経済産業省
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産業構造審議会 第1回消費経済部会 議事要旨

日時:平成14年10月17日(木曜日)10時~12時00分
場所:経済産業省本館第2特別会議室

出席者

部会長代

野村豊弘 学習院大学 法学部教授

委員

池森賢二 社団法人日本通信販売協会 会長
石戸谷 豊 日本弁護士連合会 消費者問題対策委員会委員長
長見萬里野 財団法人日本消費者協会理事
加藤真代 主婦連合会参与
篠原 徹 日本商工会議所 常務理事(代理出席)
高巌 麗 澤大学 国際経済学部 教授
田中太郎 株式会社近鉄百貨店 代表取締役社長
田中利見 上智大学 経済学部 教授
中村芳夫 社団法人日本経済団体連合会 専務理事 (代理出席)
南条俊二 株式会社読売新聞社 論説副委員長
花房正義 社団法人日本クレジット産業協会 副会長
原 昭邦 社団法人日本訪問販売協会 会長
松本恒雄 一橋大学大学院 法学研究科 教授
御船美智子 お茶の水女子大学大学院 生活科学部 教授
宮村鐵夫 中央大学 経営システム工学科 教授
宮本一子 社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会 消費生活研究所 所長
山中博子 全国地域婦人団体連絡協議会 理事

事務局

小川秀樹 消費経済部長
押田 努 消費経済政策課長
粕渕 功 消費経済対策課長
平岡英治 製品安全課長
原 英史 消費経済政策課課長補佐
表 尚志 製品安全課課長補

議題

  • 経済産業省における最近の消費者行政について
  • 消費者政策小委員会の設置について

議事要旨

「経済産業省における最近の消費者行政について」事務局より説明の後、出席 者より下記のような発言があった。  
また、資料7に基づき、当部会の下に消費者政策小委員会を設置することが了 承された

資料4関

  • 資料4は、これまで行われてきた執行体制の強化である。今後の展望につなが るものとして、来年度の執行体制を強化するための予算・人員要求をおこなっているのか。 (事務局から、電子商取引、国際連携の分野を中心に予算・定員要求を行っている旨説
  • 消費者トラブルは増加しているのに反比例して消費者トラブルの相談窓口の人員が削減されている。国及び地方の消費者相談に係る人員体制を強化するよう要望する。

資料5関

  • リコールの社告を掲載する方は、できる限り目立たないようにしているように見受けられるので、資料5の「望ましい社告の例」のようにある程度見やすくなるということは結構である。ただし、活字の大きさについて全く触れられていないのが残念
  • リコールハンドブックで基準を定めたところであるが、実際に運用し効果を上 げていくために重要なことは、リコールの兆候をいかに発見するかという点で ある。品質の悪い製品を製造している企業は早く兆候を発見できるのに対し、 品質のいい製品を製造している企業は兆候の発見が難しい。欠陥は、先進的な 企業では数千万個に数個のレベルである。例えば、自動車では10年後に発見 されるというケースがあるが、10年分がリコール対象になるというのは極め て影響が大きい。(何もしないと)10年後に発見される兆候を1年後に発見 できるような取り組みを行っている企業もあるので、そういう点をしっかり調 査した上で、望ましい兆候発見手法を産業界全体に幅広く広めていくことが重 要である。また、具体的な基準としては、一部の製品で仕様規定が残存してい るが、兆候を発見するという観点から、性能規定化に切り替えていくという基 本的な考え方の見直しが必要

資料7関係

消費者信頼向上

  • 企業の自主行動基準について、国民生活審議会において最終段階に入っているが、これの活用方法については、必ずしも意見が一本化されているわけではない。これらの動きを念頭において、前向きに情報収集、評価及び今後の対応を検討する必要がある。
  • 成熟した企業では法律に更に上乗せした自主行動基準についても対応可能である一方、ベンチャー企業にとっては上乗せ部分の対応は困難である。小委員会の検討では、ベンチャー企業の扱いについての配慮が必要である。
  • 事前規制から事後規制へというが、行政コストとしては後者の方が高くつくため、「小さな政府」では対応不可能である。政府を大きくすることなく事後規制の効果を上げるには、企業の自主努力を促すことが必要。リコールハンドブックが策定された契機としては、一連の企業の不祥事であろうと思われるが、仮にこのリコールハンドブックが当時存在していたとしても、守られなかっただろう。企業の本音としては、法律を守っていたらビジネスにならないという意識がどこかに存在しているためである。これを改め、企業に対し法律を守るとビジネスにつながるという仕組みを提供することが重要である。例えば、コンプライアンスに主体的に取り組んでいる企業に対しては行政処分を軽減し、悪意の企業に対しては処分を重くする明確な基準を作成・公表することが考えられる。これにより、企業の合理的な行動(例えば、早期段階で捜査に協力するなど)を通じて行政コストをかけず、消費者信頼の向上を図ることが可能となる。

