第4章 為替,金融及び税制


第1節 97年中の為替相場の動向

(1)概況

 97年の主要為替相場は,G7蔵相・中央銀行総裁会議が昨年までの円高/ドル安の是正を歓迎する姿勢を転換し,行きすぎた円安を牽制する姿勢を示したが,米国経済が好調に推移する一方,本邦景気に対する先行き不安や年末に生じた金融システム不安等から,日米景況感格差は縮小せず,昨年に引き続き,円安/ドル高が進展することとなった。
 年初:1ドル=116円66銭,1.5687マルク(1月6日東京市場17:00現在)
 年央:1ドル=114円31銭,1.7384マルク(6月30日東京市場17:00現在)
 年末:1ドル=129円93銭,1.7897マルク(12月30日東京市場17:00現在)
 年初から年末への円下落率:10.2%(IMF方式,年間)

(2)円/ドル為替相場の動向

 97年の円/ドル為替相場の動向を大まかに概観すると以下の通りである。
@年前半
 97年に116円台で寄り付いた円/ドル為替相場は,年初より,日本の大蔵省から,行きすぎた円安を牽制する発言がなされたものの,95年半ばから続いていた円高是正基調は変わらず,2月まで一貫して円安/ドル高が進展した。
 2月8日にベルリンで開催されたG7蔵相・中央銀行総裁会議は,昨年までの円安/ドル高を歓迎する姿勢を変更し,「95年4月以来の為替相場の不均衡是正のプロセスは終了した」との判断を示したため,G7前の124円台から2月下旬に120円台まで円が買い戻される局面もあったが,3月25日に米国がフェデラルファンド金利の誘導水準を引き上げたこと(5.25%→5.5%)等を背景に,再び円安が進展,4月上旬には,92年8月以来の円安水準である127円台を記録するに至った。
 その後,4月27日にワシントンで開催されたG7蔵相・中央銀行総裁会議は,「@為替相場は経済ファンダメンタルズを反映すべきであり,過度の変動及びファンダメンタルズからの相当程度の乖離は望ましくないこと,A大きな対外不均衡の再来に結びつくような為替相場を避けること」と,これまでより踏み込んだ円安阻止の姿勢を示し,また,年初より下落傾向を続けていた日本の株式相場が持ち直したこともあって,本邦景気に対する悲観的な見方が後退,6月上旬には,97年の円の最高値である110円台まで円が値を戻し,結局114円台前半で97年前半の取引を終えた。
A年後半
 7月以降は,日本の景気回復の足取りが重く,株価も再び低下,長期金利も史上最低値を更新するなか,景気の先行きに対する懸念が高まり,8月下旬にかけて120円前後まで再び円安が進展した。しかしながら,120円を超える水準では,日銀の市場介入に対する警戒感が強く,9月から11月上旬まで119円台から122円台のボックス圏でもみ合いを続けることとなった。
 その後,11月上旬より,日本の証券会社,銀行の事実上の経営破綻が相次ぎ,金融システム不安が発生,これを契機に再び円安が進展し,11月上旬の121円台から11月下旬には128円台まで円安が進展した。日本の大蔵省からは,行きすぎた円安を強く牽制する発言が繰り返されたが,12月上旬に発表された米国の雇用統計が市場予想より強い結果になる等,米国と日本の景況感格差は著しく,一時は130円台を記録,結局,129円台で97年の取引を終えた。


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