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審議会

産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会企画ワーキンググループ(第6回) 議事要旨



平成13年12月7日
経済産業省産業技術環境局
リサイクル推進課

今回のワーキンググループでは、中間取りまとめ(案)「循環型経済システムの高度化に向けて」
について議論を行った。各委員からの意見等は以下の通り。

中間とりまとめ(案)「循環型経済システムの高度化に向けて」について

(委員)
・ パソコンの場合、回収率の把握は非常に難しい。31ページの「(回収率の扱い)」にある、「踏
まえつつも」という文面では、回収率の測定が困難である製品に関しても、回収率の指標化が
前提となっているように解釈できるため、問題が生じる。「踏まえた上で」という文面にして
頂きたい。
・ 32ページの3行目に「『製品』や『部品』の特性を踏まえた上でのリユース部品使用量等の
指標が適切である」とある。「『製品』や『部品』の特性を踏まえた上での」というのは重要だ
が、どのような部品をリユースするかの前提が必要である。リユース対象となる部品に関して
定められていないと、全ての部品に部品リユースの指標が適用できるように捉えられてしまう。
「部品リユースの適用に関しては、リユースができるものとできないものがあることを視野に
入れて」という文言に変えて頂きたい。
・ 23ページの1行目に、ユーザーから徴収するリサイクル費用の話があるが、ユーザーから
の費用徴収を基本的に認めることが一つの柱として入っているという理解でよいか。
(事務局)
・ 23ページの独占禁止法関連の記述に関しては、公正取引委員会から示された指針であり、
確かな情報である。
・ 循環基本法や資源有効利用促進法にも、消費者は事業者に対してコストを負担することが責
務としてうたわれている。それを前提とした独占禁止法の考え方である。
・ 31ページの「踏まえつつも」とあるのは「踏まえつつ」に訂正することにする。
(委員)
・ どのような場合であっても部品リユースを進めるべきであると解釈できる表現は困る。
(事務局)
・ 「製品に係る部品リユースについては」を「製品に係る部品リユースの適用については」と
いう文言に変更する。
(座長)
・ 独占禁止法の部分の意見は、工業会において、会員がユーザーから徴収する具体的な引取費
用の額を決定することは、独占禁止法上問題となるのではということか。
(委員)
・ 特に独占禁止法の問題ではないが、費用徴収の考え方として、ユーザーからの費用徴収を基
本的に認めるという理解でよいか。
(事務局)
・ 経済学的な考え方としては、事業者と消費者の費用負担のあり方が市場の条件によって異な
るのではないか。
(委員)
・ リサイクルには必ず費用がかかり、社会全体の中で、どこかが何らかの形で負担しなければ
ならない。例えばメーカーが費用を製品価格に上乗せする場合、売上が減った部分は生産者が
負担することになり、価格上昇分は購入した消費者が負担することになる。上乗せ額が高けれ
ば消費者が購入しない、逆に消費者が購入しない場合は、メーカーが価格を下げるというよう
に費用負担のあり方が決まる。協定によって費用の負担額を決めない限りは、負担する費用の
配分は問題にはならない。
(事務局)
・ 循環社会基本法の第4条に、「循環型社会の形成は、このために必要な措置が国、地方公共団
体、事業者及び国民の適切な役割分担の下に講じられ、かつ、当該措置に要する費用がこれら
の者により適正かつ公平に負担されることにより、行われなければならない。」とある。役割
分担論と費用がセットで扱われている。
(委員)
・ 費用徴収額を決定するのは公正取引委員会から批判されるが、業界で費用徴収の実施のみを
決めるのであれば、公正取引委員会からの批判を受けないのではないか。
・ 28ページの③にケミカルリサイクルやサーマルリサイクルの取組みを求めるべきものの条
件とあるが、自治体の現場では、ケミカルリサイクルやサーマルリサイクルの方が相対的にコ
ストが安いという認識がある。これは容器包装リサイクル法の責任分担論を無視する議論であ
る。(注19)に熱効率が書いてあるが、読み飛ばされないように「なお」と続けるなど工夫
して頂きたい。
・ 日本では医薬品は焼却処理されているが、ヨーロッパでは使用済み・飲み残しの医薬品は別
