経済産業省
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独立行政法人評価委員会第5回 議事録

日時 :平成14年5月21日(火)13:30~14:45頃
場所 :経済産業省本館17階第1特別会議室

出席者

木村委員長、岩村委員、打込委員、梶川委員、金本委員、佐藤委員、 鳥井委員、永田委員、平澤委員、宮内委員、宮原委員、三輪委員、 八木委員(逆瀬代理)

議題

(1)日本貿易保険の平成13年度の業務実績について
(2)産業技術総合研究所の平成13年度の業務実績について
(3)産業技術総合研究所の役員報酬規程の改正について

議事

木村委員長:それでは、定刻になりましたので、独立行政法人評価委員会を開催させてい ただきます。

本日ご審議いただきます事項は、日本貿易保険と産業技術総合研究所2法人の13 年度の実績報告並びに産業技術総合研究所の役員報酬規程の改正の合計3件でござ います。

本日は、この会議の後に、前回の評価委員会で鳥井委員等からご発言がございま して、今後の評価作業に当たってフレームワークづくりをするべきではないかとい うことでございましたので、その時間を設けさせていただきました。したがいまし て、この評価委員会そのものは3つの議題を1時間ぐらいで終えたいと考えており ますので、よろしくお願いしたいと存じます。

(1)日本貿易保険の平成13年度の業務実績について

木村委員長:それでは、早速でございますが、日本貿易保険の13年度業務実績について ご説明お願いいたします。

荒井理事長、よろしくお願いいたします。

荒井貿易保険理事長:日本貿易保険NEXIの理事長の荒井でございます。昨年の発足以 来、評価委員会の先生方にはいろいろご指導いただいておりまして、ありがとうご ざいます。お礼を申し上げます。

資料の2「日本貿易保険の13年度の業務実績」ということでお手元にお配りし てございますが、時間の関係上、パワーポイントを使ってお話しさせていただきた いと思います。先生方のお手元には、「2001年度のNEXI」という黄色いパンフ レットもお配りしてございます。

(パワーポイント)

従来、経済産業省(通産省)で貿易保険をやっておりました。その際、お客様か ら制度が複雑である、あるいはもう少しリスクをとってほしい、むだがあるのでは ないか、経営状態がわかりにくい、こういうご批判もいただいておりましたので、 発足に当たって4つのお約束をしたわけであります。第1はサービスの向上であり ます。第2は引き受けリスクを拡大することであります。第3は効率化をすること。 第4は経営を透明にすることであります。

(パワーポイント)

第1のお約束のサービスの向上についてご報告させていただきますと、まずその 1はお客様のご負担の軽減に努めました。手続を簡単にすること、保険料体系をわ かりやすいものにする、こういうことで努力をしてきております。

(パワーポイント)

その2は、スピードの関係であります。迅速かつ的確な対応に心がけております。 NEXIとしては5つの取り組み、業務のマニュアル化から始めまして、いろいろ な取り組みを行いました。その結果、滞貨を一掃することができました。役所の時 代にはいろいろ案件がたまっており、お客様にご迷惑をおかけしておりましたが、 昨年の9月までにすべて処理いたしました。さらに、信用事故の査定期間を大幅に 短縮いたしました。役所の時代には200日程度要しておりましたが、昨年度は96 日まで縮めることができました。信用事故の回収実績率につきましても、2000年 度は13%でした。特殊要因もございましたが、昨年度は45%まで引き上げるこ とができました。

(パワーポイント)

これらのサービス向上の取り組みを評価していただくため、ことしの4月にアン ケートを実施いたしました。商社の方、プラントメーカーの方、輸出組合の方、40 社を対象にNEXIの取り組みについて評価をしていただいたわけであります。 引き受け業務についての評価でございますが、91%のお客様から速くなった、 評価できるという結果をいただいております。

(パワーポイント)

それから、保険の場合に事故が起きたらすぐに保険金を払うことが大事なわけで すが、このことについてはどうでしょうかということに対しまして、左側、無回答 53%、この方は保険料の支払いが昨年度なかった場合でございまして、実際にお 支払いをした方からは事故が起きたときに速く払うようになったということで 93%の方から評価をしていただいております。

(パワーポイント)

また、貿易保険の場合には、保険金を払った後、外国政府から回収をすることも 多くございます。その場合には、回収されたお金をお客様に速く配分することも大 事なことですが、同じように実際に配分されなかった47%の方がおられますので、 実際に回収金を配分いたしました場合には100%の皆さんから前よりも速くなっ たという評価をいただいております。

(パワーポイント)

案件の進捗管理についてお伺いいたしましたところ、58%の方から前よりもしっ かり管理して、いろいろな申し込みあるいは事故の案件、どういうことになってい るかが早くわかるようになったということで評価をしていただいております。 その3は、お客様とのコミュニケーションをよくすることに努めております。日 本貿易会を初め、東京、地方を合わせ30回近く説明会を実施しております。また、 役員レベルでもご意見をお伺いする懇談会を開催しております。ビジネスマナー研 修を受けたり、お客様相談窓口を設置したりして、コミュニケーションをよくする ように努力しております。こういう結果につきまして、アンケートでは91%のお 客様から窓口での接客態度がよくなったという評価をいただいております。

(パワーポイント)

次に、第2のお約束、引き受けリスクの拡大についてご報告申し上げます。 その1として、制度の改善に努めました。お客様の要望をできるだけ反映しよう ということでございまして、昨年4月発足に当たりましていろいろ制度を改善いた しましたが、その後6月、10月、さらにことしの4月には非常危険のてん補率も 引き上げするということでお客様に評価していただいておりますが、できるものか ら早くやるということで努力をしております。

(パワーポイント)

その2は、内外の動きに対応することでございます。NEXIは政策の実施機関 でありますので、激動する国際情勢に的確に対応してアウトカムの向上に努めるこ とが大事と思っておりますが、昨年ロシアに対する政府ミッションの派遣、あるい は中国政府の報復関税、9月のアメリカの同時多発テロ、12月のアルゼンチン危 機、こういう動きに対してお客様と相談しながら的確に対応してきております。

(パワーポイント)

その3は、営業活動の関係であります。通産省時代には営業活動ということは考 えたこともなかったわけですが、保険の場合にはやはりすそ野が広いということが 安定的な経営に大事ということで、電話による勧誘、商品パンフレットの送付、こ ういうことを行っております。

(パワーポイント)

これらの取り組みの結果、おかげさまで保険料収入の大幅アップを実現すること ができました。2000年度においては329億円の保険料収入でございましたが、2001 年度は421億円と28%アップすることができました。

(パワーポイント)

各国の保険機関と比較したとき、昨年の9月11日の米国同時多発テロ事件の影 響などで各国の保険機関ともに厳しい経営環境にございますが、NEXIの保険料 収入の伸びが注目されております。

(パワーポイント)

お客様にNEXIとして「リスクの引き受けはどうですか」とお伺いいたしまし たところ、85%の方から前よりもリスクの引き受けをきちんとするようになった という評価をいただいております。

(パワーポイント)

第3のお約束は、効率化であります。 その1は、組織の改善と効率的な人員配置であります。独立行政法人の特色であ る自由度の高さを生かして、これらの改善に積極的に取り組みました。

(パワーポイント)

