経済産業省
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ソーシャルビジネス研究会(第5回)‐議事要旨

日時:平成20年2月18日(月曜日)15時~17時
場所:経済産業省本館17階西7第1特別会議室

出席委員

谷本座長、井上委員、駒崎委員、佐野委員、鈴木(均)委員、鈴木(政)委員、曽根原委員、竹内委員、土肥委員、山口委員

議題

ソーシャルビジネス研究会報告書(案)について

議事要旨

資料説明

  • SBとCB、NPO、地域と社会の関係について整理が必要。CBとSBが同じという認識では新しい考えは生まれてこない。日本の地域には都市型、村型それぞれ多様な姿がある中で、それら地域の延長に日本の社会があるわけではない。SBの考え方、価値観を出すことで、CBやNPOもはっきりする。営利(SB、CB)、非営利(ボランティア)という軸を明確にし、意義をはっきりとさせたい。
  • 報告書案ではSBの中で地域限定のものがCBという整理になっているが、今日の議論を踏まえると、CBはSBに交わるが、すべてが含まれはしないのではないか。
  • SBとCBの大きな違いはイノベーションがあるかどうか。SBは社会に対しての事業のインパクトが大きく、社会システムの変更も実現ししうるものである。フローレンスもビッグイシューも特定地域で展開しつつ他地域へ展開を見据えている。ビジネスとしてのモデル性、可能性に大きなメッセージがある。
  • CBという言葉をSBに言い換えて議論しているところがある。社会的課題がどのようなものであるのかについても初めて読む方が分かるように伝わりやすくする工夫が必要である。
  • 今のNPOの制度のままでNPOがSBの担い手として一皮むけることは期待しにくい。CICのような組織形態を中核にして、新たな担い手を創出していくような形で進めていくことが望ましいのではないか。自分の団体も当初から自分達だけの成功ではなく、各地域が元気になって日本の閉塞感を打破することを目指してやってきた。
  • 新しい法人格はあった方がいい。現状、NPOでは株式会社におけるIPOのような成長、発展のゴールが見えにくいが、新しい法人格があればNPOがある程度事業が進んだら次のステップとして社会的企業法人を目指すというのは良いと思う。社会的企業法人になるには経営安定性が求められ、財務面をチェックされるなどといったことがあれば、2段階の発展が組めるのではないか。
  • 金融機関の立場からはSB支援にはSBの認証があると貸しやすく、CICのような法人格があるとよい。しかし品質保証までは求めない。ソーシャルであるかどうかだけ判断してほしい。どこが判断するのかに関しては、いろいろなアイデアがあるだろう。
  • 以前発言した「認証」とはスクリーニングをかけるという意味である。適格審査というのは公だけがやらなくてもいいのではないか。経済産業局ではなく、地域のノウハウをもった人(支援センターなど)がやればいいのではないか。金融機関としては公的セクターのお墨付きがなければ動けないというのは問題と認識しており、民間の支援組織が認定する仕組みになるとよい。
  • 寄付税制については必ずしもSBに限らず検討されるべき問題であり、狭い意味にとられないように表現に留意が必要。SBとNPOの資金課題は極めて近いと思うが、寄付金の取扱についてSBとNPOの違いをどのように考えればよいかという点について確認しておく必要がある。
  • 事業者にとっての寄付の重要性はビジネスモデルによるところが大きい。例えば、病児保育など受益者に支払い能力がある事業の場合は事業収入を中心とすることができるが、カンボジアの買春問題対策に取り組むSBのような受益者の支払い能力に依存できない事業を実施する場合は寄付も必要ということになろう。
  • この分野の事業を成功、継続しているところを見ると、人、特にマネジメント人材が重要なファクターになっている。人材育成を一つの柱として盛り込んでもらいたい。中間支援団体の項目に人材育成が組み込まれているが埋没している。特に学生を対象としたOJTが必要である。
  • NPOから企業、企業からNPOへと、人材が循環することが必要になってくるのではないか。アメリカに大学卒業生を教育困難地域の学校に2年間赴任させるプログラムを実施しているNPOがある。卒業生にとってはNPOに行くことでキャリアアップにつながっている。これの社会人版ができないか。NPOに人材を送り込む企業側にとっても良い人材が採用できるというメリットがある。このような交流を促進するために国が何らかの支援を行う必要があるのではないか。
  • 人材育成は避けて通れない問題。現在はSBに興味はあっても、位置づけがよくわからないので、企業に入社してしまう人がほとんどである。人材育成の場やそうした仕組みを盛り込みたい。
  • 協議会では、SBの卵となる人材がビジネスプランを発表しそれをプロが審査するといった形のビジネスコンペなど、事業に焦点を当てていくことが求められるのではないか。シーズ期においての支援策だけでなく、ある程度事業が安定・発展してきた拡大期を対象とすることも考えられる。メンターとのネットワークが築けるのも大きい。また、メンターの側が社会的課題に気づくといった面もあり、こうした事業は社会に対する投資家の教育効果もあるのではないか。
  • SBは地方ではまだよく理解されていないと思うが、地方の若い人の関心は高まっている。東京で褒められてメディアに出ると、地元に帰った時に歓迎されると聞く。地域だと孤立してしまう。また、地域内だけの活動では気づかないが、地域から出ると、自分がやっていることのモデル性に気がつく。
  • 協議会についてはハコだけ作っても内容が形骸化してしまいがちである。そうならないためには、軸となる団体を選別して、そこが機動的に事業を展開していくことが必要。単に集まるだけの協議会で終わらせないでほしい。
  • 協議会はSB支援について3つの機能が必要になる。1つはプラットフォーム機能。それには組織内に核となるモデルがなければ成立しにくい。分野のモデルのほか、ファイナンシャルのモデル、人材育成のモデルとかノウハウがないといけない。2つ目には、協議会にもマネジメントが必要。3つ目がインキュベーションの手法を盛り込むことで、ビジネスプランコンテストがそれに当たる。
  • 企業として地域のSB、CBに支援するにも限界があり、事業性がなく持続性がないものへの支援は一過性で終わってしまう。永続的に支援を行うためには、地域のコミュニティに根ざした事業型のベンチャーと一緒にやっていくことが重要ではないか。
  • 全国協議会を作れば、企業もSBへの認識が曖昧にならずにすむと思う。協議会を通して、企業と一緒にやるところ、企業が支援するところという状況を分けていけばいい。
  • 既に連携の実績があるように、事業型のNPOが専門性を高めていけば企業がほっておかない。
  • ボランティア休暇も定着してきたが、その一環でNPOへの派遣が進められれば、企業とNPOの交流も進むのではないか。
  • SBを支援すると言っているが、報告書案ではネガティブな形容詞が多い。一般の人が読むと、SBは難しいと思われるのではないか。成功事例を一つ二つ入れるなどして、SBは実現できるものという視点を強めてもいいのではないか。
  • ぶあつい成功事例集を作ってもあまり利用されないことも多い。ポータルサイトと組み合わせて事例企業のブログとリンクさせるような方法も有効だろう。普及啓発には民間を活用した方がよいのではないか。
  • 中間支援組織にとって最大の問題はお金がないこと。集めたお金は投資先に回したいと考える。分野ごとのナレッジと共にミッションマネジメントが必要になるが、その実現の壁となるのがフルタイムのスタッフを雇うことにある。支援する際には、資金だけでなく経営資源の両方が必要である。

以上

関連リンク

 
 
最終更新日:2008年2月21日
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