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審議会・研究会

企業価値研究会(第5回) 議事要旨

  1. 日時:平成16年12月22日(水) 15:00~17:20
     

  2. 場所:経済産業省 別館 第4特別会議室
     

  3. 出席者:
    神田座長、石綿委員、大澤委員、大杉委員、久保田委員、佐山委員、柴田委員、武井委員、寺下委員、西川委員、畑委員、八田委員、八丁地委員、藤縄委員、堀井委員、松古委員、松田委員、村田委員、柳川委員、他
     

  4. 議題:
    (1)主要論点及び考え方
    (2)敵対的買収に対する実践的な方策について
     

  5. 議事概要
     事務局より防衛策導入に関する「主要論点及び考え方」について説明後、石綿委員、武井委員より、それぞれ「新株予約権と信託を用いたライツプランの試案」、「買収防衛策をめぐる論点整理と日本の状況」について報告。その後、質疑応答を実施。質疑応答における主な質問・意見は以下のとおり。
     
    <日本における防衛策の導入について>
    ○ 欧米で取り入れられている防衛策について、日本でもそのほとんどは制度的には実現可能ではないか。ただし、抑止策としては効果はあるだろうが、制度的にできるからといって、実際にそれを用いた場合のリーガルリスクが無くなるかについては別問題。
    ⇒その通り。日本で制度的にできないということではなく、その防衛策を実際に使えるかということが問題。その中で、種類株式やゴールデンパラシュートのような「身を削る」防衛策よりは、ライツプランの方が問題は少ないのではないか。
    ○ 防衛策の導入の理由として、海外とのイコールフッティングが上げられるが、例えば日本と米国では社会的なインフラが異なり、ディスクロージャー制度の不足など「買収のしやすさ」という点で、日本は他の条件が米国と同等ではない。
    ○ 敵対的買収が、現金以外を対価とする場合や、部分買収、高圧的な買収であれば、防衛策も大義名分があるかもしれないが、全株式を対象に現金で買い付ける場合については拒否する理由はないのでは。提案価格が安いことを理由として、時間さえあれば他の買収者や経営者の提案が可能になるとは言えるが、結果として、株主から現金で株式を売却する自由を奪うことになるのではないか。
    ○ 企業にとって、「個人の責任を問われるかもしれない」仕組みを勧められても、現実として導入は難しい。現行法上の議論も大切だが、立法措置も含め、グリーンメイラー対策など、入り口規制の間口を広げることも重要では。
    ○ 今後、ディスクロージャーを徹底させたり、社外取締役を導入したり、委員会等設置会社に移行する企業は増加すると思うが、その観点から言えば日本で防衛策が何も無いのは問題。それでは、株式持合など昔ながらの防衛策を導入しようとする企業が増える可能性もある。

    <株主平等原則について>
    ○ 株主平等原則については、日本の法曹界には根強く刷り込まれており、これは簡単に覆せるものではない。日本の現状では利益相反となることから、経営者は合理性の立証はかなり困難だと思われる。

    <ライツプランによる財産権の侵害について>
    ○ ライツプランについては、買収者の持株比率を下げて、他の人の比率を上げるものであり、見方を変えれば特定の株主の株式を勝手に消却してしまうことと同様であるので、日本では認められない可能性が高い。取締役の賠償責任が問われる可能性もある。また、その他の株主にとっても、買収者が現れた際に新株予約権を行使しないと自分の株式の価値が減ってしまうことになるので、購入資金を無理に調達してでも振り込むことになり、その際には課税に問題も発生するという問題がある。
    ○ 財産権まで希薄化してしまうようなライツプランに対するニーズというのは少ないと思うが、議決権については、目的が合理的であれば有る程度自由に制限することも可能では。
    ⇒防衛策については、制度上可能なものはあっても、それが正しく使用されないと問題がある。そうした意味で「財産権の希薄化が起こるので悪い」というのは一方的過ぎるのではないか。ライツプランについては、米国では実際一度も発動しておらず、希薄化が起きたことは無い。そうした可能性の非常に低い局面だけを取り上げて、議論すべきではない。

    <ライツプランについて>
    ○ ライツプランの導入に関して、買収者の対抗手段として最終的に株主の意思を確認する「委任状合戦」の道が残されていれば良いとの意見があるが、委任状合戦はそれほど簡単ではない。TOBは具体的に現金などを提示するので株主も判断しやすいが、委任状合戦は提案内容の比較であり、TOBに比べるとずっと難しい。また、委任状合戦の局面で現金などを使う場合もあるが、もしも負ければ回収の方法もなく、買収者の負担感は大きい。
    ○ ライツプランは抑止策としては有効であり、企業も万が一負けるかもしれないから導入しないという姿勢ではなく、負けてもいいから導入するということも必要では。導入したとしても米国の例で分かるように本当に発動することは無く、どこかで妥協して消されることになる。

    <議決権行使について>
    ○ 議決権の行使については、昨年から抜本的に状況が変わっており、国内の機関投資家が活発的に行使するようになってきているし、総会での提案内容を審査する体制も整えられてきている。防衛策が導入されることになれば、欧米よりも厳しい基準が作られる可能性がある。

以上


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