1.日時:2001年10月19日、17:30~19:30
2.場所:経済産業省本館17階 国際会議室
3.出席者:(別紙)
4.議題:(省略)
5.配付資料:(省略)
6.議事要旨:
冒頭、事務局より、研究会設置の趣旨説明等が行われ、本委員会にて承認された。
①委員長選任(知的財産政策室長)
・阿部委員長就任の承諾
②冒頭挨拶(特許庁長官及び経済産業政策局審議官)
③研究会の公開及び資料の取扱いに関する提案(知的財産政策室長)
・上記提案の承認(阿部委員長)
④産業競争力と知的財産の現状と課題に関する説明(知的財産政策室長)
⑤討議
・主な委員からの発言は次のとおり。
・A委員
・ 知的財産権の権利行使にあたっての使いやすい制度を構築してほしい。アジアの
企業と日本の企業は世界市場で競争しているが、日本企業が知的財産権の訴訟を起こ
す場合、現状では米国等で訴訟手続きを行っている。日本の場合、司法制度に様々な
問題があり、判決までに時間がかかる。したがって足の短い製品の場合、判決が出る
までに商売が終ってしまうこととなる。我が国の司法制度を欧米並に充実させてほし
い。
・ アジア諸国に対する通商政策、知的財産政策への対応が必要である。生産拠点が
アジア諸国にシフトしており、こうした状況の中で特に中国において、日本の知的財
産を使って作った製品が日本のブランドで売られる模倣品問題が深刻さを増してい
る。
・B委員
・ 中国において模倣品が増えている。個別企業としての対策には限界がある。模倣
品対策としては、権利行使強化とともに、アジア諸国の啓蒙活動も必要。
・C委員
・ 日本版バイドール法については、依然、官庁の判断が大きな部分を占めているこ
とから、「一定の条件を満たせば民の権利とする」方向で見直すべき。
・ 変化の早い時代には、迅速な紛争解決が可能な制度が必要。
・ グローバル化への対応については、①安心して技術移転ができるようにすること、
②模倣品への対策を講じること、において政府レベルでの対応が必要。
・ 知的財産保護と競争法との関連にも注意を払わなければならない。
・D委員
・ 「日本でもベンチャーを生み出していく」という目的を明確化し知的財産を論じ
ることが必要。
・ 職務発明制度等、法律を見直し時に、「使いやすい制度にしていく」ことが重要。
・E委員
・ 根本的に重要なことは、権利設定における審査の信頼性。問題が生じれば、裁判
所に持っていけばいいという考え方はよくない。そもそも、紛争の可能性が小さくな
る制度が望ましい。
・ 職務発明制度については、R&Dは、①チームで取り組む、②多くの特許が関与
する、といった特質があることから、実情を踏まえたフレキシビリティーのある制度
とする必要がある。
・ 市場のグローバル化に対応した知的財産戦略も、重要。
・F委員
・ 基本は、①透明性ある制度、②世界に通用する制度、をどう実現していくか。
・ 職務発明制度については、「最低」・「最高」の報酬額を決めてはどうか。
・ 特許等の国外出願に費用がかかることについて、検討が必要。
・G委員
・ アメリカの特許制度に関して、先発明主義など米国固有の制度は、アンフェアで
はないかという気がする。
・ 審査がスピーディーになるにつれ、無効訴訟が多くなっている懸念がある。司法
手続きも簡素化してスピディーにすることが必要。中小企業は、訴訟に持ちこまれた
場合、経営が困難になる場合がある。かつての登録前の異義申し立て制度のようなも
のが必要ではないか。
・H委員
・ 中国製とおぼしき模倣品が世界各地で発見されている。例えば、中身が中国製で、
化粧箱に日本のブランド名を使ったものが売られている。製品トラブルが起こった際、
クレームが寄せられるが、対応に苦慮している。様々な国で新聞広告をおこなったり
しているが、企業の取組だけでは十分な効果がない。中国の関係当局は熱心だが、摘
発が難しい。中国製の模倣品対策を外国とも手を合わせて対応している。国による支
援が必要。
・I委員
・ 台湾、韓国においても模倣品がある。化学材料は分析され、すぐに模倣品ができ
あがる。台湾、韓国の政府の取組は必ずしも熱心ではない。アメリカのITC()の
ような行政機関による瞬時の対応が必要。一刻を争う問題であり、政策的な対応が必
