経済産業省
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人を知る(総合職)職員を知る:山口 雄三

山口 雄三

総合職

入省:平成14年入省
所属:資源エネルギー庁 
資源・燃料部石油天然ガス課

天然資源の権益獲得

日本のエネルギー安全保障を担う。

山口 雄三 写真1

資源確保という日本の生命線を守る仕事

我が国は、国民生活、産業活動を支えるのに不可欠なエネルギー源である石油・天然ガスのほぼ全量を海外からの輸入に頼っています。戦前・戦中、オイルショック時から、資源確保が我が国の生命線であることは変わっていません。むしろ、震災後の原発の停止に伴い資源確保の重要性が一層高まっています。需給逼迫時にも資源が確保できるよう、我が国が油田・ガス田の権利を獲得すること、古い言い方かもしれませんが、いわゆる「日の丸権益」を獲得していくことが私のミッションです。

世界各国との熾烈な資源獲得競争の中で

現在、世界の大半の石油が埋蔵されている中東諸国の石油権益を獲得するため、世界各国が熾烈な獲得競争を繰り広げています。産油国にとって、資源は政治的意志を反映する最大のツールであることから、権益の付与は企業ではなく相手の「国」を見て判断します。各国政府は総力を挙げ、例えば、UAE・アブダビには、キャメロン首相が、オランド大統領が、朴大統領が、温家宝首相が、こぞって訪問して、権益獲得を働きかけています。日本はオイルメジャーのように石油開発技術をもっていません。欧米のように軍隊を派遣し安全保障を背景に働きかけることはできません。中国のように無尽蔵に資金があるわけではありません。日本の資源外交の武器は何か。先方のニー
ズも踏まえながら、石油の分野を越えて、医療、教育、産業協力などの我が国の強みを活かした協力案を策定し、また、安倍総理がアブダビ首長国ムハンマド皇太子とわずか1年の間に2回もの会談をもつなど、日本政府のプレゼンスを示してきました。今年4月には、こうした資源外交の成果として、日本企業がアジア企業として初めて、世界屈指の規模を誇るアブダビ陸上油田の権益獲得に成功しました。

民の力を後押しする

国が先頭に立って資源外交を行うこともあれば、ファイナンスなどのサポートにまわる場面もあります。シェールガス革命で北米の天然ガス生産が大幅に増加しており、昨年、ある日本企業も権益を得るディールの機会を得ましたが、高値の権益を買い取る財務余力はありませんでした。当時、中国の国営石油会社が「爆食」の名にふさわしく次々と地元のシェール企業を買収しており、このタイミングで交渉をまとめないと中国企業に重要な権益を獲られてしまうのは明らかでした。検討の末、前例がなかったのですが、財政投融資の補正予算による緊急買収出資を行おうと決めました。連日の折衝の末、国として数百億円の出資を実現させることができました。権益獲得に成功した企業担当者の方と一緒に喜んだのを覚えています。

  • 山口 雄三 写真2
  • 山口 雄三 写真3
 

将来の資源大国を目指して

国内の資源開発も重要な国の役割です。近年、日本周辺海域に「燃える氷」と言われるメタンハイドレートが多量に埋蔵されていることが分かってきました。ただ、固体で存在しているため従来の石油生産の技術が適用できず、リスクが高いことから、まだ民間主体では取り組めません。国内外の有識者からは、メタンハイドレートの商業化は無理だ、と言われることもあります。そうした中、調査・研究に国費を年間100億円以上の金額を投じることに、正直、悩むときもあります。しかし、考えてみれば、シェールの開発研究に多くの人が無駄だと言ってから、30年後の今、米国は世界の一大生産国になっています。資源の乏しい日本はリスクをとって前に進むしかない、との思いを胸に取り組んでいます。取り組み始めてから2年連続で世界初の産出試験およびサンプル取得に成功し、海外の主要紙面で記事になるなど、世界でも注目を集め始めています。

 

ピンチこそチャンスだ

2014年11月から原油価格が急速に下落し、石油開発業界には冬の時代が来ると言われていますが、私は、むしろ今こそ日本にとってのチャンスだと思っています。産油国や海外企業は資金確保のために優良権益を売却するからです。むしろ国が出資支援をして積極的に打って出る、「逆張り」をして勝負に出るべきときだと考え、戦略重点国を策定すべく産油国の財政分析などを始めています。ピンチと言われるときにこそ、緻密にチャンスを捉えて積極的に仕掛けていく、そういう風土が経済産業省にはあります。これからも、日本のエネルギー安全保障という責任を背負って、世界を土俵に挑戦していきたいと思います。

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