経済産業省
文字サイズ変更

企業経営と財務報告に関する研究会
第7回(最終回) 議事要旨

                  


  日 時:平成14年3月26日(火)10時~12時
  場 所:経済産業省本館17階国際会議室

<議事次第>
1.報告書(案)について

-以下、概要-

(報告書の全体について)
・開示と書くと進んだような気がするが、書くことによる効果があるとは思いにくい。アカウン
タビリティは単に説明すればよいということではなく、その内容を適切に実行するということ
が明確になることであり、それを担保する裏付けなり制度が必要。

・性善説、性悪説のどちらに立つのかで開示に対する捉え方が異なってくる。性悪説に立てば、
何を開示しようと意味がない。今回の報告書は、不正を行っていない企業の財務報告の不信感
の払拭が目的であり、このような考え方からすれば、開示を主とする論調でよいのではないか。

・開示のみでは押しが弱いのではないか。粉飾する企業には表彰制度のインセンティブといって
も関係がない。市場監視機能の強化や投資家がもっと容易に訴訟等が起こせるような公的支援
機関等を創設するなどの措置が必要。

(個別財務諸表の持分法導入)
・個別財務諸表への持分法導入について、将来的な会計基準の国際化を念頭に置くのであれば、
国際会計基準でも持分法を導入すべきことになっている以上、この観点からも導入すべきとい
えるのではないか。現在の報告書の書きぶりは、両論併記とはいえ、脚注に米国基準の例のみ
しか書かれておらず、これとあわせて読むと全体として消極意見にとれてしまう。

・トライアングル体制における問題は、商法、証取法、税法とそれぞれ制度がバラバラであるこ
とが問題なのではなく、証取法と商法の会計基準を合わせようとしたり、税法基準を引用した
りすることから生じる問題。そもそも、それぞれの法の目的が違うのであれば基準を分けるべ
き。そのような観点からは、持分法を商法の個別開示に導入する必要はない。

・さらに、個別財務諸表の存在意義は、今や配当可能利益算定目的しかないと考えているので、
情報開示という観点からは、連結財務諸表のみでよいのではないか。また、実務上、子会社整
理損が計上される場合に、親会社が子会社の保証をしていなくても、社会的道義上子会社の債
務も負担するケースが多く、そのような観点からも、連結財務諸表があればよく、個別財務諸
表は不要ではないか。

・商法での個別計算書類は、債権者の保護のために必要であり、財産を執行する上でも連結財務
諸表の数字だけでは意味がない。債権者にとっては、親会社に財産がどれだけあるかが重要。
法的には、親会社の債権者にとっては、子会社が借金をしていようが財産をもっていようが関
係ないし、親が子の保証をしていなければ、子会社株の簿価の範囲までしか責任を負わない。
現行商法の有限責任を前提にすると、個別財務諸表で会社の財産の範囲はいくらかを明らかに
する必要があり、これを省略していいということには決してならない。

(作成責任の宣誓)
・財務諸表の作成について必ずしも経営者の関与が低いとは限らないし、財務諸表を会計士が作っ
ていると誤解している経営者が多いとも思えない。作成責任の宣誓の理由としては、財務諸表
利用者に対し、財務諸表の作成責任の所在を明確化するためということでよいのではないか。

・作成責任の宣誓者が「経営者」では、「取締役」を指すのか「執行の長」を指すのかがわからず、
英訳しても顔が見えない。経営者とは誰かを明確にすべき。英国では作成責任を宣誓する人は
「directors」である。

(その他)
・会計監査人のクライアントは株主であるという視点が抜けている。監査人は法定された株主か
らの代理人であり、「第三者の判定人」という表現は無責任に思える。

・エンロン問題に絡み、米国ではいろいろな論点が出ている。我が国においてもこのような動向
を参考に、反映できるところは反映していくべきではないか。

(以 上)
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.