1.日時:平成14年3月13日、14:00~16:00
2.場所:経済産業省本館17階、第一特別会議室
3.出席者:阿部委員長、中山委員長代理、赤羽委員、安念委員、内ヶ崎委員、神谷代理、
小池委員、小寺委員、手柴代理、仲代理、永岡委員、平尾代理、松尾委員、
村瀬委員、山地代理、山田代理、山本委員、吉野委員
(澤井WG1主査、清水WG2主査、丸島WG3主査)
4.議題:①開会挨拶
②産業競争力と知的財産を考える研究会ワーキンググループ報告(素案)
③討議
④その他
会合の概要をまとめると以下のとおり。
① 及川特許庁長官から、開会の挨拶を兼ねて最近の知的財産政策を巡る動向について説明が
なされた。
② 知的財産政策室長より、資料5の「産業競争力と知的財産を考える研究会」ワーキンググ
ループ報告(素案)の内容について説明がなされ、各ワーキンググループの主査から補足
して説明がなされた。
その後、各委員での議論が行われた。各委員の主な発言内容は以下の通り。
・ ワーキンググループでは、「時期尚早」、「何故知財だけが例外となるのか」、「今後の
検討課題だ」という言葉が多い。本研究会の目的に戻れば、遅々として検討が進んでいない
感が否めない。知的財産に関して、どうやって例外を作り、早急に手当てをするかというア
プローチが必要である。
・ 本研究会を含めて様々な活動が重複して動いているという感じがする。本研究会のメッセ
ージを明快に早く打ち出して他の活動へのインプットとしていただきたい。検討項目につい
てについて、メリットやデメリット、対立点を示して、判断するための材料としていただき
たい。そうしなければ、検討項目が多く、結論を得ることができない。
・ ベンチャーの起業環境がどの程度日本で強まるかということが大事である。不正競争防止
法における営業秘密の訴訟リスクがあるために、例えば大企業を辞めて創業したり、他の企
業に転職したりできない。営業秘密の保護に加え、適切な意味での人材流動化をどのように
促進するかという観点から検討すべきである。
・ 日本版バイドールの適用は一部の省庁に限られている。全省庁で、一刻も早く徹底的に実
行すべきである。文科省の例だが、それまでは人件費に使えなかった科研費を、人件費に充
てることができるように本省レベルでは手当をしたが、現場では徹底されていないというこ
とがある。全政府的に、早くやるようなメッセージを出すべき。
(事務局)
・ ワーキンググループでは自由な意見交換を行っており、何を重点としていくかという
観点で、時期尚早等の説明の仕方があったのは事実である。
・ メリット・デメリットを提示するやり方が良いのかどうかは難しい面がある。
・ 不正競争防止法の営業秘密の概念についてはご指摘の通りであり、ガイドラインの作
成を検討している。引き続きワーキンググループで議論させていただきたい。
・ バイドールについての御指摘はごもっともである。全委託研究にバイドールを原則適
用しているのは経済産業省だけだが、委託の一部にバイドールを適用している省庁のあ
り、また、適用すべく作業中の省庁もある。今後更に、適用の拡大に向けて働きかけを
行う。
・ なぜ知的財産だけか、という議論が出るのは当然である。法は正義が大原則であり、それ
ぞれの特徴に応じた取り扱いがなされなければならない。なぜ知的財産だけが特別に扱われ
なければならないのかと言われる場合には、知的財産法の対象が他とは異なる扱いが必要で
あるということを外部の方々に対して説得するための理由を積極的に考える必要がある。
・ 大学における知的資産の機関管理化について、帰属の問題と技術移転が進まないこととの
間には関連がない。問題は技術移転を行うファンクションがないことである。技術移転とい
う商売をするのだから民間がこの機能を担う方が、効率的である。
・ 司法試験とロースクールについて、知的財産を選択科目にするのは異論がないが、必修科
目にするれば、型にはまった学習に帰結することとなり反対である。
・ 3倍賠償制についても、駄目だと諦めずにもっと前向きな気持をもって取組んで欲しい。
法律学の説明は多分にレトリックであり、最後には理屈が付けられる。
・ 産業界の立場からすれば、大学の機関帰属には賛成である。産学連携を考えた場合、それ
ぞれの先生と個別に取引をしなければならないということは非効率である。
・ 司法試験には知的財産法を入れて欲しい。もっと言えば技術についても教育し、知的財産
法と技術に明るい法曹が増えて欲しい。
・ 基本特許が企業に少ないという指摘があるが、企業は短期的な収益最大化を目指すため基
本特許を生み出すことが困難である。現在の社会情勢を考えれば、基本特許を生み出せるの
は、大学しかない。大学には、優秀で、知的財産制度に明るい人材を多く大学に配置して欲
しい。人をつけて欲しい。また、特許申請の際に補正の制限が非常に厳しく、これでは基本
特許は取れない。緩和を要求する。
・ 侵害訴訟については、1回的解決を産業界として望む。証拠提出義務も強化するべきであ
る。
(事務局)
・ 機関帰属の問題について、現在の個人帰属での諸問題を解決するために機関帰属を提
案している。
・ 3倍賠償については、諦めずに引き続き取組んでまいりたい。
・ 基本特許だけが産業競争力の背景ではないが、新しい先端技術、特にバイオの分野で
は、シーズの多くが大学にあることも事実である。
・ 補正制限については国際ルールに則って導入したものであり、制度の変更は難しい。
・ 侵害訴訟と審判との関係については関係者で議論をしている最中であり、ある程度ま
とまればワーキンググループで議論をすべきだと考えている。
・ 知的財産の生産主体は個人である。個性、自由ということがもっと奨励されなければなら
ない。日本の社会には規制や押さえ込みという話がたくさんあるが、そういうところを打破
しなければならない。
・ 帰属の問題は企業の職務発明の話と同じ。帰属は大学であっても発明者にどんどん還元さ
れる、仕組みができれば良い。研究者や個人をモチベートする仕組み我が国には、必要であ
る。
・ この研究会で、どのような社会を作れば知的財産が生まれるのか、ということを考えるべ
き。
・ 帰属の問題について、帰属が全てではないということは理解している。研究成果を組織的
に技術移転するというファンクションは、今まではなかった。実際にTLOをやる時に、組
織的な仕組みを構築することに焦点があたることは自然である。最初から商業的にやってい
けば、大学の先生からの信頼が受けられない。現在は、インカムモデルではなく、サービス
モデルでTLOを運営している段階である。
・ 模倣品等の問題について、アプローチがソフトである。途上国との関係において話合いだ
けでなんとかしようとしても、なかなか上手くいかない。WTOや二国間合意等も活用して、
硬軟使い分けることが必要であり、国別に戦略をもって対応すべきである。
・ 技術移転について、市場ニーズをもう少し重視すべきである。市場に受入れられる商品を
作るという意味で、ユーザーニーズを大学も企業側も考えるべき。
・ また、技術を生み出した人間も一緒に動かないと、本当の意味での技術移転にならない。
・ 専属管轄、専門委員制度の問題等、特許庁と裁判所の、三権分立の考え方や裁判制度の根
幹にかかわることについて、もっと大きな場で、議論すべき。その後で、証拠収集手続き、
3倍賠償、いずれも訴訟の流れの中で、後の方の話だと思う。裁判所で特許の無効判断をす
ることには、賛成である。
以 上
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