経済産業省
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産業遺産活用委員会(第4回)‐議事要旨

日時:平成19年10月25日(木曜日)17時~19時
場所:法曹会館「富士の間」

議題

  1. ストーリー(案)について
  2. その他(シンポジウムについて等)

出席者

西村座長、清水慶一座長代理、加藤委員、小風委員、斎藤委員、島田委員、清水愼一委員、丁野委員、松尾委員、松平委員、村橋委員、矢澤委員

議事概要

産業遺産の取りまとめストーリー(案)について、事務局より資料1により、第3回委員会以降の修正点を中心に要点を説明。今回の近代化産業遺産群作成の基本的考え方について、事務局より参考資料を用いて説明。各委員及びオブザーバーからの主な意見は以下のとおり。

  • 観光のストーリーで箱根登山鉄道が外国人観光客誘致に直接結びついたとは言いにくい。箱根登山鉄道が果たした大きな役割は、一般の人が登れるようになったということ。
  • この文章は、箱根登山鉄道に限ったものではなく、日本各地の鉄道延伸が果たした役割という意図で記述したものである。
  • 12足尾のストーリーについて、「再優先」は「最優先」の誤りだと思うので訂正頂きたい。内容については、古河寄りでバランスを欠く印象である。例えば、「古河が取り組んだ公害対策のうち、」の前に「その結果、」を追加する、「その後も繰り返し機能改善が行われることにより、」のフレーズを削除する等すればどうか。また「治水事業で」という部分は、当時「事業」という意識ではなかったと思われるため「かたちで」と変更する等してはどうか。
  • ストーリー3について、久慈市に砂鉄の記念館がある。時間的に今回の認定に間に合わせるのは厳しいかと思うが、砂鉄の存在は重要である。日本国内において鉄の原料はほとんど砂鉄しか採れなかったため、国内での原料調達のためには砂鉄を用いることが重要であった。これは野呂景義らが苦労した部分である。いきなり近代製鉄が始まったわけではなく、それまでの血のにじむような努力があったことにも触れて頂きたい。それが現在の日立金属や安来鋼を支えている。
    p.10「鍛冶工場」の表記は「旧鍛冶工場」ではないか。また、p.8八幡の遺産として岸壁等が載っているが、その意味合いが文中で書かれていない。
  • 名称については先方にチェックして頂いたものである。
  • 当時の場所のままの資産とライト館等の移築された資産は区別した方が良い。
    p.38について、ストーリーの文中に歴史的に重要な役割を果たした黒川、柏崎、西山等が入っていない。認定対象リストから外れたため記述をしていないということかもしれないが、これらが抜けるとストーリーが歪むように感じる。他のストーリーもそういう視点から再度見直してほしい。
    p.39足尾について、「日本で初めて」という記述は使わなくても良いのではないか。
    p.102曽木発電所の写真のキャプションに誤りがある。また、32のストーリーについては、発電とカーバイドに関わる前史がありそこが面白いと思うが、あまり触れられておらず、繋がりが見えにくくなっている。
  • 石油関連資産については、アプローチをしたにも関わらず、承諾を得られなかった。ストーリーとリストの関係については、歴史的に非常に重要なものについてはリストに記載していなくてもストーリーに記述している。しかし、表に出るのはストーリーであるため、地域振興の観点から認定対象資産をストーリー文中に記述するようにしているという事情がある。今後随時改訂できるようなシステムをつくりたい。
  • p.15「国民による利用を基盤とする必要があり・・・」の部分は読みにくい。
    p.31くりはら田園鉄道の写真のキャプションに誤りがある。
    p.17とp.42に碓氷峠が重複して掲載されているが、書き方が違うので整理した方が良い。
  • 観光の部分で軽井沢町と安中市と分けた上で詳しくリストに掲載し、ストーリー15では再掲であるためまとめることとする。
  • 全体のバランスを再度見直して頂きたい。気になるのは足尾であり、公害問題が発生した後で対策を行ったわけだが、古河が自ら対策に取り組んだように見える。
    碓氷峠について、中山道沿いの鉄道施設として整備された。産業発展に寄与したのは間違いではないが、それだけのためではない。
    機械製糸について、こだわって使い分けている人もいるので、「機械」よりも「器械」に統一した方が良いと思う。
    沖縄について、ヒジャーを文化財にしようという動きがあるが、これは入らないのか。
  • 21について、自動車部品の内製化から会社が独立した事例は愛知製鋼だけではないため、個別の企業名は出さない方が良いのではないか。
