イギリスで実施されているPRTR制度は、汚染目録(Pollution Inventory;PI)と称されている。PIは、環境省(Environment Agency)が規制している産業活動に伴って施設から排出される汚染物質の排出目録である。PIはCRI(Chemical Release Inventory;化学物質排出目録)を改変し1998年に導入されたもので、以降毎年公表されている。
PIの根拠法は、汚染防止管理法(Pollution Prevention and Control Act 1999)、環境保護法(Environmental Protection Act 1990)及び 放射性物質法(Radioactive Substances Act 1993)であり、また、EUのIPPC(The Integrated Pollution Prevention and Control)指令が加盟各国にEPER(European Pollutant Emission Register)のためのデータ報告を義務付けていることから、近年その規定への対応が進められている。
PIの主たる目的は以下のとおりである。
- 産業及びその他の汚染発生源について、地域別あるいは全国的な情報に容易にアクセスできるようにすること
- 環境保護のための規制に役立つこと
- 国内外の公約や義務を果たすための報告書作成に役立つこと
対象物質は183物質(大気:129物質、水質:79物質)で、物質の選定及び基準量は、第1ステップとして、EPERの対象物質か否かということで判断される。対象外の場合、イギリスの環境基準物質か、京都議定書の対象物質か、あるいはUNECEやUNEPの基準等が勘案される。(全部で8段階)
データの収集(報告)は紙媒体が基本であったが、一部の施設(下水処理場)について2001年から電子媒体での届出を先行導入した。これが上手くいったことを受け、2002年のデータの届出は全ての対象業種・施設で行えることとなった。ただし、まだ紙媒体での届出がなされるものがある。なお、情報公開(企業機密)に関しては、データ保護法(The Data Protection Act)が1998年に制定されている。
PIの公表データは、アクセスが容易にできるようにwebサイト上に公表されている。そして、グラフ表示、地図の表示及びデータの分析等の情報提供もあわせて行われている。
公表される(webサイト上で閲覧できる)項目は下記のとおりである。
- 排出源の住所
- 産業分類
- 工程分類
- 経路(大気、水質、土壌等)
- 物質名
- 排出量
なお、排出年も示されているため、年別・物質別の排出量が分かるようになっている。
英国における化学物質排出管理制度の詳細については
英国環境省のホームページ(英語)を御参照下さい。
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