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審議会・研究会

経済社会の持続的発展のための企業税制改革に関する研究会(第3回) 議事要旨

日時: 平成17年6月3日(金)10:00~12:00

場所: 経済意業省17階第1特別会議室

議題:
1.企業の所得課税以外の税負担
2.企業の公的負担と経済活力


議事概要:

1.「企業の所得課税以外の税負担」について
 事務局から資料説明の後、委員による自由討議。主な意見は以下のとおり。

(1) 地方税全般
○税制とは、企業の産み出す付加価値から如何に(適切に、効率的に)徴収するかということ。

○地方税の所得配分機能には限界があるので、地方税においては、応益性の原則を最も重んじるべき。

○法人課税は、国に一元化した方がよい。

○国民の間には、法人課税は住民(消費者)には関係ないという誤解があるが、消費税同様、負担は転嫁され、最終的には消費者等の一般市民が負担している。逆に消費税も消費者だけが負担しているわけではない。この点を国民に良く説明した上で、地方財源は、地方消費税を中心とすべき。

○地方税については、法定外税のように取りやすい所から取るという傾向が強いのではないか。応益性の考え方を徹底すべき。

○持続可能な経済社会の実現のためには、社会保障や税制といった全体的な仕組みを変える必要がある。個々の制度を、縦割りの中で変えても対応できない。

○単に、税負担を軽減するという視点からだけではなく、納税コスト・徴税コストといった社会コストを抑制する観点からも税制を議論すべき。例えば、徴収事務は国と地方が一体で行うべきではないか。

○最近の税制改正においては、徴税コスト・納税コストを最小化する視点が抜けている。今後、税制においてもこのような間接コストを抑えていくことが求められる。

○国税庁と地方自治体の税務部門の連携がうまく取れていないのは問題。


(2) 三位一体改革
○地方の歳出と歳入のアンバランスを解消するために、三位一体改革が必要。

○地方税収の拡充は必須であり、その際は、土地に係る固定資産税と個人住民税の重点化により進めるべき。

○歳入の確保の観点から地方税収の拡充が必要という点は理解する。ただ、年次改正においては、税制上のひずみは改正しなければならない。

○地方分権の観点から過度に税源移譲を進めると、逆に効率が悪くなる懸念がある。日本のような国土が狭く、一極集中した国では、国が一括して税金を徴収して、分かりやすく透明性のある基準により地方に配分した方が良いという議論もあるのではないか。

○個人住民税のフラット化は、富裕者の税負担を軽くし、低所得者の負担を大きくする点で問題があるではないか。

○個人住民税のフラット化は、応益性が明確になるので望ましい。低所得者については、国と地方に納めていた税金のうち、より多くを地方に納めようという発想。

○個人住民税のフラット化については、個人住民税を上げた部分を所得税引き上げにより調整するので、個人の税負担は変わらない。応益性の観点から評価。


(3) 法人が負担する主な地方税
1 法人住民税
○地方の現場の意見を言うと、大半の法人が、法人市民税均等割の5万円しか納税していないが、行政サービスの対価として、適切なエントリーフィーを支払うべき。

2 法人事業税
○法人事業税における外形標準課税は、納税者にも徴税者にも追加的なコストを生じさせている。

○法人事業税における外形標準課税は景気の低迷による税収の大幅減を補うために導入されたと理解。しかしながら、外形標準課税は応益性と普遍性が不明確であるので、地方消費税の方が適当であったのではないか。

3 固定資産税
○土地に係る固定資産税における負担水準について、導入当初は、6割~7割という幅を持った水準ではなく、6割という定まった水準に収斂させることが目的だったと理解。負担水準の全国平均が6割を超えている現在、上限を6割まで引き下げるべき。

○土地に係る固定資産税については、本来、負担水準ではなく、評価方法を統一し税率で差を付けるべき。

○土地に係る固定資産税については、地価が下がっているにもかかわらず、税額が増えるという不満があるが、それはその土地の負担水準が均衡化の目標に達していないという実態があるため。

○土地に係る固定資産税については、土地の収益力に対してどれだけ税負担が可能かを考慮した上で課税すべき。

○土地に係る固定資産税について、住宅地に係る過度の優遇措置(課税標準を1/6に圧縮)は見直す
べき。

○申告制になっている償却資産に係る固定資産税については、課税漏れが多い。公平性を確保することが重要。



2.「公的負担と経済活力」について
 事務局から資料説明の後、委員による自由討議。主な意見は以下のとおり。

○諸外国との比較において、日本の個人所得課税は相対的に軽く、法人所得課税は重いとされるが、日本の場合、本来所得税を払う事業者が「法人成り」によって法人税で払っているという指摘があることに留意する必要がある。

○社会保障負担を保険料とするか税にするかという問題については、税と言うと国民が拒否反応を示す一方、保険料では対価として進んで納める傾向があるというムード的な違いがあるものの、どちらも公的負担であることには変わりはない。ただし、制度として維持できるものにすべきであり、国民年金のように徴収率が極端に低いのは問題。

○医療・介護保険制度については、供給が需要を創出するという側面があり、問題。例えば、大病院ができて、それによって病気が増えるわけではないのに、医療費が1億円増えるといった事例がある。

○社会保障負担軽減のためには、子育てで退職した女性や働ける高齢者を再雇用する企業側の体制が不可欠。

○持続可能な社会保障制度を確立するためには、給付の即時引下げを行うべき。

○競争の激化により、企業の雇用体系が雇用契約から請負契約へシフトしていることを危惧。まじめに雇用契約を確保している企業の競争力を低下させている。

○企業の保険料の不払いについてチェックが甘く、国税庁と協力して強化すべき。

○雇用と企業と社会保障について統一的に検討する機関がないのは問題。

○LLCについても、イコールフィッティングの観点から、日本でも検討されるべき。

○税の転嫁の問題は、個々の取引における相手との力関係で決まるものであり、一定のパターンはない。

○ある国での消費者の購買力が税率によらず一定とすれば、消費税にしても法人税にしても、最終的には企業が負担することになるのではないか。そうすると、消費税はその国のマーケットに参加する企業が負担する一方、法人税はその国で製造する企業が負担することになる。その場合、それぞれの国の公的負担水準が同じであっても、法人税が低い国(日本国外)で製造し、消費税が低い国(日本)に輸出する方が有利に働き、我が国の国際競争力を阻害していないか。

○負担を誰に負担させようと、現在の社会保障制度ではその負担を賄いきれない。

○公的負担が企業活力に与える影響については、マクロ的な分析だけでなく個別事例の分析を通じて、よりリアリティーのある結果を示すべき。

○少子高齢化が進むことで、日本の貯蓄率は低下することが予想され、今後、海外からのファイナンスが重要となる。少子高齢化が資金の流れに与える影響も分析すべき。

○介護保険制度や医療保険制度の改革が企業活力に与える影響も分析すべき。


なお、本議事要旨は、事務局の文責にて作成したものである。


(以上)



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