その2は、研修の充実であります。職員の専門性の向上を上げることがお客様へ のサービス向上のためにも一番大事なことでありますので、研修費補助も充実させ、 結果として多くの職員が受講し、成果が上がってきていると思っております。

(パワーポイント)

その3は、コンピューターシステムの効率的な開発であります。当初の年度計画 では、次期コンピューターシステムの開発を保険料体系の簡素化を軸とする抜本的 制度改善の検討と同時に進めることにしておりました。しかし、検討を進めるうち に、このコンピューターの開発と制度の改善を両方一緒にやった場合にはシステム の手直しなどリスクが生ずることが判明いたしましたため、開発スケジュールの見 直しを決定いたしました。

(パワーポイント)

その4は、業務費の効率的な利用であります。経済産業大臣からは業務費率を 18%以下にするようにとの目標をいただいておりますが、昨年度は保険料収入が 大幅に伸びたこと、システム関連費の2002年度以降への繰り延べをしたこと、こ ういうこともございまして業務比率を11.2%まで引き下げすることができました。 しかしながら、2002年度以降はコンピューターシステムの開発にお金がかかった りいたしますので、このような低い業務比率を維持することは困難ではありますが、 業務比率をできるだけ低くおさめるように努力をしてまいりたいと思っておりま す。

(パワーポイント)

第4のお約束は、経営の透明化であります。

その1は、透明性の向上のため、積極的な広報活動を行っております。説明会の 開催のほかホームページの充実に努めておりまして、コンテンツも増大いたしまし て、データ量も3倍以上にふやしております。お客様からも、広報活動についても 91%の方からよくなってきているという評価をいただいております。

(パワーポイント)

その2は、企業会計原則を徹底して適用することであります。月次決算を開始し ておりまして、現在監査法人による監査を受けておりますが、こういうことによっ て年度決算をきちんと行っていきたいと思っております。

(パワーポイント)

以上ご説明してまいりましたNEXIの1年間の取り組み全体について、お客様 の総括的な評価は、91%の方からNEXIは前よりよくなってきているという評 価をいただいております。

(パワーポイント)

こういうことで1年度努力してまいりましたが、さらなる飛躍に向けて努力をし てまいりたいと思っております。このため、全職員参加のもとに議論をいたしまし て、ことしの4月、経営理念、経営方針、行動指針を定めました。

(パワーポイント)

経営理念といたしましては、NEXIは市場の変化を先取りして、お客様のニー ズに的確に対応すること、効率的かつ効果的に実施すること、こういうことを通じ まして日本の経済社会に貢献してまいりたいと思っております。

(パワーポイント)

経営方針といたしましては、第1は、NEXIは国民生活の安定及び社会経済の 健全な発展に資することであります。

第2は、お客様中心主義に立ち、お客様の満足度の向上と強い信頼関係の構築を 目指します。

第3は、的確なリスク管理を通じて長期的な発展を目指します。 第4は、自由闊達で活力のある社会に誇れる職場にしたいと思っております。

(パワーポイント)

職員・役員の行動指針といたしまして、NEXIのSPIRITを決めました。 Speed、Professional、Integration、Reformation、IToriented、Transparency、こ の6つを行動指針として努力をしてまいりたいと思っております。

(パワーポイント)

これらを踏まえまして、職員の意識改革や新しい組織文化の醸成に積極的に取り 組んでまいります。2002年度も職員全員が一丸となって、お客様中心主義に立っ た質の高いサービスを提供するよう、さらなる飛躍を目指して努力するつもりであ ります。

どうぞ先生方、今後ともよろしくご指導をお願いいたします。ありがとうござい ました。

木村委員長:ありがとうございました。

それでは、岩村分科会長、分科会の議論につきまして補足いただけますでしょう か。

岩村委員:岩村でございます。分科会という観点からご報告申し上げます。

NEXIの13年度の評価につきましては、4月19日に分科会を開催して議論 を行っております。また、それ以前、2月にも懇談会という形で分科会委員同士で どういう観点があるだろうかという議論を行っております。それなりにNEXIの 経営については分科会としても把握しておるつもりでございます。

NEXIの事業の実施状況という観点で申し上げますれば、貿易保険というのは やはり保険事業でありますので数字が出ます。引き受け実績という形も出ますし、 あるいは経費という形でも業務費率というような形で数字が出てまいります。そう いう数字をみれば明らかなことでありますが、「極めて」とつけてよろしいと思い ますが、極めて良好な成果が出ております。それから、数字にあらわれない経営の スタンスであるとかお客さんの評価という観点でも高い評価を得ているということ は、まず私も含めて分科会委員全員でそれなりに議論をし、あるいは実態を調べさ せていただいた上で評価しているところでございます。

ただ、問題は、これを今年度の評価という形でどのように考えるべきかというこ とでございまして、この部分についてはなお分科会の中の議論としても完全に詰め 切れておるわけではございません。

独立行政法人という制度は、ややもすれば冷ややかな視線の中でスタートして、 ほかの独立行政法人の様子も同じようだと思いますけれども、私が分科会長を務め させていただいております日本貿易保険でも、独立行政法人化したことの評価は着 実に上がっておりますし、そのことは臆することなく主張してよろしいと思います。 ただ、独立行政法人化するということは、いろいろな意味で創意工夫を生かす努力 が自由にできるようになる、あるいは新しい外部の人材を入れることができるよう になる。そのためにコストをかけて独立行政法人という制度に踏み切ったわけであ りますので、独立行政法人化したことによる改善というのは、こういう言い方をし ては差し支えがあるかもしれませんけれども、あって当然と考えてよろしいかと思 います。

独立行政法人の私どもの分科会の評価というのは、独立行政法人という制度を評 価するのではなくて独立行政法人化したNEXIの経営を評価するわけであります ので、その意味では初年度で非常にいい数字が出ているということはしっかりと評 価いたします。私ども、A、B、C、D、Eという5ランク評価ということを前提 にしております。Cが中間で動かずであります。直ちにAやBという評価をさっと 出せるという性格のものではないかもしれないということは、分科会の中でも大分 考えておるところでございます。

1つは、経済産業省の時代は役所であります。役所と独立行政法人の成果を単純 に比較してよいかどうか、これはまだわかりませんし、またむしろきょう後半で懇 談があるということでございますので、そこでの議論も踏まえまして、分科会に評 価の指針という形で持ち帰らせていただくというのが私の仕事であろうかと思って おります。

なお、業務の実態についての考え方という点でいえば、特に貿易保険は業務をもっ ておりますので数字が出てまいりますが、それを短期的に取り扱うというわけでは なくて、あるいは体制の整備という観点でも、体制が整備されてよかったというの ではなくて、それが定着していけるかどうかということ、もう1つはそれが実際の 本当の成果につながっていけるかどうか、この2つの観点から少し長いスタンスで 慎重に評価をしていく必要があると思っておりますので、後半の議論の成果も踏ま えまして、評価全体は分科会でもう一度議論をしたいと思っております。

木村委員長:ありがとうございました。

それでは、日本貿易保険につきまして、全般的なご質問、ご意見等ございました らお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。どうぞ、鳥井さん。 鳥井委員:全くとんちんかんなことを質問するかもしれないというおそれがあるのですが ……。よくやられてるなという気はしますが、余りよくやると通常の保険でカバー できるところまで仕事の範囲だよといずれ言い出したりすると、これは若干本来の 目的から外れるのだろうという感じがするのです。そこまで心配する必要はまだと てもないということかもしれませんけれども、その辺をどう考えているのかという ことがちょっと気になるのです。

