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審議会

総合資源エネルギー調査会総合部会エネルギーセキュリティWG(第2回) 議事要旨


日 時:平成13年3月7日(水)10:00~12:00
場 所:国際会議室
出席者:田中委員長、五百旗頭委員、佐久間委員、白川委員、須藤委員、十市委員、深海
委員、森本委員
議 題:報告書骨子(案)の検討について

事務局より、報告書骨子(案)について説明。委員からの主な意見は以下の通り。

○ 検討の対象となる「リスク」とは、「水際」までのものよりも国内的要因によるもの
が重要。国内政策の行き詰まりや不安感が、水際も危うくする、ということに留意する必
要があるのでないか。
また、市場メカニズムを導入した以上、ボラティリティはある程度までは平時の問題で
あり、これと有事の問題は識別して議論すべき。
更に、エネルギーの供給面における対策のみではなく、需要面における対策についても
考るべきでないか。

○ 平常時においては、価格のボラティリティが高まったと言うが、これは自由化を進め
た結果でもあり、何故価格ボラティリティが生ずるのかの分析に加え、価格のボラティリ
ティというデメリットと自由化によるメリットの比較考量を行うことが重要ではないか。
エネルギー政策は、日米欧の協力を基本としつつ、これにアジアとの協力を加えていく
、という両面作戦を採るべきでないか。また、エネルギーセキュリティの担い手について
は、国に加え、民間の役割についてもよく考えたら良い。

○ 今回改めてエネルギーセキュリティについて検討する意義は、冷戦終了、経済のグロ
ーバル化・自由化、環境問題の惹起等の状況の変化の中で、これまでのエネルギー政策を
再検証する点にある。
これまでのエネルギー政策の目的は、安定供給が第一であったが、現在では、効率性の
追及や、環境保全への配慮等、多元化してきている。また、日本だけの視点に加え、国際
的な視点も必要。更に、量的な供給不足に加え、価格高騰によるリスクについても対応す
る必要がある。
骨子案(P8)については、エネルギーにおける官民のそれぞれの役割分担について再検
討し、明確化するようにすべきでないか。また、アジアに対する石炭利用技術の移転(P
13)に加え、原子力の平和利用技術についてのノウハウの移転についても盛り込んだらよ
いと考える。

○ 本骨子案は、エネルギーセキュリティ面で、アジアの天然ガス、地域協力の枠組みを
強調している点に特色があり、また、エネルギーという切り口から、人間と地球の安全保
障という大きな問題とも繋がっている。
総論について、長期的に正当性を持ち得るような内容にし、その上で安心して各論に入
っていけるようなものとすべきでないか。日本という国は、基本的には技術立国であり、
その技術を元に各国と協調していく必要があるが、省エネ技術・新エネ技術が無いと、各
国に翻弄されてしまうことになりかねない。この点を強調すると更に説得的な報告書にな
ると思う。

○ 世界の中で、日本がどのように貢献していくのか、という観点が必要で、日本の総合
的な力を維持しなければならない、ということを、更なる課題(P15)に盛り込んでいき
たい。

○ 世界は十数回供給削減に見舞われたが、実際に影響が生じたのは数回で、余剰生産能
力の存在が混乱防止に大きな効果を発揮してきた。90年代の原油余剰生産能力が400
万BDで、将来更に減少するとされている点は問題であると考える。
現在産油国は石油開発部門を外資に開放してきており、今後とも開放していくための環
境整備や、産油国における税制整備等の投資環境の整備についても協力していくべきでは
ないか。
更に、備蓄には供給不足時における量的補填に加え、産油国の供給削減戦略発動への抑
制、価格高騰の鎮静効果もある。本報告において、備蓄の運用の仕方を明確化しておくこ
とも一案ではないか。

○ 検討の対象とするリスク(P1)について、分類があればわかりやすいと思う。また、
情報収集・分析評価体制の強化(P9)については非常によいこと。市場や、地域・世界全
体についての情報収集・分析に力を入れるべきでないか。
「アジア石油備蓄イニシアティブ」や、「東西アジア・エネルギー・ダイアローグ」(
P12)については、従来行ってきた対アジア・エネルギー政策との関係や、欧米とアジア
との協力との整合性についても留意すべきと考える。

○ 外国人の本報告書に対する関心は、日本のエネルギー政策の何が変わるかという点に
あり、日本人の関心は、我が国のエネルギーセキュリティは大丈夫か、という点にあるの
で、今後の日本のエネルギー政策の方向性を冒頭に書くと分かりやすい。また、従来から
の政策と、今後の政策のコントラストが示せれば、わかりやすい報告書になるのではない
か。

○ 情報収集・評価分析体制の強化(P9)については、収集した情報を総合的に判断し、
総合的なエネルギー政策を立案していくことが重要。情報収集はあくまでもそのための手
段。外交・防衛当局との連携に加え、官民の協力や、経済産業研究所等の省内の研究機関
の活用についても考慮すべきではないか。
グローバルな視点からの政策(13P)は、IEAの活用だけでなく、G8や、日米協力
などの場もあり、例えば新エネの共同研究や、緊急時におけるエネルギー価格面での共同
対策についても議論することも考えられる。

○ グローバル化、自由化が進めば、短期的には効率化が進むが、長期的みると価格変動
リスクが増大してしまう。効率化と価格変動のトレードオフについて分析するための情報
を蓄積し、分析すべきではないか。
日本の産業構造はより省エネ化、高付加価値化していくが、この点についての情報につ
いても蓄積されるべきではないか。

○ 骨子案には、エネルギーの輸入源が特定地域へ集中するほどリスクは大きくなるとあ
るが(P7)、供給国の方も輸出先が我が国へ集中し、我が国へ依存しているならば、リス
クは大きくなるとも言えず、結局リスクは両者の相対的な関係で決まると考える。
また、省エネ・新エネ政策等で、総合資源エネルギー調査会の各部会と連携していくべ
きではないか。
天然ガス利用・開発プロジェクトへの取り組みに対して我が国はサポートすべきとある
が(P13)、アジアのインフラ整備の観点から、もう少し踏み込んで記述しても良いので
はないか。
更に、エネルギー供給リスクを低減するため、エネルギー源をシフトしていくとあるが
(P8)、シフトするためのコストがどの程度かを分析した上でのコスト・ベネフィット分
析が必要と考える。

○ アジアにおける省エネ協力に関するCatchyなスキームが望まれる。

○ 今後、骨子案に、委員の意見を反映させ、報告書案を検討していくこととしたい。

-以上-
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