経済産業省
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産業遺産活用委員会(第3回)‐議事要旨

日時:平成19年9月13日(木曜日)14時~17時20分
場所:虎ノ門パストラルホテル新館6階「ヴィオレ」

議題

ストーリー(案)について

出席者

西村座長、清水慶一座長代理、加藤委員、小風委員、島田委員、清水愼一委員、丁野委員、西木委員、松尾委員、松平委員、村橋委員、矢澤委員

議事概要

今回の近代化産業遺産群作成の基本的考え方と今後のスケジュールについて、事務局より資料1により説明。また、資料2により、現地視察について、事務局より報告。

資料3により、事務局から第2回委員会以降の修正点を中心に要点を説明。地域毎の説明後、該当ストーリーや取り上げた遺産群の妥当性について自由討論。

各委員からの主な発言内容は以下のとおり

  • 1について、「大島高任が翻訳した」とあるが、翻訳はしていないので書き方を変えて欲しい。
  • 1~3について、ヒューゲニンの著書を頼りに高炉を建設したのは大島高任だけではなく、佐賀、萩、那珂湊等でも同じことをしている。それが分かるようにするべき。また、たたらのコラムがこの位置に入るのは疑問である。
    全体を通じて技術史の専門家からチェックを入れて頂きたい。石炭・鉄・造船の専門家や海事史協会等。
    「公募を前提に」というプロセスを受け手が理解をしていない。入るべき遺産と公募で挙げられた遺産を分けたほうが分かりやすい。公募をもとにストーリーを記載すると完全性が失われてしまう。
    1について、最初の蒸気船である雲行丸と、大砲との関連で砲台を入れて頂きたい。
    3について、軍艦は貨客船よりも高度な技術が必要なので、分けるべき。1の洋式船から3の貨客船への流れを1本化して、軍艦は日英同盟以降の監督官制度を出発点とした別のストーリーとすべき。
  • 1のコラムについて、たたら製鉄の流れを汲む「安来鋼」として現在でも生きており、和鋼博物館などで知ることが出来る。また、技術がカミソリの刃や日立金属に継承されている。このことを書くべき。
  • 3について、軍艦は当初イギリスから輸入していた。その後日露戦争の捕獲品を分解し、組み立てることで国産化が始まった。今で言うデッドコピーである。自動車産業も当初はそのような手法であり、日本における技術導入の典型的な手法と言える。
    5のコラムについて、中禅寺湖への釣りを目的とした魚類の移入は、今日ブラックバス等で問題となっている外来種移入の走りである。一般の人の興味を惹くために、少しでもこのような事実に触れてはどうか。また、パレットトラウトという魚の名前の由来であるパレット氏はイギリスの諜報機関MI6のスパイであり、ハンス・ハンター氏の友人である。このような面白い事実もある。
  • 2について、コークスは燃料ではなく還元剤として使われたので、正確に記載すべき。また、資産として、釜石や八幡の古文書を入れるべき。
  • 2について、技術そのものがイギリスを始めとする外国の丸受けであったため「加工技術の未発達」という表現は当てはまらない。また、「銑鉄の需要がわずかな当時・・・」とあるが、現在から見れば少ないが当時は「わずか」ではなかった。誤解のない記載すべき。
  • ストーリーは身近に感じてもらう書きぶりが必要。もっと平易で分量を減らしてもよいのではないか。一見何もない建物にも歴史が詰まっていることを紹介すると面白い。
    5について、近代のホテルは下記の3つのケースがある。
    (1)外国人の避暑地(金谷ホテル等)
    (2)国策として外客誘致を図るもの(鉄道省が建設)
    (3)国策として外客誘致を図るもの(観光局の低利融資で自治体が建設したもの)
    当時の宿屋は宿泊者以外が利用できる食堂を置くことができなかったが、洋式ホテルだけがレストランの設置が認められたことも面白い。
  • 5に関連するものして、箱根の登山鉄道などホテル以外の観光施設もある。
    また、近代のホテルは日本の洋食レストランの発祥でもある。親しみを感じる出来事として触れてはどうか。
