経済産業省
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産業構造審議会情報経済分科会(第20回)‐議事録

日時:平成20年3月21日 15時~17時
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室

出席者

村上分科会長、石黒委員、上野委員、遠藤委員、大歳委員、片岡委員、勝俣委員(代理藤原氏)、角川委員、佐々木委員(代理都築氏)、篠崎委員、庄山委員、神成委員、高嶋委員(松下氏)、田島委員、中村(維)委員(伊東氏)、中村(正)委員、野原委員、原委員(代理針谷氏)、藤元委員、藤原委員、牧野委員、松田委員、宮本委員、村上(憲)委員

議題

「IT化から情報の価値化へ~情報経済の実現に向けた取組の方向性~」について

議事概要

  1. 資料に基づき事務局、村上委員、神城委員が説明
  2. 自由討議
  • 村上(輝)分科会長

    どうもありがとうございました。非常に刺激的なお話をいただきました。

    ただいまの事務局からのプレゼンテーション、村上委員、神成委員のプレゼンテーションを踏まえまして、残りの時間、ご意見、ご質問をいただければと思います。

    その中で、角川委員から資料のご提出をいただいておりますので、まず角川委員にご発言をいただければと思います。

  • 角川委員

    私、出席して2回目なのですけれども、ちょうど今グーグルの村上さんからお話がありましたので、その話の発展形にもなるかと思いますけれども、私の意見を述べさせていただきます。

    3つあります。1つは「ハードとソフトの融合について」ということでございます。日本はものづくりということで、1980~90年代に家電メーカーが世界のリーディングカンパニーになったわけですけれども、そういう中で私たちコンテンツをつくってきた人間からみますと、一貫してハードとソフトがなかなかうまくつながらない。ハードメーカーはハードを先行して出すのだけれども、ソフトは後でついてくればいいという、そういう考え方があったように感じます。

    そういう中で、例えばDVDなどは、日本は世界標準になったにかかわらず、日本のソフトメーカーがソフトを出すようになったのは世界で一番後になってからであって、アジアやアメリカでDVDが立ち上がってから、その後に日本で出るようになった。しかも、それがDVD再生機でなくて、思い出していただきたいのですけれども、プレステーションが発売されて、プレステがゲーム機だけではなくてDVD再生機にも使えるということになって初めて、DVDが日本で映像ソフトパッケージとして出てきたという歴史があります。

    そこで、経団連でもハードとソフトの連携を目的に、ハードの委員とソフトの委員両方に参加して、エンターテイメント部会を発足させることで融合を図ってきたわけですけれども、どうもハードとソフトの融合だけでは足りないのではないか、何かまだ欠けているというふうに思うようになりました。かつて堺屋太一先生が、ハードウェアとソフトウェアと、「ヒューマンウェア」という言葉を使ったことがございます。ハードウェアとソフトウェアをつなぐ「ヒューマンウェア」というものが必要なのではないかと。1990年代に、ちょうどマルチメディアの時代といわれたころに、例えば、ただ目的地に行くのであれば、手を上げてタクシーをつかまえればいい。でも、そこに、個人タクシーであるということによって、何かその目的に達するのにもう1つ付加価値をつける。いい例かどうかわかりませんけれども、その個人タクシーというところが「ヒューマンウェア」である、そういう言い方を紹介されたことがありました。

    そんなことをしているうちにiPodが出たわけです。そのiPodというのがアメリカのアップルから出たときの衝撃というのは、iPodで、あんな小さな形で何百万曲というものが聞けるということを実現したわけですけれども、iPodというハードウェアだけがすべて引っ張るのではなくて、やっぱりそこに何百万曲というコンテンツがくっついてくる。その何百万曲ということをアップルが1社1社説得しただけではなくて、アイチューン(iTunes)というソフトウェアがあって、そこでiPodが成功したと。最近、そういうふうに既に人口に膾炙されていますけれども、つまりハードウェアとコンテンツと、今日ヒューマンウェアというべきソフトウェアが乗っかっていたというふうにいっていいのではないかと思うのです。

    その議論が、どうも日本はまだまだきちっと、今日に至っても必ずしも産業界に定着しているといえない状況がずっと続いていて、例えばNGNという、これからの光ファイバーを使ったネクスト・ジェネレーション・ネットワークといっても、じゃ何を流すのかということが新聞に何度も出ているような状況です。そこでもやっぱりNGNというハードウェアが先行していて、コンテンツは後で考えればいいというものがチラチラするわけです。ですから、せっかくの経産省さんのこういう会議の中で、もっとそういうハードウェア、ソフトウェア、コンテンツという3つの要素、だんだんみえてきたこのことを真剣に検討すべきときに来たのではないかと思うわけです。

    日本人は、それが非常に苦手なのですけれども、実は日本に唯一といってもいい成功例があります。それが任天堂さんのWiiだというふうに思うのですね。任天堂さんの場合には、ハードとDSソフトとゲームソフトを動かすヒューマンウェアみたいなソフトウェアというのがきちっと位置づけられていて、それが任天堂さんの今の快進撃に結びついているというふうに思います。日本は、そういうハードとソフト、ヒューマンウェアとソフトウェアというのも結びつけるのは文化的に苦手なのだけれども、でも、成功例がきちっとあるということも知っておきたいというふうに思うわけです。

    それから、前回の会議に出て、オープンイノベーションということを割と既成事実のように語られているのだけれども、実はオープンイノベーションというのは21世紀に入った今始まったばかりで、オープンイノベーションというものがどんなふうにして日本の産業界にインパクトを与えるかということについて、私は結構深刻な問題ではないかというふうに思ったりしています。必ずしもオープンイノベーションというのは、日本の企業にとって、日本の産業界にとってプラスだけではなくて、ある面では、今まで例えば知的財産を戦略本部で、特許というものを顧客の囲い込みに使うということで世界標準になるというふうなことでいってきたことは、私は、オープンイノベーションとそういう世界標準をとるということとは矛盾しているのではないかなと。あるいは、今までのそういうふうな世界標準を目指すというものと逆行するような考え方なのではないか。

    ですから、オープンイノベーションというものは、私は一種の革命だと思うのですけれども、私の認識としては、オープンソースがリナックスから始まってきて、そういうものがだんだん人が介在して発展していく中で、囲い込みというのではなくて、むしろ広げていってしまうみたいな、マイクロソフトの知財の副社長が日本にみえて経団連で講演したときも、マイクロソフトも自社だけの特許で固めていく時代は終わったというふうな言い方をしておりました。そんなことで、どうかもっとオープンイノベーションとは何かという本質的な論議をこの会で聞かせていただきたいなと思いました。

    実際にグーグルさんの場合には、グーグルアースで地球全体をみて、今、例えばこうやって千代田区にグーグルアースでおりてきて、現状の今の東京というものを俯瞰できて、そのマップも使えるという、これもオープンソースとして提供されていて、私たちの角川のグループの1社もそれを使わせてもらっています。それも、全部無料で使えるということなどのすごさというのでしょうか、今までであれば、そこに膨大な対価を払わなきゃいけないものが無料で提供されていて、それをグーグルさんは広告というもので開放している。

    これなども、先ほどのハードとソフトと、そしてコンテンツという点でいうと、任天堂さんの成功はiモードにも通じるし、そしてグーグルさんのこのビジネスモデルの中にもその要素がきちっとあって、それで、このグーグルが短期間に成功したということになるのであって、そこら辺の検討をぜひまた、きょうは割と表面的なお話を聞かせていただいたような気がするのですけど、もっと突っ込んだお話も村上さんから聞かせていただけるのではないか。この間、前回のときにも、グーグルというのは基本的にソフトウェアの会社にみえるけれども、実は膨大なパソコンと、それに匹敵する内製化されたサーバーを抱えている工場なのですよ、というお話がございましたけれども、そこら辺のことをもっと我々はよりよく知る必要があるのではないかなと思いました。

