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審議会

総合資源エネルギー調査会総合部会エネルギーセキュリティWG(第1回) 議事要旨


1.日 時:平成13年2月13日(火)

2.場 所:通商産業省本館17階 国際会議室

3.出席者:
田中委員長、内山委員、岡本委員、佐久間委員、須藤委員、高橋委員、田所委員、
 十市委員、畑中委員、森本委員

4.議 題:(1) LPガスの供給問題について
(2) エネルギーセキュリティ確保のあり方について

5.議事概要
(1) 十市委員より、当委員が中心となって取りまとめた「LPガス供給問題研究会中間報告」
 について、プレゼンが行われた。

○中間報告は、LPガスの供給安定性を評価し、その向上のための対応について、ここ3~
 5年後に効果を上げることを目標に、①輸入開発の推進、②供給地多様化、③民間備蓄の
 運用基準の検討、④アジア市場の流動化・透明化、⑤国内市場の整備、⑥DME利用・開
 発、に関する行動計画を提示。

○LPガスの供給源は、原油田、石油精製の他に、天然ガス田も。今後、天然ガス開発に伴
 い、生産の増加、中東以外の供給地多様化が期待される。アジア地域の需給と価格に大き
 な影響を与える要因は、中国、インドの需要増加とサウジの石油化学プラント立ち上げ。

○価格面では、94年のサウジアラムコのCP導入以降、割高となるとともに、季節変動も
 拡大。アジア市場の流動化、透明化により、市場需給で価格が決定されることが重要。

○特に、我が国は中東依存度が高いことから、緊急時の供給不安や価格高騰リスクに留意す
 べき。しかし、国際市場の発達と地域間の相互リンクにより、量的確保にはリスクが小さ
 くなっている可能性。対応策としては、緊急時リスクの低減と供給側の競争促進のための
 供給源の多様化、価格面の対応として市場の流動性、透明性の向上。

○LPガスは、天然ガスと同様に環境負荷が小さいことも考えれば、石油代替エネルギーに
 準ずるものとして位置づけが強調されるべき。

(2) その後、事務局より、資料2について説明し、その後、意見交換を行った。
①事務局説明の概要
我が国のエネルギーセキュリティに係るリスクの現状認識
○国際的な政治情勢をみると、90年代初頭の東西冷戦構造の崩壊により、東西の対立がエ
 ネルギー供給地域での対立構造に反映されることで長期的かつ大規模な供給削減等につな
 がる可能性が低下。一方、我が国にとってのエネルギー供給地域やその輸送経路をみると、
 そうした状況変化にもかかわらず、地域的な紛争や国内の政治的混乱が突発的な石油の供
 給削減等に発展する可能性は依然として存在。

○多くの事態においては、産油国の余剰生産能力、国際石油市場の市場機能や消費国の石油
 備蓄の活用等により一定の対応が可能と考えられるが、①大規模な供給削減と同時に、余
 剰生産能力に基づく追加生産も限定されるような事態、②石油備蓄体制が不十分であるこ
 とを背景とした、アジア地域における供給削減等に直面したパニック的な事態では、影響
 が拡大する可能性がある。

エネルギー供給源リスクの定量的な評価の試み
○ポートフォリオ理論の考え方に則してみると、我が国のエネルギーセキュリティを向上さ
 せていくためには、①各エネルギー源の供給安定化を図ること、②よりリスクの低いエネ
 ルギー源にシフトすること、が重要。

○①については、特に石油は、石炭、原子力に比べ供給リスクが大きいことから、その依存
 度を低減させることが望ましいが、その利便性、経済性から短期的には引き続き我が国の
 エネルギー供給の相当部分を占めていくと考えられる。そのため、供給国・地域の分散化
 とともに、調達手段の多様化、緊急時の国内での対応体制整備等様々な手段を組み合わせ
 ることが重要。