木村委員長:いかがでしょうか。

荒井貿易保険理事長:今ご指摘の点、私ども、国から出資していただいている独立行政法 人ということで、自分の役割をしっかりしていくことが大事だということだと思い ます。現在私どもができることにつきましては貿易保険法という法律で限られてお りますので、先生ご指摘の点、問題はないと思いますが、よくそこは頭に入れて、 民間の保険会社でできることは民間でやっていただくということでございます。 では具体的にはどうするかということで、もちろん法律に書いてあるのですが、 同時に私どもも民間保険会社といろいろ相談、コミュニケーションしておりまして、 民間でカバーできずにうちでやった方が日本の企業全体としていい部分がございま す。そういう協力の関係はどのようにつくったらいいだろうかという話し合いを始 めておりますので、先生ご指摘の問題が起きないように、よく気をつけてやってい きたいと思っております。

木村委員長:どうぞ、佐藤先生。

佐藤委員:1年間でこれだけの成果が上がったということは大変うれしくなります。いろ いろ努力なさったということは先ほど伺いましたが、1年間でこれだけ変われたと いう理由はどのように……。

荒井貿易保険理事長:十分変わったかどうか、まだまだ反省をしている最中ですが、今ご 指摘の点、やはり独立行政法人になるのだということで、職員約180人おります が、そこでみんな意識を変えたということが大きかったと思います。全部意識を変 えようじゃないか、とにかくできるだけ違ったところでビジネスの感覚でいこうと いうことで、私たちは神田に移りました。やはり一番大きかったのは意識を変えた ということだと思っております。

それから、岩村先生には大変いろいろなことでご相談に乗っていただきまして、 変わるためのご指導を分科会の方からしていただいたということだと思っておりま す。

それから、発足の前から、実は日本貿易会・宮原会長のところからも、役所はこ んなに悪いということをいっぱいお手紙でいただいていまして、これは非常に参考 になって感謝しております。そういうことに対して、昔役所にいたときなら役人の 弊で必ず反論するということをやったのですが、そうではなくて、これは温かいお 客さんからのむちというか、このように変わればお客さんとよくなるということで、 出していただいたことが非常にありがたくて、発足の前からどういう仕組みにした らいいかということで相談させていただいていました。実は商社の方にも銀行の方 にも私どものところに来ていただいて、できるだけ民間的な経営を中からも変えて いこうという努力をした点も、もしよく変わったということであればそういうこと かと思いますが、そういう努力をしているという報告でございます。

木村委員長:ありがとうございました。

ほかにございませんでしょうか。宮内さん。

宮内委員:質問なのですけれども、資料の後ろにバランスシートと損益計算書がついてお ります。保険料が入りますと責任準備金を積み増すということになるわけですが、 どちらにもこれが入っていない。そういう意味では、企業会計でみた場合の貿易保 険はどういう収支になっているのか。全く企業会計と違う決算のやり方なのかなと 思う点が1つです。

それから、もしここにございますような事業として利益が上がっていて、民間も 保険業をやっているということであれば、将来図として独立行政法人でやる必要が あるのかどうかというような展望については何かもっておられるのか、その辺をお 聞かせいただければと思います。

木村委員長:お願いいたします。

荒井貿易保険理事長:今ご指摘の第1点、今ここに決算整理前の損益計算書と貸借対照表 をおつけしてありますが、この中で支払備金、戻入額とか繰入額とか入っていない のは初年度だからということでございまして、新しくスタートいたしましたので、 初年度の部分について責任準備金に入れたり、それを今やっておりまして、次回に ご報告するときの決算書においては、保険でございますので事故が起きて払わなけ ればいけないものの支払備金、経過期間前の責任準備金、こういうものをきちんと 積んで民間と同じように決算をするということで、今、監査法人からも指導を受け ながらやっております。

第2点の将来展望でございます。現在このことをして将来どうなるかということ については、これはもちろん日本全体でお決めいただいたらいいと思っております が、いろいろな国で、最近ですとアルゼンチンで急にお金を払ってこなくなるとか、 数年前ですとインドネシアとかいろいろな国で政府としてお金を払えなくなる、非 常にリスクが大きいわけでございます。そういうこともありますので、各国とも政 府が関与してこういう輸出保険はやっております。ただ、民間が発展していった場 合にはどのようになっていくか、これはみんなでお決めいただいたらいいと思って おります。私ども、各国の様子をみる限り、やはり国は国で関与してきちんと日本 の経済界の方が外国に輸出をしたり海外に投資をする安全装置として必要なものは あるのだろうなと思っておりますが、では具体的にどこまでやるかということにつ いては、今後皆さんのご意見で決めていただいたらいいと思っております。

木村委員長:よろしゅうございますか。どうぞ、梶川さん。

梶川委員:このご説明の中に引き受けリスクの拡大という部分があって、15ページあた りにそれに関連した制度改革もございます。引き受けリスクの特に今回拡大のター ゲットとなる部分についてと、例えばロスレシオ等の将来に対する見込みなどは保 険ですからわからないのでございますが、以前、国がやられていたときと今回のリ スク拡大がどのような形の損益構造になられるかというシミュレーションみたいな ものは何らかの形で行われているのか。

また、そうしたロスレシオの悪化のようなものを例えば業務の効率改善の経費率 のようなものでカバーができるとか、明らかに国でやられていたときにかなり資金 余剰というか、パフォーマンスに余剰があったので、その分を公益的に今回引き受 けリスクを拡大し、ないしは引き受けリスクを拡大してもロスがふえないというよ うな分野が何かあるのか、その辺あわせてお聞きしたいと思います。

荒井貿易保険理事長:第1点、引き受けリスク、保険ですからリスクを受ける、安心を提 供するというのが仕事でございまして、全部受けると今度はうちがつぶれてしまう ということで、この辺の兼ね合いが難しいわけです。

特に最近、独立行政法人発足に当たってお客様から要望が強かったのは、各国で IMFの指導もございまして政府が借金をふやさない。すなわち政府の保証をつけ るものをなくして、できるだけ各国とも民間で発電所をつくったり、そういうこと をやろうということになってくる。これは私どもの言葉で政府保証なしの信用案件 といっております。従来、相手政府が保証してお金を借りて鉄鋼プラントをつくっ たり道路をつくったりするのでしたら、相手政府がもう外貨送金とめますといった ときに事故になるわけで、非常危険といっております。こういうものをだんだん今 度は民間でやってくれということになって、信用危険、こういうものが一番多くなっ ておりますので、信用危険のものにできるだけカバーしていく。プロジェクトファ イナンスとか、日本語でいうとPFIのような形のものに対して保険としてカバー していくというのがお客様からの要望で、非常に強いものですので、私ども、そこ をできるだけ拡大していこうということを1つのターゲットに入れております。 ただ、これは逆にいうと非常に難しくて、全部受けてしまうと今度はうちが危な くなるので、この辺を専門家とも相談しながら、どのくらいまで受けられるかとい うのがターゲットの1つです。