    そしてまたユーチューブの話で、きょうは、私からみるとグーグルさんの新しいビジネスモデルというのは、ユーチューブでコンテンツを集めてグーグルで配信するというふうな役割分担がかなり動画の世界でみえてきたなというふうな、そこでグーグルにとってはユーチューブが必要だったのだということがわかってきました。その際、海賊版の指摘をされている放送局、アニメーションをつくっている会社、角川もその1社なのですけれども、どうやったらユーチューブをきちっとした合法化された世界に導いていくかというご協力もさせていただいているのですけれども、そういうふうな企業がつくったコンテンツについては、JASRACに加盟されるだとかいうことで方向がみえてまいりました。

    今、この場でぜひ検討していただきたいのが、パソコンをもったすべての人が、パソコンというのがコミュニケーションツールとして、自己表現ツールとして今動画で投稿されている法人がつくっているコンテンツの問題と、もう1つ個人が出しているコンテンツの問題、この問題を、日本のコンテンツ産業に大きなインパクトを与える、後々考えてみると大変なインパクトになるはずのこのパワーを、著作権問題でもきちっと保護してあげる、もっと自由に表現させてあげる方法を討議すべきではないかなというふうに思っています。そして、この1億人総コンテンツ創出時代をもっと産業に大きく育てていく方向を検討していただきたいというふうに希望いたします。

  • 村上(輝)分科会長

    ありがとうございました。非常に骨太のご提言をいただきました。

    それでは、残りの時間、約1時間ございます。きょう、22名の方がご出席ですので、分けますと約3分弱になりますが、できるだけたくさんの皆様にご発言をいただければと思います。

    それでは、どなたからでも結構ですので、ご発言をいただければと思います。いかがでしょうか。

    どうぞ、石黒さん。

  • 石黒委員

    ネットイヤーグループの石黒でございます。

    先ほどの角川会長のご意見に非常に賛同するところなのですけれども、先回の議論の中に、エンジニアの人が日本で足りないというか、理系志望の人が少なくなっているという議論があったのですけれども、何が足りないかというと、確かにエンジニアの人も足りないのですけれども、今角川会長がおっしゃったことをちょっと違った言葉で恐らく表現していると思うのですが、日本の中に足りないのは、ビジネスをプロデュースする人だと思います。ハードとソフトの融合ですとか、最近ですとエンジニア、私どもでもそうなのですが、デザインができるエンジニアとか、もう少し狭義ですとマーケッターという人が足りない。そもそも日本でマーケティングを理解していらっしゃる方が非常に少なくて、マーケティングでは非常に後進国だと思います。

    私、インターネットが始まったころにシリコンバレーにおりましたけれども、いろんなビジネスプランをアメリカのスタートアップの人がもってくるわけなのですけれども、中身が、マーケティングのさすが先進国だというものばかりなのですね。あそこのレベルに達するマーケッターの人というのは、日本になかなかいないと思います。しかしながら、それを育てていかないと、プロデューサーですとかマーケッターを育てていかないと、この国のたとえITが成長したとしても、サービスがグローバルな展開ができないというふうに思いますので、これをどういった形で成長させるかはちょっと別議論なのですけれども、ぜひプロデューサー、マーケッターという人を育成するようなことをしていきたいと。

    これは既にインターネットが始まる以前からあった問題で、例えばディズニーは、非常にうまくビジネスを展開しています。自分たちがつくった映画やキャラクターやテーマパークだけではなくて、結局、周りの人ももうかる仕組みづくりというのをしているわけですね。ちょっといい例かどうかわからないのですが、別に否定的に話すわけではないのですけれども、例えば、日本でもジブリさんみたいな非常にいいコンテンツをつくられるところがあるのですが、あれはジブリさんの代表の方が一番上にいらっしゃる限り、非常に展開という力が緩くなると思うのですね。あの人の上にビジネスを展開する人が、プロデュースをする人がいれば、これがディズニーになるかもしれないのに、そこで抑制されてしまっている。日本というのが、プロデューサーを一番上に立ててビジネスを展開するということがなかなかできていないので、自分の企業が成長するときに、周りを巻き込んで周りがもうかる仕組みづくりというのをする人が大切になるというふうに考えています。

    恐らく角川会長がおっしゃったことも、そういったコンテンツメーカーとハードウェア、ソフトウェアが一緒になりながら、お互いがWin-Winになるような形というような仕組みづくりをする人が、旗振りをする人が必要だと思うのですね。というようなことを考えました。

    ごめんなさい、あと少しいいですか。先回のとき、あれからちょっと考えまして、例えば経産省さんを初めとして、政府が特に力を発揮できるところとして、例えば、日本のITはだめだ、だめだというお話がよくこの会議でもなされているのですけれども、例えばインド、中国が非常に進んでいると。とはいえ、インド、中国が進んでいるところというのは、まだまだプログラミングとか、いってはなんですけど、比較的低レベルのところだと思うのですね。非常に大きな形で、ビジネスモデルを含めて、グーグルさんを初めとして新しいビジネスモデルをITで展開できているのは、日本がだめだというわけではなくて、結局はアメリカのひとり勝ちだというふうに思うわけです。

    これも、先ほどお話ししたプロデュースの力とかビジネスモデルをつくる力というのが大切になるのですけれども、それをバックアップする仕組みというのは、政府ができる、いわゆる税制のところでできるといいますか、非常にその助けになるものだと思います。今までシリコンバレーが非常に進んできたのは、例えばアメリカですね、シリコンバレーだけではなくみんなが働きたいと思う国、ここに来れば、言葉は悪いですけどもうけられる、ここへ来れば自分も億万長者になれるというような仕組みをつくらなければいけないのですけれども、日本のほうは税制で、例えばアメリカのものをどんどんまねているのですけれども、ネガティブなものばかりまねられるのですよね。例えばSOX法であるとか、ちょっと行き過ぎの感があってもアメリカが変えればそれにするとか、ストック・オプションが費用換算されるようになりました。それも日本のほうでやはりまねられています。

    そうではなくて、アメリカがもっているいいもの。アメリカが例えばストック・オプションの費用換算をするとなったら、これでアメリカの国力は基本的に弱まるわけですよ。そしたら、日本はそれをしないで、今までどおり税制適格のものをそのまま維持をしていくとか、アメリカがやっているグリーンテクノロジーへの優遇税制とか、新興企業がもうけられるような税制というのをぜひ維持、検討をしていただきたいと思います。

  • 村上(輝)分科会長

    ありがとうございます。神成さんのアーキテクトに加えて、ビジネスプロデューサー、マーケッター、新しいあり方についての提言がございました。

    ほかにいかがでしょうか。

    では、勝俣さん。

  • 勝俣委員(藤原代理) 東京電力の藤原です。勝俣の代理でまいりました。

    委員名簿を拝見しましても、重厚長大産業というのはほとんどいらっしゃいませんが、重厚長大産業というのはITから立ちおくれていて、デジタル・デバイドされている側にいると自分自身も認識はしておりますが、角川会長のお話をお伺いしまして、決してそういうふうにはならない要素もあるということで一言お話をしたいと思います。

