経済産業省
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審議会

総合エネルギー調査会新エネルギー部会第10回 議事要旨


1.日 時:平成12年12月7日(木)14:00~17:30

2.場 所:池袋サンシャインシティ 文化会館5階 特別ホール501号室

3.出席者:柏木部会長、飯田委員、稲葉委員、長見委員、勝俣委員、川口委員、黒川委員、
合田委員、河野委員、関委員、関根委員、團委員、妻木委員、殿塚委員、田中委員代理、中
津川委員、野間口委員、藤目委員、堀委員、三田委員、山地委員、山保委員、横山委員

4.議題
(1) 今後の新エネルギー対策の在り方について
-検討項目と主要論点
-需要サイドからの新エネルギー導入状況・見通しの分析
-新エネルギーのコスト低減見通し及びその導入に伴う追加的費用の試算
-現行対策の評価と今後のオプション
(2)その他
-「自然エネルギーの導入促進に関する決議」について

5.議事概要

(1)「第10回新エネルギー部会における検討項目と主要論点」および「需要サイドからの
新エネルギー導入状況・見通しの分析」、「新エネルギーのコスト低減見通し及びその導入
に伴う追加的費用の試算」について、事務局から報告。各委員からの主な意見は以下のとお
り。(→は事務局の回答)

○ 住宅用太陽光発電の導入目標を試算する際に、政府が2002年で補助金を終了すると
している一方で、電力会社のボランタリーな余剰電力購入メニューが継続するという前
提は問題であり、引き続き補助を継続するとすべき。
○ 住宅用太陽光発電における市場自立化の時期(商用化が図られる時期)とは、発電コス
トが4~5円/kWhになるまでであり、その時点まで余剰電力購入メニューは継続する
との理解なのか。一方で、国の補助制度における達成目標は市場自立化の目安としては
23.3円/kWhとしているため、矛盾が生じている。
○ 住宅用太陽光発電は2002年度に自立し、それ以降は補助しないとしているが、需要
が失速するのではないか。一度失速すると太陽熱と同様にこれまでの投資が無駄になる。
→ 太陽光発電導入補助金については、財政当局との間で2002年度に終期として設定
しているもの。それを前提に今回の導入量試算を行っている。補助事業を継続して行う
か否かは、新たな対策を審議する際に御議論いただくこととなる。

○ 風力発電の導入量見通しが2010年度に78万kWというのは低すぎるのではないか。
2001年度までにNEDOの補助事業で32万kWが計画されていること、東北電力
が今後30万kWの入札枠を設定していることを考慮する必要がある。また、潜在量に
ついては、洋上風力についても考慮すべき。
→ 2010年度の導入見通し(現行対策維持ケース)は、現状の対策のみが維持される
ものと考えて確実に見込まれる見通し値。

○ バイオマスの記載の仕方が不明確である。バイオマスである黒液・廃材がバイオマスと
別々に整理しているため、記載方法を直すべきである。

○ 代替可能コストや回避可能コストは、年度によって変わり得るため、その点も考慮すべ
き。

○ 環境特性、エネルギーセキュリティーへの寄与等の社会的な効用は勘案しないのか。
○ 新エネルギー導入の効用について、新エネルギー導入によるCO2削減量、或いは、地
球温暖化対策として排出権取引を実施すると仮定した際の費用等との比較から算出でき
ないか。
○ kWhあたりのコストから追加的費用を算出しているが、新エネルギーのコストパフォー
マンスはよくないはず。新エネルギー導入の効用とは何かを整理して、場合によっては
原子力発電との比較などを行うべきではないか。
→ 新エネルギー導入の意義については、①エネルギー安定供給、②環境保全、③新エネ
ルギー産業の創出等があり、どの観点からどのように評価するかという問題がある。な
お、地球温暖化対策としての視点からCO2排出削減のみを目的として想定すると、新
エネルギーはコストパフォーマンスが良くないため低く評価されることとなろう。

○ 導入見通しについて、現行対策維持ケースの根拠を明確にした上で、議論をすべき。今
回の試算値は常識的に考えて太陽光発電の数値が大きく、風力発電の数値が小さくなり
すぎている。太陽光発電の導入量を多めに試算して、達成できないから新たな対策を講
じる必要性を問くことを想定しているのではないか。
○ 今回の資料が、今後の住宅用太陽光発電政策の検討のベースとなるのであれば、顕在化
率、負担率等についてもっと精緻な検証が必要。顕在化率を求める際に1/2で補正し
ているが、見通しとして高く見積もっているのではないか。グリーン電力制度導入時の
アンケートでは、1/10で補正して算出している。
→ 現行対策維持ケースは、今後、新たな対策についての議論を進めていく上でベースで
あり、その共通認識が必要。

○ 2010年度に原油換算で1910万klの新エネルギー導入を達成するためには、今後1
1年間で毎年2000億円の追加的費用が必要とあるが、2010年度時点で家庭部門電
力消費の何%を賄うことが可能になるのか。
→ 民生家庭部門の電力消費に占める太陽光発電の割合は、現時点で0.02%であり、
現行導入目標のケースでは、2010年度に0.48%になると試算される。

○ 余剰電力購入メニューの存続については、価格や普及状況などから総合的に判断するこ
ととしており、現行対策維持ケースでは継続する前提で良いのではないか。

(2)「現行対策の評価と今後の対策の在り方」について、事務局から説明。委員からの主な
意見は以下のとおり。(→は事務局の回答)

