経済産業省
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産業構造審議会消費経済部会第1回消費者政策小委員会‐議事要旨

日時:平成14年10月22日(火曜日)10時00分〜12時00分
場所:経済産業省本館第1特別会議室

出席者

委員長

松本 恒雄 一橋大学大学院法学研究科 教授

委員

遠藤 博志 社団法人日本経済団体連合会経済本部 本部長(代理主席) 
長見萬里野 財団法人日本消費者協会 理事
加藤 真代 主婦連合会 参与 
齋藤 雅弘 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会 幹事
塩野 譲 社団法人日本クレジット産業協会企画委員会 委員
篠原 徹 日本商工会議所 常務理事(代理出席)
高 巖 麗澤大学国際経済学部 教授
高芝 利仁 弁護士
高田 茂穗 東京都生活文化局消費生活部 部長
鍋嶋 詢三 社団法人消費者関連専門家会議 顧問
伏谷 博雄 社団法人日本訪問販売協会 副会長(代理出席)
万場 徹 社団法人日本通信販売協会 理事
宮本 一子 社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会 消費生活研究所 所長
山本 豊 上智大学法学部 教授
(50音順)

事務局

望月 晴文 商務流通審議官
小川 秀樹 消費経済部長
押田 努 消費経済政策課長
粕渕 功 消費経済対策課長
平岡 英治 製品安全課長 
原 英史 消費経済政策課課長補佐
表 尚志 製品安全課課長補佐

議題

  • 消費者、企業、行政の関係
  • 消費者取引と安全
  • 消費者信頼向上に向けての企業活動促進のための環境整備

議事概要

配布資料に沿って事務局より説明があった後、出席者より下記のような発言があった。([ ]は、事務局からの回答)

資料3関係

  • 内閣府の国民生活審議会でも消費者政策について検討が行われいるが、国民生活審議会と本審議会との関係をどう捉えればよいのか。  

    [国民生活審議会での基本的課題は、消費者保護基本法の改正を念頭においた大枠の議論がなされるものと認識している。当省は具体的な実定法を所管していることから、その関係等で国生審の審議内容は重なる部分もあるが、事務局レベルでも内閣府と適宜すりあわせをしながら検討していきたい。]

  • 資料3−3では、かなり包括的に幅広い課題が取り上げられているが、全てを議論していくことが可能なのか。

    [制度の具体論に関しては、基本的には当省所管の制度について議論していただきたいと考えている。その他の民間の自主努力促進のための環境整備等については特に所管というものはないので、幅広く論じていただきたい。]

資料4関係

法制度

  • 消費者には該当しない(すなわち保護対象とならない)寺や零細商店に対するリース取引に係るトラブルが増加している。このような零細商店等に対しては消費者と同様の保護がはかられるよう検討していただきたい。
  • 特商法の指定商品制については、トラブル発生に伴い、適切に追加しているということであるが、例えば、英語の塾だと法規制の対象となるのに、パソコンの塾でしかも大量の教材を売りつけるような形態については対象になっていない。トラブルを引き起こすものとして、パソコンの次に新たにどういうサービスが出てくるのか分からないが、色々な教育産業が出てくる可能性は高く、追加はどうしても後追いになってしまう。規制は最小限が適当で、毎年追加しているとはいっても、それまでに被害が発生している現状を考えると、指定商品制の撤廃が妥当ではないか。
  • 資料3−3の図の「法令によるルール」の部分で行政規制や民事ルールが挙げられているが、この分野について、国際水準と比較して見劣りする部分を引き上げるということを是非お願いしたい。例えば、日本ではクーリングオフ制度が業法の中に入っており、行政規制と民事ルールが合わさった形になっている。日本のクーリングオフ制度の内容は非常に充実していて、書面の交付がなければ原則いつまでもクーリングオフが可能であるとか、返送の際の送料も一切かからないとか、消費者の負担がないものとなっている。しかし、業法の中に入っているための制約というものがあって、その部分が世界的な水準からすると見劣りするという感はどうしても否めない。業法である以上、確かに指定商品制の全面廃止というのは難しいと思われるが、民事ルールについては適用範囲を拡大し、国際水準まで引き上げることができないのものか。