もう1点は、さっきご報告いたしましたが、非常危険のてん補率を100%に上 げるというのは、例えば従来でしたら、インドネシアでもいいのですが、アフリカ の国にお金をプラント輸出したときに、97.5しか私たちは保険をみませんと。そ うすると、2.5%の分は商社の方に負担していただくのですが、今それを延べ払 いでパリクラブリスケジュールということで、繰り延べなんかをやるときには大体 25年とか30年とかかかったりするのですが、そういうものを2.5%分それぞれの 会社でみていてくださいというと物すごく手間がかかって大変というようなこと で、そういう手間のかかるものは国がかわりにカバーしてほしいというような要望 が強くございましたので、私ども、そういうところもうちとしてリスクを拡大する ものの1つかなと思ってやりました。

それから、今後のロスレシオはどうなるかというのは、この貿易保険、毎年もう かるなら国でやる必要はないということですし、毎年損するなら何で国がやってる んだといわれるのですが、貿易保険の考え方は長期的にはバランスをとりなさい 長期の収支均衡といっておりますが、そういう考え方でやるということで、相手の 国も長い間にはよくなったり悪くなったりするわけで、私どもは中長期的にきちん とバランスがとれるようにしようということを目標にしております。

ご指摘のような今後こういうリスクを拡大していったときにどのようになるかと いう頭の体操を始めたのですが、率直に申し上げますとまだきちんとした数字でシ ミュレーションするという段階まで至っておりません。ただし、リスク管理は非常 に大事な仕事になっておりますので、今度はうちとしてのリスク管理の研究が重要 でありいろいろ専門家の意見も聞きながら頭の体操を始めて、行く行くはシミュ レーションまでもっていきたいと思っております。

木村委員長:ありがとうございました。 それでは、まだご質問等あろうかと思いますが、時間の関係もございますので、 次へ進ませていただきます。

(2)産業技術総合研究所の平成13年度の業務実績について

木村委員長:次は産業技術総合研究所でありますが、吉川理事長からご報告をお願いいた します。よろしくお願いいたします。

吉川産総研理事長:それでは、お配りしてあります資料の中に3-1というのがございま す。これは何が行われたか、どういう結果が得られたかというような事実に基づい た簡略なアブストラクトでありますけれども、それについてご説明します。その前 に全体的なコンセプトについてのご説明をさせていただきたいと思います。 産業技術総合研究所というのは産業技術を総合的に研究する研究所ですが、今度 この1年間何か起こったのかということで、大きく分けて2つの側面を考えておか なければいけないと思いまして、それを最初にちょっとご説明します。

1つは独立行政法人化ということで、これは我々にとって一体何だったのか。こ れはもちろん国の機関、国のお金で運営するものですから、基本的には社会一般か ら負託された仕事としての産業技術の基礎研究を行う場所ということでありますけ れども、同時に法人格をもつというわけですから、研究所の経営の責任を任された ということだと思います。具体的には組織、人事、予算執行等、大幅な自由度が与 えられたということで、そういう中で今まで通産省がやっていた経営を法人自身が やるという問題になってきたというわけです。そこで、我々の経営のデザインとい うことについて、どういう基本的な理念をもったかというのを、この際ちょっと明 らかにしておく必要があろうかと思います。

最初のデザイン原理とでもいっていい非常にシンプルな話であります。15研究 所があったわけですが、それを合体して正規職員3,200名、そのうち研究員2,500 人、それに加えて訪問研究員、ポスドク等を入れると合計五千数百人の研究者を抱 える大きな組織になったわけであります。組織論的には従来と違うやり方をとった ということをまず最初に申し上げたい。それは従来ですと、これは大学も同じです けれども、何々研究所、どういうミッションをもたせるのであるから、こういう仕 事が必要なんだというので、いわば組織図をつくる。その組織図をつくった中に人 を探してきて一つ一つのポストに人を当てはめる、こういう組織原理が一般だと思 うのですが、我々はそうではなくて、2,500人あるいは5,000人の研究員がここ にいる。それは全く組織がないわけです。その5,000人が最もよく能力を発揮で きるような組織を考える。これは結果的にはスタート時には54の研究ユニットを つくるということに決まりました。54のユニットに一人一人ユニット長というの をつけて、そのユニット長が平均50人ぐらいの一つ一つの研究ユニットの研究上 のオートノミーをもつということであります。そして、そのユニット長と私理事長 が対峙することによって所全体の研究の方向性を決めていく、あるいは研究所のあ り方をユニット長を通じて各研究者に流していくという構造をつくったわけであり ます。

もう1つの問題は、産業技術って一体何なのか。産業技術というのは日本の大変 強い部分だといわれていたのですが、これはいわば社会的な誤解もあって、私は十 分な考え方がなかったような気がしているわけです。実は産業というのは社会に富 をつくるほとんど唯一の装置。研究は幾らしても富にならないわけですから、それ を具体的な産業というところにもっていくことによって富が生まれてくるわけであ りますけれども、富をつくる装置としての状況が現在地球上でうまくいっていない、 すなわち最貧国の生活水準向上ということでうまくいっていないということもあり ます。一方で産業が向上すれば環境が乱れてしまうという、いわばサステーナブル・ ディベロップメントという非常に難しい問題を突きつけられているという状況の中 で、私たちは新しい産業技術をつくりながら、最終的には維持可能な開発に貢献す る、しかし同時に日本のプロスペリティーもつくっていく、こういう非常に多重の 目的を担わされているということであります。

そういったことで5,400人の研究者たちが同じ思いをもつというのが多分研究 の効率を上げるための重要な条件であろうということになるのですけれども、実は 科学技術が富をつくる仕組みというのは各国とも模索していて、必ずしも成功して いないわけです。そういった意味で産総研モデルというものをつくったわけであり ます。

それは何かというと、基礎研究があって、その基礎研究を使って産業化をする、 富をつくる産業にそれを受け渡していく、このように考えるのですけれども、実は 基礎研究の成果を産業化可能な知識にまで仕上げるまでに大変重要な知的作業が必 要である。それを私は第2種の基礎研究と呼んでいるわけでありますけれども、こ の部分が我が産業はやや欠落していた、特に成功したといわれていた製造業で見落 としていたという面があると思います。

私たちはよく基礎研究ただ乗り論というようなことをいわれたとか、いうとかい う時代があったわけでありますが、この言葉の中には大変大きな錯覚がありまして、 私たち日本は基礎研究にただ乗りしたのではなくて、基礎研究の次の第2種の基礎 研究まで終えた産業化直前の、あるいは産業として製品化した卵みたいなものを もってきて、それをブラッシュアップして国際競争力をつけたというのが70年代、 80年代の大成功の原因だったわけで、実はその第2の基礎研究が欠落している以 上、これはある意味では基礎研究を幾らやっても富をつくることができない。しか も、製品の卵は世界にないわけです。そういう意味で産総研というところは第2種 の基礎研究を中心に担う研究所として位置づけようということであります。

さて、そこでこちらの紙についてごく簡単に説明を続けてまいります。これはペー ジ数が多いので、飛ばしてご説明いたします。

まず2ページをごらんいただきますと、ここに「産総研のミッション」と書いて ありますが、実は産総研というのは伝統もあり、抱えている人間をみると、基本的 にはこのような3つのミッションをもっていると位置づけるのがいいし、また今後 の我が国の産業についても非常に重要だと。第1は、まさにイノベーションを推進 するための先端的な研究であり、これはITだったり、BT、NTというような分 野です。