○②については、石炭、原子力、天然ガス等にエネルギー供給をシフトしていくことによっ
 て、エネルギー供給全体のリスクを中長期的に低減させることが可能だが、その際、エネ
 ルギー政策全体としては、環境適合性や経済効率性等の観点にも考慮が必要。

○本WGで紹介されたリスクの定量的な評価の試みは、方法論も含め今後さらに検討が必要
 だが、将来的なエネルギー需給のセキュリティの観点からの評価、及び、政策投入コスト
 の取り込みにより、エネルギーセキュリティ確保のための様々な政策手段の費用対効果の
 数値化し、横断的に評価することが可能となることから、こうした手法をさらに発展させ
 ていくことが重要。

我が国のエネルギーセキュリティを取り巻く環境の変化
○我が国のエネルギーセキュリティを取り巻く環境の変化として、特に注目すべきは、①国
 際石油市場の発達がもたらす対応すべきリスクの性質の変化、②アジア地域におけるエネ
 ルギー需要及び域外依存の増大。

○すなわち、①については、原油価格のボラティリティの高まりによって、対応すべきリス
 クが、量から、量及び価格へ外延が拡大していること、②については、今後、我が国がア
 ジア地域の原油輸入動向により受ける影響が大きくなるなど、我が国のエネルギーセキュ
 リティ確保のあり方を考えるに当たっても、アジア地域全体を視野に入れることが重要と
 なっている。

今後のエネルギーセキュリティ政策のあり方
○以上を踏まえ、我が国のエネルギーセキュリティをどのように確保していくべきか。以下
 のような項目や論点についてどのように考えるべきか。
①我が国が主体的にとるべき対応として、国際政治情勢等についての情報収集・分析体制の
 強化、石油備蓄の活用、自主開発等による石油の安定供給確保策、産油国・産ガス国との
 協力関係強化、原子力・石炭・新エネルギー等石油代替エネルギーの利用、天然ガスの利
 用拡大と技術革新による運輸部門での石油代替性の確保等、
②国際石油市場でのリスクへの対応として、国際協調のもとでの石油備蓄の活用、石油需給
 に係る全体的な統計整備、アジア地域における透明性の高い国際石油市場の形成、
③我が国のアジア地域への政策的な働きかけとして、域外依存抑制のための天然ガス等の開
 発・利用拡大、石油備蓄体制整備に対する協力、アジア地域協力のためのエネルギー政策
 協議の活用等。

②委員からの主な意見等
○政策論を議論する前提として、70年代以降、エネルギーセキュリティ問題がどのように
 変わってきたか、現在はどのようなリスクに直面し、今後、どのように変わっていくかと
 いった鳥瞰図を持つ必要があるのではないか。特に、エネルギー産業の自由化が進む中で、
 民間が長期的にエネルギーセキュリティに対する責任を持てなくなってきており、エネル
 ギーセキュリティに係る民間と政府の役割が大きく変化しているということが言えるので
 はないか。

○政策論には具体性が必要ではないか。例えば、今後、石油依存度がどのように変わってい
 くのか、セキュリティ上重要な石炭、原子力を推進することができるのかという問題があ
 る。また、アジア地域における政策的な働きかけについても、より具体的に議論すること
 が必要ではないか。

○また、供給源リスクの分析については、供給対策に重点が置かれているが、エネルギー需
 要が伸びているのは民生・運輸部門であり、例えば、LPG車、CNG車等需要面での分
 散化による需要サイドでのセキュリティ対策を検討することが重要ではないか。

○事務局説明資料には論理的に取り得る対策が網羅されていると考えられるが、政策提言の
 あり方として重要なのは、何ができるか、何が優先か、何が効果的か、ということではな
 いか。

○「今後のエネルギーセキュリティ対策のあり方」として、(2)国際石油市場でのリスクへ
 の対応が重要であることはその通りであるが、(1)我が国が主体的にとるべき対応、(3)我
 が国のアジア地域への政策的な働きかけ、との項立てのレベルが対応していないのではな
 いか。(2)については、例えば、グローバルなレベルでの対応、といったものとして考える
 べきではないか。

