経済産業省
文字サイズ変更

 

審議会

総合資源エネルギー調査会需給部会(第5回会合)
 議事要旨



1.日時:平成16年3月17日(水) 14:00~17:00
2.場所:国際会議室
3.議事要旨:
<自由討議(各委員の御発言要旨)>
○ 事務局配布資料5(「2030年に向けた新エネルギー政策の展望」)に80%賛
  成する。
○ ただし、資料5の9頁の「太陽光発電システム技術革新のイメージ」は、材
  料の変換や新材料に触れているが、一番のポイントである「画期的プロセス
  開発」に触れていない点で不十分である。「画期的プロセス開発」により5
  分の1程度への価格低減が可能になると思っている。
○ 「画期的プロセス開発」のコンセプトは、これまで製鉄や石油化学がやって
  きたことに学ぶことが多い。ポイントは、原料から製品までの一貫生産と、
  「物質的熱的複合化」による効率化。
○ 太陽光発電は普及段階と位置付けられているが問題。「画期的プロセス開
  発」は、民間企業一社では無理なので、国が先導すべき。
○ これまでの審議では石炭が重視されているが、石炭にはCO2排出というネ
  ガティブな要因もある。石炭火力の売り上げの一定割合を、再生可能エネル
  ギー、炭素固定化、植林などの対策と連携させるべき。
○ 石油は、我が国のエネルギー総供給の約5割、総需要の約6割を担っており、
  依然として重要。
○ 民生部門では、石油のコージェネが防災上の観点からも有益。燃料電池の原
  料としても石油は重要。
○ 運輸部門のCO2排出削減対策としては、石油の品質向上が、自動車の技術
  開発と相乗効果を生じ、重要。
○ 電力需要の増加への対応としては、石油残さガス化発電の導入に、支援をお
  願いしたい。
○ 需給見通しに当たっては、実現可能性やエネルギー間のイコールフィッティ
  ングを重視すべき。
○ 石油代替エネルギー法や新エネルギー法の政策的役割を検証するべき。
○ LNG価格は基本的に原油価格に連動している。歴史的に日本のLNG価格
  は高かったが、直近では米国の方が高い。最近、LNG取引のグローバル化
  が進んでおり、地域間格差は縮小していくだろう。
○ ガス田の確保には資金が必要であり、民間だけでは力不足なので、国際協力
  銀行などからの金融面での支援をお願いしたい。
○ 産ガス国に対する資源外交をお願いしたい。
○ エネルギー安全保障の観点から自給率向上政策が重要。日本の自給率は先進
  国で最低レベルなので、最優先で政策的取組が必要。
○ 天然ガス利用拡大には限定的に賛成するが、天然ガスも輸入に頼った脆弱な
  もの。環境特性においても、再生可能エネルギーや原子力に及ばないことか
  ら、無制限に利用を進めるわけにはいかない。莫大な費用と時間をかけてパ
  イプラインを敷設し利用拡大を行うことは経済原理にも反し、国民の利益に
  はつながらない。
○ 天然ガスへの一定量の燃料転換のためには、LNG船舶の高度化や、LNG
  基地整備、国内パイプライン整備など、一定の政策的支援が必要。
○ 国益を最優先する観点から、総合的かつ幅広く検討を加え、採算性を重視し
  つつ、目標とする自給率を示した上で、エネルギーベストミックスにおける
  天然ガスの利用を考えてほしい。
○ 太陽熱は、技術的には一般家庭の給湯需要の大半を賄うことができる。近年、
  都市ガスや灯油価格が安定していることから普及が伸び悩み、コストが割高
  であるが、今後、製品開発を進めるべき。
○ 省エネルギーを実践することは国民の義務でもあり重要で、自給率にカウン
  トできるもの。啓蒙と実践を進める政策をお願いしたい。
○ 費用対効果の分析が重要。
○ 石油代替エネルギー法の評価が必要。新エネルギーの概念の見直しも必要。
○ 「ベストミックス」の概念の定義が必要。
○ ハイブリッド自動車や太陽電池、石炭利用の高度化など、エコテクノロジー
  を活かして日本の経済にプラスとする視点も必要。
○ IPPやPPSやコージェネレーションが増えれば、化石燃料の使用も増え
  るので、これらの環境面での評価を明確にするべき。
○ 原子力が「基幹電源」とあるが、「基幹電源」の定義、定量的評価や、それ
  に対する政策の在り方を示すべき。
○ 「新エネルギー」の定義は国際的ではないので、定義についてのコメントを
  付記するべき。
○ 経済の持続的成長と活力ある我が国経済の実現を前提とした需給見通しで
  あるべき。
○ 配付資料に「パラダイム転換につながる可能性を持つ技術の登場」という言
  葉があるが、技術開発への過度な期待に頼り、現実と乖離することは、問題。
  需給見通しは、基本計画に描かれた枠組みがベースとなるべき。
○ エネルギー基本計画にも明記されている通り、原子力が基幹電源であること
  は今後とも変わることはない。改めて原子力が基幹電源であると位置付ける
  べき。
○ 原子力以外の燃料の選択については、事業者の自主性が大原則。電源構成に
  おける天然ガス利用比率は既に相当高い。ひとつの燃料に過度に依存するの
  ではなく、バランスのとれた形であるべき。
○ 分散型電源は、環境特性をとっても玉石混淆であるという実態を正確に認識
  することが必要。適切な環境規制が必要。期待先行によって過度な政策的肩
  入れを行うことなく、環境特性やエネルギー効率、系統連系等に伴う問題点
  を適正に判断し、今後の在り方を評価するべき。
○ 電気事業者の温暖化対策については、行動計画の目標達成に向け努力。原子
  力発電所の新増設を計画的に進めるとともに、既設の発電所の設備利用率の
