経済産業省
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政策を知る 商務情報政策局

新たな分野にチャレンジする ~商務情報政策局の業務について~

執筆者
牧野祐也:平成23年入省 情報政策課 総括係長
山本奈々子:平成23年入省 情報政策課 総括係長
今村啓太:平成26年入省 サービス政策課 企画係
徳住ゆりか:平成24年入省 ヘルスケア産業課 総括係長
矢後郁美:平成23年入省 生活文化創造産業課 係長

商務情報政策局は、豊かな経済・社会を構築すべく、常に新しい政策課題に挑み続けています。最先端の情報通信機器から、伝統的工芸品まで、幅広い分野に携わっております。IT、サービス産業、ヘルスケア産業、クリエイティブ産業。これらは直近で私たちが取り組んでいる大きなイシューの一例ですが、これらを切り口に商務情報政策局がどのような業務を行っているか紹介させていただきたいと思います。

データが世界を変える

IoTやAI、ビッグデータといった言葉について、テレビや新聞、インターネットなどありとあらゆる場面で目にする機会が増えてきています。しかし実際に、こういったフレーズが社会をどう変革しているのでしょうか。

IT技術、そう一言で言うのは簡単ですが、時代をさかのぼるとわずか10年足らずでインターネットが一種のインフラと呼べるまでに浸透し、ほとんどの日本人が携帯などのモバイル端末を持ち歩き、ありとあらゆるインターネット検索等を通じ、情報に個人が簡単にアクセスできるのはもちろんのこと、動画サイトやSNSを通じて、個人が情報の発信者になることも日常化されています。

このような中、社会にあふれるデータの総量は増え続け、情報爆発とも言える時代になっています。こうしたビッグデータをマーケティングや新たなサービスの創出につなげる取組が世界中で生まれており、データは企業の「稼ぐ力」へと変化してきています。

一方、これまでの日本は、高品質で精密なものづくりを得意としてきました。しかしながら、近年では、IoTと呼ばれるモノとモノがインターネットなどの情報通信で繋がることにより、「モノ」そのものから「モノ」が生み出す「データ」に付加価値の源泉が移行してきています。こうした、「データ」がもたらす社会の変革に乗り遅れないことが、今後の日本経済の生き残りの鍵となります。ITを巡る技術進化やビジネスモデルの革新は非常に早いスピードで進んでおり、いち早く対応する必要があります。

経済産業省では、日本企業の迅速なチャレンジを後押しするため、産官学の連携の中核拠点としての協議会の創設を検討しており、同協議会等を通じた新ビジネスの創出を支援します。また、このような企業への支援策と同時に、古い制度や規制を取り払うことで、データが変える未来社会を明るいものにするべく、日々取り組んでいます。

 

750年

「サービス産業の生産性向上を!」一見ありきたりな響きに聞こえますが、サービス産業には多種多様な事業者が存在します。広義で捉えたサービス産業は日本の全企業数の約75%を占め、その数なんと約300万社。年間労働が約250日、サービス政策課の課員16名全員で毎日1社ずつサービス産業事業者の現場を訪問しても750年もの月日を要する計算です。

政策を打つにあたり政府が全ての国民の声を聞くことは物理的に不可能で、一部の声から全体の姿を把握するために、顕微鏡としてのミクロの視点と、望遠鏡としての全体を俯瞰するマクロの視点が求められます。その中でも、"750年分の事業者"の多種多様な姿を把握して「生産性向上」を図るにあたりミクロ・マクロ両者の視点が求められ、その眼を通して見えてくる姿、そしてその解は様々です。

サービス政策を推進するにあたって、経済産業省では、サービス事業者の国際展開支援や、サービス事業の人材育成、IT支援による生産性向上、サービス産業における規格作りなど、多種多様なサービス事業者に対して、幅広い支援を通じて、サービス産業の生産性向上という難しい課題にチャレンジしています。

『健康』の保持・増進をコストから投資に

「健康」と聞いてみなさんは何を思い浮かべるでしょうか。病気あるいは虚弱でないことを、多くの方が前提として考えられるかもしれません。また、規則正しい生活を送ること、運動することなど、様々なオプションも考えられるでしょう。

国は、一般会計歳出の約3分の1を、医療給付費を含む社会保障費に充て、国民皆保険制度を整備し、「健康」を支えています。一方、健康を増進するための様々なオプションについては、多種多様なサービスがそのポテンシャルを秘めているものの、国としてこの分野の産業発展を積極的に図ってきたことはありませんでした。

今、私たちは、医療・介護の既存の社会保障の仕組みを支える医療関係者、自治体等との議論に加え、今まで医療・介護・健康分野に参入していなかった多様な事業者、経営者と日々議論しながら、官邸の下に次世代ヘルスケア産業協議会を設け、政府としてどのような取組・支援が可能か考えています。また、人々の健康を支えるヘルスケア産業の発展は、地域が主体となり、持続的に取り組んでいくことが不可欠です。私たちは全国を飛び回り、地域関係者を糾合した地域版ヘルスケア産業協議会の設立を促進し、地域発のヘルスケアビジネスの創出を支援しています。

このように国民の健康を保持・増進する産業を育てることで、国民の健康増進、新産業創出を実現すると同時に、医療費の適正化という国家の数十兆円規模の大きな課題に前向きにチャレンジしています。

クールジャパンが担う日本の未来

みなさんは「クールジャパン」という言葉を聞いたことがありますか?最近では、海外からの観光客や日本通の外国人の目線で見る日本の魅力をテーマにした記事や番組等をよく目にするようになりましたが、私たちもファッション・コンテンツ・食などの日本の魅力を世界に発信していこうと政府一体となって取り組んでいます。

「日本の魅力」とは何か。捉え方は人や国・地域によってそれぞれであり、流行は時代とともに変化していきます。そのためクールジャパン政策には、幅広い分野をターゲットに、創造力や感性によって新しい領域を開拓していくことが求められています。

その中で経済産業省では日本の魅力を事業展開につなげることを支援しています。例えば、海外市場のニーズを踏まえ、何を売るのか、価格設定はどうするのか、どこで売るのか、どのようにPRするのか、といった事業計画を企業の方々と一緒に策定し、実際に現地での試験販売を行って、ビジネスモデルを構築する取組を行っています。まだ誰も開拓したことのないビジネス領域(国×分野×手法)への第一歩を企業の方々と一緒に踏み出し、本格的な海外展開を後押しするとともに、その動きが日本企業全体に広がっていくことを目指しています。実際、ここをスタート地点にして、海外への本格進出に成功された企業の方々が牽引役となり、欧米での日本食ブームや東南アジアでの日本ファッション人気が起こっていることを嬉しく思っています。

事業者の方々と同じ目線で課題を共有しつつ、同時に、より大きくより長期的な観点から制度を設計し、大きなムーブメントを生み出していくことにより、日本のブランド力を向上させていくこと、これがクールジャパン政策を担う私たちの使命だと感じています。

 
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