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産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会企画ワーキンググループ(第5回) 議事要旨



                                 平成13年11月9日
                               経済産業省産業技術環境局
                                   リサイクル推進課

今回のワーキンググループでは、中間とりまとめ骨子(案)「循環型経済システムの高
度化に向
けて」について議論を行った。各委員からの意見等は以下の通り。

中間とりまとめ骨子(案)「循環型経済システムの高度化に向けて」について
・ これまでの議論を適切にまとめてあり、骨子案としては大変よく出来ている。
・ EPRを含めて、「責任」という言葉が随所に出てくるが、法律家の立場からみると、「責任」
  というのは重みがある言葉である。この骨子案の中で使われている「責任」は、責務、法的義
務、行為負担の義務、費用負担の義務、賠償の義務と、色々なニュアンスで使われている。5
ページの「地方公共団体の役割も一般廃棄物の処理責任」については、注意書きによって慎重
に書かれている。自治体自らが廃棄物処理を行うことだけを処理責任と言っているわけではな
く、処理を委託するということもあり、コーディネーター役として処理の主体となることがこ
こでの処理責任であるという説明がなされており、適切な注意書きである。
・ EPRは循環基本法では「責務」という言葉でしか表してないのだが、いつのまにか「責任」
になってしまっている。「責任」という言葉には幅があり、排出者責任とEPR、自治体の処理
責任とが矛盾するという議論にならないようにすることが必要である。これらは共存するもの
であり、書き振りを注意しなければならない。
・ 品目別・業種別ガイドラインは、単に自主的な取組みを奨励するものではなく、審議会のよ
うな場所で議論をして、ある種の合意に基づいて作られたものである。品目別・業種別ガイド
ラインの経験を踏まえて、資源有効利用促進法では、判断基準を示して、それで上手く行かな
い場合は立ち入り調査を含めた強権発動をするという枠組を作った。これは日本独自のもので
あり、ガイドラインによって産業廃棄物量の50%をカバーしているなど、上手く機能してい
ることを世界に対してもっとPRすべきである。自主的な取組みを重視することを批判して、
もっと規制を導入すべきだということにならないようにする必要がある。日本の枠組を外国と
比較して良し悪しを議論しても仕方のないことであり、日本の枠組の独自性を積極的に打ち出
しながら骨子を作成していただきたい。
・ 6ページの廃棄物処理法についての考え方であるが、廃棄物処理法が持つ不法投棄や不適正
処理の防止機能は将来的にも残ると思う。しかし、それをすべて廃棄物処理法のカテゴリーに
入れる必要はなく、同じような取扱が確実に行われればよい。ただし、廃棄物処理法の適用外
とすることは不適正処理を野放しにすることと誤解されないよう、書き方に注意する必要があ
る。
・ 13ページに、「環境報告書や環境ラベル等を通じて情報提供が行われているが、消費者に十
分に行き届いているとは言えない状況」とあるが、実際にその通りである。明らかにPR不足
である。企業が環境報告書を公表しても、企業が自社の宣伝行為をしているとしか受け止めら
れない。企業による自主的なPRでは、信頼を得られないという問題があるため、中立的な組
織によるデータ管理および評価システムの信頼性の確立が必要である。
・ 循環型社会の国際化に関して、循環基本計画は国内制度であるという制約がある。一方、循
環型社会をアジア全体で考えるというのは、産業政策を扱う産業構造審議会の立場としては好
ましい。本WGの議論と中央環境審議会の循環基本計画とで、ずれが生じる可能生があるが、
大きな理念としては当然地球規模を考えることで、基本は変わっていないということは認識し
ておかねばならない。
・ 14ページの最初の○に、「わが国産業の環境競争力」とあるが、製品の国際競争力そのもの
が落ちては意味が無い。
・ 制度を作る際、輸入障壁にならないように注意せねばならない。14ページの最後の○に関
