2.外国為替銀行
1.外国為替銀行の現状
1954年4月外国為替銀行法が公布施行せられ,その認可が東京銀行に下り,同年9月か
ら発足した。いわゆる外国為替専門銀行であって,戦後の一懸案が解決された。在来のも
のは甲種および乙種外国為替公認銀行とよばれ,また在日外国銀行がこれと同じく扱われ
ている。その現状は次の通りである。、
(1)外国為替銀行法による外国為替銀行(1行)東京銀行
(2)甲種外国為替公認銀行 (わが国の銀行11行)
(3)乙種外国為替公認銀行 (わが国の銀行22行)
(4)在日外国銀行 (13行,そのうち甲種9行,乙種4行)
(a)アメリカ系 (4行)
(b)イギリス系 (3行)
(c)オランダ系 (2行)
(d)その他(4行)
これらの外国銀行については,わが国企業との直接の結びつきは元来あまり強力ではな
いが,金融引締以来これら各行の取扱実績は相当向上している。
甲種外国為替公認銀行である外国銀行にはドルの政府手持外貨の大蔵大臣勘定(MOF
勘定)の大部が開設されている。(印度支那銀行を除く。)
2.施 策
(1)外国為替銀行(俗称,外国為替専門銀行)
外国為替銀行と甲種外国為替公認銀行とは,為替業務に関しては変りはないが,前者は
貿易に直接関係のない業務は認められず,外国為替業務に専心することとなり,それに応
じた育成策も考慮せられるわけである。なお東京銀行はこの線にそい,その国内支店を等
銀認可前の45店から55年4月現在24店にまで整理したが,一方海外支店をハングルグに増
設し,現在までに7店を数えるにいたった。(第365表)
外国為替銀行育成策として,目下のところ政府手持外貨の大蔵大臣勘定(MOF勘定)
が,邦銀としては唯一つ東京銀行に開設されている。これは米ドルは本店に,英ポンドは
ロンドン支店に置かれ,その使途は外貨予金制度とほぼ同様であり,また,顧客から徴収
する信用状マージンマネーおよび現地貸付の金利についてはまったく同じである。預入れ
の金利も同様に1.25%であるが,ボンドについては55年2月3日1.5%に引き上げられ
た。当座預金は無利子である。
なお,MOF勘定開設に伴い,東京銀行には外貨預金制度とLUA(Letter of Under-
taking & Authorization)は適用されないことになった。
54年11日1日ドルユーザンスが甲種外国為替公認銀行とともに認められた。その対象品
目は鉄鋼原材料および加工貿易原材料に限られていたが,55年4月1日から,さらに15品
目についてその適用が拡大された。尚54年12月21に 外国銀行および自行のユーザンスは
保険料・貨物運賃支払にも使えるようになった。
54年3月の改正によって,外国為替銀行のポンドユーザンスが認められた。又西ドイツ
清算勘定ドル取引にも輸入ユーザンスが認められることとなった。
(2)甲種外国為替公認銀行について
(a)54年3月外貨予金勘定が発足した。これは在米の外貨予託制度および外貨預
入制度等を一括整理されたもので,その目的は在米日系商社に対する本邦からの輸出関
係資金および第3国間貿易に必要な資金,証券投資のための資金,輸入信用状のマーヂ
ンマネー等の輸入資金および外地運用資金の中本邦への輸入関係資金(後者はドルに限
る)等に充てることにあり,預入の金利はMOF勘定と同様で,年1.25%であるが,ポ
ンドについては55年2月2日1.5%に引上げられた。
また54年3月にいたり,外貨資金の効率的な運用と貿易為替取引の自由化に役立たせる
ため,甲種為替公認銀行に対する外貨予金制度が改正せられ,予金総額を大巾にふやす
ことになり,また従来定められていた第1〜3類のわくを取止めることとなった。
上述ドルユーザンスは第3類について認められていた。
(b)54年6月1日から,日本・西独清算勘定の分散方式への移行に伴い,西独の
為替銀行にコルレス勘定(為替取引に関する外国銀行との間の代理契約)を開設し,当
該清算勘定にかかわる外貨債権を保有しうることになった。
(c)54年7月1日からカナダドルが,又8月2日からスイスフランが指定通貨と
なり,これを保有しうることになった。ただしMOF勘定はこれらを保有しえないの
で,MOF勘定との間での売買は出来ず,相場変動のリスクは為替銀行がおうこととな
る。また顧客との売買相場は一定範囲内で変動することが認められている。
(d)持高の規則に改正がくわえられ,現在禁止されているのは米ドル,カナダド
ルおよびスイスフランを綜合したアクチユアル・ポジションのオーヴアーソールドであ
る。
(ドルユーザンスが東京銀行に認められたことは前述したけれども,上記(b)(c)(d)
についても当時甲種為替銀行であり,その後専門銀行となった東銀には同様に適用され
る。)
(e)LUA(letter of Undertaking & Authorization)は大蔵大臣がMOF勘
定を保有する外国銀行にあたえている保証および授権書であって,わが為銀の信用を補
足するものであるが,正常な姿とはみられず,過渡的措置として残されてある。54年11
月1日,LUAを適用した際の金利を2%から4%に引上げられたが,これはこの制度
が将来とも存続されるべきものでないことの趣旨とみもれる。
(3)乙種外国為替公認銀行について
53年10月1日から次の諸件をなしうることになった。
(a)甲種銀行に米ドルの勘定を開設し,本邦内において米ドル資金を保有しうる。
(b)米ドルについてMOF勘定と直接売買および直接予約取引が出来ること。