| 平成16年3月31日 経済産業省 本日午後、産業構造審議会知的財産政策部会第4回経営・情報開示小委員会(委員 長:長岡貞男・一橋大学イノベーション研究センター教授)が開催された。 1.審議内容 (1)知的財産戦略指標の策定について ①国家間比較が可能となるような指標(マクロベース指標)、②業種・企業間比較が 可能となるような指標(ミクロベース指標)、③企業内における戦略的知的財産マネジ メントのための指標、それぞれについて事務局から説明後、議論を行った。 ①国家間比較が可能となるような指標(マクロベース指標)について 委員から下記の意見があった。 (各指標の採り方について) ・ 食品と医薬では業態が異なり、別途データを出した方がより適切な比較ができる。 ・ 収益性は特に、業種毎に採るべき時間軸が異なるので、適切に指標を採るべき。ま た、これらは全て過去のデータからの検証であり、現在のアクティビティの判断を する目的があるのであれば、将来収益に結びつく行動指標が必要。 ②業種・企業間比較が可能となるような指標(ミクロベース指標) 委員から下記の意見があった。 (各指標の採り方について) ・ 技術の集中度に加え、事業の集中度という観点も考えたい。また、集中度が低くな る規模の大きな企業と、規模が小さな専業メーカーを一緒に比較するのは適切でな い。 ・ 海外展開している企業に関する観点も必要ではないか。 ・ ノウハウも企業にとって重要な指標であり、検討の範囲に入れるべきとの意見と、 ノウハウは開示されないことが前提のため統計データを取ることが困難であり、特 許の取得状況から知財戦略の有無、規模が有る程度推測できるのではないかとの意 見があった。 ・ 特許取得数は、その時の経営者の戦略・意志により変化するものであること、保有 ではなく利用の状況(他社特許の利用も含め)を比較しないと現実の企業の強さは 計れないことから、特許の量より質をみて欲しいとの意見と、日本では米国特許の 様に引用数等から質を測ることが困難なことに加え、質の高い特許・ノウハウを保 有していれば、収益性に表れるのではとの意見があった。 ・ 事業に対する技術戦略毎に比べるべきであり、単一技術で製品を作る業種に多い 「ノウハウより特許取得に重きを置く戦略をとる企業」と、複合技術で製品を作る 業種に多い「ノウハウに重きを置く戦略をとる企業」によって、採るべき戦略・指 標が違う。 ・ 投資家の視点では、一般的に電機・自動車業界は効率性、集中度を見るし、製薬・ IT業界は革新性を見る。分析結果の因子は間違っていないと思う。 (その他) ・ 1つの企業でも、他分野に展開している場合、その分野毎に知的財産戦略が異なる。 セグメント別に見てもらいたいとの意見があった。また、同分野であっても、例え ば特許とノウハウの割合に黄金律があるのかも不明との意見があった。他に、製品 のライフサイクルによっても戦略のバランスが異なってくる。 ・ 日本企業の一般的なビヘイビアを知った上で、解釈しないと見方を間違うのでは。 ・ 各企業が知財戦略に関し、オープンな戦略を採っているのか、クローズな戦略を採 っているのかは、知的財産協会の雑誌を過去にさかのぼると透けて見えるものもあ る。 ・ 補論資料を前提に、事業の中での特許の寄与度をどう見ればいいのかを考えるべき。 ・ 特許出願状況は、競合他社との関係、市場シェアが大きく起因するため、当該製品 がどういう状況にあるのかを見つつ、データを見てみると違う解釈が出てくるので は。 ・ ミクロの指標で医薬品以外がうまく出てこないのは、まだ企業で選択と集中が行わ れていないことが原因ではないか。 ③企業内における戦略的知的財産マネジメントのための指標 委員から下記の意見があった。 (各指標の採り方について) ・ 製品のマーケットポジションを考えるべきであり、指標の①④に加え、市場シェア という項目が必要。 ・ 特許がどの技術、製品、事業に貢献しているかを把握する必要がある。また、当該 コア技術の製品・事業規模を含めて勘案して考えたい。 (その他) ・ 医薬品については、特許が何に寄与しているか半期毎に把握している。 ・ 研究開発がプラスに働く業界(環境)と、マイナスに働く業界(環境)があり、こ れらを例えば製品の価格が下がっているか否か等の要素で加味し、分けて考えない と、正確な解釈は出来ない。 ・ 米国企業の業績に効く要因は何かという調査を20年前Research Management に載っていた。売上高の伸びと業績は相関があるが、利益率自体とは相関が無いと いう結果であった。本調査も参考にすると良いのでは。 3.今後の審議スケジュール 第5回経営・情報開示小委員会は、5月下旬開催予定。(詳細未定)
〈お問い合わせ先〉 経済産業省経済産業政策局知的財産政策室 Tel :03-3501―3752 Fax :03-3501―3580 E-mail:qqcdbd@meti.go.jp
|