2.試練に立つ産油国経済



(1)石油依存型の経済
(高い石油収入への依存度)
よる原油生産,輸出の減少を背景に,成長率の鈍化が生じている。OPEC諸国 の経済成長率(名目)は,79年18.2%,80年24.4%と2年連続2けたの伸びを続 けたが,81年には2.9%と,その伸びは大幅に低下した。第1−3−16図は, OPEC話頭の経済成長率と石油(原油および石油製品)輸出額の増減の堆移を示 したものであるが,双方の動きに明確な相関をみることができる。79年,80年は, 石油輸出額の著しい増加によ り,OPEC諸国の経済は順 調に成長したが,81年は石 油輸出額が前年比265億16 百万ドル,伸び率で9.2%の 減少となり,経済成長率を押 し下げた。81年の石油輸出 額減少の経済成長率への寄与 度を試算すると,マイナス 4・4%となり,その影響が大 きかったことがわかる。
OPEC諸国の輸出額(F BO)の対名目GNP比を とってみると,81年で45.6% とOECD諸国の16.6%(対 名目GDP比)に比ペ著しく 高くなっている.さらに輸出 に占める石油の割合をみる とサウデイ・アラビアとリビアの99・9%を最高に過半数の国で90%を超えて おり,OPEC諸国全体でも93.1%と,そのウェイトはきわめて大きくなって いる(第1−3−17表)。このように産油国の経済は概して輸出依存型であり,な かでも石油輸出に著しく依存した経済であるということができる。その結果,産 油国の経済動向は,石油輸出の増減によって大きく左右され,経済成長率と石油 輸出額の伸び率の問には,密接な相関関係がみいだされる(推計式は付注4参照)
産油国経済の石油依存体質は,その輸出構造だけでなく,産業構造,政府の歳 入構造にもあらわれている。第1-3−18図ま典型的な産油国型産業構造を有す るサウデイ・アラビア,アラブ首長国連邦,クウュイトについて,各産業部門の GDPに対するシェアをみたものである。各国とも石油,天然ガス等の鉱業の シェアがずばぬけて大きく,製造業のシェアは相対的に小さくなっている。
また第1−8−19表はサウデイ・アラビアの財政収支を示したものであるが, 歳入に占める石油収入の比率は,81年度の実績で97.9%ときわめて高く,政府 の財政もまた,石油収入にはぼ全面的に依存していることがわかる。その他の産 油国についても,第1−3−20表にある歳入総額と石油収入の対比から明らかな ように,石油収入はやはり欠くことのできない財源になっている。
産油国ではこのような石油依存のモノカルチェア的体質からの脱却を重要な目 標の一つとして,潤沢な石油収入を背景に,積極的な経済開発を堆進してきた (第1−8−21表)。クウュイトのように人口が稀少で国内産業の育成よりも,巨 額のオイルマネーの投資運用による金融立国の道を歩んでいる囲もあるが,一般 に産油国にとって,非石油部門の生産増加,石油部門における石油精製,石油化 学等ダウン・ストり−ムヘの進出,民生部門の充実と人的資源の開発等バランス のとれた多様な経済開発の達成が課題となっている。
しかし,現時点では,最も経済開発が進んでいると考えられるサウデイ・アラ ビアでも,ようやくインフラストラクチュアが完成に近づいた段階といわれ,ま だ多くの産油国では発電所,港湾等経済基盤充実のための投資が必要とされてい る。そして,このような産油国の経済開発計画の資金源となっているのはやはり 石油収入であり,産油国の発展にとって石油収入は依然として欠かせないものと なっている。

(2)石油収入誠少の影響
(減少する石油収入)
