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審議会

総合資源エネルギー調査会地方会議大阪会場 議事録

                                                                                

日 時:平成13年6月21日(木)14:00~16:40

会 場:KKRホテル大阪 「オリオン(14F)」

出席者:意見陳述人
豊田 陽介  気候ネットワーク
  倉田  薫  池田市長
柴田  稔  (社)関西経済連合会 副会長
  角田 禮子  関西消費者連合会 会長
濱川 圭弘  立命館大学理工学部 教授
伴  金美  大阪大学大学院経済研究科 教授
    総合資源エネルギー調査会委員
     茅  陽一  会 長(座長)
     飯田 哲也  総合部会委員
     河野 光雄  合同部会委員
     中上 英俊  合同部会委員
     中村  融  総合部会委員
     領木新一郎  合同部会委員

議 事

【茅座長】
 それでは定刻になりましたので、本日の総合資源エネルギー調査会の地方会議を開催さ
せていただきます。
 私は総合部会長を承っております茅でございます。よろしくお願いいたします。
 本日の会議の趣旨でございますが、この総合資源エネルギー調査会は昨年の春に諮問を
受けまして、今後のエネルギー政策をどのようにすべきかという、基本的な課題について
色々と検討を進めてきた次第です。
 具体的にはエネルギー需給見通しを、どのように見直すかということが中心になるわけ
ですが、それを踏まえまして、総合的にエネルギー政策を考える、ということで一年間、
審議をしてまいりました。
 この程、大体の考え方がまとまってまいりまして、これに対してパブリックコメントを
いただくということと同時に、このような地方会議を開催いたしまして、皆様方から色々
と忌憚のないご意見を伺うということにいたしました。
 これまでに、札幌、仙台、名古屋、福岡と4会場で会議をしておりまして、本日が地方
の会議の最終回になるということでございます。
 本日は2時間半ということになっております。16時半までですが、実は、スケジュー
ルが大変厳しくなっております。
 本日ここにお座りの方々はお判りと思いますが、意見を言っていただく陳述人の方が6
人おいでになりまして、お一人15分間、お話を頂くという予定にしております。
 つまり、6掛ける15ですので90分ということになります。
 また、その前に事務局側から今回の審議の経過、内容についての説明をしてもらいます
が、これを3人にやってもらいますので一人10分ずつとして30分、これだけで2時間
かかってしまいます。
 更に、皆様方のご意見に対しまして、この審議に参加した委員の方々がこちら側に控え
ておられますが、これが私を含めて6人です。やはり一言ずつ言っていただこうと思いま
すので、事務局側の対応等を加えますと、2時間半というのは極めてぎりぎりの時間でご
ざいます。
 このように、物理的に時間がないわけでございますので、皆様方にも色々おっしゃりた
いことがたくさんあると思いますけれども、本日はぜひ、時間を厳守してお話いただけれ
ば有り難い、ということでございます。
 それから、ご意見を下さる6人の方々でございますが、意見陳述人といういかめしい名
前です。私はあまり好きじゃないのですが、国の作った名前ですのでそれを使わせて頂き
ます。
 今回の意見陳述をお願いするにつきましては、一応一般に応募をしていただきまして、
それから私が事務局側と相談して各分野の割り振り、例えば経済界の方であるとか、学界
の方であるとか、あるいは消費者の方といった風なことを勘案して、選定をさせていただ
きました。
 今回は、確か10人くらいの申し出があったかと思いますが、そういったことで本日は
6人の方においでいただいております。
 それから、もう一つ申し上げたいことは、今日はこの周りにたくさんの一般の傍聴者の
方々がおいでになっていますが、こうした方々も当然ご意見があろうかと思います。また、
あるからこそ、おいでになったと思いますが、只今、申し上げましたような物理的な事情
で、フロアーの方々から意見を伺うということは残念ながらできません。
 しかし、それでは、極めてご不満が募るであろうと思われますので、もしやはり意見を
言いたいと思われる方は、文書ないしは、電子メールという形で事務局の方に明日いっぱ
いまでに、お寄せいただければありがたいと思います。
 その上で、私が見せていただいてそれなりに対処をさせていただきます。
 そのような形で進めたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 それでは、陳述人の方々のご紹介、及びこの調査会の委員の方々のご紹介を事務局側に
お願いします。

【和田総合政策課企画官】
 それでは、最初に意見をいただく方からご紹介を致します。
 気候ネットワークの豊田さんです。どうぞよろしくお願いいたします。
 特段にお忙しい中、倉田池田市長に来ていただいております。
 柴田関西経済連合会副会長に来ていただいております。
 角田関西消費者連合会長に来ていただいております。
 濱川立命館大学理工学部教授に来ていただいております。
 伴大阪大学大学院教授に来ていただいております。
 どうかよろしくお願いいたします。
 それでは次に、総合資源エネルギー調査会の委員の方でございますが、最初にお話しい
ただきました茅部会長の他に、飯田委員、河野委員、中上委員、中村委員、領木委員に来
ていただいております。

【茅座長】
 有り難うございました。それでは、本日の議事に入りたいと思いますが最初に今回の審
議の経過、内容につきまして、先ず、事務局側から説明をしてもらい、その後で先程申し
上げましたように、意見陳述人の方からご意見をいただく、という順番にしたいと思いま
す。
 それでは先ず、事務局側からこの調査会での検討内容についての報告をお願いします。

【和田総合政策課企画官】
資料に基づき説明

【平野省エネルギー対策課長】
資料に基づき説明

【平工省エネルギー・新エネルギー部政策課長】
資料に基づき説明

【茅座長】
 有り難うございました。
 それでは、お招きした陳述人の方々からご意見をいただきたいと思いますが、先程申し
上げましたように、是非、15分以内でご意見をいただいきたいと思います。
 15分を過ぎました時は、恐縮ですが私の方からそのように注意させていただきますの
で了解下さい。
 机にお座りいただいている順番でお願いしたいと思います。
 それでは、最初に気候ネットワークの豊田さんからお願いいたします。

