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【60秒解説】 伊佐山元 氏(WiL共同創業者CEO)インタビュー

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語り手:伊佐山 元(いさやま げん)

伊佐山 元 インタビュー風景
1973年生まれ、東京都出身。
東京大学卒業後、日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)に入行。
米国大手ファンドDCMを経て、2013年WiLを設立。
共同創業者CEO。

始動参加者の印象

始動のメンバー、シリコンバレーに来たメンバー20名プラスそれ以外の122名いるんですけれども、皆さん一貫しているのは、当然そういったプログラムに応募しているぐらいですから、非常にモチベーションが高くてですね、あの現状に甘んじるような人たちではない、やる気はいっぱいある。

ただなかなかそのやる気をどうやってアクションに移すか。

テーマである「THINKER」から「DOER」になるプロセスに非常に悩んでいる人が多い中で、やっぱり一つきっかけとしては上手く外を使うと。

つまり社内の中だけで一生懸命動かしても、嫌な上司がいたりとかなかなか動けない、そこに外部の人間を味方につけて、うまく自分のやりたいことをどんどんアクションに繋げていくということができれば、日本にはまだまだ大企業の中でも優秀な人材がいるわけですし、やれることっていうのはいっぱいあるんじゃないかなって思っています。

日本の現状

日本でベンチャー市場をつくるときに当然いわれるのが、GOOGLEとかFACEBOOKみたいな一兆円産業をつくれるような会社がでてきてほしいなっていうことを関係者は夢を見るわけですけれども、残念ながらその一兆円産業をつくるためにはグローバルビジネスにしないといけないわけですね。

アメリカの一兆円産業のビジネスをやっている人っていうのは、国内の売上比率が半分以下の会社が非常に多くて、アメリカ国内がでかいから時価総額が大きいわけではないんですよね。

翻って、日本の会社っていうのはまだ圧倒的に国内の売上比率が高くて、日本のベンチャーはまだ非常にドメスティックな思考が強すぎます。

なんで、それを変えるためにも早い内に海外の市場をみて、海外の人たちに受けるようなサービスとか製品をつくることがデフォルトで始められるようなビジネスマンなり、もしかしたら行政の長を育成しないと、日本はいつまでたっても、いわゆる本当の意味でのグローバル化にはならないですし、ベンチャーの生態系を本当に競争力のあるようにするためには外人が参加できるようにしなきゃいけない。

かつ、海外を取り込めるるような起業家を日本から生まなければならないと考えると、国内だけで固まって日本語だけで情報交換して、日本円だけでお金を増やしても、残念ながらそれはシュリンキングマーケットのなかで大きなビジネスになるわけがないですよね。

だからやはりそこは、いかに海外の情報、海外のリソースへのアクセスを増やすかっていうのが、今後の日本のベンチャー生態系を次のスケールするためには僕は非常に大きなピースになるんじゃないかなと思っています。

JAPAN USA

日本の大手企業トップ10
(時価総額89兆円)

  • トヨタ自動車(株)
  • 日本電信電話(株)
  • ソフトバンク(株)
  • JT
  • (株)三菱UFJ FG
  • KDDI(株)
  • (株)三井住友 FG
  • (株)みずほ FG
  • (株)NTTドコモ
  • ホンダ

1955年行こうに米国で創業した代表的ベンチャー
(時価総額105兆円)

  • Google
  • Facebook
  • Twitter
  • amazon
  • Yahoo!
  • ebay
  • Princeline
  • Vmware
  • Saleforce
  • Linkedin
  • workday
  • Tesla

目指すべき姿

今回私が目をつけたのは、日本の大企業のもっているインフラ、それは設備的な資産であったり、人的な資産であったり、これを上手く活用してイノベーティブなことをやるっていうのはまだポテンシャルがあるんじゃないかっていう発想で始めたわけですけれども。

これはやっぱり、まだ世界的な競争力あるなっていうのが正直な実感です。

ゼロから何もないところから裸一貫で立ち上げるって言うのはなかなか日本の文化には向いていないといいますか、社会にあまのじゃくが増えないとそういうことができない。

大企業志向が強い間は、なかなかいい人材っていうのは外には出てこないので、やはり欧米型のベンチャーのやり方っていうのは日本にはなじまないと思っていて、ただ他方ベンチャー的なやり方を大企業の中で推進するっていうことはいくらでもやり方によっては可能性あるなと思っていて。