産油国の経済発展に不可欠な石油収入も,世界的な石油需給緩和のなかで減少. 傾向をたどっている。ここではその動向を石油輸出の堆移によってとらえ,また それが産油国経済に与える影響について,少しくわしくみてみよう。第1−3−22 表は,OPEC諸国の原油輸出量の堆移を示している。OPEC諸国全体の原油 輸出量は,80年に前年比約400万B/D,伸び率で14.7%の減少となったのに引 き続き,81年も前年比約450万B/D,19.5%の減少となった。さらに82年に ついても,数字が利用可能な11か国についてみると,前年比約320万B/Dの減 少となり,国別にみると,とくにサウデイ・アラビアで前年比約840万B/D減 と大幅減少になったのをはじめ,クウェイト,アラブ首長国連邦,カタル,ナ イジェリア,インドネシア等,多くの国で前年比減少となった。イランについて は,前年比約90万B/D増と,逆に大幅な増加となったが,これはイラン・イラ ク紛争によって低下していた原油生産の回復と原油価格の引下げにともなう需要 増加によるものである。
一方,原油の輸出額の堆移をみると,輸出量とはやや異なった動きを示して いる(第1-3−23表。80年の原油輸出額は,前年比約750億ドル,伸び率で 41.2%増と,輸出量の約400万B/Dの減少にもかかわらず,第2次石油危機に ょる原油価格高騰のため,大幅な増加となった。産油国にとって重要なのは石油 収入の額であり,輸出量が減少しても輸出額が増加すれば,産油国経済は潤うこ とになる。しかし,81年に入って輸出量の減少とともに,原油価格が除々に軟 化したこともあり,輸出額は前年比約230億ドルの減少となった。さらに82年 は数字が利用可能な11か国だけでみても,原油輸出の前年比減少額は約480億 ドルにのぼり,石油収入の減少が産油国にとって深刻なものとなっていることが わかる。
82年の各国の原油輸出額の減少を,数量と価格の二つの要因に分解したのが第 1−3−24表である。これをみると81年10月に基準原油価格を引き上げたサウ デイ・アラビア以外のすべての国で,価格要因がマイナスに働いており,82年の 原油輸出額の減少が,数量と価格の両面から生じたものであることがわかる。
OPECの基準原油価格の引下げが決定されたのは,88年3月のことである が,原油の平均実際販売価格はそれ以前から実質的な低下が起こっていた(以下, 原油の平均実際販売価格はPIWによる)。アラビアン・ライト(基準原油)の価 格は,82年中据え置かれていたが,81年後半以降,アフリカ産油国,イラン等 の原油価格は引き下げられる傾向にあり,またスポット原油価格の値下がりも, 価格は,81年3月の34.80ドル/Bをピークとして,82年末には32.05ドル/Bに まで低下し,その減少幅は2.75ドル/Bに達した。この後さらに原油価格の引下 げにより,88年4月初めには28・30ドル/Bまで・3・75ドル/Bの低下がみられた が,82年中の原油価格低下が,原油輸出額減少の大きな要因の一つになゥてい たことは見逃せない。
このような石油収入の減少は,産油国の経済成長を鈍化させたばかりではな く対外的には国際収支の悪化や一部産油国の債務累積問題の顕在化を引き起こ し,また国内面でも財政収支の悪化,経済開発計画のスローダウン,失業問題 等さまぎまな影響を及ぼしはじめている。

(悪化する産油国の国際収
支)
OECD の Economic
Outlook(経済見通し)によれ は,0PEC諸国の経常収支 は80年の1,150億ドルの黒字 を頂点として,81年は670億 ドルに黒字幅が縮小してお り,さらに82年については 20億ドル程度まで黒字幅が 縮小する見通しになってい る。(第1−3−25図,なお82 年9月の0PEC事務局によ る経常収支見通しでは95億 ドルの赤字)。0PEC諸国 のなかでもサウデイ・アラビ ア,クウェイト等人口が少な く,石油収入の大きさに比し て必要輸入額が小さい,いわ ゆるロー・アブソーバー諸国 と,ナイジエリア,インドネ シア等人口が多く,石油収入 の大部分がふたたび輸入に向かう,いわゆるハイ・アブソバー諸国では,その 経常収支にも格差がみられ,82年でロー・アブソーバー諸国が300億ドルの黒 字が見込まれているのに対し,ハイ・アブソーバー諸国は280億ドルの赤字とさ れている。
