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産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会企画ワーキンググループ(第2回) 議事要旨



                                 平成13年9月10日
                               経済産業省産業技術環境局
                                   リサイクル推進課

今回のワーキンググループでは、拡大生産者責任(EPR)と役割分担の考え方について議論を
行った。各委員からの意見等は以下の通り。

・ リサイクルを具体的に制度として取り上げてきた過去10年程の間に、我々の意識も変わって
  きており、今の事業者の感覚とは乖離があるので、過去の制度を絶対視する必要はない。
・ 拡大生産者責任ということで、相当の設備・人員を抱える自治体がすべての責任を製造事業
者に押し付けていくのは自治体として望ましい姿ではない。
・ リサイクルの対象となる製品が増え、製品ごとにルールを決めるのは、消費者の混乱を招く。
消費者にとってわかりやすい仕組みにするべきである。
・ 一時的に事業者と消費者がコストを分担することになっても、中長期的には消費者の負担に
帰一することになる。
・ 回収リサイクルシステム全体に関して、事業者が統括的な役割を果たすとあるが、統括的な
役割ということを、事業者がシステムを取りまとめ・監督するということだと解釈すると、
事業者にとって負担が大きすぎる。事業者が担える範囲の文言に変えたほうがよい。
・ 資料3の7ページに、家電は二次物流のみ事業者が回収を実施とあるが、一次物流を担う小
売業者も事業者と考えられる。実態に合わせて文言を変えて欲しい。
・ 今回の資料にあるような家電リサイクルシステムの費用便益分析は歓迎である。今後、この
データをリファインしていって欲しい。
・ 事業者に一律に統括的な役割を求めるのには疑問がある。製品の特性を踏まえ、実態に即し
て物理的責任と経済的責任を定めるべきである。家電リサイクルと容器包装リサイクルとは
本質が異なる。容器包装に関しては、家庭から出てくるごみの分別は既存の回収ルートを活
用した方が効率的であり、事業者が担うものではない。
・ 拡大生産者責任の中でも物理的責任と経済的責任と分けられているように、市町村の責任も
物理的責任と経済的責任に分けられる。市町村の物理的責任を考える際は、当面対応しうる
役割と長期的な考えに沿った役割とに分けて考えるべきである。長期的な考えに沿った役割
を考えると、地方自治体から責任を製造業者に移して小さな自治体政府に移行するというこ
とになるが、当面は対応できない。物理的責任に関しては、ある時点までの移行過程として、
既存のインフラを活用するという意味でも自治体がある程度の責任を負うことはあり得る。
・ 例えば容器包装リサイクル法のように、自治体が費用までも負担している点が問題。費用負
担の問題は、最終的には誰が負担するのかということである。従来納税者として負担してい
る回収・リサイクル費用を今後は消費者として負担させる方向性が容器リサイクル法と家電
リサイクル法では必要である。
・ 容器包装リサイクル法は、回収が地方自治体の役割となっていて、その費用負担はリサイク
ルの費用より大きいことは事実である。今のやり方には疑問がある。
・ 容器包装リサイクル法でも、家電リサイクル法でも、回収を含めたリサイクル率の目標が織
り込まれていないのが問題である。
・ ドイツのDSDの場合は、回収も事業者が行うが、日本の容器リサイクルの場合は自治体が
収集運搬を行う。今は社会的な実験を行っているところであり、色々問題があれば、変更し
ていくべきである。
・ 個別の回収・リサイクルの枠組を積み上げれば全体の枠組ができるとは思うが、そろそろ既
にある個別の枠組の見直しをして全体の統合を行うべきである。その際、これまでの枠組を
すべて踏襲することは無理である。
・ 容器リサイクル法も家電リサイクル法も、一般廃棄物と産業廃棄物という枠組に縛られてい
るという印象がある。捨てられることを前提として法律を作る場合は、一般廃棄物の流れで
