平成13年7月26日
経済産業省産業技術環境局
リサイクル推進課
今回のワーキンググループでは、拡大生産者責任(EPR)等の基本的な考え方の整理、
3Rに係る対策を講ずべき業種・製品、取組のクライテリアの高度化、「リサイクル率」等
の定義と算出方法についての整理、製品アセスメント手法の確立・普及と3Rの取組のモ
ニタリング、製品輸入に係る措置の検討及び再生資源・中古製品等の輸出実態を踏まえた
対応について議論を行った。各委員からの意見等は以下の通り。
(1) 拡大生産者責任(EPR)等の基本的な考え方の整理について
・ EPRが強化され、事業者が積極的に取り組もうとする際に、廃掃法等が障害とならな
いように配慮して欲しい。
・ 「生産者がリサイクルに必要な高度な技術力を持っていること」という表現は行き過ぎ。
EPRで大事なのは総括的な責任をメーカーが負うことであり、リサイクルを実施する
主体は必ずしもメーカーでなくてよい。
・ 素材産業の役割がまだ不充分ではないか。
・ 既存のシステム(容器包装リサイクル法、家電リサイクル法)を、例えば対象品目の拡
大等によってもっと有効活用していく必要があるのではないか。
・ 事業者ルートが構築される中で、市町村の廃棄物行政も再構築する必要がある。市町村
の浮いたお金をどのように市民に還元していくかということも重要な視点である。
・ 様々な製品に関してリサイクル法が各々の主管省庁の下に整備されているが、国全体と
して日本がどのような循環型社会を目指すのかといった、最終イメージを示して欲しい。
・ 事業者が自主的にリサイクルルートを作ると物流コスト等隠れたコストが生じる。一生
懸命取り組む企業にインセンティブを与える仕組みが必要である。
・ 産業廃棄物については、処理コストは事業者が負担するのがよい。
・ 再生資源の利用については、10年前に比べて現在は大分受け入れられているものの、
法律で再生資源を強制的に使ってもらうくらいの対応が必要ではないか。
・ 法的な枠組みが整備がされてきたが、自主的取組みや市場メカニズムも重要である。
・ グリーン購入の促進等デマンドサイドのリサイクル政策が弱いのではないか。
・ 不法投棄を防ぐためにはデポジット制や費用前払いがよいのではないか。
・ マンデート、ボランタリーについてどのようなベネフィット、デメリットがあるのか、
EPRでリデュースに繋がる例があるのか等、現在のシステムの把握を行うべきである。
・ EPRの役割分担、特に消費者の役割分担を議論する必要がある。その際、単なる情報
提供だけなく消費者とのコミュニケーション方法について議論することが重要である。
・ アセンブリ製品に関しては、素材業者、部品業者、最終的には流通業者との連携も含め、
関係者の役割の大きさを実感する。業界の垣根を越えたシステムの構築を考えたい。
・ リサイクル法制も規制強化であることには違いない。日本の国際競争力が低下している
中で、経済合理性を見ながら最低限の規制にして欲しい。
・ 循環全体の在り方は中央環境審議会で検討されるべき性質のものであり、産業構造審議
会ではどのような具体的な視点で貢献していくかという点で議論を進めるべき。
・ リサイクルは「ものによりけり」路線が明瞭に出て来て感心している。
・ EPRは「ものを作るところが費用を全て負担する」と誤解されることも多いし、3R
の順番もアプリオリに決まっているわけではなく、基本法でもLCA的発想で「環境負
荷があるならそれによらないこと」とされているいう点を留意すべき。
・ 費用負担の問題に対して関心が高い。だれが、どこで、どういう理由で払うかを検討し
ていきたい。費用負担のコンセンサスをどのように得るかが最大の課題なのではないか。
・ 再利用の為の技術開発は、企業・業界の枠を超えた産官学の協力体制が必要。
・ 一般廃棄物は市町村の責任ということから市町村が直接実施すると解釈がされてきた
が最近では委託も含むと解釈される。責任と実行を分けて考えた方が効率的ではないか。
・ EPRは環境に対しては明らかに効果があるが、OECDのペーパーでもコストの視点はあ
まり重要視されていない。EPRのコスト分析が必要ではないか。