OPEC諸国の経常収支悪化の原因には,石油輸出の減少以外にもう一つ,輸 入の急速な拡大がある。第ト3−26図からわかるように,第1次石油危機以来, OPEC諸国の輸入は,輸出の減少局面においても,一文して増加を続けてきて おり,81年については,輸出(FOB)が前年比261億16百万ドル,8.8%減と なる一方,輸入(CIF)は前年比244億12百万ドル,18.0%増と大幅に拡大し た.このような輸入増加の背景には,産油国の積極的な国内経済開発により,イ ンフラストラクチュアの整備, 工業プラントの建設等に先進 工業国からの資材・技術の輸入 が欠かせないものとなってきた こと,また国民生活の変化によ り,消費財についても海外への 依存体質が深まってきているこ と等の要因が存在するものと考 えられる。
各国別の経常収支をみると (第1−3−27表),81年でとく に赤字幅が大きいのはOPEC 諸国ではナイジェリアであり (53億26百万ドル),非OPEC 産油国ではメキシコである (128億17百万ドル)。ナイジェ リアでは現在第4次5か年計画 (第1−3−21表参殿)による経 済開発が行われているが,石油 輸出が80年の266億ドルから81年には188億ドルに減少し,さらに82年には 156億ドルにまで落ち込んだ。このため,81年第1四半期に97・6億ドルあった外 貨準備は,82年第3四半期には13・3億ドルまで減少し,輸入代金支払い等に困難 が生じてきた。このような事態に対処するため,ナイジェけでは,82年3月 以来輸入制限措置を導入し,経済開発計画についても新規プロジュクトの凍結等 見直しを進めるなど開発計画のスローダウンを余儀なくされている。
またメキシコでは,70年代後半から石油を中心とした積極的な工業化が進め られ,原油輸出量も76年の約10万B/Dから,82年の約160万B/Dへ急速に 拡大し,非OPECの代表的産油国となった。しかし・輸出に占める原油の比率 が,76年の15.7%から81年には68・6%へ高まるなど,経済の石油依存体質が深 まる一方,国内経済開発を積極的に堆進するために,その資金を対外借入れに依 存してきた。このためメキシコの対外累積債務は,82年末で800億ドルを超える ものと推定され(前掲第1−2−9表参照),その巨額の元利支払いは,国内経済 開発等にともなう輸入増加とともに国際収支を圧拍し,メキシコの外貨準備は 81年第1四半期の32・7億ドルから,82年第2四半期には16・3億ドルにまで低下 した。メキシコ政府は,対外的には債務支払い期限の繰延べ(リスケジュール), IMf,BIS(Bank for International Settlements:国際決済銀行),なら びに民間金融機関からの支援とりつけ,外国為替管理強化による外貨流出防止等 を進める一方,国内的にも,歳出の削減,歳入増加による財政健全化,一部開発 プロジュクトの延期,縮小等緊縮財政に努めている。
またその他産油国でも,ハイ・アブソーバー諸国を中心に,国際収支悪化の影 響が出はじめており,インドネシアでは2年連続の経常収支赤字により,外貨準 備が81年第1四半期の62.7億ドルから,82年第4四半期には32.6億ドルに半 減した。このため同国の輸入に対する見返り輸出(カウンター・バーチェス)の要 求,輸入規制措置,輸出競争力強化のための通貨切下げ等の対策を講じてきてい る。またアルジェリア,リビアでも外貨準備の減少がみられ,それぞれ推進中の 経済開発計画の繰延べ等の影響がではじめているほか,対外債務が約300億ドル にのぼっているヴェネズエラでも輸入制限が導入されている。
(緊縮化する産油国の財政と見直しが懸念される経済開発計画)
このような状況を受けて,88年の各産油国の予算は,石油輸出の回復したイ ランが意欲的な開発計画(第1次5か年計画,83〜87年)を打ち出している以外 は,概して緊縮的になっており,石油収入の減少をみこして赤字予算を組んでい る国もみられる。