    先ほどオープン化するという話がありましたけれども、電力会社のいろいろなトラブル、具体的にいいますと原子力等でトラブルがいろいろ発生しておりますけれども、そういったトラブルをオープン化して集積していくことによって、原子力の稼働率が上がったりとか、いろいろ不適合事例を分析することでよりよいメンテナンスができるようになったりとか、しております。そういったことが一つの知見になってきており、その知見をうまく世界に展開していくことによって、プラントメンテナンスをしている事業体として、売り込みができる可能性は十分あるということを非常に痛感したところであります。

    重厚長大産業の場合には、電力会社にはそれぞれメーカーさんがついていまして、我々は、ああしてくれ、こうしてくれということをほとんど100%聞いていただくことによりまして無事に運転していけるわけです。また、メーカーさんもそうした1対1の関係の中で、非常に閉ざされた世界でしかなかったわけですけれども、よりオープン化することによりまして、メーカーさんもいろいろな組み合わせが出てくるでしょうし、一つの大きな事業の再編にもつながりますし、それはひいてはグローバルに発展できるような原子力産業とか、火力も含めてですけれども、そういった産業になっていくのではないだろうかと非常に感じました。そういうこともIT化の一つの成果になるのだろうなというふうに期待できるところであります。

    ただ、そのところで1つ考えなければならないのは、そういった知見をためるのはあくまでも民間ベースの話ですけれども、この知見をためるという過程には、規制というものが関わっています。どちらかというと規制は、いろいろ起きたトラブルに対してそれぞれどう処置をしたかということに主眼が置かれまして、一つのバリューチェーンを形づくるようなことに対して、ある意味ですと1つ1つチェックをしていく形になっており、むしろバリューチェーンの形成を阻害することが場合によっては起こり得るということがあるわけです。そういう意味では、パフォーマンスを上げるためにはどういうふうな規制体系が一番望ましいのかといったことも、ぜひこれから、フォローするものとしてご検討いただければと思います。

    以上です。

  • 村上(輝)分科会長

    ありがとうございます。

    それでは、庄山さん。

  • 庄山委員

    情報価値化社会ということで今回の議論が始まるわけですが、いろんな意味で情報化、IT化を進めてきて、実際、使い手側から見てどれだけ便利になったのかというところが、これから非常に議論しなきゃいかん問題なのだろうなと思っているわけです。きょうお話ございましたグーグルの例などは、そういう意味では非常に使い勝手よく、使う側の気持ちを酌んで始まっていると思うのですが、まだまだそういうふうになっているのは少ない。どっちかというとインフラを整備するほうの側の立場というのは、従来からすると、ITの活用を大いにPRするとか普及を図るとか、そんなことをやってきましたし、使う側は使う側で、いろいろなことを使うようにはしつつあるものの、しょせんそれぞれ個別が何とかなっているというだけであって、それが全体に対してはどうなのだろうという発想がまだ生まれていないなと思っております。

    例えば自動車を買ったときに、もちろんメーカー、ディーラー、税務署、警察署、いろいろなところが関係してくるわけでありますけど、それはみんな個別システムになっていますが、それが、1つの番号で全部が共通化されるような仕組みになっていれば、もっともっと利用価値が上がるのではないか、非常に便利になるのではないか。個別はまあまあ何とかなっていても、全体としてはどういう最適になっているのだろうなというのはたくさんあるわけで、今回、経産省が提案の「つながり力」というのですか、これが、要するにいろいろな意味の融合、きょうも先ほどからお話が出ていましたが、やっぱりいろいろな意味の融合がもっと加速するようなことを、国としての方策の中においても進めるべきではないかと思います。

    具体的には、施策は何をやるのだということですが、先ほども既に出ましたけど、やはり幾つかの分野にまたがる知識とかITリテラシーとか、こういうものをもった、先ほどプロデューサーという話もありましたが、こういう人材をもっともっと育てないと、先ほど角川さんもおっしゃられましたハード、ソフト、それにヒューマンウェアというのか、そういうことが大事なのだという人材づくりを、学校教育においてもそうだと思うのですけど、ぜひやっていただきたいなと思います。

    それから、データの相互利用、例えば番号制ですね、ああいうものが何で今もって議論にならないのかということ自体、こういうITをやる場合に大前提ではないかと思うのですけれども、なかなか進まないとか、そういうのをいろんな意味において、ガイドラインを設けるとか、もちろん変な流用はまずいと思うのですけど、ガイドラインや関連法制を整備するとか、そういうことを進めたらどうかなと思っております。

    それから、情報の提供等についての評価とか、あるいは認定だとか運用ルール、こういうものについての開示というのか明示というのか、そういうことをもう少し国として保護してあげるというのか、そういうことなどを進めていく必要があるのではないかというふうに思う次第でございます。

  • 村上(輝)分科会長

    ありがとうございます。情報価値化という概念を非常に深めていただきました。

    どうぞ、松下さん。

  • 高嶋委員(松下代理)

    電通の松下と申します。社長の高嶋の代理で出席させていただいています。

    先ほど来、グーグルさんのお話で広告というテーマが出ましたし、マーケティングあるいはプロデューサーというお話も出たので、私どもの業務領域に近いかなということで、一言、感想に近いものですが、お話ししたいと思うのですけれども、グーグルさんのサービスというのは、我々から見ても非常に画期的なサービスで、ロングテールが中心でしょうけど99%広告で収入を得ていらっしゃる。特にインターネット系のビジネスは、最終的には広告で収入を得るというビジネスモデルが多いのですが、これがなかなかそう簡単ではなくて、広告主はそれなりの効果を期待しますし、それで失敗した例もあまたあるという中で、グーグルさんのサービスというのはまさに画期的だと思います。

    ただ、世情いわれるのは、例えばグーグルさんの話が出ると、マスメディアとインターネットの対立構図、対立概念みたいなことで、例えばネットがテレビをのみ込むとか、こういう言い方をされることが多いのですが、これが話を実は非常にややこしくしておりまして、例えば電通、私どもの会社なんかは、IT、つまりグーグルさんみたいなサービス、インターネットを使った広告サービスというのは、広告にとって新しい武器であって、マスメディアにその機能を加えることによって広告の効果を一層高めるのだと。これはきれい事で申し上げているわけではなくて、そういう組み合わせ方を、先ほどマーケティングというお話、あるいはプロデューサー的機能というお話が出ましたけど、そういうことを広告会社というのはどうやっていけるかというのがこれからのポイントだろうというふうに思っているわけです。

    そういう観点からみますと、先ほどディズニーさんのお話も出ましたけれども、テレビ局によるインターネット上での動画配信、テレビ局はよくそれを、非常に消極的である、コンサーバティブであるというような言い方をされるわけですが、それから、よくいわれることは、日本には何でタイムワーナーみたいな巨大なコンテンツ企業がないのだというようなこともいわれますが、これについていえば、1970~80年代中ごろにかけて、アメリカのFCCが行ったフィン・シン・ルールとか、あるいはプライムタイム・アクセス・ルールという、ある種の規制ですけれども、これによってアメリカのコンテンツの二次流通市場というのが大きく形成されたわけですよね。残念ながら、我が国はそういう経緯を経てこなかった。したがって、地上波にコンテンツがかなり集中してしまったみたいな現状があるわけですね。

    FCCの規制がよかったか悪かったかは別にして、現状においては日米のそういう環境の差というのはあるわけで、これを抜きにして「べき論」を幾ら戦わせても、多分事態は余り発展していかないのではないかと思います。