2番目は、環境あるいはエネルギーというような、将来の人類にとって、あるい は将来の行政ニーズにとって極めて重要なもの、ただし現在はまだ市場というよう な形では生きることができない、そういった技術を私たちは地球の将来に関するシ ナリオに基づいて研究をする、すなわちシナリオ駆動型の技術研究をやる。これを 受け持つ一群の人がおります。

3番目には、科学基盤研究と呼んでおりますけれども、研究を行うための必要条 件としての道具立て、例えば数学というのはその典型的な例であります。数学だけ ではなくて計測標準、計算機の技術、さらには最近出てまいりました計算科学、そ ういったものをひっくるめて科学基盤と呼んでもいいと思います。数学はここでは やりませんけれども、計測以降はその部分としてこの研究グループをもっている。 この3つのミッションを柱にしておりまして、我々はどの部分の研究をやるのか ということです。本格研究という呼び名でいっておりますが、それは一番下に書い てありますように、基礎から応用に至る連続的な研究フェーズを有することによる 独自の基礎研究とそれに基づく独創的な技術といっているわけです。コヒーレント な研究組織を各ユニットがもつ。すなわち1つのユニットの中には基礎研究をやる 人もいるしベンチャーで飛び出す人もいるのですけれども、それが1つの技術思想 ということで統一されているものをユニットと呼び、したがってユニット長は自立 性のある思想家を私は要求しているのです。オートノマス・シンカーというので しょうか、そういう人間であることを要求しているわけです。

次の3ページにありますように、これが第2種の基礎研究といわせていただいて いるもので、先ほどいったように、基礎研究によって得られた知識と産業化までの 間に、それを今度は合成していくという従来の分析型の基礎研究ではない合成型の 基礎研究が存在する。

なぜ基礎研究かというと、第2種の基礎研究と呼ばれるこの部分でやった仕事は、 従来は研究論文の生産性も悪いし、研究費も余り出ないし評価も受けないというこ とで、「悪夢の時代」と私は呼んでいるのですが、それをむしろ評価する。すなわ ちこの経過を経たものは、生まれてくるものは製品だけではなく、そこの努力を知 的な1つの体系として次世代に残す。そういう意味で、私はこれを第2種の基礎研 究と呼んでいるわけです。そういったものにあらしめるということをここではやっ ていこうというわけです。そういう意味で、産総研は各ユニットとも第2種の基礎 研究に重要性を置こうということです。

さて、このような考え方をどのようにして普及していくかということですけれど も、それは4ページに書かせていただいております。「内部コミュニケーション」 とありますけれども、とにかく数千人という人たちに同じ思想をもってもらうため には非常に大きな努力が要るわけで、ここにありますように、基本的には理事側と ユニット長のコンタクトを密にする。ここに書いてあるようなさまざまな形でコン タクトをすることを努力しておりまして、そういうものを通じて明らかにしていく。 また、後ほど述べるような研究費の配分等によってもそれを明らかにしていくとい う努力をしております。

さて、6ページにまいりまして、これが組織改編ということです。実は先ほどユ ニットが五十幾つといったのですが、現在のところ58の研究ユニットがございま す。そのうちの特定の課題解決のための研究センター、それから技術シーズの発掘、 中長期的な点から研究を進める研究部門、それからセンターの卵みたいな研究ラボ、 この3つのカテゴリーに分けておりますけれども、昨年度1年の間に既に3つの新 しいセンターを設立いたしました。さらに、ラボは4つ設置して2つのラボを廃止 した。こういうことで、ごらんいただきますとわかりますように、五十幾つかの中 で毎年これくらいの数が新しく生まれ、さらに廃止されていくということで、いわ ば研究の重心は常に移動していく、そういうアダプティブな組織構造をもっている ということを指摘しておきたいと思います。そして、社会のニーズにこたえていこ うというわけです。

7ページにありますのは研究予算の問題であります。理事長裁量予算枠を設定し たということで、上から4行目にありますように、交付金等充当研究費220億円 のうち80億円を理事長裁量予算にいたしました。それをどのように配ったかとい うと、35億円は先ほど申し上げたような新しい分野の展開に投資し、45億円とい うのは、いろいろな制度をつくったのですけれども、例えば一番上は「萌芽的研究 のための内部グラント」ということで、これは内部で公募のような形にいたしまし て、そして芽のあると期待されるものに配るということです。こういったことを通 じまして我々の考えていることが研究者に伝わる、すなわち配るお金の上にメッ セージが乗っているということです。ですから、ただお金をばらまいてしまうので はなくて、お金にも意思をもたせて全体の意思統一を図っていこうというような努 力もしているわけです。

8ページにございますように、人材についても従来の考えを変えました。ごく簡 単にいうと、こういう公的な機関では定員という概念が極めて重要で、私も大学時 代、工学部から理学部に数百人の人がいるのですけれども、1人定員を移すために 5年かかったという経験をもっております。そういう定員というのは非常に邪魔に なります。そういうことで、ユニットからある1人の人がやめても、そこに定員が あるという概念はないので、3,000人いますと毎年約100人近くの人がやめてい きますけれども、その100人は全部私が受け取りまして、その100人を使って新 しいセンターをつくったり、あるいは元気のいいセンターに人をつける。定員は経 営方針に従って配分するということにいたしました。先ほどいったように、組織が そのまま毎年大きく変わっていくという構造が、名前だけではなくて結果的に人員 の配置ということで変わっていくということであります。

採用は、もちろんセンターにおいては配られた定員を使って自分のニーズに合っ たものを採用しますが、それ以外は一括採用する。これが最初に申し上げた人がい て組織をつくるというやり方。すなわち優秀な人で産業技術研究やりたいという人 さえ集めておけば、組織はむしろ結果として決まってくるのだという考えに立って いるわけであります。

それから、重点投入例として計測標準、ライフサイエンス等ありますが、先ほど いった3つのミッションのそれぞれについてバランスを考えながら投入していると いうことです。

次の9ページにまいりますと、これは外部の招聘を自由に行おうということで、 研究者における流動性を我が国の中で増していくための1つの拠点として役に立と うという考え方もあるわけです。従来は産総研から大学に出る人が非常に多かった のですけれども、大学から産総研に入ってくる人が少ないというやや一方通行の面 があったのです。しかし、昨年度は大学から産総研へ来る人が17名と数倍にふえ たというようなこともあります。企業から産総研も9名ということで、我々のとこ ろを拠点にして流動が始まっているという気もいたします。

下に書いてありますのは今度はユニット間の人の移動でありまして、71名が発 足以来この1年間にユニット間を移動しました。これは当然ユニット改廃があった ので結構数が多くなっていますが、改廃でなくても、あるユニットから別のユニッ トに移って研究したいという若い研究者は、申し出て私が許可すればそれでオー ケーだということにします。その場合、出ていかれるユニット長には「出ていっちゃ 嫌だ」という権限はない、このようにしたわけです。

17ページに飛んでいただきますと、技術移転。先ほどの本格研究、これはフル リサーチと英語でいいますけれども、フルリサーチをするために各ユニットは非常 に基礎的な研究をするのですが、必ず各ユニットは産業への接点をもたなければい けないということも義務づけております。そういうことでパテントポリシーとして は特許出願を論文発表と同等の位置づけにするというようなこと、あるいは具体的 に知的財産をどうすればいいかということを所としていろいろノウハウをつくりま して、それを各研究者が身につけていくというような方法、さらに技術移転につい てもそういう方法をとらせていただきます。そして、具体的には知的財産部を設置 するというようなことで、事実、各研究者を指導してもらって特許をとっていくと いうようなことが行われております。

