経済産業省
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政策を知る 商務流通保安グループ

経済・社会の土台づくり ~商務流通保安行政とは~

執筆者
石川なな子:平成25年入省 ガス安全室 係員

経済成長と安全性

経済産業省と聞くと、まずは通商政策や産業政策など日本企業の国際競争力の強化や産業振興を通じた国富の拡大という「攻めの政策」を思い浮かべるかもしれません。私の所属する商務流通保安グループでは、流通産業の海外展開の後押し、中心市街地の活性化を通じた魅力あふれる地方創成など、「経済成長を積極的に後押しする政策」に取り組んでおります。

一方で、持続的な経済発展のためには、社会や市民の安全を保つことが不可欠です。そのため、商務流通保安グループでは、そうした「攻めの政策」に加えて、適切な安全規制を事業者に課し、規制の遵守状況をチェックするなど、公平・中立な立場から、「安全の確保に万全を期すための政策」を推進しております。

具体的には、電気やガスなどあらゆる経済活動の基盤となるエネルギー源の安全性の担保、事業者の生産活動を経て製造された製品の安全性の確認や事故の未然防止、また、昨今決済手段として益々存在感が増しているクレジットカード取引の信頼性の向上などに取り組んでいます。さらに、ルールを定め、それを運用するだけでなく、水素ステーションや燃料電池に関して新たに安全規制を整備するなど、技術革新や市場・国際的潮流の変化に対応した政策にも取り組んでいます。

このように、事業者の生産活動から人々の消費活動まで、しっかりと安全性を確保していくことで、社会・経済全体の健全な発展の土台を支えております。

ガスと保安規制

日本における「安全性の高さ」は様々な分野で国際的に高い評価を受けており、そのことはガス事業にも当てはまります。事実、近年の日本でのガスによる死亡事故は一桁台で推移しており、国際的に見ても高い保安水準を維持しています。私が所属しているガス安全室では、必要なルールを策定し、立入検査等を通じ事業者の監督などを通じて、ガスの保安水準を維持・向上していくための施策に取り組んでいます

平成27年通常国会に、これまで電力・ガス・熱供給事業といった縦割りであったエネルギー市場の垣根を撤廃し、エネルギー企業の相互参入や異業種からの新規参入を推進するため、抜本的な制度改革(システム改革)を行う「電気事業法等の一部を改正する等の法律案」が提出されました。本法律案では、ガスの小売全面自由化などを内容とする「ガスシステム改革」を実現するため、ガス事業法の改正を盛り込んでいます。ガス安全室では、ガスシステム改革後もガス事業の保安水準が維持・向上していくという観点から、改正法案におけるガス保安パートについてルール整備を行っています。

この法律案の作成にあたっては、ガスシステム改革後の望ましいガス保安の在り方について、有識者、消費者、業界団体などが委員となっている審議会において議論が行われ、平成27年2月に報告書がとりまとめられました。

ガスシステム改革はこれまでにない大改革であり、ガスの小売り自由化を行う一方で、ガス設備の保安責任の所在や、ガス漏れなどにおける緊急時対応、地震など災害発生時の事業者間の連携・協力の在り方など、保安についても論点が山積しています。ガス安全室では、各論点について法令的な概念整理を行うと同時に、事業者との議論を重ね、職員自らが現場に赴き、ガスのユーザーから直接ヒアリングを行うなど、実態に即した判断のもと、ガスの安全性や保安水準の維持・向上に必要な制度整備に取り組んでいます。

おわりに

商務流通保安グループは、経済のパイの拡大に直接的に作用するような政策だけでなく、企業活動や人々の生活に対して、「安全性」といういわば「経済・社会の土台」づくりを行っています。 

安全規制の整備にあたっては、事業者との議論や実際に経済活動の現場に足を運ぶことにより、実情を理解し制度に対するニーズを汲み取ることが重要です。その上で、客観的なデータや安全技術の進歩等も踏まえながら「真の課題は何か」「安全性は確保されるのか」「過剰規制ではないか」など議論に議論を重ね、俯瞰的な視点から判断を下す必要があります。

技術革新や国際情政の変化など流動する社会の中で、常に「安全性」が保たれるよう、現場を理解しつつも俯瞰的な視点に立って、「経済・社会の土台」をつくり、持続的な経済成長、ひいては成熟した社会の構築に貢献していきます。

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