第3回「産業競争力のための知的財産の価値の戦略的最大化」に関するワーキ
ンググループ(WG1)及び
第3回「大学、ベンチャー・中小企業が利用しやすい知的財産制度」に関する
ワーキンググループ(WG2)
1. 日時:平成13年11月19日 14:30~17:45
2. 場所:経済産業省別館2階236共用会議室
3. 出席者:(WG1)澤井主査、山地副主査、赤羽委員、江崎委員、小倉委員、熊倉委員、
河野代理、作田委員、武下委員、竹田委員、野元委員、本委員、
丸島委員、山田委員、渡邊委員、
(WG2)清水主査、赤羽委員、安藤委員、井上委員、牛久委員、木下委員、
熊倉委員、小泉委員、杉光委員、羽鳥委員、渡邊委員
4. 議題:1.知的財産紛争の迅速処理と紛争処理コストの低減
① 司法制度改革審議会意見において提言されている事項
② 証拠収集手続の拡充について
③ 民事訴訟法改正時における秘密保護手続に関する議論について
④ 専門委員制度について
⑤ 審判制度と審決取消訴訟・侵害訴訟との役割の見直し
⑥ 弁理士に対する侵害訴訟代理権の付与について【資料配布のみ】
⑦ いわゆる3倍賠償制度について【資料配布のみ】
⑧ 法科大学院について【資料配布のみ】
2.共有特許について
議題1.①・②・③について、委員からの発言をまとめると以下のとおり。
・ 特許権の侵害訴訟というのは、侵害の審議の後に損害の審議がある。侵害があったかど
うかが不確定な段階で、営業秘密であるにもかかわらずそれを開示しなければならないこ
とは、営業秘密の保護に欠ける結果となりかねない。また、営業秘密を法廷において開示
するということは、それによって営業秘密性が当然に失われるものではないと考えられる
ので、それに違反する時は当然、不正競争防止法の違反にもなる訳であり、法改正をする
必要はないと考えられる。提出された文書の閲覧の制限と秘密漏洩等に関する罰則等の整
備につ いても慎重な対応が望ましい。
・ 審議を早く進めるということに関しては機密情報も提出すべきであり、規律に違反する
人には罰則を強化すべきで、そうしなければ審議を速めることはできないと思う。プロパ
テントを強化するのであれば、侵害したら事実がわかってしまうという状況を作らなけれ
ばならない。
・ 原告の立場の強化は対米国の関係においても必要。侵害立証を容易にすることを強化する
意味で、さらに改正が必要である。
・ 弁理士の不開示特権は認めるべき。日本の企業が米国以外の国で特許を取る過程で、日本
の弁理士が不開示特権を持っていないと、提出義務が生じてしまい、全部情報が収集され
てしまう。
議題1.④専門委員制度について委員からの発言をまとめると
・ 専門委員制度は、裁判官をサポートするという位置付けより、知的財産訴訟における専
門性の担保のためである。両当事者の反論の機会を与えるということを条件に、更なる技
術的専門性の確保のための制度を構築すべき。
・ 調査官制度がありながら技術的なサポートが必要な事件というのは、おそらく同業者間
の争いであり、民間から専門委員を出すのは公平性の観点から問題。また、民間から専門
委員を出した場合、復職後の身分保証をどうすべきか問題になる。そういう意味で、国立
の研究機関の人が専門委員には相応しいと考える。
・ 裁判官の専門性の欠如ということはない。問題は、東京地裁、大阪地裁以外には専門部
がないこと。調査官の人数が足りないことである。また、専門委員の中立性を確保するた
めには、数年の雇用関係により地位の確保がなされるべきである。
・ 日本の調査官制度は良く機能しているが、確かに地方には人員等の難しい問題がある。
また、専門委員は、中立性の問題もあり、どういう分野から人材の提供を受けるかも問題。
また、訴訟期間についても気になる問題である。訴訟期間の短期化が叫ばれる中、訴訟手
続の経験のない専門委員に迅速な処理を要求しても無理がある。