【豊田氏】
 地球温暖化問題に取り組むNGOの気候ネットワークで活動しています豊田と申しま
す。
 見てのとおりの若輩者で、本日、大変高名な先生方に囲まれて恐縮ですが、NGOとし
ての立場のみではなくて若者としての意見というものも率直に述べさせていただきたいと
思います。 よろしくお願いいたします。
 先ず、温暖化問題に関わる観点から、少しお話を申し上げたいと思います。
IPCCの第3次評価報告書によると、2100年頃には最大で5.8度の気温上昇が
起こるといわれています。こういった温度上昇による影響は大きく、生態系のみならず経
済にも多大な被害を及ぼすことが予測されています。
 また同様にIPCCの報告によれば、大気中のCO2濃度を現在のレベルで安定化させ
ていくためには、その排出を直ちに50~70%削減し、その後もさらに削減を強化して
いく必要があるといわれています。そういった非常に厳しい状況にあると思いますので、
現在日本政府の方で提出されている、6%の削減内容は内訳ですけれど、この先、世界全
体で約70%CO2を削減していかなくてはならない状況の中で、とうてい意味があると
は思いません。
 今、話し合わなくてはならないことは、温暖化問題をエネルギー政策で達成、削減して
いく、これは、できるできないではなくて、どのように今後削減していくか、地球温暖化
問題といったものをどう克服していくか、していかなければいけない課題と位置づけて、
削減に取り組んでいく必要があるということではないかと思います。
 そういったことから、温暖化の主な原因となっているCO2、この9割以上はエネルギー
起源のものですから、今後エネルギー政策というものが地球温暖化問題を最重視したもの
でなくてはならないといえると思います。
 こうしたことから考えて、現在の地球温暖化対策推進大綱、これに基づく6%削減の内
訳に沿ったエネルギー政策の今回の枠組みとなっているエネルギー起源のCO2削減です
が、6%削減を目標としているエネルギー政策では長期的に考えまして、不十分と考えま
す。
 例えば、審議会の中でも配布されたと聞いているのですが、気候ネットワークでは、6%
削減案、市民案プロジェクトというものを出しています。この中では、森林吸収だとか、
京都メカニズム、技術革新、国民各層の努力、そうしたものに頼らずとも、エネルギー起
源CO2だけで6%以上、2010年までに6%以上のCO2削減が可能だという結果が
示されています。また、中央環境審議会に提出されている2010年地球温暖化防止シナ
リオなどでも、同様な結果が示されているということです。こういった様々なシナリオを
踏まえた上で、今後、より一層の削減の可能性について検討していくことが必要なのでは
ないでしょうか。
 次に、今回、追加的対策として取り上げられました新エネ、省エネ、それに燃料転換に
ついて意見させていただきたいと思います。
 先ず新エネルギーについてですが、現在、2010年、1次エネルギー供給に占める割
合で3.1%が導入目標とされていますが、化石燃料とか原子力への依存といったものを
減らしていくためにも、自然エネルギーを、今後、中期的な基幹エネルギーと位置づけて、
長期計画に基づいて2010年の目標を考えていくべきかと思います。 
 例えば、立命館大学の和田教授の試算、集計によると、現在、1次エネルギーの大半を
再生可能エネルギーで賄いうる可能性があるということです。
そうしたことを考えますと、今後どのようにしてエネルギーを普及していくかという話
になると思いますが、先程3つのオプションが提示され、その3つのオプションの中でも、
実際に導入されている効果、海外で実際に導入されている効果を考えますと、例えばドイ
ツの再生可能エネルギー法、これと同様の法律の制定などを検討していくのが重要なので
はと思います。
 現在のオプションの中では、2番目の買い取り義務化となっておりますが、そのオプショ
ンの中では英国の競争入札方式とドイツ、デンマークの固定価格等による買い取りが少し
混在されているようにみえますので、その部分に関しても実際の効果をみて、改めていく
べきかと思います。
 実際ドイツでは昨年、再生可能エネルギー、風力を中心に昨年1年間で170万kWと
いう増加をさせていますので、そうしたことを考えましても現実的に、日本におきまして
も、自然、バイオマスだとか風力といったものを中心に更なる導入目標を設定できるので
はないかと思います。
 次に省エネについてですが、省エネにつきましても今回の追加的対策に加え、今後より
一層の対策強化が必要だと考えます。それに、実際に削減の余地も十分に残っていると思
われます。
 例えば、電気機器の省エネ基準強化や、より一層の強化、現在、住宅、建物の省エネ基
準、自主目標、自主規制となっていますけれど、こうしたものに加え、例えば工場などの
省エネ努力目標といったものにも規制をかけていくことによって、より一層の削減が可能
になるのではないかと思います。続きまして、燃料転換についてですけれども、従来の政
策ではこれまで石炭だけにエネルギー課税がなく、また火力発電のうちでも石炭が大きく
増えることを容認してきた状況があります。
 このため、温暖化対策と明らかに逆行する石炭火発の著しい増加が90年以降続いて、
深刻な問題になってきたといえると思います。そこで、今回打ち出した石炭火発の抑制策
は大変歓迎されるものであると思われます。ただ、今回の場合でも、石炭火力発電所の増
加が前回の需給見通しよりさらに上回る状況で、そうしたことから、今回もまた審議状況
の中で提案されている石炭課税、これをさらに増やしていくこと、さらに、火力発電のC
O2原単位規制を導入する、そういったことを推進していくことによって、石炭火力発電
所の発電量を大幅に削減できるものではないでしょうか。
 さらに今回、試算というかたちで原発増設ケースとそれと原発増加なしのケースが検討
されています。この点は評価できると思うのですが、現実的にみていきまして、原発13
基はエネルギー政策の中心になっているように思われますが、これは、少し非現実的な政
策ではないかと疑問を覚えます。実際、現在建設中の原子力発電所が5基しかない状況で
す。
 そのような状況で、どうのようにして2010年までに13基を増設していくのか、ま
た原発1基、建設から運転までに約25年ほどかかると聞いていますので、こういった状
況でどのような対応をとられていくのか、少し疑問が残るところです。
 さらにそういう状況で、当初2010年の目標であった原発増設20基が、今回、下方
修正された事態のように、このままではまた陥りかねないと危惧を抱きますので、そういっ
たことからも早急に、現実的な原発増設見通しに基づく検討を行っていくことが必要では
ないでしょうか。
 また、試算Ⅱの原発増設なしのケースですが、これにつきましても原発13基の場合と
比べて石油火発や天然ガス火発から、これらの発電量をほとんど変えずに、石炭火力発電
所の設備効率のみを一方的に増やして、CO2制約として経済規模の縮小による電力カッ
トを想定しているようにもみえます。
 例えば、設備利用率6割を超えている石炭火力発電所の発電量を半減させ、設備利用率
4割程度、試算の中では4割であるLNG火発にシフトさせていくことによって、経済に
影響もなく、実際に原発増設ゼロでも、90年比0%削減程度は可能ではないかと思われ
ます。
 また先においても取り上げました、気候ネットワークの6%削減プロジェクトの中でも、
原発をこれ以上増設しないという前提で、採用目前の技術的対策や需要側への対策、そう
いった対策を促進するような措置によって対策を促進し、6%以上の削減を達成できると
いう結論を得ています。
 なお、その際には、この試算で出ている経済成長マイナスの影響も無く、産業の空洞化
も起こらず、もちろん生活水準を下げることも無く、こうした結果を達成していくことが
できるというような結果が出ていますので、そうした意見を受けて、これからエネルギー
供給シナリオについて、政策の実現可能性や持続可能性について、そうした視点から改め
て評価、検討していただきたいと考えます。
 続きまして、今回、環境税とういうものが初めてオプションとして示されていましたけ
れど、これにつきましては、石炭抑制のための経済的手法といった考え方が示され、大変
評価できると思います。
 ただ現状では、どれかを必ず導入するといったことではなく、更なる削減可能性等を考
えていくと、今後、こういった3つのオプションだけではなくて、現行の石油諸税の見直
しを含めた総合的な検討を行っていくことが必要かと思われます。
 更に、電源開発促進税のグリーン化といったものがありましたけれど、それに関しまし
てもCO2を排出しないことを理由として、原子力発電所を優遇していく税制には反対を
覚えます。理由は、安全性だとか核廃棄物処理問題といったものを環境的に、トータルに
判断して優遇していくべきではないかと思うからです。
 以上が追加的対策に対する個別の意見ですが、全体として、今回提出された試算で用い
られているバックデータの情報公開といったものを要求させていただきたいと思います。
 基準ケース、目標ケース試算について第3者にも検証できるように情報公開といったも
のは不可欠であると思いますし、特に目標ケースの石炭火力発電を天然ガスに比べて0.
3円/kW高くする措置、こういった措置の試算の詳細について公開していただきたいと
思います。また試算の前提となっている経済成長率2%ということですが、現実の成長率
は、現在もっと低い状況にありますし、少なくともこういった2%といったシナリオだけ
でなくて、いくつかの経済成長率のケースを試算、検討するべきではないでしょうか。
 また、気候ネットワーク、温暖化問題に取り組むNGOとしての意見としては、この審
議状況の中で様々な部分で、京都議定書というものが取りざたされていました。
 審議状況の中では、「米国の動向が不透明でも温暖化対策の重要性は変わらない。」と
記されていますけれども、京都議定書を率先して批准し堅持する、ということが特に書か
れていたわけではありません。早期率先批准ということは4月の国会の決議で明記されて
いますので、最終報告の中では、この京都議定書の堅持を明記していただければと思いま
す。
 最後に、少々、個人的ではありますけれど、若者からの意見として少し述べさせていた
だきたいと思います。
 最初にも言いましたように、温暖化問題というのは克服しなければならない問題であっ
て、その克服には一刻も早い対応が必要であるということ、もう一つ重要なことは、利益
を享受する者とリスクを負う者とが異なるということではないかと思います。現在の状況
でいえば、温暖化の原因は先進国が作り出し、その被害が途上国、例えば島礁国等が負っ
てきています。
 今後は、化石燃料の恩恵を得た世代と問題が顕在化し被害、リスクを負う世代が異なっ
てくるという点があると思います。つまり、我々の世代が問題をつくりだし、その被害を
被るのが我々の息子だとか孫の世代ということになってしまいます。そういった世代間の
公平性、こうしたものを考慮するならば、0%削減では、現実には不十分であり、我々は
もっと真剣にCO2削減に取り組んでいくべきであり、対策についても中長期的な視野に
立ち、環境的に持続可能な対策を講じることが必要でないかと考えます。
 以上で意見陳述を終わらせていただきます。
 有り難うございました。

【茅座長】
 有り難うございました。
 時間的に、大変きちんとしていただき有り難うございました。
 なお、この後もそうですが、今のご意見の中には事務局側に対する要望、その他がござ
いましたが、一括して、最後にまとめて答えてもらいますので、とりあえず最初は、意見
を伺うということにさせていただきます。
 ご了解下さい。
 それでは池田市長、倉田さんお願いします。

