経済産業省
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産業構造審議会情報経済分科会(第19回)‐議事要旨

日時:平成20年2月5日 16時~18時
場所:経済産業省本館17階西7第1特別会議室

出席者

村上分科会長、池上委員、石黒委員、上野委員、遠藤委員、大歳委員、大山委員、片岡委員代理、勝俣委員代理、角川委員、畔柳委員代理、佐々木委員代理、篠崎委員、庄山委員、神成委員、高嶋委員、田島委員、田中委員、中村(維)委員、中村(正)委員、中山委員、野原委員、浜口委員、原委員、藤元委員、藤原委員、牧野委員、松田委員、松本委員、宮本委員、村上(憲)委員、森嶋委員

議事概要

  1. 開会
  2. 「情報経済社会の実現に向けが現状と課題」について
  3. 自由討議
  4. 閉会

議事の経過

上記議題2について、資料に基づき事務局、松田委員、藤元委員からの説明の後、議論が行われた。各委員から出された意見等の概要は以下のとおり。

  • 情報システムは、多くの人が使いコモディティ化されていくものと、特注するものに別れるので、それぞれの戦略を考えなければいけない。コモディティ化は進んでいくが、日本の強みである特注はなくならない。各国の文化に合わせたシステムを作っていくことで、米国とは違うグローバル化を進めていくべきではないか。
  • 国際競争力は色々なレベルでの考えがある。確かに一部には競争力を失っている部分もあるが、海外から見ると、日本はイノベーティブであるいう評価が9割である。例えば複合コピー機は、日本のメリットを活かしたすりあわせにより、モジュール化されておらず、国際的にも競争力がある。日本はやはりものづくりの国であり、それを否定されると産業界は困ってしまうのではないか。プラズマパネルや携帯電話も、日本がリードしていなかったなら、今のような発展はなかったのではないか。松田委員の資料に政府がやるべき施策という話しがあったが、セキュリティやインフラなどは別として、総論として国が何か施策を行えば競争力が高まると聞くと、少し奇異な感じを受ける。
  • 20年来、情報家電分野に携わっており執着と愛着があるが、ものづくりだけでは世界には勝てないという認識を持っている。
  • ハイエンドの領域でもサムスンは強く、海外では高級品として位置づけられている。必ずしもサムスン=標準領域ということではない。中国ではサムスンの携帯はハイエンド機だし、プリンタもHPに次いで世界2位となっている。
  • 政府の力を過信しているわけではないが、サムスンは、そもそもアジア通貨危機の際のニューディール政策により、戦略的に育成された国策会社であり、日本でいうとNTTとSONYが一つになったような企業。日本の企業のような自由競争の環境とは異なった文化から出てきている。政府としても戦略的な政策をとらなければいけないのではないか。
  • インターネットの創成期にシリコンバレーでコンサル会社を経営していたときに、日本の大企業が技術をシリコンバレーで買いに来たが、日本企業は自社の中央研でも技術を持っていた。今、日本企業が以前のようなグローバル展開が出来ていないのは、技術の問題ではなく、マーケティング力、サービスを展開する点が欠けているのではないか。
  • サービスへの展開をする際に、人材が内部にいないということであれば、大企業と新興企業をつなげるような仕組みをつくってはどうか。新興市場は低迷しており、金融庁のひきしめもあって株式市場に戻ってこない。このまま潰れてしまうのではないかという危機感を持っている。
  • 当社はNHKと共同で「今日の料理」という番組と連動したサイトを作っている。大企業が保有しているデータベースやアーカイブをネット展開していく際には、自社だけで考えるのはなく、ノウハウを持った他の企業とつながって一緒に取り組んでいけばよい。
  • よく言われる問題として、「マクドナルドはグローバル展開できたが、寿司屋は何故できないのか」と言われている。この問を突き詰めて考えていくと、日本の産業が持つ問題が明らかになるのではないか。
  • ソフトかハードかという二者択一ではなく、グローバルな視点から、両者をバランスよく見ていくことが大事なのではないか。
  • 官と民の役割分担については、昔から議論されているが答えがでていない。インターネットやGPS、燃料電池などは技術的には民が開発したものではない。官のプロジェクトにも民間の人は携わっており、要は人の問題ではなく資金の問題である。サムスンは、日本の経産省と総務省が一緒になったような会社であり、それが日本で出来ないのが、弱みでもあり強みでもある。問題は、官が政治を見すぎて、やることがしょっちゅうぶれていること。昔の通産省のようにしっかりとした方向性を持ってもらいたい。