・ EPRは自治体からメーカーに責任が移っていくため、自治体に収める地方税が安くな
らなければいけない。自治体についての情報開示が進んでいないのではないか。
(2) 3Rに係る対策を講ずべき業種・製品、取組のクライテリアの高度化について
・ 3Rの話の中で、有害性の視点を特出して整理して欲しい。
・ 最終処分場のコストの上昇を考えると、サーマルリサイクルも重要な選択肢であり、積
極的に取組み、評価・位置づけをして欲しい。
・ 3Rの優先順位が決められたが、リサイクルすべきでないものまでリサイクルしている
可能性があり、LCA的観点からの検討が必要である。
・ リサイクルは、最低限な必要部分だけ確保し、あいまいな部分はコストで判断してサー
マルが可能なら取り入れ、柔軟な形でリサイクルの高度化を促すべきではないか。
・ ドイツではリサイクル率は上昇し、ごみは減少しているものの、リサイクルコストとと
もに、ごみ処理施設の稼働率の低下等によりごみ処理費用が上昇している。
・ 3Rの取組において、製造・流通・リサイクルの各過程に関して、どれだけエネルギー
を投入し、どれだけのCO2を排出したのかデータを明らかにして欲しい。
(3) 「リサイクル率」等の定義と算出方法についての整理について
・ リサイクル率の定義については、国際的な場において日本から提案していくことも重要。
・ リサイクル率の議論の中に回収率も含めて欲しい。有害物質をコントロールするために
も消費者からの回収率を上げるための努力が重要である。
・ リサイクル率を達成するために大量にリサイクルすればいいというわけではなく、どう
取組むかが重要な話となる。リデュース、リユースをどう取り込んでいくかが重要。
・ 回収率を把握するためには、「回収」に含まれている輸出を把握する必要もある。
(4) 製品アセスメント手法の確立・普及と3Rの取組のモニタリングについて
・ 製品を作る段階からアセスメント、LCA等でリサイクルについて考えておくべきであ
る。特に有害物質は、事業者が用いないようにし、用いる場合も表示をきちんと行う仕
組みを作る必要がある。今後は日本が欧米に対して積極的に方向性を示していくべき。
・ LCAを消費者にわかりやすく簡素な概念の中で提示する手法を確立して欲しい。
・ 様々な形でLCAが行われているが、評価基準が世界共通でなければならない。
(5) 製品輸入に係る措置の検討について
・ 海外との連携で取り組まなければならない製品・素材は何なのかを洗い出し、議論が出
来る基盤を整備する必要がある。
・ 家電は現在9割以上が輸入品であり、今後も輸入が増加すると思われる。3Rについて
考える際、輸入品の問題は必ず考えねばならない。
・ パソコンは韓国や台湾から多くの部品を輸入しており、事業者としてできる範囲も限ら
れている。政府が一緒になって相手国に協力をお願いするようにして欲しい。
・ 経済産業省は各業界団体とも連携してものの流れを把握して欲しい。輸出入に関しては
通関で押さえればよく、むしろ把握しやすいと言えるかもしれない。
・ 輸入は発展途上国との関係が大きいが、関税障壁にならない政策を考える必要がある。
・ 国際分業、輸入品の増加を考えると、海外における生産段階まで立ち入らなくてはなら
ない。そのため、政府は相手国と話し合い、指導をしていくことが必要である。
・ 今後のリサイクル政策については、WTOのTBT協定との関係も考えなければならない。
リサイクル製品の市場拡大はグリーン購入法、リサイクルコンテンツが有用ではないか。
・ 製造業の海外移転が急速に進行している昨今、5~10年後の産業構造をイメージしな
がら話をする事が大切である。
(6) 再生資源・中古製品等の輸出実態を踏まえた対応について
・ これまでの再生資源等の輸出は国内の需給調整の意味が大きかった。今後は世界的な視
野で国際的な役割について考えて行くべき。
・ 輸出先の状況をきちんと把握しなければ、日本の3Rは完結しない。輸出先のリサイク
ルの現状を把握し、リサイクル技術の提供も考えてはどうか。APECの利用も考えられる。
(以上)
|