法執行

  • 資料4−1注2に指示段階での公表が2件とあるが、その基準はあるのか。原則公表と考えてよいか。また、警告メールを送信した後の対応状況はどうなっているのか。

    [14年2月から原則公表している。ただ、2月以前の行為に対しては公表を控えているところ。また、警告メールに関しては、送信後フォローアップ調査を行い、改善がみられないところには、報告徴収等の処置をとっているところ。]

  • 特定商取引法に関して)指示の具体的な内容及びどのような業態についてどういう指示をしたのか、について業務停止命令も含めて平成13年、14年ぐらいでまとめて紹介していただきたい。
  • 警告から改善、指示、業務停止命令等までどれぐらいかかるのか。無視すれば数ヶ月違反状態を継続することは可能なのか。

    [期間については一概にはいえない。悪質なところには適宜報告徴収等を行っているが、対象業者が多数のためその程度はかかることもある。]

  • 都道府県でも5件公表されているが、本省から都道府県に働きかけを行っているのか。あるいは都道府県に任せているのか。

    [2件は東京都であり、これは都の判断で公表がなされたところ。ある程度任せている状況である。]

  • 指示段階で公表されていることを知らなかったので、公表をどのように行っているのか知りたい。また、積極的にやることによって業者に緊張感が生まれ、適正な行動が促されると思うので、どんどんやっていってもらいたい。
  • 総務省と二本立てで迷惑メールの規制をやっているが、それに関する結果等の公表その他の運用は、両省でよく協力して欲しい。
  • 法制定や法改正で終わってもらっては困る。実態が改善されるのは、それを適正に運用して良い事業者が残り、悪い事業者が淘汰されるプロセスであって、それこそが大事である。そこを消費者に分かる形で見せていって欲しい。
  • トラブルが発生している形態として、最近電話勧誘販売に関するものが非常に多いが、テレマーケティング協会が自主的措置として行っているセールス電話拒否サービス(TPS)などは、もっとPRされてもよい。
  • 東京都としても、違反事業者に対しての指示及び公表を積極的に行っていく所存である。

製品安全

  • 石油ストーブのタンクの蓋がしっかり閉まらないことが原因での事故が減らない。これまでは、不注意や誤使用等として消費者の責任とされており、製品の改善が促されないのが現状。また、対応もメーカーにより様々であるので、技術力で補える部分は、JIS化促進、安全規制等で対応して欲しい。
  • 石油ストーブの事故に関して、同じ類型の事故が多いというのは、もはや誤使用とはいえないのではないか。製品に何らかの欠陥があると考えた方がよいのではないか。

    [資料4−15で「御使用や不注意による事故」の上位5品目の中に挙がっているように、例年石油ストーブは事故が多く、かつ誤使用あるいは不注意ということで整理されている。これだけ多いということは何かしら改善の余地があるのではないかとの観点から、誤使用に関する調査で石油ストーブをとりあげており、その結果を踏まえて対応を検討したい。]

  • 資料4−9に関して、製品安全の認証に係る事務・事業を行う機関について、認定制度から登録制度へ製品安全4法が改正予定である旨の記述がされているが、安全に関わるものについてこのような方針をとるというのはリスクが大きいのではないか。簡単にそのような登録制にしてよいのか。

    [認定には行政の裁量が入る余地があるので、これを排除するための登録制への移行とされており、安全に対する基準を下げるものではないと考えている。]

  • 周りに外国製品があふれている中、製品の安全性、品質について、国産品と輸入品が本当にイコールフッティングになっているのか疑問が残る。例えば、中国の工場で作られる製品は、性能面では国産品と大差ないところまで来ているが、耐久性に問題がある。中国では人件費が安いため、壊れても修理すればよいという考えに拠っているからである。それはそれとして認められるとしても、安全性に関わる問題については看過できないのではないか。また、製品安全4法は輸入品については輸入業者に責任を負わせており、これはこれで効率的であると思うが、輸入品にトラブルが起こった場合に、零細輸入業者が倒産してしまう可能性があることに注意が必要である。

    [製品安全4法においては、国産品も輸入品も同等の安全性を求めている。EUやシンガポールと締結した相互認証協定に関しても、協定に基づいて輸入された製品に安全上問題がないことが確保されるかとの観点から、交渉に望んだ。]