して、日本の制度を押し付けるのではなく、アジア諸国と連携して制度を作るという方向で進
めなければならない。
・ 事務機械業界は、リユースの実施義務、リユース配慮設計を義務付けられている唯一の業界
であり、悩みの多い特殊な立場にある。
・ 8ページに関して、LCA的観点ということが随所に出てくる。事務機械業界の中での理解と
しては、LCAはエネルギー・電力中心であるが、有害性、枯渇性、安全性の観点も加えるこ
とを今議論中である。LCAは幅広い観点からみていく必要がある。
・ 有害物質に関して、今後ガイドラインを作成していく際には国際的整合性をとって頂きたい。
・ 有害物質に関しては基礎技術開発が重要になってくると思われるが、こういった取組みを国
にも実施してもらいたい。
・ 11、12ページに、「部品リユースは、『リサイクル率』等の算定上はマテリアルリサイク
ルと同等もしくは同等以上に評価することが必要」とあるが、事務機器業界の認識は「同等以
上」である。「同等もしくは同等以上」の具体的な中身を教えていただきたい。
・ 副産物のリデュースと部品のリユースは、特定再利用業種に係る再生部品利用計画で既に実
施しており、リサイクル率のところであえて記述する必要があるのか疑問がある。「引き続き」
という程度で書いておいて欲しい。
・ 海外の生産拠点でリユースを行うと、当該国の主権に絡んで問題が生じる可能性があるため、
将来的にも海外拠点でのリユースは行われないのではないか。
・ プラスチック業界は多様であるので、詳しい意見は文書で示したい。
・ 16ページの「表 リサイクルに関連する国内外の市場と主な中古品・再生資源との関係」
において、廃プラスチックは国内のリサイクルシステムが「未成熟」とあるが、「未成熟」と
いう表現はふさわしくない。プラスチック業界では、国内におけるリサイクルシステムの構築
が現在進んでいるところであり、「構築中」という言葉に変更していただきたい。
・ 13ページの5つ目の○にグリーン購入の話があるが、このあたりの内容をもう少し膨らま
せて欲しい。
・ 製紙連合会では、現在LCAの研究をしている段階である。それをどのようにリサイクル率、
サーマルリサイクルにつなげるかを模索中である。
・ 廃棄物処理法の規制緩和とリサイクル率を常に検討するのは必要だが、最大の関心事項は検
討した結果の成り行きである。しかし、具体的な結果が見えてきていない。
・ 1ページに「共通の目的意識に由来し、各主体のみでは到底到達できない」とあるが、「共通
認識と、共通に取り組むことによって、相乗効果なりシナジー効果を発揮する」という言葉に
して欲しい。
・ 2ページの3つ目の○に、「世界に通用するモデルに」とあるが、「今までは品質・価格の競
争であったのに対し、今後は品質及び環境の競争をすることで、環境競争力をつけることが世
界のもの作りでリードする形になるのだ」という文言に変えて欲しい。
・ 4ページEPRの導入は、既存のシステムより社会的費用がより効率的で、環境へもより有望
であることが示せて、初めて評価されるものである。EPRの導入に際しては、コスト・ベネ
フィット・アナリシスを必ず実施して、国民の理解を得ていくという形を骨子に含めて欲しい。
・ 5ページの一つ目の○に関して、競争と協調をしていく中で、既存のインフラの活用もある
が、共同的で実施するというのもEPRの一つの形であるということも骨子に含めて欲しい。
・ 16ページに「輸入事業者の規模について検討を行い」とあるが、責任は共通であっても責
任の差はある。こうした事を踏まえて責任のあり方を追求して欲しい。
・ 有害物質に関しては、処理上の許可認可と拡散の問題がある。
・ リサイクル率の統一化をお願いする。
・ 廃棄物の輸入に関して、すでに有害物質を含む廃棄物の処理の依頼が来ており、国際的な問
題は掘り下げて欲しい。輸出に関しても、廃食品をコンポスト化したものを、海外に輸出して
いるという事例もある。こういったことが国際問題にならないように、ガイドラインや規格化
も考えて欲しい。
・ コスト負担の問題は、排出者責任ということで、最終的には個人に帰着するという認識であ
る。この点を掘り下げた検討をしていただきたい。
・ EPRに関して、生産者と事業者という2つの言葉が使われている。同義で受け取る人もいる
が、リサイクルについては、主体的にやるのは生産者という認識であるが、回収に関しては、
