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産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会(第5回) 議事要旨



                                 平成14年10月29日
                                経済産業省産業技術環境局
                                    リサイクル推進課

今回の小委員会では、事業者による3Rの取組の一層の推進、設計・製造段階における環境配慮
の徹底及び地域における循環型経済システムの構築の促進について審議を行った。各委員からの意
見等は以下の通り。

1.事業者による3Rの取組の一層の推進について
・EPRの原則は、個別企業がそれぞれ責任を果たせる環境をいかに作るかという事である。従
 来は、業界団体を対象にすればその製品の大部分が捕捉できたが、業界団体に加入しない事業
 者、輸入業者として小規模に関連している業者も増加していることを鑑み、EPRの原則に則
 って対応しやすい体制を整備することが重要である。
・比較的小規模の業者や新規参入者にとっては、回収設備やリサイクル施設等を整備・活用しろ
 といわれても対応できない場合があり、指定再資源化法人の整備が求められる。大企業は対応
 できても中小企業の場合、全国展開できない可能性もあり、受皿がない中で責任を果たせと言
 われても、対応しきれない状況が生まれる。現状、日本の個別品目を対象としたリサイクル関
 連法制度に関しては、指定法人が整備されているが、EPRの対象製品の範囲を広げた時には、
 様々な製品を対象とした組織が必要になってくる。
・処理困難性という点では、有害性の問題に関しては、事業者にどのような対応をお願いするの
 かをもう少しきちんと整理する必要がある。
・耐久消費財以外の、生産財・資本財に対しても取組を進める必要がある。生産財・資本財に対
 する取組が現状行われていても、一般の人にとっては見えていない。見えていないために過小
 評価されてしまっている。情報公開の必要がある。
・不法投棄等の不適正処理に関しては、結果論としての取り締まりも重要ではあるが、未然防止
 という観点でも考えていくべきである。未然防止の手段として、どのようなものがあるのか考
 えていく必要がある。
・例えば、容器包装を考えた時に、消費者にとっては、行政が回収しているという意識があって、
 生産者が責任をもって取組んでいることが見えてこない。
・費用負担の話に関しては、回収コストが見えない等のこともあり、消費者にはよくわからない。
・日頃、環境ラベルに関して、商品に付いている情報だけではなく、商品を広く捉えライフサイ
 クル全体を見ようという話を消費者とすることが多い。しかし、商品に添付された情報だけで
 は、製造工程のことは消費者にとっては想像できず、自分の手元に来る前の状況がイメージし
 にくい。拡大生産者責任の一環から情報公開が必要である。自分の出したものが、どこに行き、
 どのように処分されて、どのようにサイクルされるのかということがわかるようになって欲し
 い。
・EPRに関しては、どこまで拡大したらよいのか。すべての製品までやるべきなのか。
・リサイクルが難しい製品があるのであれば、消費者にとってはリサイクルがいかに難しいかが
 購入時にわかればよい。
・自治体関連の問題として、どういったものの回収にどれだけ税金が使われているか、逆に実際
 に有価物として販売され、その収入によりどれだけ税金が浮いたかがわかるようにすべきであ
 る。
・環境負荷、回収費用、有価物の有価性に関し情報が得られるようにするべきである。
・アルミニウムは取組の歴史が古く、経済的に合理的な仕組みで回収されている。経済的に合理
 的に回収されているものと、依然として消費者負担で回収されているものとの差を消費者に対
 して示せないためにフラストレーションが溜まっている。
・製造業者が使用済み製品の処理を委託する場合に、製品の原料・組成を処理業者に示さずに使
 用済み製品を渡しているケースがある。本来、処理を委託する側として情報提供の義務があり、
 情報提供も広い意味でのEPRと捉えるべきである。
・数年前、北海道の電池処理業者を視察した時に、処理業者に対して情報提供がなされておらず、
 研究員が電池の組成分析に時間を費やしていた。
・IPPの中には情報提供は入っている。欧州では、IPPはEPRの一部として認識されてい
 るが、IPP等の周辺の取組を含めて、広い取組の中でのEPRの位置付けを考えるべきであ
 る。
・EUのIT機器に関するWEEEでは回収重量等を規定しており、廃棄物に偏りすぎている。
 日本では、製品の製造段階での取組等幅広い所も考えており、それが本来の姿であると思う。
 EUが先進的であるというイメージが広まっているが、必ずしもEUが正しいというわけでは
 なく、製品の生産段階の取組の重要性を市民へ理解させる必要がある。

