経済産業省
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独立行政法人評価委員会産業技術総合研究所分科会第8回 議事録

日時:平成15年3月11日(火) 13:00-14:40
場所:経済産業省別館第4特別会議室

出席者

(分科会長)
木村孟(大学評価・学位授与機構長)

(委員)
岡田恭彦(富士通株式会社取締役)
橋本安雄(関西電力株式会社顧問)
松重和美(京都大学国際融合創造センター長)
山野井昭雄(味の素株式会社技術特別顧問)
浅井彰二郎(株式会社日立製作所上席常務(欠席))
安西祐一郎(慶應義塾塾長(欠席))
黒川清(東海大学総合医学研究所長(欠席))
塩田進(静岡理工科大学学長(欠席))
高橋真理子(朝日新聞論説委員(欠席))
藤嶋昭(東京大学大学院工学系研究科・工学部教授(欠席))

(産総研)
吉川理事長、鹿島理事、吉海理事、田中理事、津田能力開発部門長

(経済省)
中村局長、岩田審議官、藤田産業技術政策課長、持永技術振興課長、倉田産総研チーム長

議題

(1)役員給与規程の改定について-業績給の当該年度への反映-
(2)平成14年度評価の進め方について
(3)その他

・平成15年度予算及び平成14年度補正予算について
・産総研の最近のトピックス

議事

議事に先立ち、倉田産総研チーム長より定足数に関する説明があった。

倉田産総研チーム長:分科会委員11名中、本日の出席委員は5名であり、評価委員会令で定められ た定足数の過半数に1名足りない状態ですが、「評価委員会運営規程」第2条第1項に「委員の過 半数が出席することが困難であり、かつ、緊急に会議の議決を経ることが、委員会の目的達成の ために必要と認める場合には、委員会において、議決することができる。」とあり、同条第2項に は「前項の規定により議決された事項については、次に開かれる委員会において、委員長が当該 議決された事項を報告し、了解を得るものとする。」と定めがあるので、今回の分科会開催につい てはこちらを適用させて頂きたい。(了承)

・配付資料の確認

議題(1)役員給与規定の改定について

津田能力開発部門長:

(資料1-2について説明)

前回の経済産業省独立行政法人評価委員会(親委員会)で、現行規程における役員報酬への業績 の反映に係る課題として1)退職した役員について退職した年度(最終年度)の業績を役員報酬 に反映できない。当該年度における業績向上のインセンティブが、制度上、十分に担保できない。 2)役員報酬を減額する必要が生じた場合、当該年度を以て退職する場合、翌年度の報酬から減 額できない旨が指摘され、これらの課題を解決するために、最も低い業績評価を受けた場合の報 酬額(最低報酬額)を先に支払い、翌年に独立行政法人評価委員会による業績評価の結果が確定 した段階で、残りを評価に合わせて追加支給するよう役員給与規程を改正する旨が審議された。 産総研については、平成13年度末までに結論を出すことになっていた。

(資料1-1について説明)

現行役員給与規程は、X年度の業績反映分をX+1年度の年俸の一部として支払う制度であるが、 これを平成15年度から、「X年度の業績反映分はX年度の業績評価がまとまり次第、X年度の年 俸の一部として支払うという制度」に改正することとしたい。なお、平成14年度に関しては、 金額の算定は改正前の方式によるものとし、業績評価が確定し、それを反映して役員報酬の増減 があったときは、当該増減額を平成15年度の季例支給(それまでに退職した者については退職 金)で調整する。

(資料1-4について説明)

役員の報酬の支給は、月例支給額、季例支給額および業績反映額の三つに分けて行う。業績反映 額は月例支給額に2を乗じ、さらに表に示す割合(業績評価の反映)を乗じた額とする。業績反 映額の支給は、評価委員会から業績評価の通知を受けた日から1ヶ月を越えない日である。