    何をいいたいかと申しますと、やっぱりもうちょっと個別具体的な、例えば動画配信についていえば、著作権の問題は、よくいわれるようにもちろんですが、事業採算性の問題もあって、コンテンツの配信コストの違いというのは、電波と通信では圧倒的に違うわけですね。電波というのは非常に効率的にコンテンツを配信できるという背景があるわけで、そこら辺も踏まえて、どうやって現実的なビジネスモデルをつくっていくか、あるいはそれを育てるための行政なり規制の緩和なりを図っていくかというような、つまり「べき論」ではなくて、個別具体的な現実論でのさまざまな施策というような形で議論がこれから進んでいってほしいなというふうに思っております。ちょっとまとまらない議論で恐縮ですが。

  • 村上(輝)分科会長

    ありがとうございます。

    では、大歳委員。

  • 大歳委員

    情報経済分科会という枠に入るかどうかわかりませんが、お話を伺えば伺うほど、庄山さんが少しおっしゃった教育の問題に、大学だけではなく小中等含めて、いかざるを得ないのではないかと思います。「個性を伸ばす」、あるいは「違いがあることをよしとする」というものがもっと必要だと考えます。「みんな同じで走って」という、同じレベルであれというのが、戦後の50年は機能したかもしれませんが、今は少なくとも違うと思いますし、また日本語という言葉が、今までは外からの参入を防ぐ参入障壁になっていた面がありますが、これからは、あるいは既にもう、日本から外へ出ていくための障壁になっていると思うのですね。オープンとかイノベーションとか「つながり力」とかいっても、この国の中だけで言っている分ではしょうがないわけで、ほとんどのケース、やっていることが外に見えていないと考えます。

    したがって、携帯の世界にしてもiPodのようなものにしても、発想の芽はあったと私は聞いていますし、外から見えないことにはみんなから支持も受けないわけですが、世界の標準をとったノキアにしろiPodにしろ、ハードウェアの半分以上日本製だと思うのですよね。それなのに、ビジネスモデルあるいはソフトウェアで世界のシェアも、あるいは利益の大半も持っていっているのはよそ(日本以外)の人ですから、やっぱり言葉というのも私は大きいというふうに思います。それが1つと、教育ですね、大元は教育だと思うのですが。

    もう1つは、やはり広い意味での標準ということが、日本人、日本の企業さまは苦手なのではないかと思うのですね。少し前にありました生保損保業界でのいろいろ問題というのも、業界の標準というのがもう少し作られておれば、あれほどたくさんはなかったのではないかと考えます。そういう観点で、オープンであると同時に、標準というものに普段から取り組んでおくことが必要ではないかと思います。

    そういった意味では官の世界も、つい最近までは少なくともお互いに閉じていらしたわけですけれども、だんだん開いてきたとはいえ、持っていらっしゃるアセットを共有するということがもっと行われれば、非常に効果は大きいと思うのですね。プロセス等々だけではなくて、持っていらっしゃるデータというものもたくさんあるわけで、たとえば、車をとってみても、所轄される官庁さまによって独自のシステムがいっぱいあって、多分共有されている部分は限られているのではないかと思います。いろいろないいシステムがどんどんできてきているがゆえに、横につなぐということは価値がとっても高いと思いますし、同時に、そういう情報を民に開放可能な部分もあると思うのですね。

    そういったことを使うことによって、民間サイドのこれから先に向けての開発であるとか、あるいは新しいリサイクルとか環境を目指した活動などにもつなぐことができると考えますので、オープンとあわせた標準というものにも目を向ける必要があるのではないかというふうに思います。

    以上です。

  • 村上(輝)分科会長

    ありがとうございます。

    どうも議論が常に人の問題、仕組みの問題に落ちてまいりますが、アカデミックのほうからしばらくご発言をいただきたいと思います。

    國領委員お願いします。

  • 國領委員

    やはり情報価値化という概念のところをパチっと決められると、全体のまとまりが出てくるように思うのです。この資料でいくと、本来生み出すべき付加価値の最大化というところになっているのですけれども、きょうご指摘が出てきたのは、単に価値を生み出すだけではなくて、それをビジネスモデル化しないと散逸してしまうというところで、先ほど角川委員がおっしゃっていたようなことというのはそういうことだと思うのですね。ですから、学者っぽい言い方をすると「内部化のメカニズム」が必要で、生まれている価値がちゃんと収益としてビジネスになるという状態をつくり出していくというところが欲しいのだと。しかも、それをオープンな環境下で。クローズドな環境下でビジネスモデルをつくるというのはもう結構できているので。ただし、どうもネットの世界というのはオープンな形でビジネスが進行する場合が多くて、それに対応できてないというところが課題です。じゃ何が必要かというと、オープンな環境の中で価値化とかビジネスモデル化するというのはどういうことなのかと。そこで施策をきちっと打っていく。

    先ほどの角川委員の特許というか知的財産権の話をされました。本来は知財という考え方は、オープンな環境の中でビジネスモデルをつくるための道具であって、秘匿しないで、開示しながら経済的な権利を守る仕組みだということですし、オープンソースとかクリエーティブコモンズなどの考え方も、知的財産権そのものは全然否定していなくて、それをむしろ開示しろとか、ライセンスの行使の仕方のところだというふうにいっているわけです。この辺のオープンな空間の中でのビジネスモデルを構築するための制度的なインフラも含めた基本インフラが、一体何が必要で、何が欠けていて、どれを整備すべきかということを考えたい。その中で知財というのは非常に重要なピースだろうと思っていて、逆に物理的に垂直統合していなくても、オープンな環境の中でちゃんと利益が出せる方法というのをどう考えるのか、という問題です。

    先ほどの認証基盤なんていうのももちろんそうであって、コンテンツが識別できるものが識別できる、こういうような基盤というのがないと、工場の中では効率化できるかもしれないけれども、サプライチェーンを工場の外にまたがるとできないというような話になります。あとは話が長くなるのであとは列挙型でいきますけれども、例えば位置情報であるとか、標準であるとか、DRMであるとか、一連のそういった、何があるとオープンな空間の中でビジネスモデルを構築できるのか、それで足りない基盤は何なのかという発想で施策を整理して考えていけばいい。

    もう1点だけ結びつけさせていただきますと、あと、主体がだれかということがあります。政策そのものもオープンイノベーションの時代になってきていて、だれがそれの推進者になるのか。役所はどんな役割か。例えばワンストップ電子行政サービスというのは、だれがそれを実現するのか。必ずしも役所が実現しなくてもいいはずです。つまりワンストップ化、それぞれの行政サービスがばらばらに存在するのをインテグレートするのは、ひょっとしたら民間のほうがうまくできるのではないかと、僕はずっと思っています。ということで、やっぱり主体がだれなのか、その主体がどういうビジネスモデルを構築するのか、そのために必要な部品って何のか、そんな発想でいけるといいのではないかなと思います。

  • 村上(輝)分科会長

    ありがとうございます。

    恐らくオープンであるということは、裏側に、先ほど大歳委員がいわれたグローバル性というものを、同時に日本の場合には含んでいなきゃいけないのだと思います。そういうビジネスモデル、国内でどんどん生まれてくるビジネスモデルはたくさんあるわけですけれども、それがオープンな環境下で、しかもグローバルに展開していく力、これがどこから生まれるか。國領委員がおっしゃいましたいろんな要素、恐らくひっくるめるとプラットフォームということになるのではないかと思います。プラットフォームという概念自体は、この場でも3年ぐらい前からずっと議論をしているのですけれども、恐らく今いわれた、「だれが」というところがはっきりしないまま議論を進めてきているというところに問題があり、突破口があるように、今のご提言の中からそういう気がいたします。

