日 時:平成15年3月27日(木) 14:30~16:30
場 所:経済産業省本館17階第2・3共用会議室
委 員:島田座長、石原委員、垣田委員、亀田委員、菊地委員、西機様(久野委員代理)、
近藤委員、今野委員、手塚委員、樋口委員、星 委員、森委員、
外部有識者 ジェイス
事務局:松井大臣官房審議官、熊谷サービス産業課長、岡倉医療・福祉機器産業室長
概 要:冒頭、座長より資料の確認及び本日の進行について説明、その後、4名の委
員等からプレゼンテーションが行われた。
(プレゼン1)
○エステティックは単なる美容効果だけではなく、心身のリラクゼーションや癒しも求め
られる産業。「きれいになりたい」という気持ちが健康な体を求めることにつながる。
美しさは健康が基盤になっている。
○フランスでは病院や老人ホームで、ソシオエステティシャンと呼ばれる専門家が活躍。
体の手入れをしてもらうことで元気を回復し、社会復帰を早めることが明らかになって
いる。
○健康施設などを作っても、本人が「健康になりたい」という意識が低ければ役に立たな
い。
○一昨年、フランスのエステティックに行ったが、水圧を使ったマッサージ、人の手によ
るマッサージなど、様々なマッサージルームが何部屋もあった。顧客には女性だけでな
く男性もおり、エステティックが美容だけでなくリラクゼーションも提供する産業であ
ると思った。
○エステティックの入り口をもっと広くしては。美容だけでなく、リラクゼーション効果
をうたえば、顧客が女性だけでなく男性にも広がると思う。
○今後はエステティシャンの資格制度の確立、国などの公的な資格が難しいのであれば、
業界での自主的な取り組みによる資格制度の確立が望まれる。
(プレゼン2)
■米国でのスポーツ産業の現状について説明
○アメリカのスポーツ産業は約23兆円のマーケット。宗教に次ぐ大きな影響力をもつ産
業。
○小売店については、1999年~2001年にかなりの再編が行われ、大手企業が出し
ている大型店に収束されつつある。業界大手では16~30%、トップ100選は33
~70%出店を増やしている。
○スポーツのトレンドについては、メジャーが少し落ち、スノーボードなどレジャー系ス
ポーツが伸びている。
○ベビーブーマー世代(37才~54才)は約8,200万人おり、国民総所得の約36%
を稼ぐ大きな市場。
○この10年間で、フィットネス人口が増えたが、2000年代に入ってからはあまり
増えていない。
○フィットネス人口は中高年が多い。特に筋力トレーニングをする人が増えている。
女性はウェイトトレーニングをする人が増えた。(2000年 3,200万人)
○ホームエクササイズが人気。33%の家庭で機器をもっている。2000年に約58億
ドル、6,960億円の市場規模。特にクラブユースの本格的な機器が売上げを伸ばし
ている。
○アメリカでは医療費と予防費が1:3であることが一番バランスがいいと言われてい
る。
○6才~17才の肥満児が、60年代に比べて2倍に増えている。また、非インシュリン
型糖尿病患者の3割が子供。
○スポーツクラブには現在約3,280万人が登録されている。(前年比8%増加)
全世界では約6,500万人が登録されている。
○トレンドは、スポーツクラブ入会を躊躇している人たちにどう参加を促すかということ。
○日本のスポーツ産業の課題は、①トレンドがまだみえないこと。70年代はランニング・
ジョギング、80年代はエアロビクス、90年代はマシンジム、2000年代はわから
ない。②価格とサービスのリンクがされていないこと。大型店は2万円以上、中型店で
1万円程度、準スタジオで7,000円程度と価格を決めることで、価格でどのような
サービスが提供されるか消費者にわかるようにできるのではないか。③健康食品には不
当な表示が多いが、正しい表示がされるようにしないといけない。
(プレゼン3)
○長野県は他県と比べて長生きな高齢者が多い。(男性は全国1位、女性は3位)また、
医療費は全国でもっとも少ない。理由は様々なことが考えられるが(良い水と空気、高
齢者の就労率が高いなど)医者がいないことが一番大きな理由では。
○死因はがんが少なく、脳卒中が多い。
○一方、東京都の平均寿命は男性は全国20位、女性は33位。最下位は足立区であった
が、95年に20位にあがった。あがった理由としては300以上の健康に取り組む自
主グループの活動などが考えられる。
○IT活用では、ネットを使って自分のCTスキャンのデータを見られることも大事だが、
毎日楽しくネットワークに参加するシステム作りがより大事。
○健康日本21は集団の目標。個人の目標が必要であり、目標達成を支援するシステムが
必要。
○蘇陽町では「蘇陽町健康作り基盤整備」に基づき、特別養護老人ホームを作ったことに
より、1人年間100万円かかっていた医療費を70万円に削減できた上、10人の若
者の特養ホームでの雇用も生まれた。
○今後は医学から生活モデル、専門家から市民中心のモデル、楽しく参加できるモデルへ
など、本質的な医療の改革が求められる。
(プレゼン4)
○平成6年に発足し、保険医療福祉情報システムに関する標準化、国際活動では、日本HL7
事務局、ISO/TC215の委員として活動。
○健康支援ITシステムの在宅機器の導入は90年頃から行われ、2001年には約11,
000台を導入。(累積台数)
○福島県西会津町においては、健康支援ITシステム導入前から導入後で、1人あたりの