木村委員長:他の独法ではどのようになっているのか。

倉田産総研チーム長:経済省所管の独法では同様な考え方であるが、他の独法(他省庁)では、 明確な議論がなされていることは承知していない。

橋本委員:結論としてはこれでよいと思う。ただし、最終年度にインセンティブが反映されな いことを規程改正の動機にするのはいかがか。インセンティブのために産総研の役員の行動 が変化するとは思えない。業績は企業ではボーナスに相当する。今後はボーナスのウエイト を高くすればいいのではないか。

木村委員長:ボーナスだけで調整できないのは、全体で考えているからか。

倉田産総研チーム長:独法では全体として、評価してその結果を反映させるということになっ ている。従来の業績分は全体額の9%であった。これは国の勤勉手当を参考にしたものであ る。今回はこれが12.5%となっており、業績連動分の比率を上げている。役員のインセ ンティブの話については、経済省の独法のもともとの制度設計に係わることで、なるべくわ かりやすい形にするため、そのような制度となっている。

山野井委員:14/16が固定部分で、2/16が変動部分であるが、この変動部分を将来的 には増やすべきである。変動部分の階層別の比率(役員、管理職,職員)はどうなっている のか。企業の場合は下に行くほど小さくなり、社長が最も大きい。

鹿島理事:今回の改正で役員の業績反映部分は12.5%となり、職員の業績評価部分は、役 員のものよりも小さく、幹部職員、一般職員になるにつれて低くなっている。

山野井委員:今後、業績というものをインセンティブとして差を広げる場合には、役員から広 げて行くべきである。

木村委員長:給与の件は、今後とも議論の対象となるであろう。「役員給与の改正」については 本日の内容の通り、3月27日の親委員会で報告する、ということでよろしいか。(了承) また、親委員会において修正があった場合には、分科会長に一任していただくということで よろしいか。(了承)

議題(2)平成14年度評価の進め方について

倉田産総研チーム長:

(資料2について説明)

平成13年度の評価では上から2番目のA評価を頂いた。一方、評価に際して、重きを置く のは国民に提供するサービスであり、産総研の場合には、研究内容、成果がそれに相当する とのご指摘をいただいた。13年度は初年度でもあり、改革の取組を主に評価していただい たが、14年度は国民に提供するサービスに対応する研究内容、成果に重きを置いて評価し ていただく。

具体的には、分科会委員を各研究分野でグループ分けして、分野別にヒアリングを行いたい。 各委員の分担は資料の表に示すとおりである。分担以外の委員についてもお時間があれば是 非参加していただきたい。各分野のヒアリングはつくばで行い、研究現場も見ていただく。 ヒアリングでは、当該分野における産総研の取組、内部評価のやり方と結果についても説明 する。代表的なユニットの成果発表も行うが、これに関して希望があればお受けする。さら には研究現場の見学を予定している。分科会は昨年度と同様に2回開催予定である。5月2 3日の分科会ヒアリングでは、委員が全員そろった場で、研究に関する全体的な説明および 産学官等の活動についても説明を行う。

分科会委員による評価に関しては、分野別ヒアリング、分科会ヒアリングに基づいて各委員 個別に評価していただく。

6月26日の分科会では、評価表をもとに評価に関する討議をしていただき、評価結果を発 表していただく。

松重委員:分野別ヒアリングでは1,2のユニットからの説明を聞くとあるが、もっとあって もよい。またそのユニットをどのように選ぶのか。改善するという立場からは、評価の悪か ったユニットを選んで、その評価結果が妥当かも含めて議論してもよいのではないか。その ような観点からは、1,2ユニットではなく、もう少し多い方がよい。また、トップからの 改革だけではなく、現場からの要望がどこまで伝わっているのか、そのような視点も説明に 加えてほしい。