【倉田氏】
 池田市長の倉田薫でございます。この度は、この大阪での総合資源エネルギー調査会地
方会議において、今後のエネルギー政策について、意見あるいは要望等を申し上げる機会
を頂き、関係の皆様方にまずお礼を申し上げたいと存じます。
 また、各種の調査・審議を重ねて今後のエネルギー政策に関する審議の状況案をまとめ
られました調査会の委員の皆様方を始め関係各位に深い敬意を表するものであります。
 私はこういう場に出させていただいて、必ず池田市のPRをさせていただくのが常でご
ざいました。
 よく池田といいますと全国的には、北海道の池田町が極めて有名でありますし、この間
蔦監督のお葬式が行われました徳島県の阿波池田も極めて有名であります。
 なかなか大阪の池田というのはPRしにくく、例えば大阪国際空港は世界でただひとつ
国際線が飛んでいない国際空港で、よそでは、ドメスティックなエアポートであるにも関
わらず、定期の国際線が飛んでおります。
 名前は大阪インターナショナルエアポートと言いながら国際線が飛んでいない飛行場は
世界でもここだけです。
 といったことを申し上げながら大阪国際空港の所在地としての池田を紹介して参りまし
た。
 ですから、皆さんが飛行機乗る時は伊丹空港と言わずに池田空港と言ってください。 
このようなことを言いながら、チキンラーメン発祥の地の池田あるいは阪急電鉄の本社の
所在地の池田、ダイハツの本社工場の所在地の池田、こういうことをPRしていたわけで
ありますが、もうその必要がなくなってしまいました。
 世界を震撼させる事件がこの6月8日に起こったからであります。
 非常に残念であります。池田というのは環境のいい非常に治安のいい安全な町、あるい
は教育の町を標榜する町でもあったからです。
 この前にお座りになっている方の中にも池田市の出身の方がいらっしゃいますが、そう
いうことをPRできた町でありますが、それが想像だにしなかった前代未聞のあんな悲惨
な、8人の幼い尊い命を奪った事件が起こってしまいました。
 それに触れないわけにはいかないのですけれども、国立の学校であるがために、地元の
自治体としては非常に苦慮している部分もあります。
 当事者であるのですが、手が出せない。そして当の国立大阪教育大の中の対策本部と池
田市の対策本部がなかなか連携が取れない。
 我々としては池田市でなければできないことがあると、そういう思いでいろんなサポー
トをしたいという申し入れをしましたが、なかなかうまくパイプが繋がらない。
 大田知事も同じ思いでして、大阪府としても忸怩たる思いで昨日副知事と私どもの助役
が国の方に、きちっと指揮命令できて判断・決断ができる人を池田に派遣して下さいとい
う要望をしながら、池田市としては次のステップとして、付属の池田小学校が授業が再開
できるようにあるいは本当に安全な町として再度新しいスタートを切れるようにというこ
とで、昨日の本会議でいわゆる池田市の市民安全基金というようなものを設置しながら、
新しいスタートを切ろうとしているそのような町であることを改めてご紹介を申し上げ、
全国から色々な方々からご心配を頂いておりますことに、お詫びを申し上げますとともに、
池田市民あげて新しい町づくり、安全な町づくりに努力しているということをお伝え申し
上げたいと思います。
 それでは本論に入りたいと思います。
 池田市では、今新しい世紀を迎えまして、環境、情報化、ボランティア、人権この4つ
をキーワードとして施策に取り組んでいるところであります。
 そして環境問題についても環境基本計画の策定をするということで、今一生懸命に努力
をしているところでありますが、そういった計画の実効性を確保するためには、市民参加
を積極的に図っております。
 今日の環境問題の解決には、市民参加が不可欠であると考えております。
 市民が、事業者がそして行政が、パートナーシップを構築し、それぞれの役割を果たし
ていくことが求められているからでございます。
 従って、池田市では、まず環境をキーワードにするという点からいきますと、平成11
年7月に、環境にやさしい課という非常にわかりやすい課をおきまして、環境にやさしい
課長を庁内公募しました。
 年齢、経験、性別を問わない、自分が環境施策を担当したい人は手を挙げなさい、とい
うことで40代の女性課長が池田市に誕生したわけでありますが、その課長の下で、一緒
に環境問題を考えましょうという、いわゆる市民ボランティアを公募いたしました。
 初めは15人程度かなという定数を決めていましたが、16歳から60歳まで40人の
方が手を挙げて下さいました。この40人には全て、エコスタッフという名称を与えて、
今一緒に環境基本計画の取り組みに参加をして頂いています。
 しかし、環境基本計画は池田市はあまり大きな顔をして言える状態にはありません。 
 なぜなら、全国の大変たくさんの市では既に策定済みの所、モデルが沢山あるからです。
 従って、環境基本計画では池田市は周回遅れのトップランナーだけれども、今、次なる
地域省エネルギービジョンの策定に取り組んでおります。
 この地域省エネルギービジョンの策定については、文字通りのトップランナーとしての
位置づけが頂けるものと思っております。
 従って、これを並行して進めているところであります。省エネルギー化の手法および削
減の可能量、また新エネルギーの導入可能性等を検討しながら、二酸化炭素の排出量の削
減プログラムを含む、環境に優しい社会の実現へのビジョン作りを進めているところでご
ざいます。
 昨年度は初期段階調査を実施いたしました。お手元に概要を配布させて頂いております
が、私はこの調査成果を元に、地方自治体からのエネルギー政策への要望を述べ、意見陳
述に代えさせて頂きたいと思います。
 まず、池田市のエネルギーの利用状況をみますと、昭和50年以降人口は10万人とい
う一定の数なんです。
 池田市というのは、ここ20数年間、増えもしなければ減りもしないという10万人で
ありました。にもかかわらず、電力、都市ガスの消費量は共に増加傾向を示しております。
 これは先程の発表にもみられた同じ傾向が池田でもあるということであります。
 これは今日の私達の生活というのが、便利さ、快適さを求めることから、エネルギーを
消費する電気機器等があふれているからではないかと思われます。
 そこで、他のエネルギー源も含めて、市全体でエネルギー排出量を算出し、これから炭
素排出量を求めると、年間で約15万t-Cという結果になります。
 市民1人当たりの値としましては、1.49t-Cとなり、全国平均の2.66t-C、大阪
府平均の1.66t-Cより少ないという結果であります。
 また、各部門ごとのエネルギー消費を求めますと、産業部門が34%、民生業務部門が
18%、民生家庭部門が20%、運輸部門28%という値を得ております。
 これらのデータを元にして、環境に優しい社会また今日よく言われます持続可能な町に
向けて、そして先程ご紹介をしましたが、市民参加で策定を進めております環境基本計画
の環境目標像の市民提案である「自然エネルギーを取り入れて化石エネルギー使用量を半
減する町を目指したい」、そしてこの円グラフを小さくすること、すなわち市全体で省エ
ネルギーに取り組もうとしております。特に、民生業務、民生家庭、運輸部門の削減を目
指したいと検討しておりますが、行政の取り組みだけで達成できるものではありません。
 1つには市民あげて、あるいは国の方の施策で幾つかの要望も申し上げたいと思います。
 一方で、環境の負荷の少ない自然エネルギーである太陽光発電等の可能性の調査を実施
をいたしており、新エネルギーの導入も省エネルギー同様大きな課題であります。池田市
では、太陽光発電の公共施設への導入を将来でありますが、実施をしていきたいと考えて
おります。
 しかし、これは一方で大きな障害もあります。なお、新エネルギーの導入ということで
は、池田市では低公害車の普及促進策として、公共施設の有料駐車場における低公害車の
無料化の制度を採用いたしておりまして、地方自治体としては小さな取り組みではありま
すが、誘導策を行っていると自負をいたしております。
 また、先程言いましたように、地元にはダイハツ工業の本社がありまして、ダイハツも
天然ガス車を作っております。しかし、実は昨年までは、天然ガス車を導入しましても、
ガスの供給基地がなかったのです。今年初めてダイハツ工業さんが自費で自社工場の前に
天然ガスのエコステーションを作ってくれました。
 それに伴って、ようやく私共も天然ガス車、わずかに7台という計算ではありますけれ
ども、天然ガス車を導入し、公用車を天然ガスに切り替えていきたいと考えております。
以上、省エネルギーの普及促進と新エネルギーの導入をあげましたが、ビジョンの基本方
針と重点テーマ案をお手元の資料のとおり定め、今年度に検討を進めていきたいと考えて
おります。
 池田市では、ビジョンの中で省エネルギーの基本的な方策として、ライフスタイルの変
革による省エネルギー、機器の効率化などによる省エネルギー、インフラ整備などの間接
的措置による省エネルギー、省エネルギーの義務付け、以上の4つをあげております。
 これらは、先の審議状況案にも同様の記述がありますが、実現に向けて、国の規制、税
制を含めた制度面での環境整備が求められているところであります。
 例えば、省エネ化を図ることの補助制度の拡充、積極的な技術開発への支援、国民のエ
ネルギー問題への啓発活動等の環境教育の実施があげられるものと思っております。同時
に、新エネルギーの導入についても、助成制度の拡充等が求められているところでありま
す。
 現実に、家庭でも太陽光発電をご利用されているところがあります。これをどんどん拡
げようとすると、やっぱり障害というのが、少々コストが高く付くことではないかなと思っ
ております。
 これは行政にとっても同じことが言えるわけでありまして、例えば私の住んでいる町で
は、非常に時には強い風が吹きますから、環境にやさしい課長に「池田市でも風力発電が
可能ではないか。」とこういう風に言いますと、「市長、そのためには費用どれ位かかる
か分かりますか。」とそんな答えが返ってくるわけであります。
 正に今、政府の方でも、聖域無き構造改革に取り組まれてこられるわけですが、幾つか
の聖域の中に、環境という聖域があってもいいのではという気がしてなりません。
 同時に地方財政は、今、極めて厳しいわけであります。その厳しい時に、環境というこ
とが大事だけれど、そこにはコストがかかる。
 そうすると、環境を取るかコストを取るかという選択肢を求められた時に、池田市は経
常収支比率という評価でいきますと、平成10年度決算では全国ワースト2位という状況
だと、だから一方で環境をやりたい、じゃあこのコストについては、どのような制度に乗っ
かることができるのかなと、そういった意味のいろんな意味で取り組みをしますので、モ
デル都市として採択をするとか、あるいは全国一律にこの環境に取り組む場合には、今問
題になってます交付税についてこういう措置をしますよというような後押しが必要ではな
いのかなとこのように思っております。
 また、燃料電池の市民への普及等今後の技術開発への対応につきましても、更なる検討
をお願い申し上げたいと思います。地方との役割分担を踏まえた上で、地球市民という立
場から、省エネルギーの普及促進と新エネルギーの導入に向けて、市民、事業者との協働
を視野に入れた施策の検討についても要望をさせて頂きたいと思います。
 最後になりますが、エネルギーの安定供給について申し述べたいと思います。
 先程より、繰り返し述べております省エネ、新エネでございますが、急に今日明日にで
きるものではありません。
 現実の問題として、私達は江戸時代のようにお天道様だけに頼って生活ができないので
あります。
 安定供給は、私達にとって大きな課題であり、今後とも国民全体に広くPRを行い、ま
た情報公開等透明性の確保に努められ、国民の理解と合意形成を図られるようにお願いを
申し上げたいと思います。
 そして、そのエネルギー量の全体を確保しなければならない、しかし環境は守らなけれ
ばならないという相矛盾する2面性のことについて、我々地方自治体の現場においても、
市民に環境啓発、環境教育あるいは省エネ、新エネの確保等々について、やっぱり幅広く
啓発をする必要があります。
 少なくともその啓発に関する費用等についても、やはり地方自治体に何某かの配慮をさ
れることによって、幅広い観点から普及啓発が可能になってくるのではないのかなとこの
ように申し上げたいと思います。
 以上、省エネルギーの普及促進、また新エネルギーの積極的な導入に向けての諸制度の
整備をお願い申し上げまして、意見陳述にさせて頂きます。どうも有り難うございました。