それから、知財権については機関帰属化にして、これを実施を容易にするという ようなことをやっているということ。

それから、インセンティブとしては、下の方に書いてありますけれども、25% を研究者に還元するということで、13年度の成果はそこにあるとおりです。

ベンチャーが18ページに書いてありますけれども、ベンチャーも非常に私ども は重要だと考えているわけで、ベンチャービジネスをどんどん我々の中から出して いこう。各ユニットは常時ベンチャーが出られるようにしよう。そして、真ん中辺 に書いてありますが、ベンチャーリーブ制というものをつくって、ベンチャーをや ろうという人はしばらく休暇で休んでいいんだというようなことで、復帰まで認め る「ベンチャー退職制度」の創設も検討中ということです。

これは私個人の考えなのだけれども、今まで若者にベンチャーせい、ベンチャー せいという例の日本人の大人の無責任という状況がある。そうではなくて大人がみ ずからベンチャーやれということで、五十数人のユニット長には自分でベンチャー をやるぐらいの気でいろということを要請しているわけです。大人がベンチャーを やることによって、日本という環境がベンチャーをやるのにどういう問題点をもっ ているのかというのが明瞭になってくるであろう。若者ですと成功するか失敗する かだけなのですが、そういう分析的な能力のある大人がベンチャーをやることに よって制度を変える、社会的な習慣を変える、そのように貢献しないとそういう環 境ができてこないだろうと思うわけです。アメリカでは1970年代に大人のベン チャーというか、立派な研究者、大学の教授がベンチャーをやったというのが先駆 的にあって、若者が非常に大きなベンチャーとして動き出したという例もあるわけ ですので、我々もそのようにまじめに取り組むべきだということをいっているわけ であります。既に産総研にもベンチャーの実績があるということも書いてあります。 19ページでありますが、これは共同研究・受託研究ということで、この数字に ありますように大変急速にふえているということ。

それから、新しいタイプの共同研究を考案しました。これは包括的共同研究とい うことで、具体的には三菱化学とやったのですけれども、双方が1億円ずつ負担し まして、5年間の予定で研究プロジェクトの形をつくります。そういう中に今度は 内部公募をして産総研の研究者がその研究プロジェクトをこうやりたいと希望をし て、そして結果的にできる。すなわち研究者が自分で交渉するというよりは、研究 費の傘をつくって、そのもとで自由に研究できる。すなわち研究者のオートノミー と産官学共同の1つの折衷的な形も考案しているわけです。

20ページになります。産総研をプラットフォームとする大型の産学官研究もこ れから始めるということで、実は我々は次世代半導体研究センターというセンター があるわけですが、そこではMIRAIという産総研固有のプロジェクトに加えまし て、「あすか」「HALCA」という民間企業による研究も行うということで、いわば 研究拠点に産総研の人と産業の人が集まってまいりまして複数の研究プロジェクト が進行する、一種の村をつくるというような形で研究者の結集を図る、そういうプ ラットフォームを提供するというようなことも試みているわけです。

そういうことで1年間さまざまな試みを始めると同時に、これからの課題を今考 えているところでございますけれども、いわばつくりました研究経営のコンセプト をすべての研究者が共有するということにさらに歩を進めなければいけないだろう と考えていること。

それから、今お話は申し上げなかったのですけれども、実際には研究といっても 産業技術研究というのは大学にもたくさん研究者がいるわけで、大学等を含めた他 の産業研究とのネットワークを通じまして、ここで申し上げたフルリサーチも産総 研の内部に閉じずに社会的な1つの構造をつくっていこうということ。

それから、日本の企業、製造業、特に技術にかかわりある製造業を中心とした産 業は、ここで申し上げましたのはフルリサーチ・ベースト・インダストリー、要す るにみずからの研究で第2種基礎研究も経て、すなわちだれからも文句をいわれな い、こういう技術開発から産業化までというのをフルスケールで日本の産業がもて るようになることが、いわば日本の産業が自立するための必要条件であろうと考え ております。

さらに、先ほど途中でシナリオオリエンテッドというようなことをいったのです けれども、我々のもっている技術が将来社会にどういう影響を与えるのかというこ とをいろいろ洞察した上で技術研究の方向を決めるという意味で、私たちは社会と 技術の関係を深く考える必要があるだろう。そういうことで社会技術というような 観点での研究ユニットも我々の中にもつべきではないかというような検討も始めて おります。そんなことで……。

木村委員長:ありがとうございました。

産総研の分科会は本日午前中行われまして、第1部では吉川理事長からただいま のような詳しいご説明をいただきまして、それに対して質疑応答を行いました。第 2部では4つの研究ユニット、生命情報科学、界面ナノアーキテクト、化学物質リ スク管理研究、計測標準研究、この4つのユニットからプレゼンテーションをして いただきまして、それについての質疑応答を行いました。

前半の部については、吉川先生の定義による第2種の基礎研究を中心にした運営 については大変評価をするというご意見が多く出ておりました。ただ、このコンセ プトをどう末端にまで浸透させていくかというのが今後の課題であろうというご意 見もございました。

それから、地域センターの存在がややはっきりしないというご指摘もございまし た。これについては、理事長から地域センターの研究員の皆様にはつくばが後ろに いつでも控えているというようなことをちょっと強調し過ぎた嫌いもあるというお 答えがありましたが、いずれにしても地域センターをナショナルセンターとして独 立性をもたせるということでやっていきたいというご返答がございました。

メーカーの方から、第2種の基礎研究の意味はわかるのだけれども、実際にメー カーの側からすると産業化できるかどうかというのはマーケットの関係ではないか というご指摘がございました。すなわちスピードだとかコストだとか、そういうと ころで産業化が成功するかどうか決まるのではないかというご指摘です。この辺に ついては明快な解答はございませんでした。

それから、4つの研究ユニットからのプレゼンテーションに関しましては、生命 情報科学、界面ナノの分野に関しては非常に研究がうまくいっているという報告が ありましたが、これは多分異分野の研究者の融合が可能になったからだろうという ことで、これについては委員の方からも賛意が表されておりました。 計測標準のユニットに関しましては、先端研究と標準の供給といういわば全く対 峙するような業務を同じ研究者が行っているということで、その苦労話がございま した。委員の間からも、ルーティンの業務と先端研究については評価基準を明確に 変えないといけないのではないか、というご指摘が出ております。

まだ評価を具体的にどうするかということに対しては議論がなされておりません が、出ました議論の主なところをご紹介すると以上のようなとおりでございます。 産総研のただいまの理事長のお話に関しましてご質問等ございましたらお願いし たいと思いますが、いかがでございましょうか。

永田委員:新しい組織のあり方で、多分これはほかの大学にもかなり影響を今後与えてい くなと思っているのですけれども、お尋ねしたいのは2点あります。 1点目は、多分これはこの資料の14ページの中身だと思うのですが、内部にお けるチェックといいますか、内部評価のやり方、つまり運営なり研究成果に関して プレ評価とか短期評価とか長期評価、この辺の基本的な考え方と今後どう評価をつ くっていくのか。今委員長からのご報告にもちょっとあったのですが、内部におけ る評価をどのようにやろうとしているのかというのが1つ。 もう1つは、先ほど他大学との研究ネットワークというお話があって、業務の効 率化は後ろの方に資料があるのですが、研究の効率化のようなところについてはど うお考えなのかという2つをお聞きしたいと思います。

