次世代低公害車の燃料及び技術の方向性に関する検討会
第4回 議事要旨



1.日 時:平成15年2月12日(水)18:15〜20:15

2.場 所:経済産業省本館17階 第1特別会議室

3.出席者:
石谷委員長、浦田委員、小川委員(代理)、尾崎委員、大聖委員、高木委員、中西委員(代理)、
林委員、松村委員、御園生委員、森委員、林氏(アフェック)

4.議 題:(1)欧米(主に欧州)の自動車燃料品質と燃料選択:動向とその背景
(2)将来技術と燃料による各種低公害車のWtW総合効率分析の必要性と課題
(3)その他

5.議事概要
(1) 欧米(主に欧州)の自動車燃料品質と燃料選択:動向とその背景について
@アフェック 林氏より講演
 欧米(主に欧州)の自動車燃料品質と燃料選択:動向とその背景(資料1)をアフェック林氏が説
明した。
A委員からの主な質問・意見
【欧州の小型車規制への対応可能性について】
○欧州の小型車は規制に対応できるのだろうか?(石谷座長)
⇒ユーロ5の規制がいつ実施されるのかによる。恐らく2009年頃と考えている。PMが最も達成
 困難と考えられ、規制値が0.01g/kmであれば何とかなるであろうが、0.008g/kmとなったら、
 ガソリンでもCNGでもナノパティキュレートまで含めると達成は困難であろう。 (林氏)
⇒欧では軽油の需要が供給を上回る状況が続いおり、このまま対策を講じないと2010年には15
 〜20%近く足りなくなる。全体の需要が伸びないとすると税収が減る。ガソリンと軽油の税金
 差が日本と同様大きいため、その差をどう埋めていくかといった問題が生じる。燃料の価格に
 もよるだろうが、登録台数比率でみると、ディーゼル車の比率は30%以内に落ち着くのではな
 いか。(林氏)

【低硫黄燃料の供給上の課題について】
○低硫黄燃料は輸送中のコンタミが課題である。国毎に輸送形態が違う中で、コンタミを防ぐ最
 適な輸送形態は?(高木委員)
⇒欧ではリストラが完了し、1国1社1製油所体制となっている。その中で、コンタミを防ぐ手
 段としてパイプラインを燃料油別に分ける。米では、規制値を満足した燃料油を取り扱う給油
 所に、マークをつけるなどの手段で、限定的に規格を満足した燃料油を供給するのではないか。
 規格を満足しない燃料油を販売した場合の罰金が非常に高額であるため、マークをつけた給油
 所については、メジャーズでは硫黄分15ppm(末端で15ppmということは、出荷元では8ppm
 以下)に十分対応するはず。(林氏)
⇒コンタミを防ぐ実効的な方法としては、国がインセンティブを1リットルあたり2円強出せば、
 1年以内に50ppmから10ppmになる。全てが変われば、コンタミの心配が無くなる。(林氏)
⇒米で、EPA(Environmental Protection Agency: 環境保護庁)は15ppmと決めているが、
 API(American Petroleum Institute: 米国石油協会)は訴訟に持ち込み、その規制導入を先
 延ばしするよう求めている。流通過程でコンタミが起こり、末端で15ppmが保証できないこと
 を懸念している。本当に低硫黄の燃料を必要とする車が出てくるのは、もう少し先ではないか
 ということで、2006年一斉にスタートではなくてもいいという論理。(林氏)

【低硫黄燃料利用によるCO2削減効果について】
○硫黄分が10ppmと50ppmの場合で、自動車のライフ中に排出されるCO2の差については、
 数量的なデータがあるのか?(松村委員)
⇒低硫黄燃料を製造するために、製油所でのCO2排出量は増加する。ただし、低硫黄燃料油に対
 応した車が普及することで、走行時のCO2排出量は減少し、トータルの排出量は減少する。
 CO2の排出量に関する数量データは、実験的なシミュレーション結果として公表されている。
 シミュレーションの前提条件と結果については、後日、事務局を通じて、委員各位に提供する。
 (林氏)