要。
・J委員
・ 国際協力については、WTOに加盟している国と加盟していない国に分けて考え
る必要がある。第1は、WTOに加盟していないベトナムであり、TRIPSは係っ
てこない。どのような国際協力が可能かという視点が必要。第2は、間もなくWTO
に加入する中国、台湾であり、制度が実際に動くかどうかは、加盟してみないとわか
らない。これをどうやってウォッチするか。紛争解決手続きで処理することは可能で
あるが、困っていることは民間から言っていただかないと役所ではわからないのでは
ないか。第3は、既加盟国で日本のゲームソフトが安価に出まわっている問題。この
問題については政府間協議に持ち込み、必要であればTRIPSのマイナーチャンジ
もありえるのではないか。
・K委員
・ 基礎研究を知的財産として保護すること、それを産業界に移転して産業競争力の
向上に寄与することが大学TLOの重要な役割である。米国との特許制度の比較から
いえば、30条の適用、範囲などが異なる。日本の制度にも手を加える必要があるの
ではないか。大学の知的財産の帰属や国有特許の問題など、大学を取り巻く環境につ
いても議論が必要ではないか。
・L委員
・ 利益率が低い仕事なのでパテントは必要ないと考えていた。しかし、これからは
パテントを出していかなければならないが、中小企業は単独では対応が難しい。TL
Oにも接触したが、現在の大学TLOは中小企業にとって連携が困難。特許は費用が
かかるので、中小企業にとっては厳しい。世界に通用する技術については、国で審査
をした上で費用を負担し、その上で、利益があがった時に返還するようなシステムを
検討してはいかがか。
・ 中小企業にとっては、パテントは興味のあるものではない。申請しても大手企業
に利用されるので、公開するメリットがない。大企業から、中小企業の特許を守るた
めの制度を検討していただきたい。
・M委員
・ 企業から優秀な人材が外部へ流出する傾向が強まっている。パテント、ノウハウ、
アイデア、研究成果を持って出て起業する際の権利関係をどういうふうに整理するか
が非常に重要な問題。今までの法律、制度、考え方では律しきれないケースが増えて
きている。新しい社会のあり方、企業と個人の関係、大学と企業との関係、権利の帰
属関係を整理できる制度を検討する必要がある。
・ 海外に先行的に特許を申請したいが、(中小企業の場合)資金がない場合が多い。
世界に通用するパテント、アイデア、ノウハウについては、国として審査し、権利を
確保する補助制度を検討する必要がある。国からの補助に対しては、エクイティーの
形で返還していくのが理想的。
以上
<問い合わせ先>
経済産業省経済産業政策局
知的財産政策室 大野、大石
TEL:03-3501-3752
FAX:03-3501-6046
(別紙)
第1回「産業競争力と知的財産を考える研究会」
出席者
委員長 阿部博之 東北大学総長
委員長代理 中山信弘 東京大学法学部教授
赤羽雄二 テックファームアジアベンチャーズマネージングディレクター
安念潤司 成蹊大学法学部教授
井上博司 光洋精工株式会社取締役会長
内ヶ崎功 日立化成工業株式会社代表取締役社長
岡内完治 株式会社共立理化学研究所社長
小池 晃 日本弁理士会会長
小寺 彰 東京大学大学院総合文化研究科教授
坂井賢二 アンダーセンビジネスコンサルティングパートナー
庄山悦彦 株式会社日立製作所代表取締役社長
(経団連産業技術委員会共同委員長)
長岡貞男 一橋大学イノベーション研究センター教授
永岡文庸 日本経済新聞社論説委員
松尾和子 中村合同特許法律事務所弁護士
松田修一 早稲田大学アジア太平洋研究センター教授
村瀬光正 株式会社ジャフコ代表取締役社長
山本一元 旭化成株式会社代表取締役社長
山本貴史 株式会社先端科学技術インキュベーションセンター社長
(代理出席者)
武下拓夫 三菱マテリアル株式会社総合研究所フェロー
手柴貞夫 協和醗酵工業株式会社常務取締役研究本部長
仲 隆弘 日本知的財産協会専務理事
福井威夫 本田技研株式会社専務取締役
山地克郎 富士通株式会社法務・知的財産権本部長
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