日 時:平成14年2月21日(木)17時~19時
場 所:経済産業省本館17階第1共用会議室
<議事次第>
1.報告書骨子(案)について
2.財務報告の信頼性を向上させるための取組みについて
3.白畑委員によるプレゼンテーション「COSOフレームワーク」
-以下、概要-
○財務報告の信頼性を高めるための取組みについて
<内部統制構築のインセンティブ>
・経営者がリスクを計量的に把握し、それをきちんと説明できるかは、投資判断の際の大きな要
素。米国では、SEC等によるパブリック・エンフォースメントとともに、大手の投資家による
投資の際の調査等の水面下のやり取りが内部統制の構築を促した側面がある。さらには、開示
されているという緊張感が企業のガバナンスを向上させる。
・米国では、経営者の不祥事の際の免責要件として内部統制の整備が進んできた。マネジメント・
レポートは誰でも書ける。問題は経営者が本気でやろうとしているかどうかであり、やらない
と経営者の責任になることを明確にしないと進まないのではないか。
・これまでの日本の経営においては、終身雇用制度であり、従業員が会社に不利益を与えること
は自らにとってもデメリットとなるため、統制が不要であった。また、株式の持合により、株
価を意識することなく経営をしてきたので、経営者が経営に無理をしてこなかったという側面
もある。一方、最近はこのモデルが壊れ、内部告発も増えてきている。
・内部監査部門がない企業だからといって内部統制への意識が低いというわけではない。最初は
内部監査部門はあった。途中で内部監査部門がなくなったのは、これまでの経営環境ではコス
トとベネフィットの関係から必要ないと判断したからである。今後雇用環境の変化等により、
これを見直していく必要があるのだろう。
・日本では量刑ガイドラインがなく、内部統制の構築のインセンティブが働かないため、その状
況の開示の義務付けも必要と考える。
<内部統制の開示等>
・経営者に財務諸表の作成責任を認識してもらうには、「経営者確認書」の開示が必要。一方、
nasdaq上場企業等の新興企業では、発展段階であり、利益が出てからでないとお金がかかる
内部統制の構築は難しい。内部統制といっても企業の大きさを考慮した制度にしないと、経済
活性化を阻害するなどかえって弊害になる可能性がある。
・米国では、内部統制の構築状況の開示の慣行ができるまで20年かかった。当初、開示の義務
付けに関しては、内部統制の構築がなされていないような状況で、それをそのまま書くと、海
外不正支払防止法違反であることを宣言するのと同じになってしまうというような議論があっ
た。それが、量刑ガイドラインが整備され、責任の範囲も会計や法令遵守等でおさえられると
ころに限定したことで、このような仕組みができた。ここまでしないと実務的に無理。
・「経営者確認書」を開示することは意味がない。これは、平成3年の導入時に企業と監査人との
やり取りを文書化しようとした際の妥協の産物であり、また先般の監査基準の改訂の際に「経
営者報告書」という考え方はなくなり、明確に監査手続きとして位置付けられた。
・企業間比較という意味で、内部統制構築にいくらお金をかけているかを開示させてはどうか。
<内部統制のフレームワークの醸成と経営者の意識>
・内部統制は、経営の効率性にもかかわる問題であり、これを法律に書くことはできない。法律
で規定できるのは、財務報告の信頼性確保、法令遵守の部分のみである。
・内部統制に関する理解を浸透させるには、経営者に理解してもらうことが重要。そのためは、
以下のような質問をするとよい。①財務諸表の作成責任は経営者にあるか、②内部監査部門は
あるか、③財務報告の適正性を社内で評価する人はいるか、と。
・内部統制の認識に関して世代によりギャップがある。最近の世代では、内部統制は、経営者も
含まれているということが理解されているのに対し、上の世代では、内部統制はミドルかロア
のものという意識しかない。
・経営者が内部統制の必要性を感じないのは、終身雇用で30年来のつき合いである周りの人間
を信頼しすぎているからである。
・内部統制の有効性や構築といっても、答えはなく、目に見えない。失敗したときに初めて脆弱
だったことがわかる。経営者へのメッセージとしては、過去の失敗事例を示し、構築していな
い場合の経営者の責任を示し、内部統制について淡々と説明することが必要。
・環境報告書は誰に言われることなく、企業が自主的に作成している。これは同業他社に追従し
ているためとも考えられる。経営者の横並び意識は高い。
・経営者を厳しい立場に立たせることは重要。経営者に署名を求めると、興味をもって説明を求
める。署名することの意味はある。
<外部監査について>
・エンロン問題等があり、今後欧米から日本の監査制度についても注目されるであろう。これに
応えるためには、監査人の選任、解任等の際に監査人の独立性を保持する法的措置を行う必要
があるのではないか。
・経営者がしっかりすれば全てが解決するわけではない。経営者の作成責任も重要だが、監査人
の監査責任も同様に重要である。合理的な保証といっても、プロとして最善の判断をした結果
が合理的な保証でしかないだけである。
<今後の予定>
・次回は、3/6(水)午前10時から
(以 上)
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