木村委員長:お願いします。

吉川産総研理事長:評価のことについては、時間の都合で全く飛ばしてしまって申しわけ ありませんでした。評価は非常に重要視しておりまして、研究の評価は、ここにご ざいますように、基本的には評価部というのを我々はもっているのです。そこに人 数を投入して、費用もかけて内部の評価部というのは最終的な評価をつくります。 その評価をするための基礎データとしていろいろなところから情報を集めるわけで すが、例えば各ユニットについては外部評価委員という制度をつくりまして、3名 から7名か何かの各ユニットについて専門に近い人を招きまして、書類並びに面接 を通じて評価をする。そして、ある種のフォーマットに従って評価点をつけるとい うようなことで、これはやや定量的なピアレビューを各ユニットで定期的にやると いう方針をとっております。しかし、これは外部評価ですから、内部の経営のポリ シーについてどういう関係があるのかということについては全然考慮していない。 むしろその分野におけるその分野の評価です。我々としてはそれを受けて、我々の 産総研としての経営ポリシーと合わせ、どれくらい合っているか、そういうことを すべて勘案しながら評価を下していくということで、これは大変大きな作業になっ ているということでございます。もちろんそれ以外に産総研全体としては産総研懇 談会とか、そういった幾つかの外部の人を呼んでいろいろ評価してもらっている。 多重の評価をしていただいているということです。

もう1つの外部とのネットワークということでありますけれども、これはもちろ んまだそういうことができているということではなくて、現実には各研究者が固有 にそれぞれ学会活動等を通じていろいろなネットワークができている。自然発生的 なネットワークがたくさんできておりますけれども、もう少し計画的に研究費も伴 うような形で共同研究を大学とも行っていく。幾つかの大学と産総研を結びながら コンソーシアムをつくるということで、基礎研究から応用までの先ほどのフルリ サーチの構造をつくるということはこれからの問題で、まだそこまでは着手してな いということです。

木村委員長:この産総研の組織のつくり方が大学に大きな影響を与えるだろうという今の ご発言は、全く同じ意見が分科会でも出ております。

ほかにございませんでしょうか。どうぞ、岩村さん。

岩村委員:大変大きな成果ということについては間違いないと思います。私の方の仕事も ありますのでお伺いするという感じになりますが、やはり同じく初年度で国立研究 所から独立行政法人になったということで、外部の研究者も自由に招聘できるよう になりました。何よりもすぐれた経営陣に加わっていただけるようになった。この ことによる成果はお話しいただいたとおりですばらしいことだと思いますが、独立 行政法人という制度の運営ということを考えますと、来年度、再来年度、これから 産総研の経営が続く限り、いつも組織を変えておりますという意味での評価ではな い、具体的な成果に対する軸というのが何らかの意味で必要になってくるのではな いかと思うのです。また、それが独立行政法人の経営に対する評価ということにな ろうかと思うのですが、そのあたりはどのようなご展望をおもちなのかお聞かせい ただければと思います。

吉川産総研理事長:先ほどから岩村先生の非常に深い考えになかなかついていけないので 申しわけないのですが、1つ、独立行政法人化したためにどうなったかということ は、例えば組織を全く変えずに15の研究所をそのまま残すこともできたわけです。 ですから、産総研は独立行政法人になって可能な自由度いっぱいに使って組織変更 した、これが第1点なのです。同じ研究所等ありますけれども、そのまま移行した ところもあるわけですから、それは選択ですけれども、我々は全く大きな改編をし てしまった。そうしたらここまで管理構造も研究内容も、例えば全く学際的な人が 1つのユニットに集まるということができてしまったわけですが、これは大変自由 な枠組みだったということに後で気がつくわけです。これが最初でございます。

あとは今後どうなるかということなのですが、それはもちろん初期条件として独 法化によって得られた自由度を最大限に生かしてつくったこのフラットな構造がど こまで効果するかというのはこれからの問題だと思っておりまして、少なくともそ の点で初年度は将来について大変明るい見通しが得られたと私どもは思っているの です。もちろん今後はできればまた独法から何とか法に変わってほしくない、この ままずっとやりたいと我々は思っているわけですので、今度は独法という枠の中で 自由な、先ほど申し上げたアダプティブにずっと将来これもまた従来ですと法 律で定められて、何々研究所は何人の定員をもつと決まっているわけですから、そ れはアダプタビリティーは全くないわけです。現在の独法ではそれができるように なったわけですから、ダイナミックな構造を将来にわたってインプリメントして、 先ほど申し上げたように3つのセンターを立てる、ラボをつくる、あるいは廃止す るというようなことも常時やりながら、非常にアダプティブな構造で進化していき たいと思っているわけでございます。

木村委員長:ほかにございませんでしょうか。よろしゅうございますか。どうぞ、鳥 井さん。

鳥井委員:余り答えやすくない質問かもしれません。内部で流動化されるというのは大変 いいことなのですが、公募制度というようなことで研究者の自発性による流動とい うのがかなり強く意識されているような気がするのです。そういうことをしますと 滞留する人たちがどうしても出てくるわけですね。そこをどう活性化していくか。 最初は公募して流動する人たちが活性化してくれるととてもいいわけですけれど も、そこから次の活性化を何か目指さないと……。昔どこかで聞いたことがあるの ですが、ある程度高齢化されているところもあるし、一方で雇用という問題は考え なくてはいけないことだと思うのです。その辺のこと、答えがないかもしれないと いう気もするのですが、どんな見通しで考えていらっしゃるのか。ここまでのとこ ろは割とすんなりいくかもしれないところだという感じがするのです。

吉川産総研理事長:非常に本質的なご指摘だと思います。私としては制度としてどこまで それができるかというのが第1点です。私は内部流動というのは必要条件だと思っ ておりまして、流動性をゼロにしてしまうと非常に硬直化します。したがって流動 化する。しかし、その流動化というのは、決して元気のいい人が流動しているわけ ではないんですね。出ていかれるほうからすれば、負け惜しみかもしれないけれど も、あいつは落ちこぼれだということになるわけでしょう。来るほうからすれば、 ああ、有力な人が来たというわけですから、非常にこれはアンビバレンツな状況に 置かれるわけです。むしろ元気のいい人はユニットの中でフルに発揮しているとい う人で、そっちが主体です。流動する方はあすのために流動しているので、現在は 流動したことは何もプラスにならないんだと私は思うのです。そういう精神構造を つくっていきたい。

本来はユニットの中でフルに発揮できるのが一番いいわけで、それはユニット長 にみずからを預けているわけですよね。それが理想で、硬直化したらその理想も生 きないので、そのドレインを許している、このようになっているわけでしょう。私 はそう思っているのです。そういう構造になっているわけでしょう。しかしながら、 先ほどお話しのように、それだけで十分とはまたいかない。私は流動の制度という のはそのように位置づけています。

それとは違う流動ももちろんあるわけです。新しいセンターをつくったって、ドー ンと50人いるところから十数人出ていってしまう。これは積極的な経営のポリシー に合った流動ですよね。そういう二重の流動の構造をもっている。後で述べた方は 積極的な流動ですが、最初に述べた方はむしろドレインという意味ですから、むし ろ制度のリジディティーを緩めるという効果をもっているというだけです。

