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審議会・研究会

企業価値研究会(第6回)  議事要旨


                  
1.日時:平成17年1月19日(水) 16:00~18:10
2.場所:経済産業省 17階 第1特別会議室
3.出席者:神田座長、安達委員、石綿委員、梅本委員、大澤委員、大杉委員、久保田委員、佐山委員、武井委員、寺下委員、西川委員、八田委員、八丁地委員、藤縄委員、堀井委員、松古委員、松田委員、村田委員、柳川委員、他
4.議題:(1)事前警告型防衛策について
      (2)論点整理(案)について

5.議事概要
藤縄委員から事前警告型防衛策などについて紹介。その後、事務局より論点整理(案)を説明し、質疑応答を実施。質疑応答における主な質問・意見は次のとおり。
 
 <事前警告型防衛策について>
○ 事前警告型防衛策を採用した際に、敵対的な買収者と友好的な買収者が同時に買収提案を行ってきた場合、仮に敵対的な買収者が警告を無視して買収を進めたとしたら、株式分割などの防衛策が発動し、友好的な買収者まで損害を与えることになるのではないか。
⇒その時点では友好的な買収者はTOBをかけていないので、損害が生じるのは敵対的買収者のみとなる。
<対応策に関する意思決定の中立性の確保のあり方>
○ 防衛策の妥当性を担保するために、独立した社外取締役の関与など対抗策に関する意思決定の際の中立的なプロセスを確保することは必要であると考えるが、日本の社外取締役についてはその独立性に問題があり、その点において、現在の日本では防衛策の妥当性が担保される状況にないのではないか。
⇒株主総会決議をとった防衛策については基本的に問題がないので、独立した社外取締役がいない場合、株主総会の決議をとるというのも一つの選択肢ではないか。
○ 米国では、判例において独立した社外取締役の判断が一定程度尊重されており、中立的な判断をする者が対抗策に関する意思決定のプロセスに関与することは重要ではないか。
○ ライツプランが適法であるとすれば、実際に活用する企業が出てくると思うが、その場合、非効率な経営を行っている経営者がこぞって防衛策を導入してしまうおそれがある。そのため、対応策に関する意思決定に関与する社外取締役などの独立性について客観的な基準を定める必要がある。
○ 社外取締役などの独立性については、形式的な基準では判断できないのではないか。実質的に独立性が確保されているかどうか裁判所が判断できるよう、防衛策について最終的に裁判所で争える道を確保しておく必要があるのではないか。
○ 社外取締役などの独立性については、防衛策の適法性の話とは切り離して考えるべきである。独立性があれば裁判所が防衛策の妥当性について判断する際にプラスの要因になると思うが、独立性があれば必ず防衛策の妥当性が認められるということにはならないと思う。例えば、相手側が悪い買収者の場合、裁判所は独立性があまりない場合でも判断が妥当であった場合は認めると思うが、一方、相手側がよい買収者であった場合に、たとえ独立性が確保されていたとしても、判断が妥当なものでない場合は認められないということになるのではないか。

<濫用を防止するための監視メカニズムのあり方>
○ 対応策の濫用を防止するための機関投資家などによる監視メカニズムについてはもっと検討する必要がある。ただ、ルール化してしまうと形骸化してしまうと思うので、マーケットに任せた方がよいのではないか。

<ライツプランの財産権の侵害について>
○ 米国型のライツプランは日本においても適法とのことであるが、財産権を侵害するものは違法ではないかとの意見についてはどう考えるべきか。
⇒適法なものとして例示されているライツプランについては、有利発行でないライツプランということであり、財産権の侵害については一定の配慮がなされていると思う。また、有利発行となるライツプランについても、株主総会の特別決議が必要なため、財産権の侵害という問題に対して一定の配慮がなされていると思う。防衛策により現に株式を所有している株主の株式の財産的価値を引き下げてしまうような場合には、株主総会の特別決議を取るなど一定のプロセスを経る必要があるのではないか。

<日本における防衛策の導入について>
○ 以前、実際に防衛策が発動された場合に、経営者に対して賠償責任が問われるのではないかとの意見が出たが、では、事前に防衛策の発動について予告していれば賠償責任が問われなくなるかと言えばそういうことにはならないと思う。ただ、防衛策が合理的なものであれば、民法720条の正当防衛、緊急避難に該当するとして、違法性が阻却され、賠償額がゼロとなる場合もあり得るのではないか。
○ ライツプランなどの防衛策に関する情報の開示ルールの整備が必要と指摘されているが、研究会として法的整備を行うべきという考えがあるのか。情報開示を法的に義務付けようとする場合、規制強化につながるとして反対されることが多い。
○ 買収防衛策について考える場合は、売却したい人についても考慮する必要がある。日本の商法では株式の譲渡は原則自由とされているが、そのような日本の商法の精神を無視して、取締役会が防衛策の導入により委任状合戦までもっていけるようにするのはやりすぎではないか。

<その他>
○ 研究会として判断基準になるものをできるだけ明確に示してほしい。

                                       以上
 

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