○ 現在、電力は自由化を推進しているが、その背景は日本経済の高コスト構造の是正を図り、
効率性を高めること。環境も重要だが「低廉な」エネルギー供給も重要。それが阻害され
るような議論は避けて欲しい。といっても自然エネルギーを排除するものではなく、事業
として入れられるものは入れていきたい。オプション1の中で余剰電力購入メニューが未
来永劫続くことを期待されても困る。国、電力、消費者がお金を出すのは限界費用と限界
効用が均衡するところまでであり、どこかのポイントで限界費用が限界効用を上回ること
を考慮すべき。グリーン電力制度を導入したが、自然エネルギーを支援する声の大きさに
対して自分でお金を払う人は少ない。人の金ならやるが自分の金ではやらないということ。
共同して新エネを開発していこうという需要サイドによるマインド醸成が重要。

○ 新エネ導入における電力供給の位置づけは重要。環境コストの負担についてはコストミニ
マムの原則に基づくとしても一定限度やむを得ないことを覚悟すべき。コスト低減を目指
す電力業界の悩みはわかるが、市場で競争中立的な制度設計とすればいい。全体として有
る程度のコスト増を許容しないと前にすすまない。余剰電力購入メニューは成果をあげて
いるが、全体としてバランスがとれていない。電力購入量が多くなると、電力業界も徐々
に購入を容易に行えなくなってくる。またバイオマスについては安定的で価値があるにも
かかわらず、安く購入されている。とはいえバイオマス用のメニューをつくると負担も大
きくなる。理想的な制度ができない場合は、廃棄物購入メニューというのも一案かもしれ
ないが、競争中立的なオプション4のクォータ制+グリーン証書の実施を検討してみては
どうか。

○ 政策評価について、事実は事実としてしっかり分析すべき。現行対策の評価を踏まえた
うえで、新しい政策を作るのだからしっかりとした分析が必要。例えば、温水器は踏み
込んだところを分析しなければならない。コストはそれほど高くないのに、減少してい
るのはどういうことか。ソーラーシステムの利子補給制度につかった金額や、普及に対
する障壁を示すべきではないか。風力については、系統上の制約が普及の障壁になって
おり、費用負担の問題を含めて示すべき。風力発電に係る補助金も今年度の執行で前触
れなしに削減されたことも評価の対象とするべき。風力発電の余剰電力購入メニューで
入札制が導入されたが、英国ではNFFOによる入札が失敗し、クォータに向かってい
る。アイルランドも然り。競争入札は失敗した政策であるということを認識すべき。ま
た日本よりも電力部門の自由化が進んでいる欧州において自然エネルギーの導入が進ん
でいることも重要なポイント。電力供給部門のオプション一覧表のうち、オプション3
で「コストインセンティブが働かない」とあるが、ドイツでは風力コストが下がってお
り、事実に反するので削除すべき。グリーン電力制度と全てのオプションが両立すると
あるが、オプション4についてはコンフリクトが生ずる可能性がある。メリット・デメ
リットについても、誰にとってのそれなのかを明記すべき。例えば系統安定コストは系
統運用者(ISO)としては当然のコストという捉え方もできる。普及効果などを含め、
国以外の外部機関にしっかりと評価させるべき。

○ 4つのオプションが示されているが、電力にしわを寄せるやりかたは程度問題。懐が深
いうちはいいが、これから先を考えるとバッティングが生じる。電力ではなく国の税金
を使うということになると、少なくとも一般会計の世界では門前払い。枠の小さな特別
会計の話。そういうことを考えるとオプション4の中によい知恵が含まれているのでは
ないか。

○ 住宅用太陽光発電については導入者の意識に期待をする典型的なもの。最近、盛り上が
りを見せており、これを失速させないためにも太陽光発電導入補助金を2002年度で
終了させるべきではない。

○ 太陽熱利用は量的に減少しており、何らかの対策が必要。何らかの助成制度がないと国
が関心をもっていないということになり、消費者にとってマイナスのシグナルとして作
用している。

○ 費用に対するアウトプット(導入量)の時期の設定を長くしたらどうか。単年度ではな
く長期を見据えて、国としてのビジョンを示して欲しい。国際的な競争力を持つために
もコスト低減の考え方は必要であるが、安定供給や環境面での評価をしてほしい。

○ 住宅用太陽光発電、ソーラーシステムについて、消費者に対するアンケートを実施した
ことがあれば、結果を紹介してほしい。

○ オプション1~4が提示されているが、それぞれについて新エネ部会で太陽いくら、風
力いくらというように目標量を設定するのか。
→オプション1は成り行き。オプション2、3は政策オリエンテッド。オプション4は導
入量確定というイメージ。いずれにせよ、導入量達成のためになるべく低コストのオプ
ションを選択すべき。

→次回新エネ部会では現行対策維持ケースの条件を明確にしよう。資料2~4について意
見があれば14日まで。また次回会合の冒頭で資料4についてのコメント、意見につい
て事務局から回答をさせる。

(3) その他として「自然エネルギーの導入促進に関する決議」について、事務局から説明。

(4)事務局から、今後の進め方について以下のとおり説明。
○次回(第11回)の12月21日に開催。

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