【茅座長】
 どうも有り難うございました。それでは、次に関経連の柴田氏にお願いいたします。

【柴田氏】
 ご紹介いただきました関経連の柴田でございます。また、今回の地方会議で意見陳述を
される方を見てみますと、私は産業界の代表として、意見陳述することになるわけですが、
エネルギーの消費者として、また、産業界での電気をはじめとするエネルギーの購買者と
して、あるいはまた、自家発電設備を持っている事業者として、エネルギー政策に関して
若干述べさせていただきたいと思います。
 地球温暖化問題の特徴ですが、これはもうわかりきったことですけども、これまで我々
が、取り扱ってきました環境問題とは若干様相を異にしているように思います。
 その第一の理由は、温暖化の被害が特定の地域だけではなしに、広く地球全体に及ぶ可
能性があるということです。
 これまでの環境問題というのは、特定の地域の問題、例えば、硫黄酸化物問題のように
大気を汚染するとしても、それが直接に地球全体に影響を及ぼすというようなことはな
かったわけですが、しかし今回の温暖化現象というのは、その原因が広く地球の各地で行
われている生活活動の結果として被害が、広く地球全体に影響を与えるものだということ
です。
 第二の理由は温暖化の原因物質とされるCO2の排出の実態を見てみますと、その様相
は経済の発展状況、資源の状況によって様々に異なっております。
 先進国と発展途上国で使っている燃料の違い、気候の違いなど各国のおかれた状況はそ
れぞれに相違しまして、そのためにお互いの利害が衝突し、それが共同してこの問題に立
ち向かうことを困難にしております。
 第三としては、その理由としては、原因物質が、我々の日常生活に密接に関わる形で排
出されているということでありまして、我々の生活の豊かさはこれらの物質の排出によっ
て支えられているということになります。
 そのために、地球温暖化対策を議論する場合に、ライフスタイルをどのようにするのか、
あるいはどこまで不便をしのぶのか、といった問題までに踏み込む必要があるのではない
かと思います。
 日本のエネルギー政策の課題ですが、調査会の審議状況案の冒頭でも述べられています
ようにエネルギーの基本目標は、エネルギーの安定供給、それから環境保全、経済合理性、
調査会の案では効率化と表されていますけれども、この3つの目標を念頭においたもので
なければならいと思います。
 審議状況案ではこの目標の同時達成と表現されておりますが、この3つの目標を同時に
最大化することは不可能ではないかと思います。
 COP3での合意内容という達成すべき目標を前にして、時には互いに矛盾し合う3つ
の目標の調和をいかにして最大値まで持っていくかということが課題になると思います。
 産業部門のエネルギー消費ですが、審議状況案でも取り上げておられますように、我が
国のエネルギー消費量は第一次石油危機が発生した1973年以来大きくその様相が変
わってきておりまして、1973年当時を100とした場合、99年における産業部門の
指数は105と、ほぼ横這いで推移してきております。これに対して、運輸部門は213、
民生部門は202と大きく伸びており、73年当時66%を占めておりました産業部門の
シェアは99年度には49%に低下しております。
 これは石油危機以降、産業部門が実施した方策の成果と逆に、民生部門でのライフスタ
イルの変化を如実に表しているもので、エネルギー消費の主役がエネルギー多消費者とし
て重厚長大産業から不特定多数の国民全体に拡がったことを示しております。
 ご承知のように製造業ではエネルギーコストを削減するために強力な省エネ対策を実施
してきましたが、これは我が国の高いエネルギーコストに対する対策の一面もありますけ
れども、いずれにしましても製造業各社は、私的な努力として省エネを推進してまいりま
した。
 こうした対策が成果をあげてエネルギーの消費量をおさえながら総生産を伸ばすという
ことを現在までは可能にしてきたわけです。
 ただし、このようにして消費エネルギーを削減した結果、その効果は極限近くまでに達
しているように思えます。
 このような省エネ対策は、従来に比べまして、コストがよりかかるものとなり、先にあ
げられた経済の合理性の面からも問題が生じることが予想されます。
 省エネの追求が国際競争の中で大きくハンデとなる可能性を秘めております。
 今後日本の産業構造は、エネルギー多消費型の産業から、知識集約型産業に姿を変えて
いくものと予想されますが、これまで我々が行ってきました省エネの努力の成果として、
その技術は世界の先端のレベルをいくものと思っておりますが、日本が知識集約型の産業
に重点を移したとしましても、日本が開発しました省エネに関する技術は、発展途上国を
はじめ世界の省エネに貢献することができるものと考えております。
 それでは、提言でございますが、以下、日本のエネルギーの現状とあるべき姿について、
考慮すべき事項について申し述べたいと思います。
 一番は、長期的な視野での対策立案の必要性ということで、現在我々が直面しておりま
す課題は、当面2010年度の目標をいかにしてクリアするかということでありますけれ
ども、地球温暖化の問題というのは、2010年の後も引き続き重要な問題として残るの
でありますから、検討すべき対策というものは、2010年までに目標を達成するものと、
2010年以降を見通した長期的な対策との両方について検討しておく必要があろうと思
います。
 例え2010年の対応として時間的に間に合わないものにつきましても、長期的な対策
として考慮に入れるべきだと考えます。
 それから次にライフスタイルを含めた広範な議論と国民的なコンセンサスの必要性とい
うことで、先に述べましたようにエネルギー問題は、大規模なエネルギー多消費型製造業
にとどまらずに、広く国民全員が関わる問題に姿を変えております。
 従って、エネルギーの総需要をどのように設定し、それが増加することを容認するのか
どうかという基本問題について、広く議論を行いその結果についてのコンセンサスを形成
していくことが非常に重要ではないかというように思います。
 つまり、現在我々が手に入れている豊かで便利な生活を引き続き追求していくのか、あ
るいは少々の不便は我慢しても、エネルギーの需要を抑えるのかといった基本的な問題を
議論していくことが必要であります。
 その上で需要に対し、どのようなエネルギーを供給していくのかという、供給サイドの
議論を行うことが必要ではないかと思っております。
 そうした議論を行わずに、言い換えれば、共通のコンセンサスを形成せずに各論に入っ
ていきますと、いつも議論のすれ違いが続くことになるのではないか、この場合の、議論
の場は文字通り広く国民全員が参加するものでなければならないと思います。
 こうした議論とコンセンサス形成の場を行政に是非提供していただきたいと思っており
ます。
 次に、世界的な推移を考慮した幅広い選択肢の設定の必要性でありますが、現在COP
3で設定された目標は、どのように達成するのかいう議論が国際的に繰り広げられており
ます。
 しかし、昨年のCOP6が中断し、米国が京都議定書の批准について消極的な姿勢を崩
さないなど、国際的な動向のゆくえが不明瞭な状況にあります。
 その背景としてこの問題が各国の国益に極めて大きな影響を及ぼす問題であるというこ
とが強く認識されているからですが、こうした状況下では我が国も特定の政策に絞り込む
のではなく、幅広い選択肢の準備をしておくべきだろうと思います。
 次に、産業部門の省エネルギー対策についてですが、地球温暖化としてやはり重要なの
は消費するエネルギーをいかにして減少するかということです。
 先に述べましたように、産業部門での省エネルギーは限界に近いところまで進んできて
おり、この上の省エネルギーを進めようとすると極めて高いコストを要する状況にありま
す。
 このような状況では、省エネルギーは上から強制するものではなく、業界または各社の
自主的な取り組みを基本とすべきものではないかというように思います。
 業界や各社が自主的な目標を設定しまして、その結果として自ら律する体制が必要であ
りまして、産業界にこれ以上の省エネルギーを規制として課していくと、日本企業はエネ
ルギーコストの安い海外への流出を更に加速させることも考えられます。
 これは結局のところエネルギー消費の途上国への移転にほかならないのではないかと思
います。
 次に、民生・運輸部門の省エネルギーですが、現在、民生・運輸部門におけるエネルギー
消費は、1973年当時の2倍以上に伸びておりまして、この部門での省エネルギーを進
めることが非常に重要であります。
 しかし、この部門の消費エネルギーの増加がわれわれの生活の高度化を可能にしてきた
ことを考えますと、この部門での省エネが実質的に進むことはあまり期待できないと思い
ます。
 民生・運輸部門の省エネルギーを進めるためには、エネルギー消費型の機器のトップラ
ンナーについて、色々書かれておりますけれども、インセンティブを与えるなど助成を通
じて、急速な拡大普及を支援するなどの方策が必要であろうと思います。
 また一方で、省エネルギーに関わる教育・躾けなど時間がかかるが、将来効果の期待さ
れる方策につきましても根気よく実施する必要があります。
 関経連では、一昨年来、適正冷房宣言というのを出しまして、オフィスを28度にする
ということでやってますけれども、実行の成果ということはともかくとしまして、そうい
う地道な教育が必要ではないでしょうか。
 そういった意味で学校教育や社会教育の役割にも十分期待したいと思っております。
 次に新エネルギーについてですが、CO2を生じることなくエネルギーを得ることので
きる新しいエネルギーというのは地球温暖化の対策として極めて重要なものだと考えてお
ります。
 審議状況案の中で大きな期待を寄せられることも十分理解できる所でありますが、これ
らの新エネルギーの技術的な開発は、これから本格化するものが多く、また、実用化され
た場合もコスト的に高くつくものが多いことも事実であります。
 従って、2010年に対応する方策としては過大な評価や期待を持つことなく実現可能
な範囲をカウントすることが必要であります。
 その実現可能な技術についてはその点からさらに速度を上げるために支援策、導入者に
対するインセンティブを与え、更なるスピードアップを行う必要があると思います。
 次に、原子力エネルギーですが、原子力エネルギーは1999年度において国内総発電
量の35%を占めておりますが、これは我が国の基幹エネルギーの地位を保っております。
 発電段階ではCO2を排出せず、安定供給の要請に応えることのできるエネルギーであ
り、日本のエネルギー問題の課題である安定供給、環境保全、経済合理性の3項目につい
て最大の総和を実現するものの一つであると言えると思います。
 従って、地球環境を守りながら必要なエネルギーを得るためには当然のことながら、安
全が確保されることが条件ですけれども、今後も原子力を基幹エネルギーとして活用する
ことが是非必要であると考えております。
 原子力エネルギーを有効に活用するために、直ちに実施可能な方法として安全を確保す
ることを前提に現有設備で最大限の稼働率の向上を図るべきものであると思います。
 稼働率を抑える要因となっております色々な規制につきましては内容を見直す必要があ
るのではないか、併せて建設予定地のご理解を得ながら新規の原子力発電所の建設を推進
することが必要であろうと思います。
 更に、プルサーマルや高速増殖炉等の技術の活用をすることなどについても地域の理解
をいかに得るか、そしてその上で推進する必要があると思います。
 このように原子力エネルギーを基幹エネルギーとして活用するための前提として、先に
述べましたライフサイクルに関する基本理論、こういうものを踏まえまして国民的コンセ
ンサスが形成されていくことが必要であり、原子力エネルギーの必要性・重要性に関する
理解が広く共有されることが是非とも必要であります。
 そのためには原子力エネルギーに関する情報が広く公開されていることが極めて重要で
ありまして、情報を開示しないことにより惹起された不信感、これを取り戻すことの難し
さを思い起こす必要があるとおもいます。
 ここでも行政の役割について強く期待したいと思います。
 次に、燃料転換ですが、審議状況案では省エネルギー、新エネルギー対策をおこなって
も残る500万㌧cのCO2削減には電力などの燃料転換がやむを得ないという提言がな
されております。
 原子力エネルギーの急激な拡大が難しい状況では当面の避難策として石炭を天然ガスに
転換するという方策の必要性は理解できます。
 ただし、現状の日本では、天然ガスは世界水準に比べて極めて高価なエネルギーとなっ
ております。
 天然ガスへの燃料転換の促進はコストを国際的価格に引き下げることによって推進すべ
きであろうと思います。
 そのためには、対外的には天然ガスの国際的な高価格化に対して、我が国として活用可
能なバーゲニングパワーを確保する方策も検討しておく必要がある思います。
 また、天然ガスの大規模有効利用が可能な都市インフラ整備を行い業務用や家庭用にも
広く活用できるような方策が必要であろうと思っております。

【茅座長】
 柴田さん。恐縮ですが時間ちょっと過ぎております。お願いします。

【柴田氏】
 家庭用CO2の排出規制ですが、先程も言いましたように、税金でこれをあげるという
のはあまり実効があがらないのではないかと思いますし、国際的に非常に高い水準にあり
ますのでエネルギーコストを上げるということは、更に先程申しました企業の海外への流
出に拍車をかけることにつながろうと思います。
 こういうことで産業界の立場から考えてみますと非常に大きな意味を持っておりますの
で各国の国益の調整というのは極めて難しい問題であろうと思っておりますが、先程言い
ましたライフスタイルに対するコンセンサスその他を得ながら省エネルギーその他を進め
ていく必要があろうかと思います。 以上です。

