経済産業省
文字サイズ変更

審議会・研究会

企業価値研究会(第4回) 議事要旨

  1. 日 時:平成16年11月25日(木) 15:30~17:40

  2. 場 所:経済産業省 17階 第一特別会議室

  3. 出席者:
    神田座長、石綿委員、梅本委員、大澤委員、大杉委員、佐山委員、柴田委員、武井委員、寺下委員、西川委員、畑委員、八田委員、八丁地委員、藤縄委員、堀井委員、松古委員、松田委員、村田委員、柳川委員、他

  4. 議 題:
    (1)欧州における防衛策の実態について
    (2)企業買収に関する経済理論について
    (3)今後の進め方について

  5. 議事概要
    武井委員、柳川委員より、それぞれ「欧州における防衛策の実態」、「企業買収に関する経済理論」について報告を行った後、質疑応答。最後に、事務局より今後の進め方について概略説明。質疑応答における主な質問・意見は以下のとおり。
     
    (1) 欧州における防衛策の実態について

    <EUディレクティブの今後の方向性>
    ○ EUディレクティブの採用については、各国の裁量に委ねられたが、現況ではどのような選択がされているのか。
    ⇒EUディレクティブは本年4月に正式採択されたものであり、2年間の間に各加盟国が各々法制化することになっているので、早晩明らかにされるはず。

    <欧州におけるライツプランの導入について>
    ○ 平時であれば、英国でもライツプランを導入することは可能であるとのことだが、実際に買収がかかった場合には、ライツプランが消却させられるのであれば意味ないのではないか。
    ⇒ライツプランが発動する段階で議論が行われるということであり、必ず消却させられる訳ではない。出口の場面で議論が行われるので、入口については特段の制約が規定されてはいないということ。
    ○ ドイツなどの大陸法系統の国でライツプランを導入することは可能なのか。
    ⇒ドイツでは新株引受権の問題などがあり導入は困難。また、過去においては、複数議決権など種類株式の活用も図られていたが、現状では規制される方向にある。取締役の期差制は可能とされており、解任に対する法的な制限もある。

    <Mandatory bid Ruleについて>
    ○ Mandatory bid Ruleは第三者割当増資などを行った場合においても適用されるのか。
    ⇒適用される可能性が強い。Mandatory bid Ruleの制約はかなり強く、共同保有者も併せて持株比率が30%を超過した場合でも、トリガーが引かれることになる。ただし、会社救済の場合は例外となるなど、Mandatory bid Ruleには例外も多い。
    ⇒イギリスにおけるMandatory bid Ruleの例外の一つにホワイトウォッシュという条項がある。これは株式を30%以上購入したとしても、買収者以外の株主が総会で可決すれば100%のオファーをしなくてもいいというものである。
    ⇒Mandatory bid Ruleは100%オファーを出すことを定めているものであり、株主は募集に応じないという選択肢もある。ドイツの場合は、この募集に応じなかった株主を保護するための法律(コンツェルン法)も整備されている。

    (2)企業買収に関する経済理論について

    ○ 株価と株式価値は異なるとはどういうことか。例えば、企業が増配し、配当性向が上昇すれば株主にとっては好ましいことで、株価は上がるかもしれないが、企業としてはそれまでにためていたキャッシュを吐き出すことになり、会社としては企業価値が減少することになるということか。
    ⇒株価が正しい株式価値を反映しないことがあるということである。例えば、現在の株価は100円だが本来150円の株式価値を持っている企業が、買収者がその情報を知らないために、結果として、120円の株式価値しか実現できなかった場合、本来実現すべき株価とは異なった株価が実現してしまうということで、株式価値にとってはマイナスとなるということである。これが、防衛策を導入することで、情報のギャップが解消され、正しい株式価値が実現するものである。
    ○ 買収者が過大評価をして、例えば80円の株式価値しかないところを200円で買収してくれることは、会社や他の株主にとってはいいことではないか。その分を更に他の会社に投資してくれれば日本経済全体としてもいいことではないか。
    ⇒会社にとってはいいことかも知れないが、経済学的には企業は市場において本来の価値を有するのが望ましく、買収に見合わないコストがかかってしまうことは経済全体としてはマイナスになる。すなわち高い買収コストをかけることで、今まで良質な製品を作っていたのが、費用削減により悪化するなどの影響が考えられる。
    ○ 実務上では、買収者が本当は対象企業の価値を知っているのに、意図的に安い評価で買収をかけてくることが多いのではないか。そのため、ある程度買収価格を高めるための防衛策というものは必要になるのではないか。
    ⇒防衛策のために、本来の企業価値よりも高い価格で売られるのは経済全体としてはマイナス。更にコストが上がることで、買収者が抑止的になるのも問題がある。
    ○ 基本メカニズムに基づく防衛策の問題点は、買収者が投資家であることが前提であるのか。同業者による買収であればシナジー効果もあり、違った評価になるのではないか。
    ⇒買収者について特に限定はしていない。シナジーが生じる場合であれば、基本メカニズムに沿って考えるべきではないか。例えば100円の価値を150円に高めるような買収というのは積極的に行うべきであろう。


以上
 

▲ 研究会トップ
 
 

最終更新日:2010年3月31日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.