木村委員長:わたしも同意見だ。分野別ヒアリングでリクエストを出すためには、産総研で行 っている評価結果をできるだけはやく委員に渡すべき。

田中理事:内部評価の結果は4月上旬までに、委員にお渡しする。

山野井委員:国民に対して提供するサービスに関して、外部が関わる部分、共同研究等で企業 は産総研をどうみているのか、消費者はどうみているのか、というコメントを評価資料に加 えて欲しい。

吉海理事:松重委員のボトムアップがどうなっているかについて、この問題は組織運営上重要 と認識しており、色々努力している。最近は、理事長が各地域センターを回り、第2種基礎 研究の説明会を全職員に対して行っており、直接、意見集約を行っている。山野井委員の質 問に関して、研究の中身についてはピアレビューの結果を活用すればよい。産総研のような 幅広い研究範囲をカバーする研究所は、成果として何を捉えるのが適当であるか?本委員会 で何を出せばいいのか、というご指摘をいただければ、ありがたい。

山野井委員:成果に対する委員側の考え方も大事であるが、産総研側で成果を色々出してもら って、それをもとに議論することも重要だ。外部はなにを重要視しているのかという、情報 を集めるというスタンスではどうか。そのような意味で外部が産総研に対してどのように見 ているのかを知ることは重要である。

吉海理事:ご指摘の点は、できるだけ工夫できるように内部で議論を進めたい。

木村委員長:分野別ヒアリングまでに資料をそろえるのは時間的に困難ではないか。

倉田産総研チーム長:山野井委員のご指摘の件は、5月23日の分科会にて紹介したい。

木村委員長:では、5月23日にプレゼンをしていただくという事でお願いしたい。内部評価 結果については、できるだけ早い時期に委員に渡して欲しい。

議題(3)その他

○平成15年度予算及び平成14年度補正予算について

(参考資料1-1について説明)

倉田産総研チーム長:平成15年度の予算に記載されている数値は、産総研に入ることが確定し ているものである。一番大きいのは運営費交付金で約684億円、その次が施設整備費で約44 億円である。

特別会計は約40億円強で、その他を合わせ全体で約780億円となり昨年度と比べ若干増加し ている。

(参考資料1-2について説明)

倉田産総研チーム長:経済省の平成14年度補正予算のうち、産総研分を抜粋したものである。 産総研全体で376億円である。一番大きいのはバイオ・IT融合研究施設整備であり、これはお 台場に建設予定である。

・特に意見なし

○産総研の最近のトピックス

吉川理事長:今まで産総研の仕組みについての評価であったが、これからはアウトプット等の評価 になるであろう。国費を投入した結果、何が得られたのか、社会に何をしたのかが大事である。研 究者がどのような気持ちで研究を行うべきか、ということをよく考える。国費を使う以上、これは ある種の社会契約である。研究者と一般社会との契約である。その契約とは、一般社会との合意の 下に行われる。何を評価するか。評価の意義が重要である。期待感をもって受け取った金をどう還 元するかのメカニズムがなかった。従来の研究スタイルでは、契約は果たせない。果たすためには どうするか、社会に還元する道筋をつけなければならない。これが第2種の基礎研究である。これ までは、そのような仕組みを作った。これからは、そのような仕組みの中で具体的に何をするかが 重要だ。評価という観点からは、結果だけではなく、仕組みがうまくそろっているかも評価して欲 しい。ベンチャーに関しては、日本固有の産業社会の中に新しい産業ができるのか。そのようなこ とに対し、産総研が意義のある貢献ができるのか。そのような観点で産総研がやっていることが妥 当かどうか評価して欲しい。

(参考資料2について説明)

吉海理事:ベンチャー開発戦略研究センターの目標は、1)公的研究機関をベースとしたベンチャ ー創出の一般モデル化、2)産総研の技術シーズを産業・市場に結びつけるメカニズムの確立、3) 研究開発システム改革への提言である。育成終了時の姿として、5年後にはベンチャー創出システ ムの確立および複数社の株式公開を考えており、長期的には、産総研がベンチャー創出のプラット フォームとして機能することを目指している。組織に関しては、センター長は理事長が兼任し、他 にアドバイザリーパネル、スタートアップ開発戦略タスクフォースなどからなる。タスクフォース の中では、ビジネスクリエーターが中核となる。