  • 住基ネットの例でもわかるように、一つの省だけで出来ないことは明らかなので、各省で協力していくべき。感性と論理性は両方大事だが、官はやはり論理性を持って、しっかりとしたシステムを経済産業省も一緒になって作り上げるべきである。
  • 本分科会は、範囲がものすごく広いので、いくつか柱を立てて議論する必要がある。そのためには、この国の得意とするところを特定した上で、日本国内だけでなく、世界中でその役割を果たしていくことが重要。
  • 日本の「ものづくり」は間違いなく高機能なので、世界中が喜ぶものを作っていく必要がある。今後伸びていく可能性が大きいBRICSやアフリカが飛びつくようなものを作っていくべき。
  • そのとき、ものの価格は次第に下がっていくので、サービスをくっつけて売っていく必要がある。ものはそれ自体がしゃべる(品質を語る)が、サービスはしゃべらない。日本語だけでのサービスではダメで、少なくとも英語には対応していなければいけない。日本が得意なアニメやゲームとハードウェアをくっつけたビジネスモデルを考えてはどうか。
  • 「つながり力」強化には、「みえる化」がポイントではないか。日本の中小企業のものづくり力は世界的に評価されている。人工衛星やジャンボジェットのエンジンの加工には、我が社のレーザーが使われている。ロボットや自動車、更には医療の分野などにおいても重要な部品になっている
  • 経済産業省でも、こうした産業について、サポイン(サポートインダストリー)としての役割が非常に重要ということで、平成18年度から色々な施策を講じている。世界的にみても高付加価値がある産業であり、日本の加工技術力は世界に誇れるものである。
  • 一方で、こうした企業は、基幹業務がIT化されておらず、大手企業と受発注でつながっていないのが現状。ITを使って、大手と中小、中小と中小をつないでいくことが大事。
  • 「つながり力」では、技術革新によるメディア融合がポイント。教育分野も含めた日本のコンテンツをグローバルに展開・供給するいいチャンス。長い目で見ると、途上国において、次世代の親日派を増やすことで、将来の国の基盤に繋がる。
  • 情報の解像度が上がり、販売市場が消費者からみて可視化されている。これまでレモンマーケット(注:中身が判断できないために、一律に低評価となってしまう状況)であったものが、品質情報が明らかになることにより、いいものは高く売れるようになる。実際、日本の農産物はこれまで高くて売れなかったが、最近では海外では高品質ということで売れている。
  • 官民連携も重要だが、官同士の連携も重要。今は農商工連携ということで非常にやりやすくなったが、以前は、地方の通産局と農政局が一緒に事業をやるのが大変な時期もあった。地域レベルでの官同士の連携も高めて欲しい。
  • 無形のインフラとして、コード化、標準化の推進も官の重要な役割。その際は、国内に閉じるのではなく、グローバルな視点が必要。
  • ものづくりの現場で力を持っている人が、ITで何をできるか知らないのが問題。実際の現場で、空気を吸うかのようにITを使いこなしている人は、自分より若い人である。現場の知見とものづくりをITを使ってどのようにつなげていくか。ものづくりの現場力を5年後も通用するためには、技術者がITを使って何ができるのかを議論していく必要がある。これまで暗黙知であった技術を、ITを使って習得期間を短くすれば、残りの時間を新たな取り組みに使える。どうITを使うか、どう繋いでいくかを考えずに、パッケージやネットと言っていてはだめ。
  • 経営者がITを勉強しないと具体的な形でIT化が進んでいかない。国が教育の場を作るなどして、CIOを考えて育てていくべきではないか。いい事例をもっとアピールしてもらって、各社はどんどんと取り入れていったらいい。
  • 電子政府の利用率を高めていく上で重要なのは、最初の段階でのハードルをどう下げていくか。電子署名を使うことになっているが何故普及していないのか。住基カードのリーダーを配布すればよいのか、セキュリティに不安があるからか、よく分析しなければいけない。セキュリティについて言えば、ネットショッピングはパスワードだけで問題なく回っている。一律ではなく、グレードをつけてやっていくべきではないか。
  • システム信頼性については、システムを、本当に止まってはダメなもの、少しは止まっても問題とならないもの、代替手段があるため止まっても支障がないもの、と分けて考えなければいけない。例えばATMが20台程度止まっても代替手段はあるので問題とはならない。考え方をきちっと整理した上で、それぞれに応じた適切な対策が必要。
  • 情報システム同士をつなぐ際には、政府は、基本的なことをガイドラインなどでリコメンドする程度にとどめ、あとは民間にまかせるのがよいのではないか。