    3について、ストーリーの組み方は造船史で見るか、世界史で見るかによって異なる。世界史的な観点から見れば当時の「グレートパワー(列強)」の条件として、「海軍力」と「海運力」の両方を持っていることが挙げられ、日本は日露戦争後にこれを達成した。3のストーリーで軍艦と貨客船の両方を扱うことはこの観点から良いと思うが、黎明期との繋がりを補足することは必要だろう。
    志免炭鉱は31の方がよい。
  • ストーリーの順番を1と3が続きになるように並び替えてほしい。
  • 釜石市との調整、たたらのコラムとの関係を考慮した上で検討する。
  • たたらの現代における意味づけをはっきり記述すれば、このコラムがこの位置である必要はない。
  • 「全国」「地方」というくくり方に違和感がある。表現を考えてほしい。
    たたらについては横田の刀剣等も入れられるのでは。
    また5について、競馬・ゴルフ・ヨット・スキー等がこの流れの中で生まれたことにも注目したい。
  • 大湊について、前回資料の資産リストにはホテルの他に原発等も掲載されていたが、5のストーリーとは関係ないのではないか。日本郵船小樽支店は業種が異なるため今回は外しても良いと思う。また、認定証はどのような形で発行されるのか。
  • 先方に取り上げ方のストーリーについて了承頂き、ホテル以外のものは認定対象外ということで了承頂いている。日本郵船小樽支店を外すことについては問題ない。認定にあたってはプレートを発行したい。
  • 5について、ホテルだけが目立つが、サービス業全体からの視点が欲しい。箱根登山鉄道は垂直に延びる鉄道として入れると立体感が出るのではないか。
    また、視察に参加して地元の声を聞き、非常に期待が大きいと感じた。ただ、世界遺産と混同している人も多く、公募を繋げているということをはっきりと提示した方が良い。
  • 5について、ホテルそれぞれに物語がある。例えば、太平洋戦争中、富士屋ホテルにはソ連駐日大使が滞在し、日本政府との休戦交渉の場となった。
  • 2について、群馬県下仁田町の中小坂製鉄所も工部省による官営の製鉄所である。5について、琵琶湖ホテルや十和田湖観光ホテルもある。
  • ホテルについてはストーリー裏面のリストに掲載済みである。
  • 11について、他に対象となるものはないのか。
  • 県や柏崎市等に問い合わせたが、あがってこない。
  • 岩見沢は北海道における鉄道の大拠点である。昭和の鉄道の機関庫があるので当たってみてはどうか。他、時代は戦中だが、上士幌のアーチ橋はどうか。これは森林鉄道であり郁春別までを結んでいた。
  • 17について、日本鋼管のパイプのミニ博物館展示物、川崎図書館横に展示されている圧延機、現在博物館として活用されている日産の旧第一工場等がある。また、川崎市市民ミュージアムでは現在「産業都市・カワサキのあゆみ100年」として企画展が開催されているので参考になるだろう。
  • 13について、解体された下諏訪倉庫の写真があるが良いのか。片倉館のたち湯を取り上げると面白いし、碓井社も入れて頂きたい。
  • 12について、公害関係の遺産も取り上げるべきである。地元は、煙害によるはげ山を一部植林せずにあえて残しているので、象徴として取り上げてはどうか。間藤と岡崎の浄水場も公害対策の遺産である。特に間藤は現在使用されていないので今後どうなるか分からないが、世界遺産登録を目指す運動の対象には含まれているので、地元の意向も聞いたうえで検討して欲しい。他、渡良瀬川中下流域の谷中遊水池も検討して欲しい。狭い地域に採鉱、選鉱、製錬、輸送、製鋼という一連の行程が残されていることがここの特徴である。
    また、13について、製糸の品質向上のために女工を大切にする風潮があった。それを示す遺産として片倉館の意味はある。
    14について、日本郵船の横浜支店を入れてはどうか。港湾施設については象の鼻だけでなく大桟橋もあるし、山下埠頭を入れるならば山下公園も入る。また17で、工場だけではなく京浜港・工業港としての港湾施設は入らないのか。埋め立ても含めて京浜運河も入れて頂きたい。
  • 12について、田中正造が登場するのが遅いのではないか。先ほど指摘のあったはげ山や谷中遊水池は入れて頂きたい。