    では、野原委員、藤原委員、続いてお願いします。

  • 野原委員

    プロデューサー、マーケターの役割が重要であるというのは、前回・前々回のビジョンづくりのときにも議論をした内容だと思います。でも、同じ内容だと思う反面、状況は変わってないとも言えると思います。皆さんも言われている課題について、目に見える成果が上がるような具体的な施策提案を含むビジョンに今回はしてほしいと思います。

    私の仕事のテーマとしても関心を持って取り組んでいる内容で、いつもどうすべきかを考えているのですけれども、1つは、プロデューサーやマーケターの位置づけや、その人の属する組織ですとか、あるいは扱っているシーンとかがあいまいなまま議論していても、そこから先には進まないと思いますので、プロジェクトを起こすなどして、ぜひ具体的な議論をすべきだと思います。

    そして、そのときにも、たしか教育の問題が重要だということで、一生懸命プロデューサーをとか、ビジョナリーが大事だとかいった覚えがあるのですけれども、教育の問題ももちろん重要ですので、今後も検討していかなくてはいけないのですけれども、もっと近々に企業の中でどういう人材を確保すべきなのか、あるいはどういう体制でそれを成し遂げるべきなのか、あるいはもっと具体的にいえば、プロジェクトの進め方をどうしていくべきなのかというようなこと、だれが決定していくべきなのかとか、どんなふうに決定すべきなのかといったような、ある意味とても具体的な内容も題材にしながら議論していくべきなのではないかと思っています。

    例えば大手企業の技術開発を担う研究所では、ほとんどの人材が研究者ですよね。研究開発した技術を事業化するための人材がいない。個々の研究者に求める問題ではなく、組織体制の問題だと思うのですね。ですので、どういう人材をどういう立場で入れて、どうやって事業化を進めていけばいいのか。R&D部門と事業会社でどう課題が異なるのか。大手企業と、ITベンチャーでどう違うのか。そうしたことを整理しつつ、どうするかを検討すべきだと思います。ぜひそういうプロジェクトをやっていただきたいと思います。

    以上です。

  • 村上(輝)分科会長

    重要なポイントだと思います。

    それでは、藤原委員、牧野委員、篠崎委員お願いします。

  • 藤原委員

    角川委員から始まったきょうのご議論、非常に興味深く拝聴しているのですけれども、それを前提に申し上げます。まず最初に、例えば、きょうの資料の中に過剰品質の要求ということが書いてあって、それは文化ではないかと考えるわけです。その裏側として、前回のご議論で、技術が細かく細かく技術者側でなっていって、いつの間にか、世界で余り一般規格として通用しないものになると、これも表裏一体の文化ではないかと思います。具体的な例の1つですが、文化的側面をどうするかということも検討せざるを得ないと思います。

    2つ目が、ハードが先行して、どうもソフトが伴わないのではないかという問題との関係です。もうオープンスペースだといっている革命的な時代に、しかしやっぱり総どりをしたいと考える方もいる。みんなでハッピーになって、それぞれもうけようというより、国内で総どりをしたいという文化もあるというお話が2番目に来ます。第三に、これが一番申し上げたいことですが、しかし、きょう伺っていることというのは、実はこれまでさんざん繰り返されてきたことではないかということです。きょうの資料の中に、我が国の知識データの戦略体系化が具体的に必要であるとあります。私も、こういうアーカイブはぜひ必要だと思っているものの一人なのですけれども、そのときには同時に、やっぱり失敗の本質の研究というのは、民だけではなくて、やはり官も含めて失敗の研究の分析は同時並行的に、こういうデータアーカイブの中に本当は入れておいてもいい話ではないかと私は思います。どうしてそうならないかというのは、いま一度分析しても、まだ遅くないのかなという気がします。

    というのは、その次ですけれども、総じていえば、これも先ほどどなたかからお話があったことだと思いますけれども、周辺環境を十分に整備せずに、これは先ほど税制とかいろいろお話がありましたけれども、縦割りの法的制度だけで見てもうまくワークしないことが多いわけです。成功した規制の例、あるいはうまくいかなかったプロジェクト等多々あるわけですけれども、今考えると、周辺環境を整備せずに上に新しいことを乗せても、恐らく余り画期的な成果は出ないかもしれないという気がするわけです。後ろ向きで申しわけないのですけれども。

    であるとすると、必要なのは、先ほどご意見ありましたことに関係しますけれども、バーチャルなものであるにせよ、リアルなものであるにせよ、やっぱり司令塔をどこに置くかという議論を本当はしないとだめなのかと考えるのです。さっき、民間が司令塔をとったらいいのではないかという國領先生のご意見がありましたが、司令塔としてやはり政府が舵をとるのならば、やっぱり司令塔にふさわしく長いスパンで、しかも横断的に見られるようなところを、リアルに組織再編するというのは難しいでしょうけれども、バーチャルなものとして枠組みをつくるということはできると思いますので、そういうことを同時並行的に、こういう作業と同時にやっていく必要があるのではないか。また、我が国の文化としてなかなか難しかったですね、と何年後かにならないとも限りませんので、今申し上げたようなことが重要かなという感じがいたしました。

  • 村上(輝)分科会長

    ありがとうございます。

    では、牧野さんお願いします。

  • 牧野委員

    今、藤原先生がおっしゃったのに近いのかなと思うのですけれども、先ほど神成先生のほうから、情報の「見える化」の問題について非常に前向きの議論があって、その後、東京電力のご経験も含めて事故経験の共有という話があったのですが、私どもはいろいろと事故を見てくる中ですごく気になっていたのが、やはり中小企業が事故を起したときに、それをすべて隠してしまうという客観的な問題があります。経済産業省に時々調査ということでお聞きに行っても、同職でありますけど弁護士がガードをして、一切見せないという問題がある。

    もう1つ、中小企業などで成功した例というのはたくさんあると思うのですけれども、それも、どちらかというと局所的な競争力を確保するためにというような意味でなかなか共有しようとしない、公表しようとしないという問題があって、「知」の共有化、あるいは情報の共有化、あるいは「見える化」というようなことをいうのだけれども、「いうは易し、行うは難し」という感じで、ネガティブなものは隠すし、成功したものも隠すというような体制があると。

    先ほどちょっとお話があった法規制、あるいは規制が大変厳しくなってくるとバリューチェーンが崩れるというご指摘がありましたけれども、ある意味で問題があって、その問題のあるネガティブな情報を共有しようと思うと、そこで処罰が入ってくることによって、当然処罰から逃げたいので、どんどん隠す方向に動いてしまう。ある意味では処罰をしなくていい方法。あらかじめ届け出をして、ある意味ではオープンプラットフォームに乗せた、あるいはオープンプラットフォームと連携をとっているシステムについてのバグとか問題点については、むしろ政府側が責任をとってあげる、あるいは何らかの形でそれをサポートしてあげる。ある種の推奨レベルだと思うのですけどね。「適マークがついていたら、基本的には事故は起きないよね」みたいな、そういうものができて、その中で、いろんな中小企業が業種ごとにレベルアップを図っていく。

    例えば、ガイドラインってたくさん出ていますよね。ところが、ガイドラインってほとんど生きてないのですよね。そうすると、ガイドラインがちゃんと実装されているかどうかを自動的にチェックする。ちょっと「大航海」に出ていましたけど、ラダリングシステムとかいうようなところがあって、中小企業をITの力で指導していくということが必要なのではないか。その中で成功したものは、同じようにプラットフォームに乗せていく、そこで共有化していく。

    先ほどのご説明の中で、IT化が進んでいないIT不全企業というのは7割ぐらいあるのだと。その多くは、私は中小企業だというふうに思っていまして、その中小企業が力をつけていかないと、この国は変わらないだろうと。そうなってくると、中小企業をどう支えていくか。プラットフォームの主人公は、私は中小企業ではないかというふうに思っています。

