悪質な海外商品先物取引にご注意を!


1.海外商品先物取引とは

1−1.海外先物取引とは

  海外先物取引とは、海外(米国、英国、シンガポール等)にある取引所において上場されている商品等の先物取引です。

 ※ 具体例

    ・米国:シカゴ・ボード・オブ・トレード(CBOT)に上場されている「大豆」「小麦」「とうもろこし」等

    ・米国:ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に上場されている「原油」「金」「銀」等

    ・英国:インターコンチネンタル取引所(ICE)(旧国際石油取引所)に上場されている「原油」等

    ・英国:ロンドン金属取引所(LME)に上場されている「銅」「アルミニウム」等

1−2.先物取引とは

 先物取引とは、将来の一定の時期に商品を受渡しすることを約束して、その価格を現時点で決める取引で、商品等の公正な価格形成等をするために必要な取引です。決済の方法は、約束の期日に実物の商品(現物)の受渡しをする方法だけでなく、期日までに現金で取引の差額を授受すること(差金決済)もできるのが特徴です。先物取引は証拠金取引であるため、取引の対象となる総取引金額は、商品によっては取引に際して預託すべき証拠金の数十倍程度となるものもあります。したがって、相場が予測に反して推移した場合には損失が発生する可能性があり、 価格変動の幅が小さくても総取引金額では大きな額の変動となるため、相場の変動の幅によっては損失が預託した証拠金を上回るおそれがあります。

1−3.「海外商品先物取引」と「国内商品先物取引」の違い

 先物取引には、「海外商品先物取引」と「国内商品先物取引」があります。「海外商品先物取引」は、「海外の商品取引所における上場商品の取引」であり、「海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律(海先法)」で規制されており、次のような事項を定めております。
  なお、「国内商品先物取引」は、「日本国内の取引所における上場商品の取引」 ですが、詳細についてはこちらを御参照下さい。

 
2.海外商品先物取引に対する規制

2−1.書面の交付
 
  1. 海外商品取引業者は 、海外商品市場における先物取引の受託等を勧誘するときに、契約の概要を記載した書面を顧客に交付しなければなりません。
  2. 海外商品取引業者は、海外先物契約を締結したときは、その内容を明らかにする書面を顧客に交付しなければなりません。
  3. 海外商品取引業者は、顧客から売買注文を受けたときは、その内容を明らかにする書面を交付するとともに、顧客の売買注文に係る先物取引が成立したときは、顧客に売買報告書を交付しなければなりません。
  4. 海外商品取引業者は、保証金を受領したときは、その旨を記載した書面を交付しなければなりません。

2−2.顧客の売買指示についての制限
 
 海外商品取引業者は、顧客が当該事業者の事務所まで出向いて売買注文する場合を除き、海外先物契約を締結した日から14日を経過した日以後でなければ顧客の注文を受けてはなりません。

2−3.違法あるいは不当な勧誘、受託行為の禁止
 
 海外商品市場における相場の変動等について虚偽の事実を述べたり、絶対にもうかるなどと言って取引に誘い込むこと、顧客に迷惑な勧誘 等は禁止されています。詳細についてはこちらを御参照下さい。
 
2−4.先物取引の成立価格の推定
 
 顧客が価格を特定しないで売付けまたは買付けの注文をした場合、顧客に有利な一定の価格で先物取引が成立したと推定することになっています。

2−5.その他
 
 主務大臣(経済産業大臣及び農林水産大臣等)は、海外商品取引業者に対し報告徴収及び立入検査ができ、また、海外商品取引業者が本法に違反した場合には、業務停止命令をかけることができます。

 (注)本法における用語の意味は次のとおり。

「海外商品市場」 外国に所在し、かつ商品の先物取引が行われる市場であって、政令で指定するもの。(詳細についてはこちらを御参照下さい。)
「海外商品市場における先物取引の受託等」 海外商品市場において先物取引を行うことの委託を受け、又はその委託の媒介、取次ぎ若しくは代理を引き受けること。
「海外商品取引業者」 海外商品市場における先物取引の受託等を業として行う者。
 