【茅座長】
有り難うございました。
 それでは、関西消費者連合会の角田さんよろしくお願いします。

【角田氏】
角田でございます。
 1年半にわたる審議のご苦労、本当に感謝申し上げます。また、このような地方会議を
開催いただきましたこと、これは地域における一人一人の意識を高めることに大いに役立
つものだと思っております。私は消費者教育、環境教育という面でエネルギーについて学
ぶ機会を度々企画しております。中でも子供を対象にした子供消費者教室、これは本年で
24回目を迎えますが、企業の方々にもご協力をいただきまして小さな子供達と一緒に暮
らしのエネルギーについて学んだりしております。ご承知のとおり、エネルギーを毎日、
水のようにジャブジャブ使っているという生活について考えたり、大切なエネルギーをど
のように使えば良いのか、安定供給が当たり前のような私たちの生活でありますので、是
非、小さい時から学校で学ぶ機会が必要ではないかと思っております。新しいライフスタ
イルの中で、省エネ等でもっと気軽に情報が得られるような環境整備も是非必要だと思っ
ております。
 さて、この度の報告書案を拝見いたしまして、率直に感じました事は、とても読み辛い
なということです。例えば、省エネの量が原油換算で何万klなどと記されておりますが、
これなどはなかなか実感として捉え辛いところです。また、文書の中で試算のⅠ-2のケー
ス、そのままではCO2排出削減目標の達成が困難であり、相当に大幅な措置が必要と
書かれておりますが、達成が困難な場合、どの程度超えてしまうのか、相当に大幅な措置
とはどの程度国民に負担が掛かってしまうのか、そういうところが分かり辛い、見えにく
いという気がいたしました。そして、省エネルギーや新エネルギー、燃料転換などの取組
が示されていますが、具体的にどのように進めていくのか、具体化についてあまりにも書
き添えられていないのではないかという気がいたしました。分かり易さこそが国民の真剣
な取組につながると思います。今、小泉さんの人気が非常に高いのも、分かりやすい語り
口、国民への語り口が分かりやすいということが第一であると言われています。
 次に日頃感じていることを申し上げます。家庭における省エネを進める方策の一つとし
て、補助制度があればと思っております。それはトップランナー機器を買えば年末調整で
税控除が受けられるとか、そのようなものがあれば省エネに強く意識づく方向が流れてく
るのではないかと。省エネラベリング制度で省エネ量が記載されていますが、私はむしろ
電気代でいくら、ガス代でいくらというコスト判断の方がより分かりやすいのではないか。
省エネ効果ということも必要ですが価格換算という両方の表示があればより理解が進むの
ではないかと思っております。
 次に、先程のご説明にもありましたが、省エネ部会の報告の中で公的部門における率先
的導入の促進というものがありましたが、いろいろな面でこれは効果の出てくる面白いも
のだと思います。私たちの住む大阪では、府立母子保健総合医療センターで省エネや管理
サービスなどが進める三位一体のESCO事業が進められていますが、これは地球温暖化
防止のために大いに役立つことであり、この輪の広がりを私たちはとても興味を持って見
ております。
 次に、私たち消費者は、ISO14000等を取得している企業を是非、環境に心して
いる事業者として積極的に捉えて行きたいと思っております。そのためには、企業名等を
もっと積極的に私たちに知らせていただくことをしていただきたい。例えば、政府広報等
で全国的に企業名を公表したり、企業評価の仕組みづくりをされては面白いのではないか
と、私たちはそれを望んでおります。
 最後に、今回の試算ケースで、石炭の発電コストを上乗せさせる措置が想定されており
ますが、自由化と環境保全の両立には、環境負荷の高いものにコストをかけるというのが
よいのではないかと思っています。また、エネルギー消費に税をかける場合には、私たち
の暮らしや経済に影響ができるだけ小さく、そして消費者により良い還元がされる方法を
是非模索していただきたいと思っております。
 私たちは日頃エネルギーが安全に供給されていることに感謝しています。それはエネル
ギーが私たちにとって最も重要な生活必需品であるからです。現在、石油、石炭、天然ガ
ス等の90%以上を輸入に依存している我が国です。アメリカのカリフォルニア州では、
停電が頻繁にあると言われています。私は、1週間前にニューヨークに行っていましたが、
ガソリン価格が高騰して悩んでいる主婦の方々と話し合いをしてまいりました。我が国で
このようなことが起きないよう、安定的なエネルギーの供給に向けて一層の取組をお願い
いたします。どうも有り難うございました。

【茅座長】
有り難うございました。
 それでは、濱川さんよろしくお願いします。

【濱川氏】
 本日、皆様にはエネ庁のこれまでのワークショップの結果、沢山の資料が渡されたと思
いますが、新エネルギーの部門で私の専門としている太陽光発電について、いわば“ここ
まで来た太陽光発電”という裏付け資料を御紹介したいと思います。
 後ほど、エネ庁の表の数字その他についても目下急成長している新技術ですが、太陽電
池の価額や発電コストには大きな数字の違いその他がありますので、これについてコメン
トさせていただきたいと思います。
 それでは、一目で解る色つき紙芝居と思って見ていただけたらありがたいと思います。
 (OHPによる3Eの関係図を示しつつ説明)
 この絵は俗にいう3Eのトリレンマ、すなわち経済を活性化しようと思えば自然にエネ
ルギー消費が増大する。この赤い線です。人口の増加、経済の活性化その両方のかけ算で
決まってまいります。
 ところが、エネルギー消費における社会システムは、ご承知のとおり化石エネルギー主
体のインフラストラクチャーを持っていますので、これが環境破壊をする。これを抑えよ
うとすれば、経済を抑えるしか手が無い、というロジックが出てくる。
 トリレンマというのは、エコノミーとエナジーとエンバイロンメントの3つのEです。
2つの事柄であちらを立てればこちらが立たずっていうのをジレンマと申しますが、三つ
どもえの場合はトリレンマと言うそうです。
 要するにこの赤の回路(三すくみの回路)から黄色の回路(相互関係を最大限に生かす
回路)への切り替えをやらなければ、21世紀の人類文明はもたないと云うわけです。
 つまり、21世紀の人類文明のグランドデザインの一番大きなテーマが、この3Eのト
リレンマであり、その解決への鍵はクリーンエネルギーによる技術の開発とその産業の育
成、雇用の創出によってエネルギーの需給態勢を図の、赤から黄色への回路の切り替えが
大事であるということをまず述べたいと思います。
 人口増大とエネルギー消費の関係について、ショックレプロットというんですけど、縦
軸が対数で横軸が時間のリニアですが、一番上は世界の人口で、ローマクラブの数字です。
 上の2本の線を注意してご覧になると、人口の増加に対してエネルギー消費というのは、
少し勾配が急になっている。これは、とりもなおさず全世界の文明が時間とともに進歩し
ていることの証拠と言えるわけです。
 すなわち人口増にエネルギー消費量がパラレルにあれば、これは文明生活というものに
対して人口の頭割りで決まるということですが、実はそうではなくて時代が進むとともに
簡単にいえば、開発途上国においても電化製品が浸透し、便利な車生活その他のエネルギー
消費を伴う文明生活が増えてくるために2番目の線の勾配がちょっとあがっていると云う
わけです。さて、そうした文明の拡散によって全エネルギー消費の中での電気エネルギー、
電力エネルギーの割合はもっときつい勾配で増えて居ります。因みに人口は40年で倍加
しております。総エネルギーは大体30年で倍加、ところが電気エネルギーは20年で倍
加、これは全世界平均での数字です。そして現在では、21世紀の文明国での二次エネル
ギーの約40~50%が電力エネルギーですが、この部分をクリーンで発電しようという
のが太陽光発電です。
 あまりここで宣伝するように聞こえてはいけないんですが、太陽光発電はこれまでの発
電方法とは全く違う特徴を持っております。
 先ず最初に太陽のエネルギーで発電しますから、ヒマラヤの山頂でも絶海の孤島でも、
地球上どこでも太陽電池を持っていけばテレビもつけられるし、通信もできるという電力
が発生できるという点では、いうなれば地域偏在性のないエネルギー源であるということ。
 次に、技術的に、この部屋に来ております関西電力の水力発電、火力発電、原子力発電
は、全て、フレミングの右手の法則(磁力線の中で導体を動かすと電気が発生するという
動く方向と磁場の方向が三直角になってる)で発電しております。
 太陽電池というのは全く原理が異なり、半導体の量子効果で発電しているので動くとこ
ろが全く無い。発電機に油をさす必要もないし、熱も音も蒸気も発生しないクリーンであ
ります。
 動くところがないので運転に維持管理が簡便で、自動化・無人化が容易。これは人工衛
星で証明済です。
 また、規模の大小に関わらず一定効率、半導体の製品ですので、例えば私の腕時計は文
字盤が太陽電池ですが、これはウィリアムチェリー賞といってこの分野の世界的な賞の記
念に日本の時計会社から貰ったもので、6、7年くらい経ちますが、電池が入っていない、
太陽電池だけで動いて居ります。つまり、こんなミリワットから後ほど述べますメガワッ
ト級のものまで、変換効率が10%なら全て10%で発電できるというのが大きな特徴で
す。
 もう一つ、量産化によって随分値段が下がるスケールメリットが大きい特長を持ちます。
つまり、半導体の集積回路と同じような商品群ということで、今後更に量産化すればする
ほど安くなる。これは非常に大事な、この発電法の特算でエネ庁の資料4-3にもありま
すが、3年くらい前と今ではコストもぐんと安くなって居ります。実例を挙げますと’9
4年と’99年では発電設備量は半分くらいになっている。
 さらにちらばった光によっても発電ができるという特徴がある。これはソーラー電卓で
暗いホテルのロビーでも計算ができるということです。
 6番目、これはすごく大事なことで皆さんに訴えたいのですが、太陽光発電というのは
もともと捨ててたエネルギーを使うということです。例えば屋根がちりちりに熱くなって
る、その熱の15%を電気に変えて使って、最後に熱に返すということですから、もとも
と捨てていたエネルギーの有効利用であり、これが大きな特徴です。
 太陽電池の変換効率が15%というのは「先生、効率低いですね、まだそんなもんです
か。重油火力でも35%ですよ」とよく言われるが、効率の数字に関してはごもっともな
ことですけど、太陽電池の15%というのはもともとタダのものから15%拾いこんでい
るというわけで、それから比べて重油火力の35%というのはアラブからわざわざオイル
タンカーで運んできた油を燃やして、しかも問題になっている公害ガスを発生させながら、
それで35%です。
 どちらがいいかということは、新しいエネルギーオプションから言うと、21世紀には
ぜひとも太陽光発電でいきたいということです。
 先程来、この資料の中にもありますように、太陽光発電に対してエネ庁並びにニューサ
ンシャイン計画で目標値をたてております。2000年での40万kWの設備容量を20
10年で皆さんの表には482万となってますが、本図で500万kW。この違いはどち
らでもよいが、とにかく現状で、95年から2000年にかけて40万kWの設備は大体
達成できました。そして、2010年には、現在の24倍という数字を目標にしています、
これは立派なことですが、それでも「現在の発電設備全体のわずか3%ですか」とか、「少
ないですな」とか言う新エネに対する評価を下す人も居ります。しかし、この倍率で仮に、
もう10年いくとすると、2020年になればだんだん頼りになる数字になります。ニュー
サンシャイン計画では2025年くらいから35年くらいまでにはそういう化石燃料発電
に代替できるというところまでもっていける目算を立てております。
 今の新エネルギー導入大綱は94年の12月に閣議決定されたものですが、太陽光発電
の分野は見事にそれ以来大きく伸びております。
 (OHPで太陽電池の生産量を示しつつ)
 この表は年間の生産量です。メガワットで書いてありますが、年間の生産量です。この
128万kWと言う数字は世界一です。98年からそれまで第1位でだったアメリカを抜
いて日本がトップとなり、現在では太陽電池の性能も生産量も世界のトップとなりました。
これは無資源国日本が、その将来を技術立国としての成長に命運をかけて、旧通産省が、
サンシャイン計画、ニューサンシャイン計画を作られた先進的な精神がそのまま活かされ
たと云えます。これで得られた技術というのは世界の人類共通の財産ですから、これを開
発途上国へ還元し、世界の全人類へも還元していきたいというのが本根です。
 太陽電池のコストが高い高いというのは93年以前はそのとおりですが、NEDOの資
料で9発電コストが66円/kWhとなってますが、現在、関西電力の電気料金は23円
から24円位ですから、これで言いますと2010年には現在のセールスコストと平準化
する。実はニューサンシャイン計画ではここで平準化する。これはNEDOの数字です。
 専門家、ワークショップでは2005年に平準化する予定です。こうなるともっと安く
なる。
 (OHPで一次エネルギーど電力需要の未来予測を示しつつ)
 世界の一次エネルギーの約50%を背負えるようになるには、原子力+リニューアルで
ですが、2060年くらいには背負えるようになる。それから電力、二次エネルギーの電
力エネルギーがそうなるのがは2040年くらいと見込まれておりまして、リニューアル
の中には風力と太陽光発電が約半分以上背負っておりますので、この将来の見込みを言い
ますと、現在高い高い何とかというのが、いずれは成長してきちんとした大人になれるの
はあと20~30年でなれますよというわけです。世界的に見てもVLSIPVがIEA
のタスク4で宿題が出ておりまして、世界の砂漠を太陽電池でもって緑化したり、砂漠化
を止めるというのを太陽電池でやりましょうと云うワーキンググループが出来てます。
 これで最後ですが、80年代における太陽光発電の利用は、民生応用、ソーラー電卓、
その他のおもちゃでしたが、90年で個人住宅用、2000年でソーラーエアコン等の技
術が進みつつあります。電力需要としてお役に立てるのは2020年くらいには若者とい
いますか青年に成長するだろう。そういう意味では温かく見守って、温かい目でこれを育
てていただきたいというのが本日の私の意見陳述でございます。よろしくお願いします。
【茅座長】
 有り難うございました。
 それでは、伴さんよろしくお願いします。

