1.商品先物取引の仕組み・特徴
商品先物取引とは、将来の一定期日に一定の商品を売り又は買うことを約束して、その価格を現時点で決める取引です。
その特徴としては、
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この将来の約束期日以前であればいつでも、反対売買(買っていたものを転売し、又は売っていたものを買い戻すこと)をして、取引開始時点と反対売買時点の商品価格の差額を清算して取引を終了(差金決済)することができること、
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| (2) |
取引に入る段階で必要な資金は、「証拠金」(商品価格の概ね5〜10%)という担保金であり、これを預託することによって大きな取引(商品価格の総額は10〜20倍もの額となります)ができるレバレッジ(テコの原理)による取引であること、 |
があります。
【具体例】4月20日に、@決済期日(納会日)が6月20日である(「7月限り」)、Aガソリンを1枚 (50kℓ)、B現時点で決められる価格である65,000円(1kℓ)で、C買うことを約束する。
※ガソリンの取引の最少単位(1枚)は、50
kℓ
※ガソリンの1枚あたりの取引本証拠金は13万5000円とする。

13万5千円の取引本証拠金で325万円(65,000円×50kℓ)相当の取引が可能。
@4月30日に転売すると、5万円(1kℓ当たり1,000円)の差益が生じる。
A5月30日に転売すると、5万円(1kℓ当たり1,000円)の差損が生じる。
B6月20日の納会日まで転売しなければ、1kℓ当たり65,000円で50kℓガソリンを購入することができる。
[7月限り(6月20日が納会日であるもの)の価格の推移]

2.商品先物取引の意義
商品先物取引を行う商品先物市場は、市場メカニズムを基本とする資本主義経済に不可欠な存在だとされています。
商品先物市場は、「公正な価格指標の形成」と「価格変動のリスクヘッジ」などの産業インフラとしての重要な経済的機能を担っています。
「公正な価格指標の形成」とは、商品先物市場においては、不特定多数の売り手と買い手による取引を通じて日々価格が決められており、この商品の生産・販売等を行う事業者(当業者)などにとって、ここで形成された価格が実際の取引における価格指標として活用されるということです。
また、「価格変動のリスクヘッジ」とは、値動きの激しい商品を扱う事業者などは、商品先物取引を活用することによって、価格変動のリスクをヘッジ(保険つなぎ)できるということです。
加えて、「現物の取得・換金」機能もあり、商品先物市場を使って、事業者などは現物の商品を調達することができ、また、現物の商品を持っている事業者などは売却して現金を得ることができます。
また同時に、商品先物市場は、一般投資家(投機家)にとっての「資産運用・形成」の機能を担っており、商品先物市場で形成される価格の動向を予測して、積極的に売買を行うことによって、その差益を得ることもできます。但し、予測がはずれれば、差損を被る危険性もあります。少ない証拠金によるレバレッジ取引であり、多額の利益が得られる可能性がある一方で、多額の損失を被る危険性もあるハイリスク・ハイリターンの取引であることが特徴です。
商品先物市場のこれらの機能は、相互に補完的な関係にあり、商品を扱っている当業者のみならず、リスクを取ろうとする一般投資家の参加によって、その商品の先物市場の流動性が向上し、それが産業インフラとしての機能の発揮を支えることになります。
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