各々の主体がうまくかみ合って実施できるものである。解説等で、誤解を受けないように表現
にしてもらいたい。
・ 部品リユースに関して、パソコン等の部品リユースは、指標によって進めるのは現実には非
常に難しい。ごく限られた部品が市場さえ出来れば流せることや、品質・安全問題等色々な点
を配慮して進めるべきものである。ものによっては指標で促進するのが難しいものがあり、慎
重に扱っていただきたい。
・ 13ページにグリーン購入法の話がある。消費者にわかりやすくとあるが、今のグリーン購
入法は、ビジネスとビジネスとの関係でしかなく、消費者に対しては直接影響を与えていない
ことを加えておいて頂きたい。
・ 環境報告書に関しても、理解するどころか存在を知らない消費者が多い。わかりやすいとい
うことよりも、むしろ企業の環境報告書の存在、環境報告書で企業の環境対応を知ることがで
きるということを知らせるような、もっと基本的な普及が必要である。
・ 「はじめに」の3つ目の○に、「関係者の間に一部迷い、疑問、不満も発現」とあるが、ここ
が重要な点である。PDCA等のプロセスも重要であるが、内容について適切に理解を得られ
る表現を入れて欲しい。これらが適切に理解されれば、処理責任の言葉についての混乱を生じ
させることもない。
・ 4ページで、既存の家電リサイクル法が先行事例として紹介され、一定程度確立と評価され
ている。このことに異論はないが、現行のシステムにも自治体や他の関係者等から色々と要望
を頂いており、実施されてはいるが、完璧なものではなく、今後も改良される必要があるとい
う表現にしてもらいたい。
・ 8ページに有害物質の使用削減とあるが、有害物質が使われているのであれば、クローズド
システムで拡散させないことが重要である。有害物質を使っている製品については、回収率を
確実に把握することによって、有害物質が拡散しない方法も位置付ける必要がある。
・ 大量にごみを出す仕組みは、生産者が責任を負うだけでは上手く解決しない。経済全体がサ
ービス化しており、容器包装等を使ってビジネスをしているサービス業が多く、ここが大量に
ごみを出している。販売・サービスに関わる者の判断で大量のごみが出て行くシステムになっ
ている。これに対する答えがこの骨子案からは出てこない。経済全体のサービス化の結果、生
産者に責任を負わせるだけでは上手く行かないのであり、サービス業をどう取り込むかが課題
である。
・ 現実に家電リサイクルの経験から話すと、有償あるいは無償で引き渡されるものが再商品化
の定義であり、素材の市況が下がることで、再商品化の基準が変化するという現実がある。法
律に関しては、こういった観点から議論をしていただきたい。
・ サーマルリサイクルに取り組みたいが、家電だけではサーマルリサイクルのプラントを構築
できない。誰かがインフラを整備して、経済的に利用できる財として供給する必要がある。い
ろいろな場所に存在しているのかもしれないが、需要と供給がマッチしてないという状況があ
る。骨子案では今後の課題になっているようだが、こういったことも今後議論していただきた
い。
・ リサイクル促進の観点から、廃棄物処理法改正に関する声が経団連に寄せられている。廃棄
物処理法改正に関しては、企業単位の認定を含めて、速やかな改正実現を求めるというトーン
でまとめていただきたい。
・ 飲料容器の市場は、一つのマーケットの中で、缶、びん、PET等、様々なものが競争をして
いる。5ページ目に、「リサイクルという各段階での製品・素材ごと特性に即した、実行的か
つ効率的な費用負担、行為負担を定めることが必要」とあるが、公平性の観点を加えて頂きた
い。マーケットでの競争を考えると、費用負担、行為負担について、競争している製品・素材
同士の公平性が必要になる。
・ リサイクル率の定義は、ゆがんだ競争を防ぐためにも、整合性のある統一された指標を整理
することが重要である。
・ リサイクルの中で、回収・処理と、自治体の役割は大きい。一般廃棄物の処理責任は自治体
という方向だが、これからもこの方向性でいくのか、方向性まで踏み込んで議論する必要があ
る。
・ 合格点を与える制度というのは導入できないか。ゼロエミッションといっても、ゼロを達成
することは非常に難しく、ある程度までいくと、労力がかかるわりには成果が少なくなる。100
点ではない合格点を決め、その目標を達成したら合格ラインを再設定できるような形にするの