【伴氏】
大阪大学の伴です。
 調査会の役目は、エネルギーの安定供給、需要と供給のミスマッチを無くすための政策
をいろいろと立案し、貢献してきたところですが、その内容を見ると社会の情勢を反映し
て大きく変わってきています。
 1980年代半ばまではエネルギーをどうやって供給するか、国としてセキュリティー
を確保しながら安定供給するかが重要でありましたが、後半は特に、1988年頃から地
球環境というもう一つのキーワードが大きく入ってきました。
 今回の審議の中ではこういった安定供給・セキュリティーの確保だけではなく、地球環
境問題がメインのトピックスとなっている点で時代の流れを感じているところです。
 また、もう一つ同時に社会的な大きな流れがあります。
 それは、これまでエネルギーの需給をコントロールするというのは、少数の供給者をコ
ントロールするということで、具体的に言えば電力会社あるいは石油精製をふくめた非常
に少数の企業をコントロールする事で実現してきました。
 電力がどれだけ要るかを予測して発電所を建設する。あるいは石油備蓄をしようとすれ
ばそういう備蓄を行うというかたちで、特定のエネルギー企業をねらい打ちすればよかっ
た。
 しかし時代が非常に大きく変わってきました。
 国や調査会が直接関与できるところから離れたところをコントロールする必要が出てき
ています。
 需給のミスマッチを無くすために、供給サイドを確保するということは比較的簡単でし
たが、供給に制約が出始めると、需要をコントロールするという問題が出てきます。
 もちろん需要側だけでなく、供給側でも電力の自由化、発電の自由化が進められ、新エ
ネルギー等を含めると、そういう方向が益々進むだろうと思っています。
 そういう意味では電力会社だけをみればよかったところが、それがだんだんできなく
なって来ています。
 さらにエネルギーの需要の多くを占めてきた産業界は、コントロールが利きやすかった
が、その外側にある消費者・民生部門にまでコントロールの手をのばさなくてはならなく
なってきた中で、はたしてそれができるかといったところが問われています。
 そういう点で1980年代までの調査会と比べて今現在の調査会の難しさは、そういう
ところにあるのではないかと思っています。
 供給であれ需要であれコントロールする先がどんどん遠くになってきている為に、それ
だけコントローラビリティが失われています。
 そういう中で需要のミスマッチが生じてしまうところに、アメリカの電力の危機とか
ヨーロッパにおけるエネルギーの危機とかが出てきています。
 ガソリンの価格は1998年をボトムにして随分上がったわけですが、その中で日本の
ガソリンの価格は調査会の報告の中にもありますが、せいぜい10円程度上下したのみで
した。
 それに対してアメリカ、ヨーロッパなどでは大きな変動がありました。
 エネルギーの価格というのは市場で、需要と供給のマッチしたところで決まります。需
要・供給曲線というものがどういう形になっているかを考えて行く必要があると思いま
す。
 政策のあり方というのが直接的な規制・命令ではなく、これまでは電力会社に対して石
油火力の新増設は認めないということによって、石油の比重を大きく落としてきたわけで
すが、そういうことがこれからできなくなった時に、どういった形で政策的な対応をすれ
ばいいのかということが今の調査会の中で大きく問われていると思われます。
 今回の審議の状況を見ると、可能性について、過激な意見から保守的な意見までいろい
ろ幅広いものが取り上げられているという点で、これまでのやり方と大きく違っています。
 しかし、問題は2010年までのターゲットを実現する際に、実現可能かどうかといっ
たところをレビューする必要があるように思います。
 簡単な数字、経済学者的バーズアイビュー(鳥の目)で言うと、例えば生産は国内総生
産という付加価値の大きさで計るわけですが、そういう動きで見ると、80年代はGDP
が50%増え、それに対してエネルギーは22%増えています。
 弾性値という概念では0.44。90年代は残念ながらGDPが12%と低い成長率に
対してエネルギーは15%で、弾性値では1.26と、80年代と90年代でがらっと様
変わりしています。
 私はエネルギーに関して炭素税導入に対しては過激な方ですが、1990年の前後の時
に課税の重要性を声高に述べました。
 それは1985年にエネルギーの価格、特に石油価格が暴落した時に個人的に危険性を
感じたためです。
 OPECの政策かどうかはわかりませんが、彼らの基本的な価格政策というのは、ここ
で期待されている省エネルギーとか新エネルギーがそこそこで討ち死にするような価格設
定を行っています。
 そういう価格設定を所与として、対応しようとすると、基本的に1990年代消費が増
えてしまいます。
 それに次ぐ今回の計画期間の10年間は年率2%の成長で計約20%、それに対して資
料にあるようにエネルギー消費は1.7%と、ほとんど増えないという極端なケースです。
 経済学者の将来予測は当たらないということはよく言われることですが、過去の予測・
経過を参考にすると、先にどういった形で実現するかということが気になります。
 1を上回ってエネルギーの需要が増えている10年間を経過した次の10年でこれが0
に落ちるのかといったところに大きな危惧を持っています。
 おそらく審議されている委員の方はそのあたりをよくご存じであると思うし、そのため
に省エネルギー政策とか新エネルギー政策等の導入を多々考えておられるし、いろんな形
で暗黙の内に、経済的な合理性への対応や、石炭の発電コストを相対的に上げる措置など、
随所に負担がということを言っておられる。
 陳述人においても、そういったエネルギーを使用する際のコストだけではなく、地球環
境に対するコストも負担してもいいと考えている人が多いわけです。
 もちろん反対している産業界の方もいらっしゃるが、個人的には十分払うつもりがある
ものと思います。
 そういう点で考えた時に、もっとはっきりと負担のシステムを明示すべきではなかった
かということです。
 確かに、負担ということになると直ちに産業界は反対すると思いますが、先程言ったよ
うに生産というのは量的なものではなく、付加価値の大きさであります。
 つまり価格が高いか安いかではなく、我々の付加価値がどういう形で大きくなるかとい
うところにあります。
 そういう点から考えた時に、新たな課税措置が単純に産業を外へ追い出すかというとそ
うではなく、大きなビジネスチャンスをもたらすこともあるわけです。
 報告の中にもありますが、ESCO等エネルギーを節約するための産業も考えられてい
ます。
 そういう産業を育成する。あるいは育って行くためには、やはりエネルギーというもの
は高いものであり、それを節約することによって大きなベネフィットが得られるというこ
とが明白でないと誰も採用しない。
 風力などの自然エネルギーですが、やはりどんなに優れたものであっても高ければ誰も
買おうとしない。
 そういうものについてどう普及させて行くのか。
 太陽電池のようにじゃんじゃんお金をつぎ込んで安くするのも方法でしょうが、 今後
そういうやり方は難しいだろうと思う。
 とすると、相対的な化石燃料を使用する値段に関してはやはり高い、それ以外を使うと
安くなるという価格メカニズムの導入というのが非常に重要なのではないかと思っていま
す。
 もう少しそういうことをはっきり、報告の中で言ってもらわないと産業界の説得はうま
くいかないのではないかと思っています。
 一番言いたいことは地球環境を保全するということはコストを伴うわけで、そういうコ
ストを負担するということを、どういう方法で行うかということが大きな一つ課題であり
ます。
 最近論じられている環境税・炭素税の導入に対して、もっと踏み込んだ形にすべきであ
るし、ガソリン税の環境税化にしても、どんどん推進すべきではないかと思います。
 私も車にはよく乗りますが、道路以外のものに使うということに対しても賛成しており、
積極的に導入して頂きたい。
 それで10~30円払うのは多くの方が何ら問題ないと考えているのではないでしょう
か。
 そういう立場からいうと、最後に審議の状況の中で一つだけ気になる記述がありました。
「2000年5月のガソリン価格が前年比で10円上昇したが、販売量は、3.5%上昇
した」この一例で、だから課税は無駄だということをいっています。
 これは基本的に、インフルエンザの予防接種をしたけれどもインフルエンザになったの
だからインフルエンザの予防接種は無駄であるというのと全く同じ論理です。
 確かに、一つの例だけで取り上げればそういうことはあり得るのかも知れないが、統計
的にいった時に、そういう課税を導入するということによって高い確率でエネルギーが節
約されるかどうかが重要であり、一つの事例で言っているわけではない。
 こういう一つの事例でもって環境税に関する重要な審議状況の内容は統計的な専門家か
らすると、問題というか、報告の品位を落としているのではないかと思います。
 それよりも、例えば北欧とかの導入事例。といってもなかなか結果が出るものではなく、
効果の出る場合とそうでない場合と多々あるのが事実ですが、そういう点をもっと踏まえ
た上で格調の高い内容にしていただくという点が今後改善を期待するところです。
よろしくお願いします。

