経済社会の持続的発展のための企業税制改革に関する研究会(第4回)-議事要旨
日時:平成20年7月18日(金)10:00~12:00
場所:経済産業省別館10階1020号会議室
議題
- 日本企業の海外利益の取扱い
- 会計の国際コンバージェンスに関する税制面での対応
議事概要
委員によるプレゼンテーション、事務局から資料説明の後、委員による自由討論。主な意見は以下のとおり。
日本企業の海外利益の取扱いについて
- 海外子会社からの配当の益金不算入割合については、実額計算を行う場合非常に膨大な事務コストがかかるため、何らかの計算式を定めるとよいのでは。
- 制度の導入前に配当を受け取り、導入直後の翌期に配当が確定する場合に備え、所要の経過措置が必要ではないか。
- 我が国の国際租税制度のどこが障害となって資金還流が進まないのか具体的な事例を紹介すると分かりやすいのではないか。
- 国際租税改革が個々の企業の税負担にどう影響を与えるのか代表的なケースを例にわかりやすく説明をすることで今回の制度改正は極めて緊急を要するものである、必要な措置ということが理解されるのではないか。
- 国際租税改革を通じた仕組みの整備がないと、海外に投資して得られた果実を我が国国民が享受しにくくなっていることを強調するべきではないか。
- 今回の国際租税改革により、我が国で空洞化が起こるのではないかという懸念はむしろ逆で、我が国に資金が還流することでむしろ穴が埋まるのではないか。
- 適用対象会社の出資比率については、現時点では間接外国税額控除とあわせて25%ということもやむを得ないかもしれないが将来のことを考えるともう少し低い出資比率でも妥当となるかもしれない。
- 制度改正のプラス面とマイナス面をよく分析した上で、なるべく弊害を小さくするように十分に配慮していただきたい。
- 租税回避行為防止措置を新しく導入するのであれば、現行制度とのバランスを相当慎重に考える必要があるのではないか。
- 国際租税制度改革を進めるに当たり、単に資金の還流という点だけを強調するのではなく、高税率所得と低税率所得の流用問題の改善や、タックス・コンプライアンスのための莫大な税務事務負担の簡素化等の観点も重要ではないか。
会計の国際コンバージェンスに関する税制面での対応
- 税会分離については、法人税法の独自の規定で益金、損金を書ききる事により、特段問題とならないのではないか。
- 税務会計と企業会計については分離せず、可能な限り利害関係に応じて調整していくべきではないか。
- 中小企業の事務負担の観点からは、税制と会計をリンクした確定決算主義を維持するのがよいのではないか。
- 確定決算主義を廃止しなくても税制の調整で対応可能ではないか。
- 会計は経営管理指標として重要なツールであり、管理会計・税務会計・財務会計の3者がバラバラに断絶されたものになると、専門家は理解できても企業内に浸透させていくことはできないのではないか。
- 最近の会計基準の改正を見ると、法人税もそれに追随した改正が行われているためむしろ税制は企業会計寄りとも考えられ、その流れを無視した確定決算主義の廃止はこれまでの理解をあまりに無視した議論ではないか。
- 会計と税務には両者異なる分野がある一方で、例えば棚卸資産会計や原価消却会計のように共通性が非常に強い分野もあり、もっと実態に即した上で会計のあり方を議論すべきではないか。
- 連結と単体の会計基準が異なると両者の調整が非常に大変なため、連結と単体は一緒であるのが望ましいのではないか。
- 大企業と中小企業とでは実態が大きく異なるにも関わらず、会計基準が一つでなければならないという考えには無理があるのではないか。
- 減価償却制度については、ある程度の項目を損金経理要件から外して税務上の枠内で申告調整が可能になれば、実務上たくさんの矛盾点を調整できるのではないか。
- 研究開発費に関する会計処理について、開発費を資産計上するのではなく、従来どおり発生ベースで費用処理していくべきではないか。
以上
文責:事務局
最終更新日:2008年8月21日