  • 客観的にみて、技術者や科学者は、自発的にはなかなかつながらない。つなげるための強力なインフラ、組織が必要。多くの企業を見て技術と経営に精通した人が評価・目利きをする仕組みを構築してはどうか。
  • 技術をどう育てていくか。技能五輪のように技術を評価する場所があって、有能な人材を大企業に紹介していくことをしてはどうか。自ら技術を売り込まない人も、正しく評価をしてプッシュしてあげたらいい。
  • 法律や制度が邪魔をしているものが多くある。著作権法もその一つ。
  • ITを活用した製品安全対策として電子タグの利用が解決の一つだが、その利用は遅れている。製品の長寿命化により長期使用が多くなってきているが、トレーサビリティはなかなか進まない。電子タグを社会基盤として早急に推進してもらいたい。
  • 官と官のつながりでは、ITに関する規制緩和を進めてもらいたい。確定申告をPCでしようと思ってもなかなか簡単ではないので、簡素化してもらいたい。薬の処方箋もわざわざ薬局ではなく、PCでの注文でいいのではないか。もちろん経済産業省だけではできないので、各省に対していろいろとメスを入れてもらいたい。
  • ものづくりの現場に限らず、一般の人も、年齢が上の方はITをあまり知らない。これまでは各個人のリテラシーの問題と目をつぶってきたが、70歳といってもあと20年は地域で活躍できる。こういう人のITスキルをどう高めていくか。
  • 2年前、傘下企業が液晶・プラズマパネルのCPUを日本のメーカーに持っていったが、断られたことがある。日本の企業は技術を持っているのに何故グローバル競争に勝てないのか。購買力のあるところに合わせて製品を作ることが何故できないのか。
  • アップルの製品は、ハードだけなら誰でも作れる。ソフトとハードの融合技術は日本が得意なはず。60年代はハードとソフトは別れていなかった。これからは両方が分かるエンジニアを育成していくべき。日本本来のものづくりの伝統と、税制面での研究開発支援を合わせていけば、日本だけが技術開発とソフトの融合ができるのではないか。
  • ITを支える基盤をどう整備していく上で、IT人材の育成をどう考えていくかが重要。工学部の学生数は、2006年は10年前と比べて1割も減っている。また志望者数も1992年から比べると半分以下に減っている。理工系離れを危惧している。
  • IT人材の対策として、試験の改定を掲げているが、もっと基本的な部分に問題があるのではないか。
  • 携帯電話は、話すための道具から、メール、GPS、ICチップと進化している。生活の中の携帯を目指しているが、公的な利用は災害情報と地震情報のみと、まだまだ少ない。携帯電話は、買換の周期が約2年間と早く、世の中への普及スピードは速いので、公的利用の面でも、今後貢献していけるのではないか。
  • グローバルな視点では、400ドル、500ドルの携帯を作っていては国際競争についていけない。新しいサービスを提供すればするほど、世界の標準から外れてしまっている。オープンOSやミドルウェアの共通化を進め、グローバルな基盤の上で、色々なサービスを展開していかなければいけない。
  • 「部品とか要素は良くてもトータルシステムにすると駄目」、「現場は良いが企業全体でみると駄目」、「物作りは良いが、物とかサービストータルで提供している価値ということになると駄目」という議論があった。部分は良くても、1つか2つ上のレイヤーから見ると問題だというのがこのIT、情報経済の世界で随所に起こっている。
  • その問題を解いていく鍵は、「つながり力」である。この「つながり力」をこれまで下のほうのレイヤーで、「国内同士」、「ものづくり同士」、「部分同士」、「現場同士」で考えるというようなところで解を求めてきた。上のほうのレイヤーで「グローバル」、「全体」、「企業経営全体」、「トータルに提供する価値」からスタートする、それを徹底するような形での「つながり力」が大事だというほぼ共通した議論であったと思う。
  • それをどういうふうにしていくかは、最後は人材の問題。経済産業省を初め人材育成の問題はものすごく力を入れてやってきているが、我々がこれまでやってきたものの中に、大きく欠けていたものがあるのではないか。
  • その欠けていたところについて、突破口になるのではないかという問題の指摘と力強い解に向けてのメッセージをいただいた。これからこの情報経済の分野での議論、あるいは施策の展開が進んでいくことを期待する。

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最終更新日:2008年2月13日
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