・ アメリカでは、両当事者により専門家が選ばれる。日本でもそういう問題があれば裁判
所が中立の学者を選んで鑑定をする場合がある。誰が中立で適正なのかの判断は困難で、
前例は少ない。判決に、技術調査官の名前も出すことにより、中立的な意見を担保できる
のではないか。
・ 専門委員について、どの主体が供給源になるか。大学の先生は学会の活動や企業との付
き合いがあり、一方の立場での鑑定は書きやすいが、第三者的な立場での参画はためらわ
れるのではないかという感覚がある。
1.⑤審判制度と審決取消訴訟・侵害訴訟との役割の見直しについて委員からの意見をま
とめると以下のとおり。
・ 訴訟の手続の合理化による一回的紛争解決は望まれることである。そのための方法とし
て、侵害訴訟における無効審判、訂正審判を同時にできるようにすることは必要。裁判所
だけでやるのではなく、特許庁の審判の合議体が紛争解決プロセスに参画することにより、
有効性の判断を行うことが望ましい。これにより、専門委員制度の問題も解決できるので
はないか。
・ 無効審判制度をなくしてしまうと、対世効を生ずるような特許無効はあり得ないという
ことになるのかが疑問。侵害訴訟の裁判所で全てを対応することは出来るのかということ
をもう少し検討する必要がある。
・ 紛争の一回的解決は、専門性を高めた訴訟係属裁判所において行うことを前提として
おり、そういう意味で、特許庁の審判機能が訴訟に参加する。そして、侵害訴訟におけ
る有効無効の判断については裁判官と同じくらいの立場で判断し、対世効まで持たせてし
まうことが本来の一回的な解決だと思っている。ただし、侵害訴訟とは無関係に、あらか
じめ有効・無効を判断したい事情も発生するので、特許庁の今の無効審判の機能は残す
べきだと思う。
・ 無効審判制度は制度として残るとすると、制度の利用と侵害訴訟の裁判所においての特
許無効の判断との関係が、どういう整合性を持ってやれるのか問題になりそうだが、どう
するか。
・ 具体的にはそういう問題が出てくるが、解決できないとは思わない。学問的裏付けはな
いが、感覚として出来ると思う。多少の抵抗は排除していただきたいと思う。
・ こういう制度は世界的に一元化すると思うし、そうすると競争もやりやすくなる面がある。
④共有特許について、委員からの意見をまとめると以下のとおり。
・ 共有特許について第三者に自由にライセンスできるようにすることは、産学連携の将来の
活性化を阻害することになる。あらかじめ契約によってテーマと配分を決めて研究に入る
ので問題はない。特許法を改正することには大反対である。法改正をすると企業が投資す
ることはなくなり、産学連携はあり得ないことになる。
・ 特許も財産権であり、持分の自由な譲渡が原則なので、特許法改正が真っ当な案だと考
える。自由な譲渡ができなければ共有特許は流通しない。大学としても不利益を被ること
はなく、助かる。デフォルトは自由な譲渡とし、契約で決めれば良い。
・ 産業力を強化するというテーマで見れば、企業すなわち、お客様が一番つきやすい形態
にするのが良い。投資に対するリターンが保証されない限り、企業にとっては投資する対
象には映らない。
・ 米国でもTLOが立ち上がるまで時間がかかっている。今の実態のままこうした方が良
いというのは乱暴な議論ではないか。
・ 非常に良いものであれば競争相手の企業が取りに来る。投資したリターンが返ってこな
い可能性があれば投資しにくい。
・ 企業との共有に係る国有特許の場合、国有財産の処分の問題が生じ、産学連携は発展し
ない。大学に権利の管理能力を認めるべきである。
・ 権利を基本的には自分の事業に使うのが最優先。どれくらい独占できるかが焦点。これ
をフリーハンドでコンペティターにやられるのであれば、絶対に組まない。企業が何故こ
このところを言うのか、考えて欲しい。
以 上
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