処理することに縛られてしまう。建設リサイクル法でも、一度、廃棄物としてから循環資源
として取り出すという形になっている。捨てずに取っておくような前提での法律作りが必要
である。そのような法律構造にどのようにして切り替えていったらよいのかも問題である。
・ 回収率とか回収目標があいまいであるという意見があるが、容器包装リサイクル法にせよ家
電リサイクル法にせよ、現行法ではそのような数値を入れることが難しい。循環基本法によ
る循環基本計画のような大きな枠組の中で考える必要がある。
・ 負担の公平性をいかに保つかが一番重要な点である。物理的責任に関しては、実効性や効率
性、既存のシステムに基づき決めることに異論はない。資金負担に関する公平性を保つこと
が一番大切である。税金等がどのような形で投入されているかが問題である。特定の製品に
偏って投入されると、企業としては不公平感が生じる。
・ 行政は、リサイクルに対し公的費用がどのように投入されているかという情報等の開示を行
って欲しい。これが消費者の消費活動へのインセンティブになる。
・ 消費者の意識向上のために、ごみ処理の有料化が論じられるべきである。ごみを排出した者
が排出量に応じて料金を収めるという考え方が出来れば、拡大生産者責任という意識も広が
っていくと思われる。消費者意識のところをもっと厳しく書き込んで頂きたい。
・ 行政のごみ処理コストが不透明であり、この不透明さが排出者のごみ処理のコスト負担を逃
れる言い訳になっている。
・ 容器リサイクル法で言えば、3Rのうち発生抑制の観点が弱い感じを受ける。発生抑制がも
っと強化されるべきである。
・ 拡大消費者責任のような考え方を導入すべきである。消費者は製品の長期使用などの重要な
役割を果たす。また、生産者側からの論理でシステムを作り上げた場合、消費者がある高い
レベルに達した場合に、過大なシステムを作ってしまう恐れがある。
・ 経済的責任に関し、消費者の支払い時期を検討するにあたって検証せねばならないこととし
て不法投棄の防止が最初に挙げられているが、非常に疑問が残る。本来あるべき姿として、
製品の長期使用が最初に来るべきである。
・ 今回の議論において、論点として欠けている点が2点ある。まず、EPRに関する情報普及の観
点が抜けている。EPRはShared Responsibility、共有責任の一つの概念であり、その中で消
費者が主体的に関わるためには情報共有が必要である。事業者のリサイクル費用、自治体の
処理費用に関しての情報提供が必要である。次に、リサイクル市場のマッチングの問題が抜
けている。出口の問題を考えなくてはならない。
・ 事業者の統括的責任とあるが、製品連鎖の中での明示的な役割を決める必要があるというこ
とで書かれているだけだと思うが、統括的責任と書くと、誤解を招くのではないか。
・ EPRという言葉にとらわれ過ぎである。EPRは抽象的なものでしかない。個別の製品ごとに制
度設計した後で、背景としての理論を考える際にEPRの視点から評価するといったようにす
べきである。
・ EPRは論議自体まだ発展途上のものである。日本の制度もEPRを意識してきたと思うが、その
辺の分析をすることで、世界のEPR研究の発展に貢献してもらいたい。
・ 循環が出来上がると、その中で主体的な役割を果たすのは事業者と市民である。事業者の統
括的責任であるが、リサイクル率の達成に関し、実施の責任はリサイクル業者にあるが、統
括的にリサイクル率が達成できるような状況を作り上げるのは事業者である。制度構築の際
の責任と比較して、リサイクルシステムが軌道に乗った後の運用段階では、制度を補強して
いくという意味での統括的な責任が一番重要である。
・ 役割分担に関して、法を強く意識しすぎている。企業の自主的な取組みを促進していくルー
ル作りも考慮する必要がある。
・ 中小企業、零細企業、新規参入者に関してEPRを適用することを考えた時に、どのような影
響が出るのか。その点を含めて、日本流の整理の中で答えを出していくことが必要である。
・ リサイクル業界はほとんどが中小企業である。中小企業の問題を今後もう少し深く考えて欲しい。
・ 行き着く先はコストの問題と思われる。誰が負担するかと言うことに関して、もう少し検討
してもらいたい。
・ 「不法投棄の防止」という表現を、「適正処理の促進」のような、別の言葉に替えて欲しい。