国保税額が17,000円(年額)も下がった。特徴としては、「100才への挑戦」
など町が自らスローガンを掲げて前向きに取り組んでいること、利用者の負担が無料で
あること、利用者の満足度が高いなどがあげられる。大阪大学のアンケートでは、この
サービスに利用者は3,177円まで負担できると評価している。
○一方、釜石市医療法人楽山会においては、専任看護師による定時確認、異常時の医師報
告、指示メッセージの送信、健康生活活動(友の会)等。の健康サービスを有料で提供
しており、80%の人が平成5年の有料化後も継続。利用者は自発的健康管理、安心感
が得られるなどのメリットを感じているのでは。消費者はこのサービスを4,519円
まで負担できると評価。
○テレビ電話保健指導では、在宅高齢者に毎朝9時にテレビ電話にアクセスしてもらうこ
とになっているが、ある女性高齢者はアクセスすることで化粧を施したりして明るく前
向きになり、精神状態がとてもよくなったという話も聞いている。
○導入事例における成功のポイントは、トップの指導力、現場推進者の存在、参加者同士
のコミュニティの参加、参加者の健康意識の高揚(有料化も有効)等。
○個人の健康データの扱いについては、利用者のプライバシーをどうするかが問題。実際
の事業は健康サービス事業者に委託し、市町村は事業者を監視するシステムが有効か。
○個人が健康サービスを受ける際の負担金額を2,000円と仮定すると、健康支援IT
システムの市場試算は、2010年には約1兆2100億円の市場となることが期待さ
れる。
【質疑応答】
○幸せで健康な生活を破壊するのは医者と言われ、肩身の狭い思い。しかし、まだ医療が
できる部分も確かに存在する。今日、発言された委員に、予防医療や健康増進において
のご専門の分野と医療との協業の仕組みについて、また財源についてお伺いしたい。
○他国では、マッサージなど効果があるエビデンスがあれば、保険の対象になっている。
日本は遅れている。
○日本では病気を治せば治すほど医者がもうからない仕組み。他国では違う。医者の性善
説に頼っているのは日本だけ。
○フィンランドでは、かつて12才の子供一人に平均10本の虫歯があったのを、学校で
の検診時に針を使うことをやめたのと、キシリトールガムをかむことで10年間で平均
4本に減らすことに成功。
○英国は看護婦学校を全て廃止、看護大学に格上げ。医者と同等の立場にした。英国では
首相が自ら医療制度改革のリーダーシップを取っている。日本でも首相がリーダーシッ
プを取るべき。
○今の話は、とても重要な問題。こういった問題を含め、皆さんと一度、朝から一日か
けて深く掘り下げて意見交換をしたい。
○医者にこのままだと糖尿病になるから、運動をしろと言われてスポーツクラブに来る人
がいるが、医者から本人のデータはこない。データがもらえれば、トレーナーが「こう
いう運動をするとよい」などの指導ができる。医者とどうしたら連携ができるのか。厚
生労働省では最近、健康指導に係る部分に保険適用を認めるという動きがあるようだが。
○エビデンスがあれば、保険適用できるというのは厚生労働省は絶対認めない。医者の収
入が減ってしまうため、エビデンスが無いと決めつける。日本の医療保険の仕組みは良
くできているが、この研究会で問題にしようとしているところは絶対に厚生労働省は受
け付けない。現状では、スポーツクラブ側がカルテを入手するのは認められない。特に
法律はないが認められていない。
○エステティックでは、レーザーやケミカルピーリングなど、医療との境界が曖昧で棲み
分けができていない部分がある。医者は資格があるため、何でも出来るがエステティッ
クだとできない。資格、教育がしっかりしていないため、医療とオーバーラップする部
分で、やってはいけないということも決められていない。お互いに領域争いをしている
状態。
○医療法42条で、医療機関は届け出をすれば範囲外の診療もできるとあった。突破口と
なりうるのでは。保険診療で認められた以外の診療は患者 が選ぶことができる診療の
仕組みは充分に有り得る。
○こういったことは精力的にやってほしい。
○健康管理料は保険適用になると聞いた。スポーツドクターがデータに基づいて、こうい
う運動をしろという指導で、3,000円~4,000円の管理料を取れるようになっ
たと聞いている。
○お話を聞いていると、こうした医療との隣接、オーバーラップしている領域が 相当あ
りそう。
○医者の中でも、スポーツドクターなどはどう考えるのか。
○大学病院でも心臓病の専門医がいるが、スポーツドクターとしての診療もしている。
○スポーツ医療は保険対象ではない。先程からの議論で、医師=保険医療と思われている
が、一体ではない。形成外科やスポーツメディソンは保険対象ではない。
○予防とか健康作りはエビデンスがありそうなので、保険対象にしろと厚生労働省に言っ
ているが、医師会との関係でダメという。大学病院の多くの医師は医師会に入っていな
い。そういうところから攻めてはどうか。
○保険者の動きは積極的でなく横並びで受動的。財源は充分にあるのだから、医療費削減
にもっと様々な取り組みができるはず。
○次回は4月18日に開催。今回のようにまた委員からプレゼンをしていただく。
各委員に集まって頂いて、一日を通して意見交換をするという提案に対しては、追って
事務局から連絡が来る。
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