まず,サウデイ・アラビアについては,第1−8−19表でみたように,第1次 石油危機以来の黒字予算が,82年度に初めて均衡予算となったのに続き,83年 度については,歳出が2,600億リアル(約760億ドル)と前年比17.0%滅の緊縮予 算となる一方,歳入も石油収入の減少を見越して,前年比28.2%減の2,250億リ アル(約660億ドル)と,当初からの赤字予算となった。歳入不足分は約1,700億ド ルにのぼる同国の海外資産の一部取崩しによってまかなわれ,経済開発計画(第 3次5か年計画)は予定通り進められるとされている。しかし,サウデイ・アラビ アの原油生産が82年平均の640万B/Dから,83年第1四半期で390万B/D程 度まで落ち込んできていることから,今後新規のプロジムクトの堆進については 慎重な対応をとっていくことが十分予想され,また中東諸国を主な対象とする同 国の海外援助についても,見直しが行われる可能性がある. またその他の産油国の83年度予算についても,ナイジェリアでは石油収入減 少を反映して,歳入は93億7百万ナイラ(約140億ドル)と前年比20%の減少と なり,歳出は前年並みの規模にとどめたため,対外借入れの必要のある赤字予算 となったはか,インドネシアでは16兆5,650億ルピア(約250億ドル)の均衡予 算が組まれたが,その伸びは69年度以来の一けたにおさえられ,やはり緊縮的 予算となった。さらにリビア,アルジェリア等でも緊縮的予算が組まれており, イラン,イラクの両国は経済開発に対して積極的姿勢をみせているものの,紛争 当事国であり,戦費調達等の必要もありその予算は不確定要因がともなっている ものと考えられる。
83年2月現在で,OPEC諸国の原油生産量は1,500万B/D程度まで落ち込ん でおり,0PEC諸国の原油の国内への投入量が400万B/D程度と堆定される ことから,その輸出量は1,100万B/D程度と考えられる。これは79年の輸出量 (約2,680万B/D)に比べると約4割に過ぎず,81年の輸出量(約1840万B/D)に 比べても約700万B/Dの減少である。また83年3月にOPEC諸国の原油価格 引下げが決定されたことを考えれは,88年のOPEC諸国の原油輸出額は数量, 価格の両面から,減少となる可能性が大きい。また非OPEC諸国の原油輸出額 についても価格低下のマイナスの効果を勘案すれば,昨年以上の伸びを期待する ことは難しいと考えられる。
このような原油収入減少の影響は,サウデイ・アラビア,クウェイト等ロー アブソーバーでかつ豊かな金融資産を有する国では,比較的余裕を持って受け止 められているものの,ハイ・アブソーバー諸国にとっては深刻な問題であり,今 後,国内経済開発の見直し,延期等の対応策が強化されていくことも考えられ る。なかでも83年に入って,雇用問題から外国人労働者の国外退去措置をとる など,国内の不況が深刻化しているナイジェリア,巨額の対外累積債務を有し, さらに国内経済においても,82年12月に前年同月比98.8%と史上最高の消費者 物価上昇を記録するなど,多くの問題をかかえるメキシコ等で,経済・金融にお ける困難が深刻化する懸念もあり,その動向が注目される。

(3)相互依存関係lこ立つ産油国と石油消費国
(深まる相互依存閑係)
OPEC諸国のGNP規模は,13か国全体で世界の約5%であり,世界の GNPの約1割を占めるわが国の半分程度にとどまりている。しかし,世界のエ ネルギー需要の約4割をまかなう石油の3分の1を生産し(82年),その生産実 績が79年のピーク時には3,100万B/Dを超えていたことから,生産能力におい ては優に世界の半分を占めるものと堆測される。さらに原油埋蔵量では世界の約 65%を占め,天然ガス埋蔵量も世界の約36%に達すると推定されることを考え れは,今後もOPEC諸国が世界のエネルギー供給に多大の影響を及ぼしていく ことは間違いないものと思われる。
また,OPEC諸国はその石油収入を背景として,国内経済開発を進めつつあ り,先進工業国にとっては,その工業製品等の輸出先としての重要性が高まって きている。一方,OPEC諸国にとっても・先進工業国は石油の最大の需要者と して欠くこ之のできない存在であり,その経済開発も,先進工業国の技術力へ大 幅に依存せきるをえない状況にある。このことから,OPEC諸国と先進工業国 はその貿易・経済関係において,きわめて密接な相互依存の関係にあるといえ る。