ルートで回収されている。シンナー・塗料も、日本では、不燃ごみとして埋め立てられている
が、ヨーロッパでは完全に処理されるルートがある。このような視点が抜けているのではない
か。
(座長)
・ 確かに、ヨーロッパでは農薬等が別ルートで回収されている。
(委員)
・ 農薬等に関しては、別のルートで回収システムを構築して、確実にコントロールして頂きた
い。
・ アクションプランの中で、医薬品やシンナーの問題が提起されたことを加えて頂きたい。
・ 社会全体の効率最大化のための方策として課徴金制度を考えて欲しい。希少資源の乱用とい
う視点も重要であり、中間とりまとめの最後の「今後の検討課題」で触れてもよいのではない
か。
・ 「既存インフラの活用」ということで、容器包装リサイクル法と家電リサイクル法が挙げら
れているが、容器包装リサイクル法では自治体の回収費用の問題、家電リサイクル法ではリサ
イクル費用の販売価格上乗せ方式の是非等が課題となっており、これらを例示として入れて頂
きたい。
・ EPR導入の手法としては、インセンティブの付与が必要であるため、デポジット制度・課
徴金制度が重要である。デポジット制度は、回収率を高める手法として有効である。中間取り
まとめの中の例示にデポジットの言葉を残して頂きたい。
・ 削減目標の設定の部分に、有害物質を拡散させない手法としての回収率も目標として組み入
れて頂きたい。回収率を工夫して組み入れて欲しい。精緻な回収率を出すことに困難な点があ
ることは理解できるが、消費者の意識向上やリサイクルの進捗状況を理解する上で回収率は必
要である。
・ 消費者の相互作用に関する記述があるが、消費者の交流の場・ネットワークが必要である。
・ 中間取りまとめには国際性を意識した記述が随所にあり、バランスが取れている。
・ OECDのEPRガイドラインには、当初は効率性の視点が入っていたが、最終的には削除
された。中間取りまとめには効率性の視点が入っている。EPRにおける効率性の視点という
ことを日本から発信して頂きたい。
・ 費用便益というのは日本と海外の法律と大きく異なる部分である。WEEEではこの部分の
記述が長い。容器包装リサイクル法、家電リサイクル法に関する試算結果が出てきているが、
これによって便益分析が出来ると共に、収集せねばならないデータがわかってきている。
・ EPRの手法として、法律や自主協定等、色々な方法が示されており、日本の姿勢として好ま
しい。
・ 生産者とは、製品のライフサイクルをコントロール出来る者のことである。
・ 回収率の把握に関してはそれぞれの製品で問題があるが、回収率が把握できないと、全体の
中でどの程度リサイクルされたのかがわからない。
・ 22ページに「家庭からのパソコンの回収や処理をするためには、別途、一般廃棄物に係る
許可が必要であるため、家庭系パソコンのリサイクルが進展していない」とあるが、自治体が
直接回収するか、業者が回収するかによって異なり、必ずしも一般廃棄物処理業の許可が必要
というわけではない。再生業者が直接家庭から集める場合には、再生事業の登録が廃掃法で定
められており、古物商の登録があればよいという県もある。「許可が必要であるため」という
部分と、「進展していない」という部分の表現を変えて頂きたい。
(事務局)
・ 「家庭からのパソコンの回収や処理をするためには、別途、一般廃棄物に係る許可が必要で
あるため、家庭系パソコンのリサイクルが進展していない」というのは、資源有効利用促進法
で業務用パソコンが指定再資源化製品に指定される以前の状況を説明している。
(委員)
・ 確かに以前の状況である。業務用パソコンに関しては、一般企業や中間処理業という専門で
ない方に努力してリサイクルして頂いているが、許可を取るのが難しく、一部のメーカーしか
リサイクルに取り組めなかった。
・ 家電リサイクル法において、特定家庭用機器廃棄物は廃掃法上の適用除外となっている。
・ 特定家庭用機器廃棄物以外の廃家電の処理に関しては、大半の自治体及び環境省が一般廃棄
物処理の許可の取得を命じている。
・ 一般廃棄物の処理の許可の取得が難しい自治体では、違法に特定家庭用機器廃棄物以外の家
電のリサイクルが行われているか、リサイクル止めてしまっているかのどちらかである。全体
の状況というわけではないが、「一般廃棄物に係る許可が必要であるため、家庭系パソコンの
リサイクルが進展していない」という事例が存在するのは厳然たる事実である。
・ 一般廃棄物処理許可の問題は難しい。元々直営中心でやってきたことや、民間業者の参入と