・ すべてを事業者任せではリサイクルがビジネスとして上手く行かない。
・ 処理工場を作る際に、自治体がいくらで用地を売ってくれるのか、住民との関係をどうすれ
ばいいのか、再生製品をどう販売したらいいのか、その辺を考える必要がある。
・ 廃棄物の定義から変えないといけない。リサイクルの対象になっているものは廃棄物ではな
いというように変えなければならない。
・ 廃棄物処理法の見直しが言われるが、見直しを必要とする理由が人によって異なる。廃棄物
処理法の役割として一番期待されているのは、不適正処理の防止である。廃棄物の定義を変
えたら、不適正処理の防止をどう担保できるのか、そこから議論を進める必要がある。
・ ある規制法があるのに、他の法律で同じような規制をかけられるのかという議論がある。
・ 廃棄物処理という観点から市町村が処理を行ってきたが、廃棄物にしてからリサイクルとい
う考え方を改める必要がある。新たなリサイクルシステムとして、廃棄物になる前に循環資
源として処理するシステムが必要である。
・ 一般廃棄物に関しては、もっと排出者責任を考えていかなくてはならない。廃棄物として排
出するのか、リサイクルするものとして排出するかを、明確にする必要がある。市町村の責
任は廃棄物として排出するものの適正処理であるべきである。
・ 廃棄物からリサイクルするものをすべて循環資源として分類してしまうと、循環資源の名目
で不法投棄が行われる可能性がある。そういったシステムをきちんと抑えておく必要がある。
このことは廃棄物の定義の見直しにも関わる。廃棄物の定義の見直しに関して、このような
考え方及び方向付けは出していかなくてはならない。
・ この問題に最初に直面したのはドイツであり、ドイツでも制度改定がされたが、上手く行っ
ていないという指摘もある。廃棄物を循環資源として読みかえただけの、見かけ上の話だけ
で進めていくと、結果として我々が望んでいないシステムが出来上がってしまう。
・ 独占禁止法との関係であるが、もう少し整理が進んでいるはずである。循環型社会はコスト
ミニマムでの実現が考えられている。動脈ではコストミニマムが効率的な社会を生み出すと
いうことは知られているが、これに静脈が取り込まれた場合に、独占禁止法のために非効率
なシステムを作り出す可能性があり、社会的なコストの最小化が実現しないかもしれない。
この点が検討課題として残る。
・ 循環型基本法が出来た際に、日本全体の中で循環を考えるという視点があった。循環型基本
法の下にある法律の中で矮小化されてしまっているのではないか。もう少し幅広い視点から
環境や循環型社会を考える必要がある。
・ 廃棄物処理法の見直しの方向性が問題である。廃棄物処理法を見直して、製品別の法律を施
行すると、リサイクルを装った不法投棄が起きるのではということを危惧している。廃棄物
処理法からすべての循環資源を外すのは時期尚早である。
・ 流通の現場では、循環型社会の構築を目指して経済性と環境を両立させようと考えても、色々
な障害が発生してしまい、計画段階からを実行段階に移すことが出来ないのが現状である。
・ 流通の現場から見ると、今は消費者に責任を求められる状況にはない。法律があっても、机
上の空論になってしまい、不法投棄等が発生する。消費者にどう認識してもらうかをもっと
考えてもらわなくてはならない。現状、税金で負担している以上、リサイクルに資金が必要
という認識は持てない。
・ リサイクルということで色々な法律が出来ているが、今の世の中の急速な変化と比較して、
見直しの期間が非常に長い。
・ 廃棄物の定義に関しては、日本の廃棄物行政の歴史を踏まえる必要がある。廃棄物処理法に
よって廃棄物という定義が出来、事業系一般廃棄物が存在することになったが、本来税金を
払って処理する都市ごみを一般廃棄物、それ以外をすべて産業廃棄物とすべきであった。
・ 廃棄物処理法はあくまでも生態系と経済活動を保つための法律である。その為、ある程度の
規制的側面があって当然である。リサイクル法はあくまでも市場原理に基づく中で成立する
ものである。リサイクル法はインセンティブの世界である。その辺をきちんと定義すべきである。
以上
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