消費者啓発

  • 最近の風潮として、例えば、外国へ行った際に知っていながら偽物ブランドを購入するというケースが散見される。こうした行為は偽物製造者に荷担していることになり、製造者と同様に購入することも犯罪行為になるという意識が欠けている証左である。市場の健全な発展という観点から、消費者(特に若者)に対し、コピー商品や偽物商品を購入しないよう、厳しい倫理観を植え付けるためのなんらかの啓蒙が必要。
  • (西友の返金問題にみられるような)消費者(特に若者)の詐欺的行為の再発を防止するためには、教育の中にかかる行為を防止するような倫理教育を取り入れていく必要がある。
  • 現在は契約社会なので、契約とはどういうものかという基本知識について、学校教育で取り上げていくことが重要である。
  • 学校教育のスケジュールは非常にタイトであるため、消費者への効果的な情報提供のあり方についても検討が必要である。

公益通報者保護

  • 一般消費者から昨今の企業による不祥事をみていると、公益通報者の果たした役割というのは非常に大きいものがある。健全な産業振興のためにも、消費者保護基本法のみに委ねるのではなく、特に製品安全分野のような個別法においても公益通報者を保護する制度が必要である。

ADR

  • 実務家からみると、現状のADRについて、改善の余地が十分にあると思う。特に、PLセンターに関しては、企業側がテーブルにつかないため裁定段階まで到達する案件がない。例えば、金融分野では、ADRに関するモデル案が存在しており、この中で、企業側に対し「苦情相談で処理しきれないものはについては、基本的に、あっせん・調停に応じなければならない」という趣旨の規定が定められている。これくらい定めないとADRは進展しない。是非、小委員会で、これを参考にしつつ、ADRの見直し・整備について検討して欲しい。

他省庁との連携

  • 当省所管に限定した議論を行うと自ずと様々な点において限界がある。例えば、内閣府所管の消費者契約法との連携はどのようになっているのか。当然100%咬み合っているということはないだろうが、連携を深め効果を高めていくことが重要。そういう関わりのある部分について、客観的な評価及び今後の対応についても議論を行っていく必要がある。

その他

  • カスタマーズリレーションシップを重視している企業では、苦情「処理」という言葉は用いない。そういう情報を組織としてどう生かしていくかという観点から、マネジメントシステムの見直しという点まで踏み込んだ情報活用を行っている。海外では「ディビエーション」(想定していた状態から逸脱しているということであり、一概に悪いこととは限らない。)と呼んでおり、(1)ディビエーション段階の情報を収集するシステムと、(2)収集した情報を処理(さらに調査・分析)するシステムの2段階を用意している。苦情処理という狭い考え方ではなく、こうした海外の実態についてよく調査する必要がある。
  • 2年程前、金融庁(当時の金融監督庁)と経済産業省が共同で消費者の個人信用情報の保護についての取り組みを行っていたが、その後の個人情報保護法の審議等もあり、その取り組みが止まってしまっているのが現状。小委員会の論点項目として、個人情報保護(個人信用情報保護を含め)を含めるべきである。
  • 一つの金融機関で様々な業務が可能となったことに伴い、消費者にとっては、例えば、信販業と貸金業(中でも、やみ金業)の区別がつき難くなっている。割賦契約を締結したつもりが貸金契約を締結していたというトラブルが増加している。経済産業省だけでは難しいこをは承知しているが、他省庁では取り上げてくれないので、是非この小委員会の検討テーマに追加して欲しい。
  • 中古品市場の伸びは著しいものがある。地方の百貨店で質流れ品(その中心はスーパーブランドの中古品)の特売会等を行うと、10億円を越える売り上げになることもあるほど、大きな市場に成長しつつある。こうした二次市場での購入に関する被害が増えてきているということについても認識しておいていただきたい。
  • 論点メモに「消費者・企業・行政の関係」とあるが、この「企業」には純粋な企業のみならず学校や弁護士といったものも幅広く検討対象に含めて欲しい。

以上
(本議事要旨は速報のため、今後、修正される可能性があります。

 
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