経済産業省
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国家同士が賢さを競い合う時代に向けて

国家はなくなっていく。

ヒト、モノ、カネが飛び交う。今、私たちは、No-borderな世界を生きている。

サプライチェーンの網の目を世界中に張り、巨大な収益を上げるグローバル企業。目まぐるしくサイバーワールドを駆け巡る金融資本。様々な業界のトッププレイヤーは、ふるさとを離れ、世界を舞台に躍動する。

グローバル経済の激流に飲まれ、いずれ国家もなくなるだろう。そう予言する人たちもいる。
はたしてそうだろうか。

賢明なルールがイノベーションを生む

独創的な新技術。斬新なアイデア。それらは、いかに素晴らしくとも、適正なルールがなければ社会には根付かない。ルールに適合する。あるいは、それを打破して、新しいルールを創る。そうして始めて、イノベーションは花開く。時に他国と競争し、時に世界にルールを仕掛ける。

ルールが人を導くものである限り、国家の賢さは、武器になるだろう。

国家と企業は、パートナーになっていく。

若者の失業。拡大する格差。環境破壊。経済社会の閉塞感は、保護主義や、かたよったナショナリズムへと人々を駆り立ててしまう。

企業だけでは、解決できない課題もある。雇用の場を生む。時代遅れの働き方を変える。安全を高め、環境を守る新たな技術開発をうながす。

企業の「良き力」を引きだす仕掛けが要る。国家と企業、その協働作業はますます増えていくだろう。

文明を駆動させる。そのためのエネルギー。

世界は、エネルギー大変革時代まっただ中だ。化石燃料への依存は、気候変動を招いてしまう。地政学的なリスクも、消えない。新興国は、これからさらに、エネルギー資源を「爆食」していくだろう。そして、原発事故がつきつける試練に向き合わねばならない。

この困難な方程式を解くこと。それは、文明を駆動するエネルギーの確保を担う、国家の宿命だ。

国境が意味を失っても国家の役割は消えない。

グローバル経済が進化を続けても、国家の役割は、消えない。むしろ、これからの時代、経済社会に対する国家の責任は、いかなる時代よりも重くなっていくはずだ。

経済産業省は、経済社会の未来をデザインする。中長期先の未来を見据えながら、社会の実態を読み解き、政策の力で、プレイヤーの行動を変えていく。

求められるのは、「構想力」と「実行力」だ。

それは、遠く未来を見つめる目線から生まれる。 10年先。30年先。世界はどう変容し、日本はどうあるべきなのか。

広く地球を見渡す視野もいる。文明を俯瞰して、最適解を考えるのだ。

今ある豊かさのずっと前には、日々の食糧にも事欠く戦後の焼け野原があった。そこに将来への投資を優先し、世界との繋がりに未来を見た先人がいた。

国民車を作る。当時は、荒唐無稽な野心だった。世界に笑われたその野心は、やがて必ずmade in Japanの誇りへと変わる。そう信じ続けた先人がいた。

オイルショックという国家の危機。そのピンチを乗り越えた先に、「省エネ先進国・日本」という未来図を描いた先人もいた。

そして今。見据えるべき未来には、人類未踏の技術革新のチャンスが待っている。同時に、リスクへの対処にかつてない英知が要る。時間と空間の望遠鏡を操る「構想力」こそ、可能性だ。

実態を伴わない机上の空論では、世の中は動かない。ビジョンを現実に変える「実行力」。それは、現場への洞察と対話から生まれる。

産業の現場には、途方もない「熱量」がある。それに直に触れ続けなければ、現実は読み解けない。

最先端を歩く経営者や研究者との対話。知的な刺激が、政策を磨いてくれる。

現場を知り尽くすことが、人を動かす交渉力の源だ。

問題の所在がどこか。何をどう変えるべきか。個々がもつ「顕微鏡」で、それを見極める緻密さが、「実行力」を生むのだ。

倍率を変えて、変幻自在に、世界を見る。より良き政策と賢い国家は、そこから生まれる。

課題先進国日本。 2050年のために何を考えるべきなのか。今、動くべきことは何なのか。

ともに考えよう。今以上に、国家同士が賢さを競い合う時代にむけて。

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