    ただ、そのときに、中小企業は大企業をみながら、大企業の下に入っていて自分独自で行動できないという部分もあるのではないか。そうすると、こういう産構審のようなところで方針を出して、大企業の皆さんにもご支援いただいて、中小企業がきちっと健全化して効率化していくことを大企業も大歓迎して、そういう企業こそ大企業が使っていってあげるというような、大企業が評価するのは、プラットフォームに乗っかって透明性を確保して、成功例は出すし失敗例もちゃんとオープンにできる安全な企業であれば、大企業はそれを使っていけるのだというようなアピールを出してあげて、そして中小企業を引っ張り上げていくということが必要なのではないか。ですから、プラットフォームの主人公は、私は中小企業に置くべきではないか。その施策を強烈に進めていかないといけないというふうに思います。

  • 村上(輝)分科会長

    リアリズムをベースにして、非常に夢のあるご提言をいただきました。

    篠崎委員お願いします。

  • 篠崎委員

    2点、手身近にコメントいたします。1点目は、今もお話があった「底上げ」の部分、2点目は「フロンティア」の部分です。

    まず、底上げの部分では、「政策主体の競争」が重要ではないかと思います。さきほど中小企業のお話が出ましたけど、企業数でいくと99%が中小企業になるので、それを全部ひとくくりにすると、結局何をやっているかわからなくなると思います。中小企業の業態は多様ですし、規模も1~2人のところから300人のところもあって、中身が全く違います。それを十把一からげに「対策」をとろうとしてもアウトカム(成果)が出にくいと思います。中小企業は全て大切ですが、その中でも優先度の高い絞込みが必要です。ITはソリューションの道具ですから、今、国民経済的に何の解決が一番求められているかを考えて、ITを活かせないかという視点に立つと、医療の分野だと思います。医療機関は約11万ありますけれども、そのうち約10万は個人の開業医です。そこには、ある種の零細企業問題が凝縮されているようです。所管する厚生労働省が年金など他の問題で手いっぱいであれば、そこにITに関する政策に長けた経済産業省がサポートする形で対応し、知見を活かすのがオール・ジャパンで望ましいと思います。業種が絞れて目的がはっきりしていますから、成果の判定もしやすいと思います。

    通常の産業であれば、民間企業の競争が中核なので、うまくいくところ、いかないところ、いろいろあって、政府がどこまで手を差し伸べるか議論が出ますが、そもそも、医療の領域は、現在のところ、「制度としての医療」という性格がつよく、「産業としての医療」という発想はまだ余り生まれていません。その意味では、官と民と消費者、つまり政府と医療機関と患者(=ユーザー、国民)がつながりをもって対処していける分野なので、ここに政策として全力で切り込むことが可能ではないかと思います。医療については、様々な課題を抱えていますが、高齢化が進む中で、公的医療費の抑制と医療サービスの質の向上が求められており、ITは重要なソリューション・ツールになり得ると思っています。

    2番目のフロンティアですが、国内だけを対象にした狭い議論ではなく、最初からグローバルな視点で政策論を行う必要があろうかと思います。今から伸びてくる国が日本の規格とか標準に賛意を示すような、そういう仕掛けが大切でしょう。本日の資料の最後のページに、グローバル市場への展開でBRICsやNEXT11について言及されていますが、こういうところには、早目に布石を打つほうがいいと思います。グローバルな標準化では1国1票ですから、小さい国であっても、とにかく日本のハード、ソフト、コンテンツ、仕組み、いろんなものがまず市場に受け入れられれば、その市場ではデファクトになり得ます。日本のコンテンツとか日本のアニメでも何でもいいのですけど、私は、政策的には教育が一番いいコンテンツだと思うのですけれども、地上波ではできなかったことが今やネットでできるので、ぜひ、新しい発想でサービス展開を進めていただきたいと思います。先ほど電波は安いという話がありましたけど、電波は割り当ての問題があり、地上波でグローバル展開するのは、なかなか難しいと思いますが、ブロードバンド・ネットだとそれが可能になるので、そういうところに、たとえ人口が少なくてもどんどん食い込んでいくのが、標準化に不可欠な「仲間作り」という点で長期的に有効な戦略だと思います。コンテンツは文化、ソフト・パワーとして入っていけますし、ハードやソフトは、それになじんだ技術者が海外で育ってくれば、それで生計を立てる人たちが増えますから、様々な意味で、日本の仕組みに賛成という人が増えていくと思います。

  • 村上(輝)分科会長

    ありがとうございます。

    では、上野委員お願いします。

  • 上野委員

    中小企業の話題がたくさん出てまいりましたので、中小企業のものづくりをしている企業から提言してみたいと思います。

    先ほど石黒委員のほうから、プロデュースということとマーケットについて非常に弱いのではないかというのは、私は本当に同感できることです。それから、先ほど別の委員からも、中小企業のITのところが非常に大きな問題を抱えているのではないかという指摘も、そのとおりだと思います。私は具体的に説明してみたいと思います。

    日本でも強みはあるのだろうと思っています。それはどういうことかといいますと、薄型テレビやデジカメというのは、日本発で世界的な成功モデルであると思っています。もう1つの日本の強みというのは製品開発力。これと企画するということについては、日本は非常に強いと思っています。これは、ほとんど大手さんが企画をされる場合が多いです。そして、その企画された品物は、今度加工技術力が非常に重要になるわけです。それを私どものような中小企業のものづくり企業が、サポーティングインダストリーとしての役割を十分に担っていると私は理解しているわけです。

    そのときに、当然のことながら、ものづくりですと図面や仕様書というものが重要になってきます。こういうものはITを使って、しかも大量にブロードバンドで情報を提供することができるわけですけれども、これがなかなかうまくつながっていない。今現在、日本の中小企業のものづくりの強さというのは、汗と腕でもってずっと培ってきているわけです。それが、今もまだ世界の中では強みを発揮していると私は認識しています。アメリカ、ヨーロッパ発のデファクトスタンダードが出てきましても、いち早く私ども中小企業はそれを取得しているわけです。それは、しっかりとしたものづくりのノウハウを蓄積しているということがいえると思います。

    その場合に、デジタルでノウハウを蓄積するということでITの活用というのが非常に重要なことになりますし、もう1つは、大手と発注側と我々受け側の受発注のところがしっかりとまだつながってないというところは、やっぱり大きな問題点だと私は思っています。このところにつながりをつけるというのは、中小企業というのは非常にレガシーなシステムをひきずっていますので、そこと大手さんがWebサイトで通信するときに、各社がみんな違うシステムをつくっておられますので、そこをつなげるためのASPサービスなどがやはり一つポイントだと思っています。

    本当は、別々のWebサイトではなく共通のプラットフォームをつくれば、インターネットを使ってすぐにアクセスできるというシステムが一番いいのですけれども、各社は既に大きな設備投資をしていますので、それを一気にご破算にして国家レベルのプラットフォームづくりというのは、やはりちょっと厳しいのかなという感じがします。そういう面では、つなげていくというのはビジネスチャンスが必ずありますので、ぜひソフト関係の方々は、このビジネスチャンスを生かしてほしいと思います。

  • 村上(輝)分科会長

    ありがとうございます。

    それでは、針谷さんと伊東さんと遠藤さん、それぞれご発言いただければと思います。

  • 原委員(針谷代理)

