総合資源エネルギー調査会 エネルギー政策WG 第2回会合 議事要旨
1.日 時:平成13年5月8日(火) 14:00~16:10
2.場 所:経済産業省本館17階国際会議室
3.出席者:茅委員長、植田委員、柏木委員、木元委員、黒田委員、河野委員、
近藤委員、坂本委員、中上委員、中西委員、山地委員
4.議 題:目標ケースについて 等
5.議事概要
①事務局から「目標ケースについて(案)」(資料1)、「地球温暖化防止
対策のためのエネルギー・環境関連税制について(案)」(資料2)、
「目標ケースの策定に向けた複数の試算(案)」(資料3)について説明。
②委員等からの主な質問・意見(矢印以降は茅委員長、事務局からのコメント)
○LNGに比して石炭の総発電コストを相対的に0.3円/kWh上昇させる措置と
は、2,000~3,000円/t-Cの炭素税を意味するのか。試算Ⅰ-2の厳しい
措置はどの程度か。また、試算Ⅱにおいて、2008年度以降のより厳しい措
置とあるが、例を示せないのか。なぜ当初から行うような措置について試
算しないのか。
→0.3円/kWh上昇させる措置について、炭素税を仮定すればそのとおり。た
だし、助成措置、規制的措置、税制等があり、税に限定するものではない。
また、厳しい措置はその10倍程度である。2008年度以降厳しい措置を講
じることを想定したのは、あまり早くから措置を取ると経済モデル上、20
10年度により厳しい措置が必要になり、影響がさらに大きくなるためであ
る。
○資料1のp.3に「・・省エネルギー・・について最大限の対策を講じてい
る・・」とあるが、より確実性をもってこれらの省エネを行うためには、
国民のライフスタイルに対する意識の変更等を強調する必要がある。
○今回は、長期エネルギー需給見通しの従来型の策定手法である積上げ型で
なく、一般均衡モデルにより客観的な評価を行ったものである。その上で
alternativeな選択肢を判断のものさしとしてtransparentに提示すること
が必要。負担を背負う必要がある等どのようなメッセージを国民に送るの
か真剣に議論すべき。また、2010年度は短期的であり、より長期的に環境
やセキュリティのことを考えることが必要。米国次第で日本の政策が振ら
れては困る。税制については、負担や競争力への影響等を示すことが出発
点。
→透明性については、今回の検討が始まった当初から重要と申し上げており、
2年前より透明性はあがっていると思うが、さらに努力したい。
○詳細なエネルギー需給に関する数字を提示して、新たな税の導入につなげ
ていく方式は疑問。COPには大きな変化が生じつつあり、今後のエネルギ
ー政策についてフリーハンドを持つ方が有利なのではないか。
→本WGとして、政策の例を示さなければ議論もできない。あと2か月で議
論がまとまらなければ、燃料転換の具体的政策は見送ることになる。
○試算Ⅱの原子力の新増設がない場合は大変だとはわかるが、他方13基で
きないこともあり得ることを考えると、他の選択肢を求めるシナリオがあ
ってもいいのではないか。また、試算Ⅱでは、実際に国民生活がどのよう
に変わるのかが見えてこない。大変な状況になるということを示す一方で、
家庭ではエネルギーを自由に使っていいように見える。
→試算Ⅱは試算Ⅰとできる限り同じ想定で影響等を示したものである。
○エネルギー特会の歳出のグリーン化については、経済省の中で行えるのだ
から自らの判断で検討すべき。税の議論については、道路特定財源を道路
に限って使うことは止めて欲しいという議論もある。税収を環境へ回すこ
ともあり得る。歳出のグリーン化をもっとスケールの大きいところで行う
べき。税の議論は今回の分析をベースにスタートするということで、まだ
入り口の段階にある。
→税については、ここで結論を出せるというものではない。
○税の議論はどこまで広げてやるか明確にすべき。例えば、歳出とセットで
議論するということもある。
○セメント業界としては、燃料転換を試算Ⅰ-1程度の措置として一般炭課
税等で行った場合、現在使用しているボイラー用燃料等である石炭から天
然ガスへ燃料転換するようなことにはならない。その一方で、トップメー
カーの収益と同程度の税を支払わなければならないこととなる。
○製紙業界でも、同様に、石炭から天然ガスへの転換を行うことにならず、
負担だけが増加すると考えている。また、紙については約十数%を海外か
ら輸入しており、競争力の観点からも厳しい。
○税制等による燃料転換は負担増になる可能性があり、国際情勢を見ると今
決めてしまうのは問題。電力業界としては電促税のグリーン化には承服で
きない。原子力については、85%までの設備利用率の向上は達成できるの
ではないかと考えている。
○石油業界としては、地球温暖化対策としての税による方法に関しては、効
果が明確でなく、景気回復が至上命題とされている現状での増税は、国民
経済的に見ても好ましくないと考えるが、一般炭課税はエネルギー間での
公平に近づくこととなり、好ましいと考えている。一方、現状で石油には
5兆8700億円の税が課されており炭素税には反対。
○デフレ経済の中、鉄鋼業界としては非常に厳しい経営状況であり、本件は
時間をかけて検討すべき。新たな税の賦課により、自主行動計画による省
エネ等への設備投資資金がなくなる。また、試算Ⅰ-1程度の措置として
課税しても石炭から天然ガスへの燃料転換を行うことにならない。
○一般炭に課税すると、大きな負担になり、また、石炭の最大輸入国として
石炭を排除するようなメッセージを出すことはどうか。また、石炭のクリ
ーン化やCO2固定化等対応のオプションを広げるべき。
○原子力が今後新増設されない場合は、経済的に大きな影響を受けるといっ
た試算となっているが、10年後の影響は現在から将来のエネルギーコス
トに関するアナウンスメントを行えば、吸収可能ではないか。
○国民としては、今ある税制の下でやりくりすることを求めている。
→(上記全体を受けて)今回の試算では、最大限の追加省エネ・新エネ対策
を行った上で、2010年度のCO2削減目標達成に向けた不足分に対しては、
大きなコンセプトとして燃料転換で対応するしかないと考えている。この
ためには、今の手法だけでは難しく、追加対策が必要であり、規制であれ、
補助金であれ、税であれ、ある種の経済的コストをともない、国民に何か
しらの負担が生じることを理解していただきたい。その上で、具体的措置
を特定するまで議論は熟していないと考えている。なお、追加省エネ・新
エネ対策を行っても不足する500万㌧-Cの削減については、燃料転換で行
うことで了承されたものと理解する。
③5月14日(月)14:00~16:00に総合部会・需給部会合同部会
において目標ケース等について検討することが了承された。
問い合わせ先:資源エネルギー庁総合政策課 神谷、福地(TEL:03-3501-2669(直通))
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