  • 13について、富岡から片倉への工場製糸の流れと並行して、日露戦争までは養蚕農家から発展した組合製糸の流れがあった。その象徴的な遺産として安中市の碓井社は入れてほしい。
    横須賀は、膨大な国家予算が投じられた海軍工廠があり、現在残されている物の量と質は非常に大きく、集積度から言っても重要だと思う。
  • 横須賀は3に入っているが、大きく取り上げるのは次回以降にしてはどうか。
  • 14について、中華街は生糸の貿易(マディソン商会等)の通訳として連れて来られた中国人の居留地跡であるため、入れてはどうか。
  • 21について、現存する不動産が少ないため、観光資源という意味では他とのバランスが気になるが、今の技術に繋がっていることをストーリーの頭にでも書いて頂きたい。
  • 20について、大同特殊鋼の電気炉が入っているのは良い。関連する土橋長兵衛の話が長野の「地域文化」という雑誌に掲載されていたので参考すると良いと思う。
    23について、伊奈製陶も東洋陶器も森村組から生まれたという流れが見えにくい。
    21豊田喜一郎に関する記述について、自動車を量産するために鋼材生産を先に開始した。これは日本の産業の特徴でもあるため、しっかりと記述して頂きたい。
  • 豊田について、内製で生産を始めたものがそれぞれ会社として独立していったという流れがある。
  • 20について、発電所を作るための輸送手段すなわち軌道も入れて頂きたい。アクセスの問題を直接取り上げて頂きたい。
  • 20について、猪苗代水系の話もどこかで取り上げられないか。九州で曽木発電所等取り上げられているが、電気化学系の話が抜けている。次回是非入れて欲しい。
  • 22について、ナイロンについて言及して欲しい。1938年ナイロンが商品化されたことによって生きる道を断たれた。
  • 21について、プラット社の記述について違和感がある。日本の技術が世界のトップ水準に到達したからこそプラット社が訪れた。イギリスに技術を売ることで自動車生産の資金とした。
  • 23について、ジャポニズムデザインの流行や万博、マーケティングを行ったこと等を入れたら良いのではないか。
  • 26又は27に関連する部分で、金子直吉が神戸製鋼等現在の企業の礎を築いたという部分をもっと記述しても良いのではないか。
    26について、ダイソーの写真が多いのにも関わらずソーダ工業についての記述がないため、記述して欲しい。
  • 27について、港湾を支えた日本郵船ということで日本郵船神戸支店も入れて欲しい。他。建築物、銀行等体系的に横浜と比較してはどうか。
  • 24について、琵琶湖疏水の竪坑や疎水記念館も入れて欲しい。また25生野の馬車道の行き先は飾磨港であった。
  • 高島炭鉱の動力で蒸気が使われたのは一部のみで、全てではないので確認して頂きたい。採炭機械を作るための三池製作所等、機械工業の発展という一面に触れて欲しい。また、鉄道、港湾、夕顔丸等の繋がりについても記述して欲しい。
  • 非鉄金属では採掘量に対して含有量が少ないため、鉱山の近くに精錬所等が作られた。一方、石炭で重要なのは「かさ」である。大量の石炭を輸送するための仕組みは押さえた方が良い。炭鉱住宅も残っているものがあるなら入れて頂きたい。
  • 炭鉱については採鉱機械だけでなく、鋼線も取り上げて欲しい。鮎川義介等、石炭生産を助ける機械産業にも記述して欲しい。堀川運河が取り上げられているが、その図面も北九州市の文化財指定を受けている。長崎製鉄所の杉山徳三郎について記述して欲しい。また、スペシャルポンプは国産技術ではなくイギリスのものである。
  • 炭鉱住宅について、鉄筋コンクリートの高層ビルは端島にある。
  • 木造の炭鉱住宅は田川にある。
  • 30について、別子とは対照的に住友は植林をしながら生産を拡大していったという歴史がある。
  • 造船史上のエポックとなる船(鳳凰丸、昇平丸、雲行丸、筑後川丸、常陸丸)については外さずに入れて欲しい。海事史協会や船の技術にも確認頂き、間違いのないようして欲しい。
  • 文言の統一をお願いしたい。

文責:地域経済産業グループ地域経済産業政策課

 
 
最終更新日:2007年10月30日
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