【自動車の燃料油に関する課題の優先順位について】
○エタノールをガソリンに添加するとRVP(Reid Vapor Pressure: リード蒸気圧)が上昇する。
 これに対して、蒸気圧規制の緩和要望があったが却下されたとのこと。欧の場合、CO2対策の
 方が重要で、HCのエバポはその次の課題なのではないか?(松村委員)
⇒確かにプライオリティとしてはCO2が上。ただし、オゾンの問題もあり、RVP規制値を緩和
 できなかったと考える。農業国であるフランスやスペインがエタノール導入を積極的に働きか
 けているが、ETBEで混和することで対応している。欧の場合、オクタン価の要求値が最低95
 (ドイツのみ92以上)であり、ガソリンへのエーテル系基材の使用は暗黙の了解となっている
 (林氏)

(2)将来技術と燃料による各種低公害車のWtW総合効率分析の必要性と課題について
@石谷座長より講演
 石谷座長から将来技術と燃料による各種低公害車のWtW総合効率分析の必要性と課題(資料
2)の説明があった。
A委員からの主な質問・意見
【欧米のLCAにおける優先課題について】
○燃料選択において、エネルギー効率やCO2排出量、コストなどが論点となるが、このウェート
 の置き方が国により異なるのではないか。(大聖委員)
⇒米はエネルギーセキュリティを優先。欧はCO2問題が最優先である。ただし、米はCO2問題
 には関心がないようにみえるが、研究レベルではCO2や大気環境問題に取り組んでおり、全く
 気にしていないものではない(石谷座長)

【燃費測定モードについて】
○ウォームアップやコールドスタートについて、排ガス規制には盛り込まれているが、燃費測定
 モードとしては考慮されていない。これについて、どう考えるか?(大聖委員)
⇒従来型のエンジンであれば、ウォームアップやコールドスタートを考慮した燃費がどうなるか
 について、ある程度の見当はつく。燃料電池車やさらにリフォーマーが入ったりすると、見当
 がつかなくなる(石谷座長)

【WtWを試算する上での不確実性について】
○WtWを試算する上で、不確実性のキーとなる部分は?(御園生委員)
⇒TtWの部分について、既存の車であれば確実に分かっている。燃料電池車などでは、現時点
 の性能データでは惨めな結果となるので、将来の目標値を入れて試算しているなど、技術確立
 の面で不確実性が残る。ただし、一般的にはWtTの部分の方が、熱損失の問題など、大きな
 不確実性がある。例えば、DME・GTLについては、どのような条件・プロセスで製造され
 るのかによって、大きな差が出る。メタノール精製については、公表されているデータ間で大
 きな差がある。水素製造について、センタープラントで製造するものについてはある程度収斂
 したデータが得られるが、オンサイト製造については、大きな幅を持ったデータしか得られな
 い(石谷座長)

【燃料選択の評価軸について】
○欧米においては、どのような議論を踏まえて燃料選択が行われてきたのか。総合エネルギー効
 率以外の評価軸としてどのようなものが用いられたのか?(立岡課長)
⇒ドイツのTESにおいて、目標は脱石油であった。欧では目標がはっきりしている。米では、
 エネルギーセキュリティが第一優先。次に、コスト、効率、CO2といった感じ。リニューアブ
 ルエネルギーについては、その供給ポテンシャル及びコスト、効率が評価軸となる。また、導
 入時期、すなわちターゲットを何年先に設定するのかも検討材料となる。より長期の石油供給
 の逼迫状況やCO2問題の顕在化した状況も考慮すべき。さらに、インフラ等の連続性も検討対
 象とすべき(石谷座長)
⇒CO2削減効果や車がユーザーに受け入れられるか、燃料の供給安定性が評価軸(林氏)

【その他】
○最近30年間、いつどのようなエンジンが市場に登場するかといった予想はことごとく外れてき
 た(高木委員)

(3)その他
○事務局より資料3に基づいて次回以降の進め方について説明がなされた。
                                        以 上