1.日 時:平成14年12月25日(水)18:15〜20:15
2.場 所:経済産業省本館17階 第1共用会議室
3.出席者:
石谷委員長、中田代理(浦田委員代理)、小川委員、尾崎委員、塩路委員、植田代理(中
西委員代理)、渡辺代理(林委員代理)、藤元委員、松村委員、御園生委員、森委員
4.議 題:(1) 水素エネルギーシステム 製造と貯蔵
(2) 水素エネルギー社会への展望 −今後の水素燃料と自動車技術の方向性-
(3)その他
5.議事概要
(1) 「水素エネルギーシステム 製造と貯蔵 」について
@横浜国立大学大学院教授 太田健一郎氏
水素エネルギーシステム 製造と貯蔵 について(資料1)の説明があった。
A委員からの主な質問・意見
○再生可能エネルギーからの水素製造
・2030年や2050年において、再生可能エネルギーから製造した水素は普及しているのか。
(塩路委員)
→石油や天然ガスといった化石燃料がいつまで使えるかによって普及が決まる。(太田教授)
○水素利用時の効率
・エネルギー利用のポイントは効率ではないか。その効率の面で、水素エネルギーは厳し
いのではないか。(御園生委員)
→リン酸型燃料電池は、技術開発が出来た時点で、最新型のガスコンバインサイクルによ
る発電よりも発電効率が低く、普及に失敗した。(太田教授)
○燃料電池自動車と従来の車との効率の比較について
・比較する際には、前提条件を明らかにする必要がある。どのような大きさの車で、走行
モードをどう設定するかというように。耐久要件を満足するかも需要な点である。(塩路
委員)
→燃料電池自動車が市場に投入された場合には、耐久要件を満足していることを前提に、
そのうえで今後検討を進める。(石谷座長)
○燃料電池自動車と従来の車との効率の比較について
・現状では水素の貯蔵と輸送は困難だが、今後の見通しはどうか。(尾崎委員)
→水素の輸送はパイプラインが最適だが、すぐに整備するのは困難であり、水素を利用す
る機器の開発をきっちりと進めることが必要である。水素利用の初期は、天然ガス供給網
の末端で、水素を製造してこれを利用するような形になると思う。(太田教授)
○水素利用の検討について
・これまでに水素関連でユーロケベック計画など様々な計画があたったが、消えてしまっ
た。その理由は何か。(石谷座長)
→ユーロケベック計画などのナショナルプロジェクトは確かに消えた。水素を安価に作れ
なかったことが大きい。(太田教授)
・同じ繰り返しをしないように、これまでの水素利用の歴史の話も重要ではないか。(石谷
座長)
○副生水素の利用
・日本の副生水素は現状ではどのように使われているのか。(石谷座長)
→副生水素の発生量の1/5ぐらいが化学品用に外販されて、あとはボイラーの燃料などに
燃やされているのではないか。(太田教授)
→日本で流通している水素は1.3億Nm3とされ、その2/3が食塩電解の副生物で、あと
は15%ほどが鉄鋼業からの副生水素で、残りの約20%はその他の方法で作られた水素で
ある。最近では、オンサイト水素製造装置も普及している。(森委員)
(2) 「水素エネルギーシステム 製造と貯蔵 」について
@武蔵工業大学教授 高木 氏
水素エネルギー社会への展望 −今後の水素燃料と自動車技術の方向性- について
(資料2)の説明があった。
A委員からの主な質問・意見
○水素燃料電池自動車について
・燃料電池自動車は実証段階であり、まだ多くの課題を抱えている。数年前だとバラ色の
話しか出てこなかったが、最近では今回の発表のように現実的な課題についての話も出て
くるようになってきた。(植田委員代理)
・効率、コスト、水素の製造・貯蔵、膜の技術、燃料電池の技術といったような様々な問
題が捉えられてきており、問題自体は良いことではないが、それを今後どう解決するため
に進めていくか議論することが必要であろう。(植田委員代理)
○液体水素の自動車利用について
・現在、車両への水素搭載方法として検討されている70MPaの高圧タンクの場合、圧縮時
のエネルギーロスは25%にも達するとの報告もあり、それを考えると、液体水素のエネ
ルギーロスが30%というのは大きな数字とはいえないのでは。(渡辺委員代理)
○価格と普及の関係
・携帯電話や家電機器の普及は、競争相手のいない新商品の場合であった。燃料電池の場
合、従来の自動車といった競合相手がいるわけで、少し状況が違うのではないか。次に、
価格の低下がどの程度普及に影響するかといった分析もあると良いのでは。国のインセン
ティブをどのくらいのせればよいかといった判断の参考になるのではないか。(松村委員)
→今回は調査の骨組みを示したに留まっており、今後の調査に反映されればと思う。(高木
委員)
・そういった分析、調査も重要ではあるが、条件設定にはよく注意する必要がある。
○水素エネルギーの考え方について
・10年刻みで考えた場合、2010年まではPMやNOxといった大気汚染物質の改善、2010
年から2020年は高効率化によるCO2問題の解決。さらに先はCO2が厳しい制約となっ
た場合に化石燃料でよいかといったことではないか。(小川委員)
・その場合に、水素エネルギーはどこに当てはまるのか。時間軸の中で、どのような要件
があるか検討する必要があるであろう。(小川委員)
○燃料電池自動車用のインフラについて
・燃料電池自動車用のインフラはローカルに限定して考えるべきなのか。日本全国を考え
るべきなのか。対象がローカルか全国かによって、かなり対応も代わってくるであろう。
(小川委員)
・水素ステーションはあればよいが、インフラを整備する際にはいろいろと問題があるの
では。したがって、メタノールやクリーンハイドロカーボンフュエル(CHF)を車上で改
質するような、既存のインフラを使って燃料電池自動車の普及の可能性を議論してはどう
か。そうすれば違った展開もあるのでは。(藤元委員)
○検討対象の自動車について
・これまでの議論は乗用車を中心にしているように思われる。しかし、トラックをどうし
ていくかも重要である。トラックの場合は、ひと桁多い水素が必要で、ひと桁多い信頼性
も必要となる。今の軽油ではないクリーンな燃料を用いた内燃機関と燃料電池の共存はで
きないか。(中田委員代理)
○白金の資源制約による燃料電池のコスト増について
・燃料電池自動車で問題になるのは、車体の価格ではないか。発表で、2010年で従来車の
2倍のコストとの説明があった。現在のPEMには、白金触媒が使われているが、白金の
資源量が決まっているので、大量生産によって逆に価格が上昇することにならないか。
(塩路委員)
・現在の燃料電池自動車1台あたりの白金使用量は3万円/台程度でそれほど大きな値で
はない。今回示したかったのは、白金のコストよりもセパレータ、モータ類のコストの占
める割合が大きいということである。(高木委員)
・現在、どれだけ白金を使っているとは言えないが、現在のレベルの使用量で燃料電池自
動車を普及させると、これまで発掘された白金量を上回ってしまう。つまり、白金使用量
の革新的な低減を図る技術開発が必要不可欠という状況にある。(植田代理)
・これは論点として整理しておく必要があるであろう。(石谷座長)
(3)その他
○事務局より次回は、自動車用燃料について新燃料の動向と展望について1月20日頃に開
催されることが伝えられた。
○次回の日程については、本日欠席している委員の都合も考慮して後日決定する。
以上
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