    原の代理でまいりました針谷でございます。よろしくお願いいたします。

    私ども、原丈人を含めましたデフタパートナーズ・グループというのは、これまで、コンピューターが牽引してきた20世紀末の時代はもうすぐ終わる、ポストコンピューター時代を迎えるということをずっと提唱してきてございます。そのときには、今の技術をもって、もっと新しい価値、新しい技術が世界をリードするだろうと。それはまさしく日本がリードできるくらいの優位な立場にあるので、頑張っていこうよ、というようなことを提言してございます。

    きょう、実はお話を伺わせていただきまして、とうとう情報産業というのはサービス産業になったのだというのがきょうの感想なのですね。例えば、プロデューサーが必要である、マーケッターが必要である、まさしくそうですし、コンテンツをどういうふうに流通させるのか、あるいは東電さんがおっしゃられたように、自分たちの経験を情報として売っていくことができるのではないかと。どんなお話もすべて、そうか、情報産業は今まさしくサービス産業として、どういうふうに私たちはこれを売っていくのか、拡大させていくのかということを考えようよ、というふうな話題にいっているなと。そのための人間も育てていこうというような形にテーマがいっているなという感じがすごくしたのです。

    デフタパートナーズがいっているのは、コンピューター産業は、最終的には必ずサービス産業になり、広告業になり、そういう形で収斂していきますと。新しい次の時代の産業をつくっていくには、そういうサービス業ではなくて、もっと違う、コンピューターではないところから始まるのです、というふうにいっているのは、例えば簡単にいうと、シリコンバレーといったとき、皆さんはネットとかITとかとおっしゃるのですが、シリコンというのはもともと半導体のことですね。チップのことなのです。つまり、メカニカルなものにデジタルな情報をその中に埋め込むということで、だからこそ世界で爆発して、それは情報をやりとりするというだけではなくて、情報産業だけではなくて二次産業そのものを変えたのですよね。

    つまり、情報産業がどうして世界を牽引したかというと、情報をやりとりするというだけでお金を取るだけではなくて、ほかの二次産業、電機業界からすべての業界、産業に対して影響を与えたからこそ今まで20世紀後半をリードしてきたというふうに、私たちデフタとしては考えております。

    ですから、情報をやりとりすることをどうやってビジネスチャンスにしましょうかということでなくて、そこから次の時代の日本がリードできる産業をつくっていくためにはどうしたらいいかというと、実はまさしくシリコンに戻るべきで、「アナログな」という言い方をすると大変失礼で、メカニカルなエンジニアとデジタルなエンジニアという人たちは、実は私たちはよく会うのですが、両者の間で言語が通じないのです。メカニカルなエンジニアの人にお願いする、あるいは医療とITを融合させよう、簡単にいいますけど、私たちは医療の先生とITの先生と一緒に会わせると、言語が通じないのですね。同じ理科系にもかかわらず言葉が通じない。

    そこができる人がいると物すごくうれしいのですけど、本当に少なくて、ある種教育というのは本当に必要なのですけど、どっちかというとソフトウェアの教育、プロデューサーとなるような教育とかというよりも、プロデューサーとかマーケッターとかというよりも、理科系の教育の中で実はメカニカルなエンジニアリングを勉強する人たちにデジタルな教育もしてほしいし、トータルに教育していただくことというのはできないのだろうかと。大変少ないというふうに私たちは思っています。

    それは、私自身がどなたかとお会いするだけでなくて、例えば産総研にお伺いすると、やっぱり医学界の方とITの先生とがどうしても言語が通じない、うまくやっていけないというようなお話も伺います。要するに最先端のところでも大変困っていらっしゃる。末端のところでも困っていらっしゃる。日本はものづくりの国というふうにお話もありますように、ソリューションも世界で一番進んでいる、教育レベルも世界的にも大変高いです。そうすると、もう少し志向性をきちんともった教育をしていただくことと、リードするメーカーの皆さん、経済界の皆さんたちもデジタルな能力をもつのと、あと、能力がありながらアナログな発想ができる人間を育てていくという方向にもっていただけたらとてもいいなというふうに感想をもたせていただきました。

  • 村上(輝)分科会長

    ありがとうございます。

    では、伊東さん、遠藤さん、手短にお願いいたします。

  • 中村(維)委員(伊東代理)

    伊東でございます。

    きょうの議論をお聞きしていまして、前回というか以前にもプラットフォームの議論があったときに、よく混乱するといいましょうか、なかなか難しいのは、だれがプレイヤーで、何がマーケットなのだと、何が市場なのだというところをきちんとアイデンティファイしないで議論するとおかしなことになってしまうという議論は、今でもまだ残っているのかなというふうに思っています。その中で、既存のプレイヤーがいる中で、その既存の枠組みの中で単純にオープン化していく動きというのは、必ずしも日本ないしは全体の話をみたところでも正しくないのかなという気がしています。下手すると一部の勝者をつくるだけということになるのではないかというふうに思っていまして、きょうは、つとにそれを思い起こした限りでございます。

    それで、じゃどうするのかということで考えてみたのですけれども、ファーストステップというのでしょうか、一歩前進という方策とドラスティックに前進という方策がもしあったとしたならば、一歩前進は、角川さんもおっしゃられたのですけれども、プラットフォームないしはオープンイノベーションをやるためにオープン化をするということは必要なのでしょうけど、もう1つ必要で、多分公平性(フェアネス)というのが必要だと思うのですね。そのためには、角川さんがおっしゃられた標準化というのは非常に大きな意味合いをもつと思います。必要最小限のルール、多分インターフェースのルールということになると思うのですけれども、それをつくるということが一歩前進なのかなと。これは今でもできていませんので、これをやることは前進には間違いないというふうに思います。

    もう1つ、突飛な言い方になるのですけれども、私どもはドコモにいますので、どうしても既存の枠組み、既存のプレイヤーですから、今の特権といいましょうか、今のポジションを守りたがるといいましょうか、どうしてもそういう傾向があります。皆さんが大なり小なりそういう傾向があったときには、これは多分うまくいかない。

    それで、これも角川さんの中に入っていましたけれども、もし破壊的に前進をするとしたならば、会社をつぶせば一番破壊になるかもしれませんが、そういうわけにいかないと。そうしたときにはどうなるかというと、もう1つ「融合」というキーワードが今回の経産省さんの資料の中にも出ていましたけれども、これが重要なのかなと思っていまして、できるかどうかわかりませんが、新しいマーケットをみせてやる、既存の枠組みでなくて新しいマーケットをみせてやる、融合したマーケットをみせてやる。これは政策でできるような気がするのですけれども、そういうプロセスというのがもう1つあるのかなと。これに既存の枠組み、既存のプレイヤーが追従してくるかどうかというのは非常に難しいとは思うのですけれども、大きく皆さんが思われているようなことをすべておもんぱかって前進するためには、そういう新しいマーケットというのでしょうか、そういうのをみせるということが重要ではないというふうに思いました。

  • 村上(輝)分科会長

    ありがとうございます。

    では、遠藤さんお待たせしました。

  • 遠藤委員

    きょう、いろんな方の話を伺っていたら頭の中がごちゃごちゃになって、知恵熱なのですけれども、全部それは忘れまして、勝手に自分の話をさせていただきます。

    まず、いろんな企業、日本の企業が、どの市場を相手に自分の事業を主に展開しているのかと。日本の市場を中心にやっている方と、世界、もちろん先進国もありますし、これからどんどん伸びていくところもあると。どこに自分の将来をみながらやっているのかということによって、全然最初から態度が違うと思うのですよね。

    ところが、日本にいて世界企業と競争が始まっているのですね。逃げようと思ったってどんどん入ってきちゃうわけです。そうすると、要するに従来、日本の市場の中で何とかやっていたその思考のままでいる人たちにとってみると、ITだけではなくていろんなものが全然合わないのですね。ミスマッチなのです。そこのところが、非常に大きな、今現実として経営者の中での、何かわからないで右往左往しているだけということになっているのではないか。