るが,輸出相手国のシェアでは,日本17・4%,アメリカ17・8%,EC29・8%で あり,先進地域全体では75・4%となっている。一方,輸入相手国についても,日本 14.4%,ア メリ カ13.6%,E C
39.6%,先進地域全体で78.5%と, 輸出入とも,先進工業国への依存度 はきわめて高くなっている。
さらに,OPEC諸国と先進工業 国の相互依存度の時系列的堆移をみ てみると,アメリカ,日本,ECと も70年から80年にかけて,対OP EC諸国の相互依存度は,著しい高 まりをみせている(第1−3−29 図)。
なかでも,わが国と0PEC諸国 の相互依存関係が最も強まってお り,そのことはサウデイ・アラビア が,82年でわが国にとって,輸出 入ともアメリカに次ぐ第2位の地位 を占めているという事実からもうか がうことができる。またサウデイ・ アラビアからみても,日本はその原 油輸出量の20.2%(81年)を占める 最大の輸出先であり,OPEC諸国 全体でみても,日本向け原油輸出量は原油の総輸出量の23.3%を占め,やはり 最大の需要先になっている。          ・
OPEC諸国から先進工業国への原油輸出額が急増してきたこともさることな がら,第1−3−26図でみたように,OPEC諸国の輸入の伸びも急速であるこ とから,先進工業国からOPEC諸国への輸出も70年から80年にかけて急増 し,対OPEC諸国輸出の総輸出に占めるシェアは,アメリカで4.8%から8.1% へ,日本で6.1%から14.3%へ,瓦C(除くギリシャ)で3.4%から7.7%へとそ れぞれ上昇している。
こうしたOPEC諸国と先進工業国の相互依存関係は,商品貿易面のみなら ず,金融取引においても,同様に重要なものとなっている。OPEC諸国の石油 収入は,輸入に向かう場合は,先進工業国にとって輸出代金として還流される が,それ以外の余剰資金は,国際金融市場を通じて,いわゆるオイルマネーとし て還流し,国際金融上不可欠な資金源になっている。一方,OPEC諸国にとっ ても先進工業国の発達した金融市場を利用するほかに,オイルマネーの安全かつ 有効な運用方法はないといえよう。
このような相互依存関係は,石油が世界市場において商品として取引きされ るかぎり,いわば自明のことであったともいえるが,3年にわたる世界的な不況 を経験することにより,OPEC諸国と先進工業国の双方が,このことをより深 く認識するようになったということもできる。OPEC諸国は世界的な石油需給 のひっ迫化傾向を背景に,そのカルテル機能を利用して,10年にわたって累次 の石油価格の引上げを行ってきた。しかし,原油価格の大幅な引上げは,すでに くわしく述べてきたように,結果的には著しい石油需要の減少をもたらし,産油 国間の販売競争を通じて価格の引下げを行わざるをえない事態となった。このた めOPEC諸国としても需要先としての先進工業国の存在を認識せざるをえなく なったといえよう。
また,先進工業国としても,OPEC諸国の経済成長の鈍化と経済開発のス ローダウンが,OPEC諸国向けの輸出の減少をもたらし,自らの経済に与える 影響についてさらに深く認識することとなった。
83年5月に開健されたIEA閣僚理事会およびウィリアムズバーグ・サミット においても,石油価格が無秩序に変動しないことが世界経済にとって有益である ことで見解が一致し,産消間の意見交換を可能な限り積極的に進めていくことの 重要性が確認された。
世界の石油市場が比較的安定している現在こそ,世界経済不況を克服し,新た な安定的発展へ向けて,産油国と石油消費国が協調し,相互理解を深めていくこ とがなによりも重要な課題であると考える。

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