が望ましい。
・ 1ページ目に「パートナーシップ」という言葉があるが、今回の骨子案で、事業者や自治体
の役割については丁寧に記述されているが、消費者の役割に関してはさらりと書かれている。
PDCAサイクルは事業者に関しては回しやすいものである、消費者に関しては難しい。消費
者にどう対応するかが課題である。
・ 「静脈の効率化、優良なるリサイクル」とあるが、これらを育てるには、JISの認定制度のよ
うなレッテルや、環境ラベル等による差別化によって成長させる手段があると思う。この辺り
を一度検討していただきたい。
・ 消費者の意識の向上という点では、ごみの有料制を明確に出していく必要がある。
・ 既存の制度をPDCAで評価するという意味で、容器リサイクル法の事業者に対する分別の義
務付けの必要がある。
・ 早急な対処が必要とされる製品としては、体温計、蛍光管、乾電池、使い切りライター、新
聞・雑誌、液晶がある。古新聞・雑誌は価値があるためにリサイクルされていると言われてい
るが、これは拡大生産者責任の枠を離れたところでのリサイクルであるため、生産者である新
聞・雑誌社が責任をもつということを導入すべきである。特に液晶は早急に対処すべきである。
・ 一律にすべての製品についての3Rを求めるということに関しては、初めにありきということ
ではなく、結果として一律に3Rが実施されるよう努力していくということだと思うので、表
現の工夫をしていただきたい。
・ 「責任」の話が出たが、非常に重要な点である。この点をぜひお願いしたい。OECDの原文
でもかなり混乱が生じた点であり、Liabilityという言葉まで出てきて、結局消えたという経緯
がある。
・ 5ページに「回収・リサイクルシステムの類型化・統合化の検討」とあるが、こういったこ
とをやっていく必要がある。
・ 6ページに自治体のディスクロージャーの話があるが、これもぜひ進めていただきたい。
・ 11ページの下から二つ目の○に、「その他の配慮事項(できるだけ回収率を算出する等)」
とあるが、回収率を算出することは非常に重要なことであるので、その他配慮事項の中に含め
るのではなく、一つの項目として独立させて欲しい。
・ 9ページの有害物質に関しては、クライテリアを明確化する必要がある。国際的に外国と日
本が同じ土俵で議論出来るようにする必要がある。
・ 15ページの「国内に流通する製品については、輸入品、国際品を問わず我が国に対して環
境負荷を課している」とあるが、GATTとの関連で「流通・使用段階以降、我が国に対して環
境負荷を課している」というように変えた方がいい。
・ 報告書を英語で出すことは望ましい。
・ 日本が外国からの製品に対しても同様に扱うということを主張するのであれば、外国で同様
の規制が導入された場合、日本も理解するというような言葉が必要である。そうすることで、
日本は国際的に考えていると評価される。
・ 16ページの最初の「資源有効利用促進法」に関する部分でも、「WTOルールとの整合性を
踏まえつつ、」と入れておけば、海外から批判されずに済み、評価もされる。
・ 循環型経済システムを技術的な側面で捕らえると、3Rの技術というのは市場の競争原理に基
づき開発されるものである。ハイテクに関わる技術もあるとは思うが、技術を固有のものとし
て独占すると、3Rを阻害しかねない。そのような意味で、知的財産権の管理が重要になって
くる。日本が世界の中で環境立国となるためには、重要な側面である。
・ 技術開発を促進するための産学官が協力できる仕組みが必要であり、具体的な仕組みを提示
してほしい。将来は環境競争力が、製品全体の競争力になることは間違いない。
・ 日本の産業は、個々に存在しているものではなく、運命共同体のようなものである。システ
ムを業種、業界で単独でやるとロスが多い。自工会でも、費用負担をどこが負担するのかとい
うことになると、それぞれ色々な考え方が出てきて、ばらつき・ロスが多い。高度化の中で費
用負担システム等、一本化したものが必要である。
・ 国際連携に関して、資源の循環にはコストが伴うものであり、日本において循環型の社会を
構築した結果、日本製品が国際競争力を失うようではいけない。国際連携をより早急に進める
べきである。
(以上)
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