2.設計・製造段階における環境配慮の徹底について
・3R製品は技術的にはこれから発展するものである。3R製品を規格化してしまうことで、将
 来の技術発展を制約してしまうことになるのは困る。そういった配慮はなされているのか。
・JISは日本の戦略的問題、国としての知的財産として意識しておくべきである。
・従来、日本はソフトの話を苦手にしていた。海外ではISO14000やISO9000等に
 関連して雇用が発生している。ソフトの分野でより積極的に対応していく必要がある。そうし
 ないと、せっかくのチャンスが消えてしまう。
・産業界や消費者も、より積極的に意見を提供して欲しい。
・ISO9001、14001等に関して、海外と比較して日本は戦略が無かったという感があ
 り、日本からの積極的な情報発信が必要である。
・消費者としては、リサイクルされた物が最終的にどこに流れるのかに興味があり、消費者が使
 うものに入ってくることが重要である。但し、製品の中に品質的に問題があるものが入ってい
 るのかという不安がある。したがって、消費者にとってのJISの信頼性は高く、JISが大
 きな役割を果たすと思われるので、JISの問題は非常に重要である。
・溶融スラグについては、旧環境庁の溶出試験の基準があり、リサイクルを阻害していたが現状
 ではどうなっているのか。
・溶出試験をすると、鉛が必ずオーバーしてしまう。水道水の基準の方が5倍高いといっても、
 環境省は全然聞かない。JISならJISで有効利用するための、安全性の基準を作ってもら
 いたい。
・EPRの基本的な考え方は、コストだけで捉えるということではないと理解しているが、コス
 トも重要である。輸入のケースの場合、使用済み製品の処理を日本の中でやるというのは、非
 常に高いコストがかかる。グローバルな時代において日本の中だけで高いコストでリサイクル
 をするということだけで事足りる問題ではない。
・現実問題として廃PETや廃家電等が輸出されている中で、こういったものをどのように整理
 したらよいのかということが問題になる。全体的な枠組の中で考えることが重要である。昔の
 ように単なる廃棄物の垂れ流しではなく、資源の有効利用ということで考える必要がある。東
 南アジア・中国では人件費が安いために相当量が分別され、リサイクルされている。バーゼル
 条約の問題もあるが、2国間協定、国ベースでのインフラ整備を進めていく中で、広域的なリ
 サイクルを進めていくことができないか。
・事業者が一定の製品を引取・リサイクルするためには、費用が発生するわけで、その費用に関
 して、循環型社会に対応した税のあり方をそろそろきちんと考える必要があるのでなないか。
 リサイクル費用を企業が取得した場合の法人税の問題とか、組織団体や企業が処理費用を捻出
 した場合の税法上の扱いとかに対して見解はあるのか。今後発生する色々なリサイクルコスト
 に対して、循環型社会に対応した新しい税の体系の中で位置付けていく必要がある。

3.地域における循環型経済システムの構築について
・北九州エコタウンに関して、これだけ盛大にやると、かなりの費用が必要になると思われるが、
 どのような資金的な手当てを進めてきたのか。
・先進性を出すという視点を考慮する必要がある。現状、エコタウンは素材へ戻るリサイクル型
 のものが多い。リデュース・リユース型の取組を先進的な取組として入れて頂きたい。
・産業が元々集積していない都市でも、活性化を図る色々な取組がされたときに、支援が出来る
 ような仕組みを考えるべきである。
・基本的には「民(市民)」が主役であり、市民発の循環ビジネス、いわゆるコミュニティービジ
 ネスの育成も柱とすべく積極的に対応する必要がある。
・静脈産業という言葉を提示した時、静脈と動脈が両立しなかればならないということも主張し
 ている。動脈あってこその静脈であり、動脈が低迷していることを懸念している。経済産業省
 としても議論して頂きたい。

                                         以上
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