経済産業省
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ソーシャルビジネス研究会(第4回)‐議事録

1.海外におけるソーシャルビジネスとその支援に関する報告

資料1の説明

谷本座長
同じようにソーシャルエンタープライズとか、ソーシャルビジネスという言葉を使っても、国によって事業背景、制度的背景などが違い、まったく同じものを指しているということでない場合もある。我々はどこかを参考にするというよりも、広くいろいろな地域の活動を参考にしながら見ていきたい。

2.国内事業者アンケート結果報告

資料2の説明

谷本座長
これまでの経緯から、地域づくり、まちづくりを中心とするコミュニティビジネスの広がりが色濃く出た結果となっている。コミュニティビジネスよりもう少し広いソーシャルビジネスが定着するのはまだまだこれからという感じがする。

3.中小企業基盤整備機構より支援活動の紹介

資料3の説明

村田理事
ファンドはNPOも対象となるが、最終的な判断は無限責任組合員に委ねられる。したがって、ビジネス性が担保されていないと、投資が行われない実態がある。

谷本座長
ビジネスマッチングについてソーシャルビジネスなどのコーナーを設けて集めるという方法はできないか。

村田理事
例えば、個人の方でもいいアイデアがあって資金調達先を求めてマッチングニーズがあれば、今のベンチャーフェア等のスキームの中で対象になる場合もある。
ファンドの規模について、有限責任組合のファンド総額は2000億円、そのうち約半分を中小機構が出資している。スタートアップ応援型ファンドには約1200億円を出資している。

4.ソーシャルビジネス(SB)の課題と支援の方向

資料4の説明

永沢委員
大前提となるソーシャルビジネス支援のねらいと必要性のところで、本研究会の成果目標が明確になると支援策が見えてくるのではないか。目的は、地域活性化か、SBの数の拡大か、モデルづくりか。それによって人材育成、資金調達の支援など変わってくる。

谷本座長
ソーシャルビジネスを広く日本で振興させていくことが大きな目的ではないか。

永沢委員
例えば1つのSBが大きく成長する際に他企業やベンチャーキャピタルの出資が多い場合、私益を追求することになり、本来の社会性から乖離してしまうことが危惧される。社会的な効果を見込むのであれば、公共機関との連携を強める必要があるのではないか。

谷本座長
今の投融資の枠組みの中では、社会性の評価がなされていないため、ビジネスの側面だけが評価されている。現状の枠組みを広げる可能性を検討できないだろうか。

永沢委員
現在CBについては、一般の人が参入したいというニーズが増えており、地方自治体や信金などがその部分に対して期待をしている。
また、国とソーシャルビジネスを線でつなげて国から一元的に補助金を出すのか、あるいは地域など様々な連携も絡めた形の政策を形成するか、というときに社会のニーズを踏まえると地域などをうまく掛け合わせた政策づくりが重要ではないか。

竹内委員
SBはこれから始めようという方から、すでに始めている方まで、多様である。その支援体制が基本的に脆弱であるため、この研究会ではまずその部分から整備していくことが必要ではないか。
事業がまだ始まっていないのであれば、認知度向上が重要な支援策になるだろうが、すでに始めている人もいるので事業支援等と同時進行で行う必要がある。
また重点ポイントは事前には測りにくいため、まずは試行錯誤が必要ではないだろうか。
SBは社会的活動であるがビジネスとして成り立たせるのは難しいのであれば、なぜ行政が事業実施しないのか、と思われてしまう。例えば、行政であれば公平性の観点から対象を限定することが難しいが民間なら可能、といったように、単に行政のスリム化というだけでなく、SBを民間で育てていく必要性を説明する必要がある。
支援策の項目の順番について検討が必要と思われる。資金調達がトップだとお金が全てという印象を持たれるのではないか。事業支援や人材育成の重要性を伝えたい。

鈴木(政)委員
SBは雇用創出につながる実績を出さなければならないと個人的に考えている。SBは利益や配当を出しても良いのではないか。NPO法人の形態では役員に給与報酬等に制約を感じる。SBを立ち上げていくためには新しい法人格なりを検討してもいいのではないか。

曽根原委員
11月末に内閣官房から「地方再生戦略」が出たが、それとSBの検討のすり合わせが必要なのではないか。

横田課長
地方再生戦略では、増田大臣の下で、関係省庁間で緊密な連携を取り合い、パッケージとしてまとめようとしている。本研究会での議論は、経済産業省で実施できるものもあれば、オブザーバーで参加している他省庁で展開可能な点もあると思う。

鈴木(均)委員
課題には今後に向けての課題のほか、現状の問題点についても盛り込んだほうが、第三者(外部の方々)が見てわかりやすいと思われる。

佐野委員
事業者アンケートを踏まえると、SBは地域活性化やまちづくりとの関係が非常に深いように思う。ソーシャルビジネスを日本の社会でどのように立ち上げるのか、この点を研究会ではっきりさせておくべき。
NPOも含むソーシャルビジネスに資金が流れていないことが最大の課題だろう。事業環境を取り巻く基礎的課題と資金調達が重要と思われる。
資金の流れにはコミュニティレベル、インターコミュニティレベル、社会レベル、国レベルがあり、それぞれのレベルで制度等考えられることがあるのではないか。