    今後このテキストをどう活用するかが重要。以前のように、地図で分布を示して頂けると分かりやすい。
  • この資料とは別に、写真と地図を中心としたパンフレットを制作中で、広く配布する予定である。
  • p.32小坂について、構成資産が寂しい。ダム、発電所、駅舎等の周辺の施設や、図面等も残っているはずなので入れて頂きたい。
    保存が担保されているかを示すことは重要であるので、文化財等の指定・登録状況を調べてリストの横に示して頂きたい。
  • 文化財等の指定・登録状況については、調査を行った際に情報を集めているので、報告書の資料編に掲載予定である。本編で公表するかどうかは事務局で検討した上で決定する。
  • ストーリー1について、萩藩においてヘダ号を手本に藩で初の君沢型スクーナーを作ったこと、また、鹿児島の薩英戦争について記載しているならば、下関戦争と萩の青銅砲や砲台についての記述を加筆してほしい。
    ストーリー2の大和・武蔵の記述で「さらなる技術革新」の内容にもう少し触れてほしい。
    ストーリー31のp.97で、筑豊のみ出炭量が掲載されているが、他の炭田についてはいらないのか。記載する場合、どの時点にするのか、出炭量か貯炭高か等、難しいが。また、三池は海外輸出を初めて行ったということも書いて頂きたい。
  • ストーリー2の造船の資産に横浜ドックが入っていないが、特に外す理由はないのではないか。
    12の足尾については古河寄りだと思う。水質汚染について松平委員の指摘にもあったが「その後~」のフレーズは不要。また「『予防工事命令』を出すきっかけともなった」とあるが、前後関係が逆で、命令が出て対応したというのが事実だと思う。また最後の「日本で初めて社会問題化した・・・」については「日本の公害問題の起点として・・・」という記述にしてはどうか。
    全体を通じて資産名の書き方が統一されていない。注記の仕方を丁寧にする等、洗い直してほしい。
    p.45笠原工業の資産については、煙突や迎賓館などまだあると思うので精査して頂きたい。
    神戸のストーリーについて横浜と対比してほしいと前回発言したが、神戸の建造物群が抜けている。
    p.97について加藤委員の指摘にもあったが、石炭輸出について記述して頂きたい。日本で産出される高品質の石炭は世界的に見ても貴重であり、汽船の世界的なネットワークを支えた。これは隅谷三喜男氏の「日本石炭産業分析」という本にも書かれている。海底炭坑だったことも大きな特徴である。また、高島の出炭高が「減少した」とあるが、その後衰退したような印象を与えるので書きぶりを変えて頂きたい。
  • 産業史を勉強させて頂いた。本事業が地域の活性化に繋がると良いと思う。
    委員からの指摘にもあったが、保存のためにどういう努力がなされているのか、文化財の登録状況等を示してほしい。また、国際的に理解を深めて頂くため、日本語以外で書かれているものがあると良いと思う。
  • 全体的に産業史という切り口から分析し、クールにまとめている印象。地域史や人物に焦点をあてる等が今後出てくると良い。これを今後どう活用していくかが大切。
    ストーリーのバランスについては、33沖縄の記述で「弾痕が残されているものもある。しかし、・・・」の部分など、表現が難しいところもあるが、十分に考慮頂きたい。
  • 地域学習の中で活用することができる。アメリカのローウェルでは繊維工場を残しただけではなく、学校の取り組みとしてロールプレイをして体感させた後人物についてレポートを作成させる等行っている。近代産業史は市民の大衆の歴史である。
  • ストーリーや資産の追加・改訂システムはフレキシブルなものにして頂きたい。経産省の場合短命に終わることが多いが、そうならないようお願いしたい。
  • 人の努力についてもっとスポットを当ててほしい。またp.32について米軍空襲跡という資産があるがこれは何か。
  • 東北視察の際に見たが、空襲により凹みがある工場のことである。記載する名称を見直すと良いと思う。
  • 産業遺産は人類共通の財産だという認識を持ってもらうことが重要。認定辞退という話が出ないようにしたい。
    パンフレットでは文章量を減らして頂きたい。
  • 本事業の大きな意義は「繋ぐ」ということ。県や市の広域連携に繋がると良い。現在、九州と東北を結ぶ150のストーリーに光を当てる取り組みをしているのだが、将来的には全国へ広げ、場合によっては国境も越えていきたいと考えている。

文責:地域経済産業グループ地域経済産業政策課

 
 
最終更新日:2007年10月30日
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