いう問題も有り、自治体はこの問題に消極的であった。循環型社会を作る上で、自治体直営が
必ずしも良いとは言えなくなってきたため、一般廃棄物処理の認可問題は避けて通れなくなっ
てきた。自治体の許可制度を変える必要があるという問題意識は全国都市清掃会議でも有して
いる。
・ 24ページの④に関して、「コストも含めた実態の情報公開を求めていくとともに」とあるが、
実際に情報公開が進むよう、23頁に記載されているように循環型社会形成推進基本計画に盛
り込む等具体的な手だてを検討していただきたい。
・ 36ページの優先順位に関して、LCA的な観点からとあるが、LCA自体にも問題がある。
一方、経済性に基づいて優先順位を定めると、安直な方向に向かう恐れがある。同じ製品内の
話だけではなく、環境負荷の少ない代替製品の存在等も考慮する必要がある。優先順位の表現
は、慎重に進めて頂きたい。
・ デポジットは検討課題として議論に含めるのは良いが、実際にデポジットを進めるという方
向性をもった言及は問題がある。
・ 9ページの(注6)で、徴収したリサイクル費用の運用については、長期間プールされる際
には税法上の問題が一つの考慮事項になる。社会コストの最小化というという部分があるので、
長期間のプールによる税法上の問題が趣旨としては反映されているのかもしれない。
・ 日本自動車工業会では、リサイクル費用の算定を進めている。23ページの独占禁止法の議
論に抵触しないような対応もお願いしたい。
・ 29ページの、「3Rに伴う安全性や有害物質の含有等についても配慮することが必要」とあ
るが、3Rの安全性評価やトレーサビリティを充実させることは重要なことであり、「配慮」
よりさらに踏み込んだ表現に代えてもらいたい。
・ 中古自動車はかなりの数が輸出されており、その実態把握が重要である。貿易統計の細分化
により、輸出申告額20万円以下が除外されているが、中古自動車は評価額が20万円以下の
場合が多いため、把握が困難であると思われる。輸出申告義務の下限額に関する配慮も必要で
ある。
・ 合意に至ったことで、京都議定書の対応が現実問題となった。温室効果ガス対策とマテリア
ルリサイクルを中心としたリサイクルシステムとの対立が生じる可能性がある。そのような場
合には、こういった場で議論して頂きたい。
・ 環境ビジネスに関して、環境ファンドのような資本市場におけるビジネスが出現してきてい
る。企業の資本調達量等に影響が出てくる可能性が出てきており、こういった面を考慮して頂
きたい。企業がリサイクルに関する情報を開示する風土を作る方向に進めて頂きたい。
・ 中間取りまとめは、環境制約と資源制約から始まっている。環境制約として処分場の逼迫が
述べられているが、3Rがいくら促進したとしても、処分場の問題は最終的に残る。「保管」
か「捨てる」のか、最終処分の概念の問題に関して、議論を行うべきである。
・ PCBのように、過去は有用物だったものが、現在は有害物になっているというものが多々
存在する。その保管に関しては、国・国民の総意として納得できるシステムを検討する場を設
けることが必要である。
・ 中間取りまとめにおいては、的確に現状認識がされており、アクションの提示がされている。
・ 日本の個別法体系は、世界に先駆けたものであるが、色々な問題点も実体験としてわかって
きている。中間取りまとめでは全体として共通の方向性がまとめられており、判明してきた問
題をこれに沿って解決していくことが必要である。
・ この資料を英訳して公表すれば、これからリサイクルに取り組もうと考えている国の参考に
なるのではないか。
・ これまでのワーキンググループで使用した参考資料は貴重な資料であり、これら参考資料の
中間取りまとめへのつけ方を考えて頂きたい。
・ EPRの解釈は、まだ発展途上にあるという認識である。先ほどの山口委員の「生産者」の
定義では、「最も」という言葉があったが、処理では素材を知っている生産者が、回収では販
売業者や流通が最も情報を持っている。色々な情報を、相対的に一番持っているものが統括的
な役割を担うべきである。実際に処理を行う事業者は自主責任として取り組むべきであり、中
間とりまとめにはこれらを切り分けて書いてあることを理解して頂きたい。
(座長)
・ 委員の意見に基づき修正を加えたものを、パブリックコメントにかけることにする。
以上
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