今回よくわかったことは、日本の大企業っていうのはやっぱり技術力があるなと。

来た人たちがつくったビジネスプランの完成度をみれば、どれもがいわゆるアメリカのベンチャーキャピトルが出資する可能性が非常に高いようなものに仕上がりましたので、いわゆるただの思いつきでもなかったし、かなり技術的なモノがしっかりコアにあるような事業計画が多数あがってきましたので、そこは非常にポテンシャルはあるという感触は持ちました。

最後はやっぱり本当に実践まで結びつける力っていうのがどっから出てくるのか、それは社長がやれって言ってくれるのか、外部がこれはやるべきだっていう形で推すのか、そこはまだ一つの大きな課題なんじゃないかなと。

要するにそういうことの足を引っ張る人は社会にいっぱいいるわけで、いかにそういう人は避けて、そういう人をつっぱねてやるような力、それをどっからもってくるかっていうのが、たぶん最後の大きな課題なんじゃないかなという風に考えています。

政府との連携

まさにここで、実はなぜ政府が大事かって言うところがポイントだと思うんですけれど、さきほども申し上げたように、イノベーター、イノベーションに興味を持っているのは若い人だけじゃなくて中年も増えてるんですね。

1つの問題は、そういう人たちが今の職場もしくは今の組織の中でそれを推し進めるだけのエネルギーが足りなかったりとか、権限がないとか、それをスポンサーしてくれる人がいないっていう問題があるわけですけれども、そこで政府っていうのは最高の外の味方になり得るわけですよね。

政府がこれをやった方がいいよっていうと、それで社長に刺さるわけですよね、総理が言った、政府が言った、こんなにいい口実ってないわけじゃないですか。

一個上の先輩がいいって言っただと迫力の無いものも、政府が推進したんだっていうことをうまく自分がやりたいことを推進する一つのツールとして使うというセンスはみんな持つべきだと思っていて、実際私がやっていることも、民間だけでこういうことやるのも可能なんですけれども、なんで政府なんかと組むんだっていう人もいるんですけれども、政府と組むことによって、自分がやろうとしてることをさらに加速することができる、有利に進めることができる、上手くお互いの強みを使えばいいんじゃないかっていう考えで、経産省とも政府とも僕は上手く連携してやりたいなという風に思っています。

環境を変える

人を変えるのって僕はやり方は一つしかないと思っていて、環境を変えるしかないんですよ。

ようするに制度を変えたってお金増やしたって人って変わらないじゃないですか。

結局環境を変えない限り、人間の性格とか人の気持ちとかモチベーションって変えようがないと思ってるんですね。

そういう意味ではシリコンバレーの環境っていうのは僕はすごくいい環境だと思っていて、そこに日本人がみんな引っ越す必要は全然なくて、そこに短期間でも会って行くことによっていい意味での気持ちの切り替えだとか、モチベーションアップにつながるわけですよね。

人によっては本当に人格変わるぐらいの強烈なインパクトを経験する人も出てくると。

だから私はそのシリコンバレーでやった意義っていうのは、やったことの中身自体は別に日本でもどこでもできるような話なんですけれども、やっぱりそういう特殊な環境を上手く使うことによって、日本人の中にも眠っていた起業家精神っていうのが呼び起こせるのであれば、どんどんどんどん使うべきだと思っていて、なんでもかんでもやっぱり国内でやろうという自前主義じゃなくて、海外でも使えるとこはどんどん使って、そこから戻ってきた日本人が活躍するような環境を政府としてさらに進めればうまくまわるんじゃないかなという風には個人的には思ってます。

志を持つ方へ

今だんだんやっぱりベンチャーっていうものの社会的な知名度、セールスも上がりつつあるんですけれども、やはり日本のベンチャーに興味を持っている方、若い人に決定的に欠けているのは、やはり海外に対しての感度っていうのが非情に弱いと思います。

つまり海外に行く人が少なくなっている。

かつ海外の情報をまあ英語になるわけですけれでも、英語の情報をきちんと消化している人っていうのがあまりにも少なすぎていて、それはたぶん日本語の情報が十分あって、日本は非情に居心地がいいから、なかなか苦労するっていうのが人間難しいわけですからできないんですけれども、これからの時代っていうのはあえて自分に負荷をかけるような、特にベンチャーとかイノベーションに興味があるような若い人たちは英語ベースの情報にどんどん触れて、海外にどんどん出て行くと。どんどん外に出てくっていうことをデフォルトにしていかないと、なかなか新しいことはたぶんできないと思います。

なのでそういう意味では大いにですね身軽な内に海外に出て、いろんな文化を経験していろいろトライして失敗が致命傷にならないうちにどんどんいっぱい失敗してですね、そこから学ぶようなプロセスっていうのを習慣化してほしいなというふうに思います。

最終更新日:2015年12月28日
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