1.日時 :平成14年10月11日(金)14:00~16:00
2.場所 :三田共用会議所3F 大会議室
3.出席者:茅小委員長、石谷委員、秋元委員、植松委員、佐伯代理(大國委員)、
岡部委員、角田委員、坂本委員、添谷委員、谷口委員、弘津代理(千速委員)、
中澤委員、新澤委員、福川委員、藤委員、藤村委員、三浦委員、光川委員、
村上委員、安原委員、高橋代理(山本委員)、米本委員
4.議題 :
(1) 地球環境問題に関する国際交渉の動きと今後の検討について
(2) 気候変動枠組条約・京都議定書に関するこれまでの交渉経緯について
5.議事 :
(1) 地球環境問題に関する国際交渉の動きと今後の検討について
<今後の交渉に関する総論的なコメント>
・地球環境に関する国際交渉が、「地球環境」だけでなくむしろ「国益」のやり取りと
なっている。実際的に、全体枠組の中で「いかに日本の国益が守る」かという戦略が
必要。基本的には、「国益」をベースとすることが重要。
・現在は日本だけが不必要にコストがかかる枠組となっているので、第2約束期間では
こうした事態は避けるべき。日本は将来受ける影響について議論せずに京都議定書に
批准した。今後は同じ過ちを犯すべきでない、被害を最低限に止めるべき。
・全地球規模的効果がないうえに、コストまでかかる京都議定書を批准する日本はサデ
ィストか。痛みが同じでないと参加出来ない、今後は公平なスキームを構築するべき。
・第1約束期間目標達成のために、国内における負担の公平さも失われてはならない。
・COP/MOPでは米とスクラムことが出来ないが、掛け違ったボタンを元に戻す最
後の場。今から検討を開始することは大賛成。
・利害や打算の複雑に入り組んだ交渉においては、厳しいマルチ通商交渉の歴史の中で
日本が得てきた経験を活かすべき。
<検討すべき事項>
・国際的に共通した技術的なベンチマーク、トップランナー方式等、日本の技術開発を
交渉へ活かしていく。日本の産業技術、CDMメカニズム、トップランナー方式を国
際的に広めるよう働きかけることが重要。
・1990年の基準年は非常に重要な要素。第2約束期間ではこれをどうするか慎重に
検討する必要。
・顕著な人口動態及び技術・産業構造の変化については、国際的な将来予測について明
確な基準をもちつつ国際交渉に臨むべき。
・米、EUのリアルな側面を情報収集し、提供することが重要。EUは、国によって状
況が異なる、動向調査をし仲間を捜すべき。(これまで原子力に反対していた)EUも
原子力に対する評価を再考し始めている。原子力のポジションを正当な場に位置づけ
たい。
・環境の取り組み方については、米政府と州政府・企業間では開きがある。NGO、企
業を早い段階から巻き込んでおくこと、またこういった環境作りが大切。
・途上国の経済変化は激しい。卒業基準を検討することも一案か。中国やインドは地球
環境問題を深刻に受け止めている。環境ODAの成果を枠組みの中に反映させる努力
も期待。
・これまでの技術開発の成果をしっかり評価し、国際的な認識を深め交渉にあたるべき。
・国際共通の技術的なベンチマークやトップランナー基準のような絶対基準を押し出す
のも効果的ではないか。
・政治的実行可能性と技術的実行可能性も精査すべき。
・交渉の枠組みを検討する際の視点として貿易財からのアプローチを提案したい。貿易
財は世界共通の課題であり、WTO上の歪みもあるし、貿易を考慮しないままでは地
球環境にも悪影響。
<途上国>
・京都議定書における二酸化炭素の削減は、国の産業競争力と経済に密接不可分の関係。
日本としてアジア全体として取り組む方向性を出し、将来の経済変化も踏まえつつ、
中国、韓国、インドをどう取り込んでいくか、アジアにおけるの産業分担まで考える
べき。(各国毎の目標も大切だが、日本はオイルショック以降技術開発、特に基礎産業
はトップレベルに達している。税制で押さえ込んでもアジアへ逃げるだけで結局は地
球環境のためにならない。)
・途上国は共通だが差異のある責任を踏まえつつも、途上国内で政策を取るべき。その
ためには、エネルギーと深く関わる貧困解決、途上国の貢献をより具体的に示すこと
(見通しを示すこと)が必要。途上国における再生可能エネルギーに関する国際協力
を活用してはどうか。
・超長期的には適応措置と緩和措置のバランスは重要でありきちんと対応・検討してい
くことが必要。
<その他>
・OPECではゼロフレア(油田・ガス田からのフレアガスを燃やさず改修する技術)
と人口増加による貧困の解消に力を入れている。
・IPCCは政治面が強まりつつあるが、影響力も大きいのでIPCCの活動には先行
的支援をし活用すべき。
<税制関連>
・第1約束期間は大綱に基づき自主的に行うこととなっている。環境税の導入は第1約
束期間の結果を見つつ、第2約束期間から導入するか否か検討することとなっている。
エネルギー課税の在り方については環境と結びつきが深いため全体的に検討する場が
必要。
・原子力はCO2対策の中心的役割。国内対策は経済と環境の両立といった大綱の基本方
式に基づいて、各層、各主体の自主的に取組を行う。その結果、既存の税制、エネル
ギー税制を踏まえて、税の導入を検討すべき。
・石炭課税と大綱の関係が理解できない。石炭に課税するのであれば、大綱は見直すの
か。産構審の場で取り上げるべき。
・目標値を見直すことは良いこと。効果、衡平性、実行可能性も重要だが、エネルギー
政策と整合性を持ったバランスのある再設定が重要。いたずらに、産業界にコストが
かかることは避けるべき。(経済産業省において)環境部局とエネルギー部局の一体化
が重要。
(2) 気候変動枠組条約・京都議定書に関するこれまでの交渉経緯について
・1970年代から80年代の欧州での越境汚染(酸性雨)に関する交渉でも、外交的
な圧力で内政が強化された例は少ない。
・1990年が基準年となったのは、90年代のEUにおける出来事(ポスト冷戦時代、
共産社会主義社会の崩壊、エネルギー需給構造の推移等)への日本の情報収集・提供
能力が甘かったため。
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