○これまでエネルギーセキュリティ対策としては、原子力等代替エネルギー開発による石油
 依存度低減と、石油備蓄等石油供給安定化を図ってきた。石油備蓄については、長期的な
 趨勢として市場構造が変化していることや、相応のコストをかけて確保してきたことを考
 えると、石油市場のボラティリティの低減やアジア地域のリスク低減のために我が国の石
 油備蓄を有効に活用していくことが重要ではないか。

○省エネや石油備蓄協力といったアジア地域での対応は、リスク顕在化を防ぐ、予防的なセ
 キュリティ対策として、やってみる価値があるのではないか。

○アジア地域での対応は、具体的には協力資金が必要となってくるものであり、ODA予算
 の活用を図ることが必要でないか。

○我が国が直面しているリスクとその対応策を連関させて考えることが重要。何故、今、エ
 ネルギーセキュリティを検討していくことが必要かという、そもそもの問題意識を考える
 と、自由競争に任せていくだけではやっていけない、国際政治情勢に鑑みて国がやるべき
 こととして何があるかということを整理してみることが重要ではないか。例えば、民間に
 任せてよいこと、国が平時から関与すべきこと、国が緊急時には関与すべきこと、と分け
 て考えることが重要ではないか。

○APEC等をうまく活用するためには、アジアだけでなく、大洋州への配慮も必要ではな
 いか。

○本WGでは中東、アジア地域の国際政治情勢分析を時間をかけて分析をしてきたので、そ
 うした分析を踏まえ、これまでの政策と異なるもう一歩踏み込んだ政策提言が必要なので
 はないか。例えば、アジアの石油市場をつくるためにどのようなことが必要かといったこ
 とを示すことが必要ではないか。

○原子力については、自由化の進展の中で、民間と政府の役割も含め、その位置づけがどの
 ように変わるのかを明示すべきではないか。

○産油国・産ガス国協力については、我が国との相対での関係が想定されているが、アジア
 地域全体と産油国との関係も重要ではないか。地域対地域の協力として、アジア地域の市
 場の問題、需要面でのセキュリティ、エネルギー政策協議のあり方を考えていくことが重
 要ではないか。

○議論の取りまとめに当たっては、対応すべきリスクが何であるのかを概念整理し、それへ
 の対応として具体的なエネルギーセキュリティ対策を考えていくことが重要ではないか。

○我が国の対外的な働きかけを考えるに当たっては、外交ツールの整合的な活用が重要であ
 り、資源エネルギー庁の枠組みを超えた省庁横断的な対応を検討すべきではないか。例え
 ば、ODAの活用に当たって、我が国のエネルギー安定供給にも貢献することを条件の一
 つとすることがあり得るのではないか。

○エネルギーセキュリティを取り巻く環境として、現在と70年代と大きく異なる点は、グ
 ローバリゼーションの進展にあるのではないか。
すなわち、グローバリゼーションにより、戦略物資であった石油が市場で通常に取り引
 きされる商品になりつつあり、他のエネルギー市場もそれとの連関で動くという流れとな
 っている。そうした中で、エネルギー産業の自由化、規制緩和が趨勢となっている。
 一方、地政学的には、グローバリゼーションに伴い、アジア地域が経済的に発展しエネル
 ギー需要が増大するとともに、政治経済社会体制にインパクトを与え、様々な不安定化要
 素をもたらしている。
今後のエネルギーセキュリティを考えるに当たっては、そうしたグローバリゼーション
 に対応した対策が必要で、具体的な提言もそこから導かれるのではないか。

(3) 次回会合は3月7日(水)に開催予定。


 問い合わせ先:資源エネルギー庁 資源・燃料部政策課 小山、伊藤春樹
 (TEL:3501-2773(直通))
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