  • 安全性の判断に耐久性の観点は入っているのか。

    [指定品目の技術基準においては、必要に応じて、耐久性の観点が入っている。しかし、全ての部分について基準が設けられているわけではなく、また基準というものは常に見直していかなければいけないものと考えている。]

  • 「温水洗浄便座」の電気回路の具合が悪くなったので、その部分の修理を業者に頼んだところ、技術上不可能であると断られ、全て取り外して廃棄することとなった。そこで、新製品を購入したが、(脱臭機能にばかり気をとられていて)騒音に気づかなかったが、夜になると下の家に響いて困っている。消費者の目から見ると、提供されるべき情報がずれていると感じる。温水洗浄便座については、騒音(音の大きさ)や電気回路の耐久年数というような表示が必要なのではないか。

資料7関係

自主行動基準

  • 内閣府の国民生活審議会で自主行動基準の策定について議論されているが、本審議会においても、消費者問題に限定して各企業にコードコンダクト・倫理綱領を作って欲しいという形での議論になるのか。実際の企業は、(消費者問題に限定することなく)独禁法等も踏まえた幅広いコンプライアンスマニュアルを作るのであり、その実態を無視して消費者問題に限定されたものを作って下さい、というのは非現実的である。各省庁がその所管に限定したものを作ってくれというのは非生産的であり、全省的に纏まって欲しい。
  • 企業が自主行動基準をつくる際に、指針となるのは最近経団連の作った企業行動憲章であろう。しかし、それでも足りない部分があり、また、経団連傘下でない企業についても妥当する大枠の倫理綱領的なものが存在しない。その段階を踏まえないと自主行動基準の策定に到達できないのではないか。

アフターサービス・原産国表示

  • 近時の議論は、国内企業にコンプライアンス体制の構築を促すというものだが、身の周りの製品がほとんど外国製品となっている中で、国内企業にのみ促しても効果が薄いのではないか。例えば、日本製品は購入後もそれなりに保証されているが、輸入製品についてはアフターサービスの保証はなされていないのではないか。それらについて今後考えなくてはいけないのではないか。また、産業構造がグローバル化した現在、製品購入に際し原産国が表示されているのが望ましいと思われる。現在の家庭用品品質表示法には原産国表示義務はないが、何らかのかたちで消費者に原産国の情報が伝わるようにすべきではないか。

    [法律上は、輸入する事業者に対して製造する事業者と全く同一の義務を課している。輸入品が増えている現状を踏まえて輸入事業者が義務を果たしているのか検査等を実施して確認していく必要がある。限られた体制ではあるが、適宜立入検査等を行い、法執行の効果を高めていく。]

  • アフターサービスの保証については、輸入業者にもお願いしているのか。

    [輸入業者の責任については、製造自体が外国の一つの工場でなく、様々な国で作られた製品を集積して外国で梱包して、輸入していることを踏まえ、国内法でどのように規制して製品の安全を確保していくのかを検討していく必要があると考えている。]

  • アフターサービスについて、EUでは法律でかなり整備されたのに対し、日本の場合は特別の法律があるわけではなく、例えば、家電製品では(業者への)お願いベースでやってもらっているのが現状。そういう意味では非常に不透明で、最終的には各事業者と消費者の判断に依存している。どれぐらいの期間保証しているのかを事業者が表明することによって、消費者が評価・購入判断を下しているという現状を踏まえると、(保証内容ではなく)保証期間についての表示の義務づけというような方向で考えてはどうか。

消費者志向の環境整備

  • 消費者志向優良企業表彰については、企業側も様々な行動基準をとるようになっており、表彰制度創設時とは環境がかなり異なってきているという印象を受ける。どういう観点で表彰を行っているのか分からないが、近年の状況を踏まえて見直しをしてみてもいいのではないか。
  • 企業の格付けなどの環境整備についても検討を行っていただきたい。
  • 企業の消費者志向について、その心構えを促すだけでは難しいのではないか。実際に機能させるためには、システム化するという議論がどうしても必要である。今回の資料では民間サイドということで整理がなされている。JISからは苦情処理などが出ているが、それ以外にもできるかどうか、行政サイドからの企業の消費者志向の支援という意味での環境整備の観点に期待したい。

以上

(本議事要旨は速報のため、今後、修正される可能性があります。)

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