【茅座長】
 有り難うございました。
 これで、6人の陳述人の方のご意見を頂いたのですが、今日、この調査会側の委員の方
私を含めて6人来ておられますので、せっかくおいでになったので、今の皆様方のご意見
に対してお一人、せいぜい1,2分の範囲ですが、カウンターコメントをしていただきた
いと思います。
 ただし、くれぐれも長くならないようにお願いいたします。順番は、並んだ順番で私の
隣の飯田委員からお願いいたします。

【飯田総合部会委員】
 カウンターコメントと言うよりは、札幌会場からずっと地方公聴会を聞いてきまして、
今日は最後ですので、その感想を含めて述べたいのですが、まず1点目は、この地方公聴
会の在り方として、今日もそうですが、時間が非常に短く、回数も1回だけ、しかも陳述
人の人は15分述べるだけでその後質疑応答も無いので、これはもっときちんと時間も回
数もかけた拡充をすべきだろうというふうに先ず思います。
 全く議論になっていないので、これは北海道から通じて本当に貴重な意見がわずか6名
の方からだけでも非常に出ておりますので、これはもっと議論されるような場にしていく
必要があると言うのが第1点。
 それから、やはりいろいろ通じて、とりわけ新エネ、省エネに関しては総じて比較的評
価が高いということと、一方で今、総合部会で出てきているシナリオ等について、シナリ
オと言うよりもまず、原子力に関する意見というのが総じて出てきているのですが、新エ
ネ、省エネに関して言えば、先程最後に伴先生の方から言われたように、正に今80年代、
90年代にこの総合部会に要請されていたことから、今、新しい自由化なり、大きくコン
トロールの利かないところで、新しい施策をどう作るかという議論を新エネ部会はかなり
遅まきに、4月から1ヶ月か2ヶ月ぐらいですけれども、制度論の議論ができたわけです
が、総合部会ではその部分が、十分に果たせていないという部分は私自身もこの総合部会
の中で問いかけていることでもあります。
 それから、原子力についても、正に政策環境が大きく変わる、最初に豊田さんが言った
ような形で、変わりうるという、その可能性すらも議論がなされてきていないということ
で、この一連の公聴会を聞いて、やはり十分に議論すべき部分が議論されていないという
ことを痛感しました。
 そのあたりは、また、来週総合部会が開かれる中で、私なりにも意見を求めていきたい
と思っております。以上です。

【茅座長】
 有り難うございました。次ぎに河野委員。

【河野合同部会委員】
 2分間と限定されていますから、何を言って良いかわからないですけども、柴田さんと
最後の伴先生で税制をどうされるかっていうことについて、ずいぶん極端な差がある。
 これは中央の作業部会の面々の意見と全く同じです。
 ただ、どうやら今の内閣は、まもなく最終的な長期決定をしていけば、それに基づいて、
我々の報告は曖昧になっているけれど、税制という措置など経済的手段をどう使うかとい
うことに、今の内閣は直面せざるを得ない。
 その時に税金をどう使うかということについて、伴先生の話は実にラジカルな話しで私
もその意見があるのもわかっています。
 産業界の意見があるのもわかっています。経済産業省がここで用意したちょっとスケー
ルの小さい議論も(案)を修正すればあり得る。
 これは、結局あまり遠くない将来に、政府全体としていろいろな意見があるわけですか
ら、経済産業省の意見は経済産業省が持っている。
 産業界の意見は産業界が持っている。
 学者の意見は学者が持っていらっしゃる。
 全部総合的に検討すれば、できると思う。その時に先生がおっしゃっていただいた議論
でいくのかは、なかなか難しいとは思いますけれど、いずれにしても遠からず今日の話を
聞いていても、最初の豊田さんが言ったようにどう使うかっていうことに期待が高い。
 新エネ同様この制度についての期待が高いのは同じです。
 そういうことに触れて、具体的にどうするか迄は、とても時間がないので言えませんけ
ども、とにかく税金の話は遠からず、もうちょっとスケールの大きなところで具体化に向
かってステップを踏むであろうということだけ申し上げておきたいと思います。

【茅座長】
 有り難うございました。次に中上委員。

【中上合同部会委員】
 時間がないので、ポイントだけにしたいと思いますが、角田さんがおっしゃったように
数字だけで解り辛いという話でございまして、私もそう思いますけれども、なかなかこれ
をわかりやすい言葉にするのが、これまた大変な作業でございまして、5,700万kl
の省エネがいかに大変かというのを申し上げるのに、一律十数%皆様のエネルギー消費を
あらゆる場面でカットすると言うと少しはご理解いただける。
 家庭から業務から、産業から全てカットする。それをやってもなおかつ足りないと言う
のが、今回のシナリオです。
 これは豊田さんの話にもありましたが、これは序の口でありまして、これから未だ未だ
カットしていかないと温暖化の問題は根本的には解決しない。
 私が考えますに、もう今までのパラダイムではダメだろう。
 これは柴田さんがおっしゃいました、ライフスタイルから産業活動から全てを根本的に
変えなきゃいけない。
 これは価値観を変える作業ですから、これもどなたかご指摘になりました、まさに教育
しかないんじゃないでしょうか。
 私ぐらいの歳になると、ほとんどもう挽回不可能でありまして、もう若い世代にこれは
託す以外ないと思っております。
 それぐらいかけても十分に価値のあることだと思いますから、これは一刻も早くやるべ
きだろうと思います。
 それから省エネルギーは、そうはいってもやらないといけないですから、大阪府のこと
を少し宣伝させていただければ、大阪府は、全国の公共事業委託で初の本格的なESCO
を導入されたわけでありまして、エネルギー関連のプロジェクトの多くは大阪、関西から
発信されているものが多い。
 地域冷暖房も千里でございましたし、そのあと万博で大規模になりましたけども、あら
ゆる場面で関西の先進性があるわけでございますから、東京のどうも凝り固まった我々で
は頭はなかなかほぐれませんので、ぜひ、関西の伝統と文化に乗っ取って、その先進性を
加えて新たなパラダイムを是非作っていただきたい。
 いささか都合のいい発言でございますけれども、何れ時間があればじっくり議論をさせ
ていただきたいと思います。
 以上です、有り難うございました。

【茅座長】
 有り難うございました。次に中村委員。

【中村総合部会委員】
 とにかく1つだけ申し上げたいと思うんですけども、今6人の方から非常に貴重な意見
を頂いて、それをどうこなしていくかなということを考えながら聞いていたんですけども
とにかく今日本は「じゅんちゃんブーム」でありますが、異様なブームだと思われており
ますが、これは私は、閉塞状況の中で、変革を望んで国民が立ち上がっているというよう
に理解しております。
 そういうことで言いますと、この審議会におきましても今までと違った嵐のような変革
を望んだ議論、そしてそれが具体化してリアルな形で将来の展望を含みながらシナリオと
して出てくる。
 そういうことがなければいけないんだろうなと考えております。
 非常に難しい議論であるということは言うまでもないことですけれども、とにかく国民
が、国民という言葉が何を指しているかということはまた、難しいと思いますけれども、
市民といい、庶民といい、あるいは大衆といいますけれども、それがわかっていないので
あって、我々がわかっておって、それを啓発していかなければいけないという雰囲気があ
るんですけども、私はそれは逆であって、国民の側から変革が、嵐が起こってきているん
だということを私としては受け止める形で審議を進めていけたらと思っております。

【茅座長】
 有り難うございました。次に領木委員。

【領木合同部会委員】
 6人の方々から貴重なご意見を頂戴いたしまして、大変参考になったと存じます。
 感想めいたことだけで申し訳ありませんが、柴田さんからお話があったところでもあり
ますが、エネルギー、環境問題は非常に長期的な取り組みを要するものであることは言う
までもありません。
 2010年に間に合わない対策は検討外にする、というような姿勢はさけるべきだとい
うことを痛感したところであります。
 そういう意味からしますと、2010年までというのは比較的短い期間であると申せる
かもしれません。
 ただ、国際的な取決め、約束があるために2010年をクリアすることを目指さなけれ
ばならないわけであります。
 しかし全ての対策を2010年度のためにやっている、という考え方はさけていくべき
であろうというふうに思います。
 そうした意味からしますと、エネルギー需給の見通しにつきまして、もう少し長期のデ
ザインを描いてみる、例えば2020年を視野に入れつつ2010年の姿を描くなどいろ
いろな施策の成熟度合いというものを把握しまして、もう少し遠いところから手前の方を
見てみると言うようなことも必要かと、そういうことを感じた次第であります。

【茅座長】
 有り難うございました。それでは、事務局側へマイクを回していただけますか?
 最初に河野資源エネルギー庁長官から

【河野資源エネルギー庁長官】
 貴重な意見をたくさん頂戴いただきまして有り難うございました。
 私どもが茅先生のもとで事務局としてやってまいりました議論の大筋は、マキシマムの
省エネを行う、そしてマキシマムの新エネルギーの導入を行う、そしてどうしても不足な
部分について、燃料転換を行うということでありまして、この点については、かなりの方
の大筋の理解を得られたのではないかと私はうかがいました。
 ただその中で省エネ、新エネ足りないんじゃないかというご議論がありましたが、若干
の例を申し上げると、乗用車が1973年から最近までにエネルギー消費が2.7倍伸び
ている、これをどうかしたい、するべきではないかという議論がずいぶんありました。
 ただこれも原因を探っていくと、実は都市部での保有率が増えているわけではなくて、
地方での保有率が1家に2台になっている。こういう状況の中で走行距離の制限がいい政
策かという議論があったことをご紹介しておきたいと思います。
 また、省エネですが、先程ご紹介がありましたけれど約12%のカットというのは、私
たちが経験したことは、オイルショックを2回経て行った省エネとほぼ同規模ということ
です。
 これを平和裡に全く平穏な状態の中でどうやって行っていくかという、課題は実は大き
いということです。
 角田さんがおっしゃったわかりにくい点について若干ふれさせて頂くと、5000万k
lは何とか省エネできるだろうと、しかし700万klまで上積みが必要だと、これは東
京都と京都府の家庭で使われているエネルギーを0にするに等しい追加的な省エネルギー
であるということもご紹介したいと思います。
 新エネももっとというお話でしたけれど、これで風力は従来の目標の10倍の発電規模
にしようという目標をかかげていますが、このためにはおそらく2000ないし5000
億円の追加的な何らかの費用負担が求められることになるだろう、そういうことも含めた
MAXの数字であるということをご紹介したいと思います。
 ご意見の違いがあった点について原子力と石炭があると思いますが 、原子力について
ここでは計算上2010年までに10ないし13基、これを非現実的なものだとは私ども
では思っていません。それから石炭については、確かにCO2上の問題がありますけれど、
セキュリティーと価格においては優れているわけで、これをどこまでいいバランスで抑制
するかということが最大の課題ではないかというふうに思っています。
 政府の率先垂範、教育についてのご意見はそのとおりだと思います。幸い小泉内閣のも
とで、クリーン自動車はすでに率先垂範が始まっています、新エネについても同様の動き
になろうとしております。
 また、総理と私どもでやってきたことの中で、経験的に1年間のことを申し上げると、
2010年というのは非常に近いということが、長いようで短い期間しか残されていない
というのが率直な印象でございます。
 それからガソリンについてのご指摘がありましたので、価格効果ですけれど、これはこ
ういった経済的な措置がきく分野ときかない分野があるということです。その中でコスト
パフォーマンスが一番いい形での経済的な措置を考えるべきだ、というのが私どもの考え
方でございます。