 
3.トラブルにならないために

 海外市場における商品取引は、時々刻々変わる海外の相場を確認するのが困難であること、商品相場のみならず為替相場の変動も考慮に入れなければならないこと等から、一般委託者にとっては馴染みにくい取引です。
  海外市場における商品取引については、国内の市場での取引と異なり、事業者によっては自社資産と顧客資産の分別管理を行わずに海外市場での取引を行っていた例があり、また、 事業者の手数料等の料金体系も一定の統一された基準がある訳ではなく、各社が自由に決定しております。
 したがって、 取引を行うに当たっては、海外商品先物取引自体の特性や内容、リスクについて十分理解することはもちろんのこと、海外商品取引業者の信頼性や顧客資産の保全方法、手数料等について も十分検討した上で、自己責任により取引することが必要です。
 仮に、取引をする意思がない場合には、あいまいな返事をせずにはっきりと断ることが肝要です。また、取引内容が理解できない場合や、取引を行うつもりもないのに執拗な勧誘を受けた場合も、同様にはっきりと断ることが肝要です。
 
 こうした海外商品市場を舞台とした商品取引について、一般委託者が取引の特性や内容を理解せず取引に参加し、結果的に多額の損失を被るケースも見受けられます。
 従来、我が国では、香港の商品市場で取引される大豆・砂糖・金等の取引を勧誘するケースが多数見受けられましたが、最近では、アメリカ(NY・シカゴ)、イギリス(ロンドン)等の大豆、砂糖、石油、コーヒーなどの取引を勧誘するケースが多くなっています。
 
 海外商品取引業者の次のような行動・言動には十分注意しましょう。(これらの行為は違法行為です。 仮に、取引をする意思がない場合には、あいまいな返事をせずにはっきりと断ることが肝要です。また、取引内容が理解できない場合や、取引を行うつもりもないのに執拗な勧誘を受けた場合も、同様にはっきりと断ることが肝要です。 )
  • 海外商品先物の勧誘だと告げないで、勧誘する。
  • 海外商品先物の勧誘を一度断ったにもかかわらず、再度勧誘する。
  • 「絶対もうかります」「銀行預金より有利」「損が出ても会社で負担します」「安全確実な投資」など、必ずもうかるかのごとく勧誘し、何時間もねばる。
  • 顧客が頼んでもいないのに勝手に取引を行い、これを顧客に押しつける。
  • 顧客の注文を海外商品取引所に取り次がず、自ら相手方となって売買を成立させる(いわゆる呑み行為)。
  • 架空の相場を用いて損金を発生させる。
  • 会社等職場の忙しい時を狙って電話をかけ、客の「もういいです」「結構です」との断りの言葉を「同意した」と逆手にとり、注文したからと契約を迫り断ると「裁判沙汰にする」と 脅す。
  • 海外商品取引業者自らが債務超過状態にあり、顧客の利益を害するおそれがあることを知りながら勧誘する。
 

4.相談窓口

 海外商品先物に関する相談については、経済産業省で受け付けております。(大豆、砂糖、コーヒー等の農産物資については農林水産省でも受け付けております。)

【経済産業省】
  経済産業省本省及び各地方の経済産業局の消費者相談室
    本 省 03−3501−4657  近 畿 06−6966−6028
    北海道 011−709−1785  中 国 082−224−5673
    東 北 022−261−3011  四 国 087−811−8527
    関 東 048−601−1239  九 州 092−482−5458
    中 部 052−951−2836  沖 縄(総合事務局)
                          098−862−4373
                    (本省・各地方局とも相談専用番号)

【農林水産省】

  農林水産省総合食料局商品取引監理官
   海外商品取引110番  03−3501−6730
   及び各地方農政局生産経営流通部食品課
    東 北 022−263−1111  近 畿 075−451−9161
    関 東 048−600−0600  中四国 086−224−4511
    北 陸 076−263−2161  九 州 096−353−3561
    東 海 052−201−7271  沖 縄(総合事務局)
                          098−866−0031
                          (各地方局は代表番号)