    私は、ここになぜ出ているかってよくわからないのですけれども、多分経団連の情報化部会長ということなのだと思うのですけど、そちらのほうの意見は全然私はわかりませんが、株式会社リコーということからいうと、リコーはこの15年ぐらいの間に、海外の売り上げのシェアが3割ぐらいから半分をちょっと超えるところまで来たのですね。もちろん、海外の生産はもっとその前からやっていますけれども。そうなりますとどういうことが必要かというと、ITだとかなんとかという個別の話を1つ1つするようなことではなくて、そのそれぞれの市場でお客さんがどんなことを求めているのか、自分たちはどうこたえていかなきゃいけないのか。そうすると、サプライチェーンだってもっと短くやらなきゃいけないとか、あるいは、もっと短いリードタイムでお客さんに物を渡すために物をうんともっていたら、市場がどんどんデジタル化して、技術もデジタル化しているから、商品のライフが非常に短くなっているから自分はリスクを負ってしまうと。それではやっていけないと。そういう今までの考え方のままでは答えが出ないいろんな問題を、自分が本当に認識するわけですね。その認識したことに対して、一体ITは?とか、人材は?とは、あるいはアライアンスは?とか、どこでつくるのかとか、そういうことを考えていかなきゃいけない。

    だから、どうも1つだけ取り上げて議論をするようなことをやるのは大変よろしくないというようなことで、先ほどいろいろな方からも出ていましたけど、そういうマルチな見方ができる、1人の人ではなくていいと思うのですけど、そういうグループができることが非常に重要ではないか。そうすると、ITも非常に上手に使えるようになる。

    もう1つは、日本の経済の中で物をつくっている経済の中では、特に小さな企業のお世話になっていることは物すごく多いわけですね。ですから、そこも一緒に自分たちで考えていく。私は、これは随分前からいろいろなところでお話ししていますけど、取引先とWin-Winになる、取引先にしわ寄せをしない、そういう基本的な態度がどうもまだおかしいのではないかというふうに思います。ですから、その辺を変えていくことだけで、要するにグローバルに物をみるということと、どこまで一緒にやっていかなきゃいけないかというふうに思うだけで、自分たちの行動は随分変わってくると思うのですね。

    そういう意味でいうと、もう時間が長くなりましたから1つだけにしておきますけど、例えば、環境問題でいろんな規制がどんどんいろんなところで出ていますよね。そういう規制で、例えば有害物質の話で、ハザーダスマテリアルの話というのはどんどん厳しくなっているわけです。しかし、1つその中小企業がどんなに優秀でも、全世界のそういう規制の変化を自分でとって、全部自分でそれをクリアするようなことは絶対できないわけです。こういうことを私たちは自分たちなりに一生懸命やって、取引先に全部オープンにしているのですね。そういうことをなぜ一企業がやらなきゃいけないのか、こういう問題も非常にあって、これはITの恩恵を幾らでも使えるところなのですね。

    例えば、経産省に一つそれをやっていただいたって、何十万社というところが全部助かるのですよ。それを何で我々が1つ1つやらなきゃいけないのか。それで、やれないところにただでやっているのですよ。そういう意味でいうと、そういうグローバルに物をみたら当然やらなきゃいけないことを、それぞれの企業が全部やれというやり方を今やっている状態ですよね。ですからその辺を、ちょっととりとめない意見になりましたけど、ぜひ考えながらと思います。

  • 村上(輝)分科会長

    ありがとうございました。

    本日の議論は、事務局から情報の価値化という考え方を提示させていただきまして、それに村上さん、神成さんからの刺激的なプレゼンテーションがありまして、議論をしていただきました。

    1つは人の問題、プロデューサーですとかマーケッター、アーキテクト、あるいは「つながり人材」というような考え方も出ましたが、その人の問題に具体化できるようでないと、この政策にパワーが生まれてきませんねという一つの流れの議論がありましたのと、もう1つは、仕組み上のオープンでグローバルなビジネスモデル展開をプラットフォームでとか、角川さんが引き金を引かれた一連の議論がございました。

    3つ目は、そういう流れの中で、だれがということと、どこでというところが明確にならないと政策には具体性が出てきませんよということで、中小企業の重要性ですとか、医療ですとか、コンテンツですとか、海外のマーケットだとかというところにも議論が展開してまいりました。

    そういう中で、私、1つだけ、少ししか出なかったのですけど、藤原さんが、「とはいっても、司令塔がどうなのでしょうか?」ということをいわれたのが気になっておりまして、村上さんの会社の非常に自立・分散・協調を旨とされる運営も、その根底には、広告モデルからぶれてはいけないよという、どちらかといいますと統合・集中・管理型の考え方が貫かれているというところに非常に興味深いものを覚えます。

    神成さんの、現場力からアーキテクトあるいは編集力をつくっていくというところも、どんどんこれまで自立・分散・協調型になってきた環境の中で、昔の統合・集中・管理型のものとは違うのでしょうけれども、昔もっていて失われてきたものをどう共存させて、本当に情報価値化ということを実現するのかという戦いが、今本当に始まっているように思います。

    ここまで来てしまったものを、もう1回どうするのかという反省でもあろうかと思いますけれども、そういう大きな流れの中で、産業構造の根底の部分にかかわるようなことが起こっていると。それが、望むらくは情報価値化という概念で方向づけをできれば、この次、あるいはその次の議論が生きていくと思いますので、きょうの議論をもう1度事務局でよくそしゃくをしていただきまして、大きな流れの中にポジショニングしていただければと思います。

    それでは、事務局から、今後の進め方につきまして説明をお願いいたします。

  • 鍛冶情報政策課長

    時間の関係上、一言だけ。資料5に書いてございますように、次回4月25日、次々回5月20日。できますればこの2回で、本日のご議論を踏まえまして、少し編集をしていく方向で議論を進めさせていただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いをいたします。

  • 村上(輝)分科会長

    ありがとうございました。

    本日は、非常に含蓄の深いご議論をいただきまして、どうもありがとうございました。

  • 岡田商務情報政策局長

    おくれてまいりまして、済みません。国会審議があったものですから。

    大変示唆に富んだご議論をいただきまして、どうもありがとうございます。経産省も、昔はIT関連産業を伸ばすということをやっていたのが、途中から、社会にIT化を進めるというふうに重点が変わってきて、今や、IT化だけではだめだ、情報の価値を高めて社会の競争力を高めなきゃいけないという、だんだん大きな課題に直面しておりまして、そういうことで日夜悩んでいる中で、きょうの皆様からの示唆に富んだご議論、大変ありがたく思っております。

    インドや中国のように、毎年20%の勢いで経済が成長しているところが、ITをうまく活用したり、社会の仕組みを大胆に変えるのと違って、低成長の日本ですと、その中で日本人が一生懸命働くと、ついつい細かいところを詰めてしまって、その結果、現状維持をますます固定化してしまうようなおそれがあると思うのですが、そういう安定に陥らないように、ぜひ新しい視点というか考え方というか、あるいは新しいマーケットというか、そういうものがみえるような政策方向にもっていきたいと思っておりますので、お忙しいところ恐縮でございますけれども、あと2回、よろしくご参加をお願いしたいと思います。きょうは、どうもありがとうございます。

  • 村上(輝)分科会長

    ありがとうございました。

    これで、本分科会を終了させていただきたいと思います。

─了─

 
 
最終更新日:2008年5月12日
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