【和田総合政策課企画官】
 それではちょっと細かい点を簡単に言いたいと思います。豊田さんからいろいろとご質
問等があった件につきまして、石炭とLNGの稼働率の問題は、資料1-2の41ページ
を見ていただくとわかるのですが、結論から言いますと石炭が原子力の分のベースロード
を代替しているという形で両者を足すと57とか58で試算ⅠもⅡもベースとしては同じ
程度になっています。これをさらに変えるということは、更に大きな手段はいろいろあり
ますけれども、炭素税をかければもちろんできるわけでございます。
 そういう手段をとればできるわけですが、ただ2億8千7百万tを達成するためにはこ
れくらいの措置でよいということで、更に稼働率を変えるには、更なる措置、もっと厳し
い措置をすればできるということです。その時は、2億847百万トンは下回ります。そ
れから成長率を複数ということですが、多分誤解はされていないと思いますが、黒田モデ
ルは、一般均衡モデルなので、まず成長率を外生的に設定しているわけでありません。成
長率を変えるということは何らかの負荷を外生的に与える、例えば環境税とか負荷を与え
るということですべきで、外生的に成長率を設定するということはこの考え方の中ではで
きない、ほかの何かをするということで成長率が変わるというモデルになっています。
 情報公開につきましては、なるべく我々も努力したいと思います。
 実は、名古屋の会場でも陳述人の方から要請されて、KEOの分厚いデータブックとか
もお渡ししましたけれど、何処をどう知りたいのか、全部をと言うと、黒田先生も名古屋
の会場で返答されましたが、全部再現するにはあなた方でも1年半はかかります、そうい
う世界なので、何を知りたいかを明確に示していただければ、効率的にお示しできるし、
その努力はしていくつもりです。
 先程、伴先生の話で、落第とおっしゃっている意味はよく分りますが、一般的な分かり
易さすさ、例えば、これも計量モデルの中で、価格の弾性値がいくらというのを求めてま
すが、これでは一般の方々はわかりにくいので、わかりやすいということでこういうこと
を書いております。学生としては不可ですが、消費者団体からいうと良か優ということに
なるのではないのかと思います。
 最後にこちらからの要望で申し訳ありませんが、NPOの方も色々モデルつくられてい
ることについて、これは非常にいいことだと思いますが、全体像を描くようにしていただ
きたいということです。
 CASAでも、かなり努力をされていると思いますが、気候ネットワークの方でもして
いただきたい。
 例えば、産業が省エネ設備を入れて全体でコストが安くなるのになぜ入れないのかとか、
逆に言うとエネルギー効率が上がれば、製品の相対価格が下がり、輸出が相当増えて我が
国全体ではCO2が増えるかもしれないとかです。もちろんそれは世界レベルでみれば地
球環境にとっては何も悪いことではないですが、そういうふうに経済全体がつながってい
るわけで、個別だけとってこれだけ減らせば減るはずだということだけではおかしいので
す。相対価格が下がれば、車でも燃費がよくなれば、リバウンドしてよく使うということ
もある訳です。
 全部を含めて描くということを我々も未完成かもしれませんが、そういう努力をしてい
るので皆様にも是非お願いしたい。
 それから、京都議定書の関係で、ご意見がありましたけれど、我々も今、アメリカを京
都議定書の世界に戻すということで、政府レベルで外務大臣も含めて相当努力していると
ころです。 アメリカにいっぱいNPOのネットワークがあると思いますのでNPOの方
でも是非努力していただきたいということでお願いします。

【平野省エネルギー対策課長】
 私の方から2点ほど補足させていただきます。角田先生の方から省エネ部会報告書がわ
かりにくいというご指摘がございました。実は省エネ部会の中の消費者の代表の委員の
方々からもその点は強くご指摘をいただきましたが、どうしても報告書となりますと若干
ことばの厳密性とかもありまして、別途わかりやすい資料を作らせていただくということ
で、今日、お手元にお配りさせていただきました3-3の資料をつくらさせて頂いたわけ
です。
 後ほど是非ご参考いただければと思いますが、17、8ページには大体どういう分野で
これくらいエネルギーを使っているか、ご家庭で一年間使うエネルギーが1klですが、
これは車一台で使っているエネルギーと同じ位です。いろんなことがここに書いてござい
ます。
 3-3の一番最後のページには今回の新たに打ち出します政策の中で、国民一人一人と
直接関わりの深い、ご家庭とか車に関してどんな対策を考えていて、それぞれでどれくら
いの省エネが期待されているか、トータルしますと、全部これをやりますと1400万k
lでございまして、これは全国の鉄道などの公共機関で使うエネルギーが一年間で100
0万klですから、これを上回る分の省エネができるんじゃないかと期待しているわけで
す。
 2点目といたしまして教育の問題についていくつかご指摘をいただきましたけれど、私
ども先程ふれませんでしたが、教育というのはライフスタイルを変えていくのに最も重要
な点だと考えているということで、既に今年度から文部科学省とタイアップいたしまして、
全国で150校ほど省エネモデル校をつくりまして、そこに教材とか人材を派遣して、そ
ういった教育の面からもライフスタイルを変えていくことに取り組んでいるわけです。

【平工省エネルギー・新エネルギー部政策課長】
 新エネの関係でございますが、3点だけ申し上げたいと思います。
 一つは豊田さんから頂きました、3つのオプションの一つのドイツ方式を先にやったら
というお話を頂きましたが、審議会でもいろんなご意見をいただき、今の様な形に成った
わけでして、今後類型にとらわれず具体化に向けて更に検討すべしということで、新エネ
部会の下に小委員会を早々に設置いたしまして検討したいと考えています。
 ただ審議会の中では、固定価格買い取り方式に対する支持というのは必ずしも大勢では
無かったように印象としてもっております。
 それから濱川先生の太陽光発電について、コストが高い、高いと言うけれど将来的にか
なり下がる期待があるということは、これはそのとおりでありますが、現状としては高い
ということで、その導入促進に当たってはいろいろとご負担を覚悟いただく必要がありま
す。
 ただ今後についてコスト引き下げのための技術開発に力を入れていきたいというふうに
考えているところです。
 3点目といたしまして、倉田市長のおっしゃった件で、環境問題を聖域とすべしという
ようなことがございました。実は省エネルギー、新エネルギー共に、この厳しい予算の中
で、13年度は12年度に比べてて2割弱の伸びをしています。14年度も引き続き頑張っ
ていきたいと考えていますので、よろしくお願いします。

【茅座長】
 有り難うございました。
 今の事務局側の答えで陳述人の方々からお話いただいた点について、大部分はお答えに
なったと思いますが、最後に私の立場から2点申し上げたいと思います。
 一つは、伴さんからこれは非常に厳しいことを行わなければならない、それの負担がか
かるということをきちっと明示すべきであるというご意見がございましたが、これは全く
同感でございます。
 実はこの、今回の地方の調査会、パブリックコメント、それからここにございますよう
な従来の審議の結果を踏まえて最終の報告書を作成するということになっておりまして、
すでにその作業はかなり進んでございまして、その中には私としては、今も言ったような
厳しさという問題、つまり2010年まで、我々として経済に影響を与えないようにしな
がら、しかもCOP3の目標を達成するということは如何に大変なのか、如何に厳しい負
担を皆さんにお願いするということをきちっと明示するということをしたいと思っており
ますし、またそのように事務局にも言っておりますので、少しでもその方向に行けるかと
思っております。
 2番目は、和田企画官からの話にでましたように情報公開の問題ですが、私はこの審議
を始めます最初にお約束した一つの条件でして、できだけ内容についての情報公開をする
ということで、できるだけのことは今後もしたいと思っております。たとえば報告書をだ
しましても参考資料というものをつけて、かなり分かるようにしますが、ただ申し上げた
いのは和田企画官も言われているように、ただそれだけをみて何でも分かるというような
ことは大変な作業なんですね、情報公開というのは一つのものをみて全てが分かるという
のが情報公開というのではなく、その人が欲しいという情報をきちんとたぐれば分かるよ
うにするということだと思います。
 我々大学においてはリファレンスをきちんと明示するということをいつもやっているわ
けですが、この方式を今回もとりまして、例えばKEOモデル、KEIOではなくKEO、
慶応の中の紛らわしいモデルなんですがその詳細、バックデータのようなものは、それを
学術論文としてだしたものをリファいたしまして、それを見ていただければ分かるように
するという形で対応したいと考えております。
 正直いいまして一般の方々がそこまで見たいとはおっしゃらないとは思いますので、本
当に興味のある方はそこを見ていただくという形にしたいと考えております。
 最後に、飯田委員が言われました、こういう対話のない形、議論のない形でのようなも
のでは困るという、もっとこういうものをきちっと長くやるべきだ、これは大変ごもっと
もな意見なのです。審議会でも同じ様なご意見がでましたが、そのことについては私自身
でも思うのですが、ただ一つだけ言えることは時間というものも化石燃料とか金属資源と
同じように有限の財なわけです。我々1年こういった審議をやってまいりましたが、こう
いった会合をやるだけではなくて、そのためにはいちいち準備が入ります。準備をやるの
は事務局でございまして、その方が遙かに時間がかかるわけで、そういたしますと一年間
という時間の中で、どれくらいこのような会合をやれるかということになりますとやっぱ
り限界がありまして、やりたくてもやれないという事情があるわけです。そういった意味
でですね、やはり時間も有限の資源であるということだけはご理解頂きたいと思います。
 今日はこれで終わりにさせていただきますが、先程申し上げましたとおりフロアの方で
何かご意見ございましたら、事務局側に何らかの方法、FAX、郵送、E-MAILとい
う形で明日中に寄せていただければと思います。よろくご協力のほどお願いします。
 本日は、予定より時間が超過いたしましたどうも長い間有り難うございました。これで
閉会させていただきます。

--了--
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