しかし、それだけでは絶対にうまくいかない面があって、これは実は研究者の精 神的なというか、意識の問題もあります。こういう組織改編に対して、ある年齢に 達した人なんかは非常に苦労しているという面があるのです。もちろんそういう人 たちを切るというつもりは全くないわけで、そういう人たちもそれなりに力を発揮 できるにはどうすればいいか。

我々はキャリアの多重性を考えているわけで、例えば研究者は一生研究者でなけ ればいけないということではないのです。例えばそれは研究のマネジメントに移っ てきてもいいし、特許の整理というような形に移ってもいいし、そういうキャリア パスの多重化ということを図りました。できれば研究者もある時期には我々の本部 というか、そっちへ来て研究のマネジメントを経験したらまた戻っていく、そうい うことで将来の自分の適性を選べるような構造をつくっているのです。あるいはユ ニット間のコーディネーションということで、これは研究をやめますけれども、マ ネジメントに入るとか、そういう多様なポストをつくっているのです。そうやって 現在いる人員がまた一番うまく働けるようにしようということも図っているわけで す。それでもなおかつ矛盾は出ますよ。それはしようがないと。

鳥井委員:今のお話で4分の3ぐらいは満足したのですが、例えば研究者が研究者ではな い職へついていくというときに、量的なバランスがとれていないと実はだめなのだ ろうと思うのです。出ていく人たちに合うようなポストがないとだめなわけです。 そうかといって、そのポストを所内にたくさんつくっていくと、これは間接部門が 非常にふえてしまうという効果が出てくるわけですね。そこで考えなくてはいけな いことは、そういう人たちは外に売れるということだろうと思うのです。そういう 人たちが外に売れるためにはどういうスキルが必要なのかということを考えなくて はいけないのではないかと思うのです。一方で、例えば特許の審査をやっている人 たちは足りない。現状はどうかわかりませんが、私の知っている範囲では足りない なんていうことが話題になった。外をみて、研究ではないけれども、外へ非常にい い人材を供給していく。これも別に強制的にやる必要はないわけですけれども、 5,000人というほどの2,500人か知りませんけれども、そういう巨大なシステ ムになるとそこをよく考えないといけないのではないか。中で閉じているとどうし ても量的整合性がとれないことがあるような気がいたします。

木村委員長:ありがとうございました。よろしゅうございますか。

鳥井委員もご存じだと思いますけれども、今吉川先生がおっしゃったようにキャ リアの多様性ということは制度設計の時点からかなり考えておられて、相当その辺 は苦労されているようです。その点について工技院時代の悩みは、出ていく人が多 くて入ってくる人がいないということだったのです。ところが、先ほどご紹介がご ざいましたように、私もちょっと信じられないのですが、入りたいという人が非常 に多くなっている。そういう点では当分私は大丈夫ではないかなと思います。いず れにしても、しばらく時間がたつと鳥井さんのご指摘のような問題が出てくるのか なという気はいたします。よろしゅうございますか。

いつも経産省の評価委員会は何となく途中で終わってしまうというような気がし ますけれども、時間の関係で仕方がないかとも思います。

(3)産業技術総合研究所の役員報酬規程の改正について

木村委員長:それでは、引き続きまして議題3の産総研の役員報酬規程の改正の審議に移 りたいと思います。鹿島理事からご説明いただくことになっております。よろしく お願いいたします。

鹿島産総研理事:産総研の理事をしております鹿島でございます。時間も押しております ので、簡単にご説明したいと思います。

資料の4をごらんいただきたいと思います。役員給与規程の改正ということでご ざいますが、今回お諮りしておりますのは役員給与の引き下げでございます。その 背景をこの一枚紙で簡単にご説明したいと思います。

ご案内のとおり、産総研移行に際しましては新たな職員給与制度を導入するとい うことで、昨年度に月例給につきまして切りかえまして、今年度には昨年度の業績 を踏まえて業績給が含まれた賞与分について産総研方式に切りかえることにしてお ります。今年度、賞与について産総研方式に切りかえるわけでございますけれども、 これに伴いましてユニット長クラスセンター長とか部門長とか管理関連部門の 長、この辺に大幅な減収、年収ベースにして50~60万でございますが、そうい うことが生ずることになってまいりました。

この理由は、ややテクニカルでございますけれども、従来、公務員方式ですと、 賞与のベースにいわゆる月例給分に加えましてここにございます役職段階別加算額 とか管理職加算額といったものが大幅に乗りまして、それに4.何カ月分というこ とでボーナスが支給されておったわけでございます。産総研方式になりましてそれ らがなくなりまして、本俸プラス職責手当、いわゆる月例給相当分でございますけ れども、それに4.何カ月分が掛けられるということになってしまいまして、役職 加算額等が減ってしまったということでございます。人件費総額について一定の制 約の中で給与制度を変更するということでございますので、ユニット長クラス全員 について、これに相当する高い職責手当を設定するということは見送らざるを得ま せんで、シニアの方で役職段階別加算額等が大きい方については産総研方式に移行 して職責手当をもらうだけでは減収が生じてしまったというのが、簡単に申し上げ ると実態でございます。

しかしながら、ユニット長さん方は非常に職責が重いわけでございますので、職 責の重さに見合った職責手当を支給するという産総研の給与制度の設計理念からし ますと問題ではないかということで、これは吉川理事長からもご指示がございまし て、平成14年度における幹部職員の年収減少分について、妥当な範囲内で職責手 当を引き上げるということで対応するということにしたものでございます。

本来そういう減収分を引き上げるための財源というのは人件費全体の中で手当て されるべきものだとは思いますけれども、現在、産総研の人件費、トータルでみま して非常に厳しい、きつきつの状態でございますし、また職員の方々の中には減収 が出てくる方もいますし、相当我慢をしてもらっているところもございますので、 結論といたしましては、冒頭申し上げましたけれども、常勤の役員12名、それか ら対象となりますユニット長等の幹部職員78名の期末手当をそれぞれ0.2カ月分 カットするということで原資を捻出しまして、減る幹部職員に対して充てていこう ということでございます。役員報酬の参考としたクラスの期末手当0.2カ月分相 当額を6月、12月それぞれ0.1カ月分ずつカットするということでございます。 本措置につきましては当分の間の措置ということでございますけれども、人件費 全体の運用の中で原資が出てくるといったような状況になりましたらまた見直しを していきたいと考えております。

具体的な金額は2枚目に書いてございますけれども、理事長以下このようなこと になっておりまして、これを50%ずつ、6月、12月の賞与支給時にカットすると いうことにしたいと思います。 簡単でございますが、以上でございます。

木村委員長:ありがとうございました。ただいまのようなご趣旨の提案でございますが、 よろしゅうございましょうか。何かご意見ございますでしょうか。それでは、 お認めいただいたということで、このような措置をとらせていただきます。

木村委員長:多少予定の時間が過ぎましたが、以上をもちまして評価委員会を終了させて いただきます。

なお、ただいまの産総研の役員報酬規程の改正につきましては、大臣から後ほど 意見を求められますが、その回答につきましては、本日の審議を踏まえました上で、 私が委員会を代表して回答したいと存じますが、よろしゅうございましょうか。

(「はい」の声あり)

木村委員長:ありがとうございました。それでは、そういうことで進めさせていただきま す。

それでは、前半の部の評価委員会、以上をもって終了させていただきます。あり がとうございました。

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