産総研懇談会について、これは産総研の経営戦略、研究戦略に対して、産業界から助言・提言をい ただく機会である。

研究ラボの改廃に関して、存続審査は設立後2年目に行われる。平成14年度研究ラボの存続審査 結果について、センター化されるラボは次世代光工学研究ラボ、デジタルヒューマン研究ラボの2 つである。継続されるラボは薄膜シリコン系太陽電池研究ラボ、ライフエレクトロニクス研究ラボ である。一方、廃止されるのは微小重力環境利用研究ラボと純度制御材料開発研究ラボである。 研究成果のトピックスとして、一つ目は人間型ロボットによる屋外での産業車両代行運転について である。2点目は光技術研究部門の「明るく輝く半導体ナノ粒子分散ガラス」である。半導体ナノ 粒子を安定にガラスの網面構造中に分散させる方法を開発し、新しいタイプの高輝度蛍光体分散ガ ラスを作製することに成功した。

岡田委員:ベンチャーについて、どこでやめるかが重要と考えるが、どう考えているのか。

吉海理事:撤退の時期については、基本的に株主の判断と思う。産総研の役割はベンチャー設立の ための種々の条件(キャピタル、法的問題)を整えることである。撤退については事例があまりな く、今後の実例をもとに分析していく。

岡田委員:これまでの経験から長く引っ張りすぎて失敗した例があるので、なんらかの考え方があ る方がよい。

山野井委員:産総研のベンチャーに期待するのは、悪夢の時代をどのように乗り切るか、ということ である。それを乗り切るためのモデルを是非作っていただきたい。

松重委員:起業のためのファンドについて、教えていただきたい。特許については、社会還元をす るということだが、これは自己収入を得るということ。その意味で産総研の現状はどのようになっ ているのか。

吉海理事:産総研は固有のファンドを持っていないので、既存のファンドを利用していく。今後の 問題として、産総研が出資機能を持つべきかを検討する必要がある。現状の知財収入は1.4億円 であるが、それ以上に経費がかかっている。今後知財収入を増加させるのが課題となっている。独 法に関しては、従来は特許取得に係わる費用は免除されていたが、法改正に伴い有償になる。特許 をひとつの独立会計で見た場合に、そこの収支バランスをどう見るかが検討事項である。今は、知 財収入は増加傾向にあり、中期計画の中でも知財の実施件数をできるだけ増加させる目標設定を打 ち出している。知財部と外部のTLOである産総研イノベーションズが中心となり、これにベンチ ャーセンターの活動展開が組み合わさって実を結ぶことを期待している。

橋本委員:ベンチャーセンターの中に支援システムとあるが、一般の起業家との関係はどのように なっているのか。起業には目利きが重要であるが、ここではビジネスクリエーターがそれに相当す るのか。

吉海理事:私の考え方では、シーズは基本的に産総研発であるが、日本のベンチャーのモデル化に 適合する事例があれば、持ち込みもありえる。産総研発のシーズと民間発のそれとのインタラクテ ィブな部分が重要になってくると思う。目利きに関しては、ビジネスクリエーターが中心となる。 加えて、そのビジネスクリエーターの人脈をそこにどう投入できるのかも重要になってくる。

倉田産総研チーム長:本日の議事要旨については、従来同様、分科会長にご一任頂ればと思います。 議事録については、案を取りまとめ次第、各委員に送付しご確認いただいた上、公開させていただ きます。

先程も説明させていただいたとおり、4月から5月にかけて研究分野別ヒアリングの開催、次回第 9回分科会は5月23日の開催となっておりますので、皆さまよろしくお願いいたします。

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