山口委員
資金調達の仕組みさえうまく行けばソーシャルビジネスがうまく行くわけではない。担い手を増やすということが重要だが、大きく成功を収める例は極めて少ないので、ミスリードしないようにしなければならない。
SBというカテゴリーの明確化と必要性を整理する必要があるのではないか。またSB向けという特徴のある事業支援や人材育成が必要ではないか。
分かりやすい事業モデルが必要ではないか。完成形のモデルを作るより、たとえば立ち上げ期にある企業をモデルとして設定し、起こりうる課題を想定し、それに対応する支援策をこの研究会の結論として提示すればいいのではないか。成長期にある場合のモデルも同様。

土肥委員
現場の人が混乱しないように、なぜソーシャルビジネスという枠組み・概念が必要なのか、丁寧に説明した方がよい。
新しい法人格について法人税制に関係させる形で議論するのは現状では難しいかもしれないが、法人格と税制面の関係性を含めて、新しい法人格の可能性に言及することも今後必要ではないか。

鈴木(政)委員
ソーシャルビジネスはまだ認知度が低いので、PRが一番重要だと考える。言葉を並べるだけではなく、事例を挙げておくべき。
イギリスで実施されているようなSBを紹介する大使を任命し、社会的認知度を向上させるという施策は面白いと思う。各地域で大使を任命してPRしてもらえばよいと思う。
国として、あるいは研究会の成果として、委員が主体となった講座を作って、人材育成につなげていく教育的な制度があればよいのではないか。

永沢委員
日本において「ソーシャル」といセクターは、ほとんどボランティアであり、寄付文化も無いことからソーシャルな活動団体は補助金に走ることが多い。それ以外の自主事業については、行政との競合や採算性の厳しさから中途半端になりがちである。
単純に人を育成し、支援し、資金支援をするという枠組みでは、本人がベンチャー的にリスクをとるという話になってしまうため、支援策の中に今ある資源を活用すると言う意味でネットワークの形成を入れたほうが良い。

鈴木(均)委員
雇用の創出という視点を入れておくことが重要。給与も十分払えないという状況が事業者アンケート結果から出ており、ソーシャルビジネスの継続性が確保できていない。受け皿となるソーシャルビジネスのサスティナビリティを確保しなければ、地域のサスティナビリティに貢献できない。

山口委員
資金調達のところで、公的機関によるお墨付き、行政からの業務発注のように、行政主導となってソーシャルビジネスが発展するのは健全ではない。行政主導ではなく地域の住民や関係者の創意工夫や支援、参加のもとでソーシャルビジネスを実施する主体の自立性を担保すべき。

永沢委員
ソーシャルビジネスの展開方法については、それぞれの地域の優先課題とニーズがあるため、地域からの発案や意見を集約しながら展開しないと現場には落とし込めない。

竹内委員
金融機関としては、公的機関によるお墨付き、行政からの業務発注があると貸しやすいとあるが、それは確実な収入源を持っていると判断できるためであり、行政からの業務委託を積極的に実施すべきということはない。
信用保証協会による債務保証があれば、金融機関はリスク無く貸し出せるので、草創期のソーシャルビジネスの資金調達の可能性が高まるが、審査が信用保証協会頼みになると金融機関にソーシャルビジネスの審査基準のノウハウが蓄積されない。
人材育成について、キャリア教育を実践しているNPOはある。しかしその体験学習の中でCBやSBに行くという話は基本的に無く、インターンシップは必要であるが、現状ではそもそも受け入れられるソーシャルビジネスがまだ少ないのが課題ではないか。
法人格について、NPOな法的な制限が様々あることはわかるが、株式会社ではなぜだめなのかがわかりにくい。ガバナンスの問題が出てくる可能性はあるが、オーナーと経営者と同じであれば問題にならないのではないか。法人格を新しくつくるのはいいが、認知が進まないことが考えられ、どう周知するかが問題。

谷本座長
株式会社でソーシャルな活動ができないわけではなく、現に活動されている団体もいるが、SBに、よりフィットする法人格の可能性を検討するということだと思う。

曽根原委員
モデルの構築については、立ち上げ期と展開期などでは支援の方法が違うことから、それぞれの段階のモデルを作り、それに関するシナリオ仮説があるとよいのではないか。たとえば環境分野では、今後の環境政策のあり方として2つのシナリオが出される。技術で発明することにより、環境を保全するモデルとライフスタイルを変えることで環境を保全するモデル。2つのモデルに基づいたシナリオがそれぞれ作られて、環境保全に対する効果が説明される。パブリックコメントでもこういった形で意見を求めると分かりやすいのではないか。

佐野委員
なぜソーシャルビジネスなのかを考えなければならない。まちづくりは行政が主導し、NPOは孫請け、ひ孫請けになっており、NPO法ができて10年経ち、NPOが疲弊している現状を認識して政策を進める必要がある。

鈴木(均)委員
NPOの疲弊感や脆弱性などは、現状の問題のところで整理することが必要だと思う。

鈴木(政)委員
SBの構想を制度化する、あるいは定着させるために、ある団体に委託して時限的にPR活動をしてみてはどうか。

永沢委員
支援策の順序についてご意見が出ていたが、人材育成が重要だと考える。SBの世界で長く活躍できるプレーヤーの育成だけでなく、リスクや責任が集中しすぎないようにサポーター側(市民、行政)の支援も必要。

鈴木(均)委員
人材育成については担い手として団塊の世代も考慮できるとよい。

以上

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最終更新日:2008年1月16日
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