行うと資金が無いなどの意見が多く出てくるが、そもそも経営ノウハウがないから、お金が足りなくなったりお客がいなくなったりするのではないか。この段階で資金提供をしてしまうと、失敗を大きくしかねない。まずは経営ノウハウをきっちり教えてあげた上でのファンドが必要と考えられる。
  • ファンド組成については行政が関与することが必要ではないか。完全に民間から資金を集めるのは困難だろう。企業や市民が、損金参入が認められるから寄付するとは思えない。民間の金融機関からお金を集めるのであれば、アメリカのCRAのように強制的に資金供与するような形でないと難しい。ただし、相手先の選定にあたり関与する人数が多いと、最大公約数的な団体が選定されてしまう。
  • 地域振興のためには、地域のネットワークが必要。大阪のファンドは地域の有識者や専門家が集まり、その地域で解決すべき課題は何かによって優先順位が決まるという枠組み。地域によって違うが、選定に関わるのは約20人。
  • ファンドについては、社会的リターンの評価の方法が検討を要する課題。定量化には限界があるため定性的な評価も交えて中間支援団体などが第三者として評価するという枠組みが考えられるが、社会性の分野は公共のお墨付きが必要ではないか。
  • 社会的効果については分野を絞れば評価がしやすい。例えば、アメリカのREDFではSROIという手法で社会性を数値評価しているが、社会的弱者を雇うSBに限定して投資をしていたので評価が可能だった。評価がないことの問題点は、撤退のタイミングが見えないこと。ニーズがあるからといって、バーンアウトするまでやってしまう。
  • 社会性評価についてはイギリスなどでも検討されている。いいことだからということだけでお金を集められるものではない。またただ資金さえあればよいということでもなく、マネジメント支援やハンズオン支援が必要。政府が大規模なお金を投入しても、補助金がなくなったら終わってしまうということがこれまでもあった。これらを踏まえた支援策を考える必要がある。

以上

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最終更新日:2007年12月10日
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