  向上への理解と支援をお願いしたい。
○ 長期的には、上位の概念として、安定供給が重要。
○ ポイントのひとつが自給率の向上。パイを減らす省エネルギーを行いつつ、
  新エネルギーを推進する。原子力は準国産エネルギーであり、その推進も重
  要。分散型エネルギーも認知され、明確に位置付けられてきた。ただし、大
  規模と分散型のバランスをどうするかが問題。
○ もうひとつのポイントは技術開発による化石燃料の価格変動への対応。CC
  Tによる石炭、ガス化発電による石油の活用が、安定供給の観点から重要。
○ プライスメカニズムには「効用」と「限界」があるが、「限界」の観点から
  も検討を行うべき。また、世界の中で考えるという国際的視点が重要。原子
  力の稼働率の在り方等、ルールの在り方をこうした視点から検討するべき。
○ 技術開発には政策的関与が重要。30年を見通すとなると、小型原子炉の開
  発をローレンスバリモア研究所から提案されている。GTL、DMEはマー
  ケットメカニズムで動くが、メタンハイドレート、オイルサンドやオイルシ
  ェールは、炭化水素の寿命によって影響を受ける。また、炭素固定化技術の
  議論をお願いしたい。
○ 天然ガスについては、既に電力での利用は多い。石炭利用が多いIPPやP
  PSでは、環境対策の観点からもっと天然ガスの利用があってもよいのでは
  ないか。一方、家庭や業務では天然ガスの利用率が低い。天然ガス普及と一
  般的に言うのではなく、どのような分野にどのような対策を打つかという具
  体論が重要。
○ エネルギーの分野での産業体制、プレーヤーの在り方も議論も念頭におくべ
  き。
○ エネルギー基本計画で、LPガスは都市ガスとともに「ガス体エネルギー」
  と位置付けられている。パイプラインによるネットワーク型供給に偏重する
  のではなく、分散供給型エネルギーの代表であるLPガスをバランスよく活
  用することがインフラ投資の経済合理性にかなう。
○ 「ベストミックス」というが、エネルギーにはそれぞれの役割、使い分けが
  あってよいのではないか。
○ RPS法による電力会社の買い取り義務が新エネルギーの普及の妨げにな
  っているのではないかとの意見がある。送電線の利用がもう少しできる方法
  も考えてほしい。
○ 新エネルギーと省エネルギーは別々ではなく、ミックスして行えるようにし
  た方がよいのではないか。
○ 戦後のエネルギー政策は国が引っ張ってきたが、これからは、国の推進力が
  相対的に下がり、競争原理が高まっていくだろう。
○ 原子力の根本的問題は、再処理がうまくいかなくなると52基の原子力発電
  所がとまってしまうこと。52基は大事な資産だから、これをうまく使おう
  という方向にもっていかなければならない。資金の配分という政策の推進と
  自由化を、車の両輪とするべき。
○ エネルギー政策基本法とエネルギー基本計画ができ、基幹電源として原子力
  を育てていく在り方が提示されるものと期待していたが、配付資料では原子
  力のマイナス面ばかり強調されており、プラス面を引き出すという視点が目
  立たない。今となって腰がひける原因が分からない。なりゆきを追認するな
  ら政策ではない。米国の稼働率向上のようなことが日本では何故できないの
  か。
○ 自給率に触れていないことにも不本意。自給率を支えるのが原子力であり、
  その前提となるのは核燃料サイクルである。
○ 海外での停電や系統の問題を取り上げて分散型電源を活用すべきというの
  は議論の飛躍である。
○ 石油や原子力についての資料があってもよかった。
○ 今後、電力需要の伸び悩みが予想される中で、新規の電源開発は少なくなる
  と予想される。一方、既存の電源については高経年化が問題となる。原子力
  だけでなく、火力、水力の既存設備においても、利用率の向上、維持補修、
  リプレイスなどの設備の高度化対策が必要。
○ 天然ガスについては採掘が難しいものもあることを基本認識とすべき。開発
  には巨額の資金が必要となるが、リスクは誰が負担するのか。
○ 配付資料から、天然ガスの利用は、ガス事業者や電気事業者にまかせるとい
  う印象を受ける。利用者として自動車があってもよい。天然ガスの需要を満
  たしていくには、国の補助がないと進まない気がする。自動車用燃料のひと
  つとしての天然ガス、将来的には燃料電池の水素といった政策を採り入れて
  も良かったのではないか。
○ セキュリティの向上と温暖化対策の問題を解決するためには、資本コストの
  比率の高い技術の開発が必要で、そのためには規制や税制を活用するべき。
  ただし、特定の業界に利益や負担が偏ったものであるべきではない。
○ 電力需要の伸びには、負荷平準化で乗り切るという視点が重要で、分散型エ
  ネルギーシステムの導入で対応するべき。
○ 天然ガスの探鉱・開発等には、支援をお願いしたい。
○ サハリンのようなパイプライン・プロジェクトについては、技術基準や安全
  性などの面で国に規制をしっかりやっていただき、あとは基本的には企業が
  自助努力するべき。
○ エネルギーの需要と供給をつなぐのが物流だが、日本の鉄道の在り方には問
  題がある。物流の在り方をどうするかが、トータルのCO2削減につながる
  という視点も必要。

                                (以上)


 
審議会全体トップ
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.